朧月

カフェ・オーレ

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変わる世界

5.7

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数ヶ月経って、完全では無いが安定を取り戻して退院した朋美。
朋美の家族、私の家族、そして杏果と美菜で出迎える。

「やっとまともになったわね、私に言う事は無いの?」

腕を組んで朋美に詰め寄る杏果。
朋美は少し俯いて、ごめんねと謝る。
杏果は深い溜息をついた。

「私の彼氏とヤったって言うの、あれ嘘なの。皐月も朋美も、そう言わないと自分の身体を安売りするから」

「えっ!?嘘だったの!?」

割り込む様に私が声を上げて驚くと、杏果は思い切り私の頬をつねった。

「そう言った後で私のお兄ちゃんとヤってたけどね」

「ごめんなひゃい…」

朋美の家族と、私のお母さんでレストランに入って行き、一年ぶりに私達4人は街中をブラブラと歩く。
お揃いのネックレスを買って身につけ、喫茶店に入ってすぐに、将来の話で盛り上がっていた。

「専門学校かぁ~、2人ともよく受かったねぇ」

杏果と美菜は、美容師の専門学校に受かって入学したばかりだそうで。
今日は2人で休んで朋美を迎えに来たと話す。

「朋美はしばらくニート生活しなきゃ駄目だけどさ、皐月はどーするの?」

「一生ラブホの清掃員!!楽しいよ!!」

「夢無さすぎでしょ…。いーじゃん、彼氏と結婚して専業主婦になれば!」

呆れながらコーヒーを飲む杏果と朋美。
私と美菜はクリームソーダを頼んで、冷たいアイスを頬張る。

将来の事を考えた事は無かったが、皆それぞれの道を真剣に考えていた。

「そーだ!朋美、良い男でも紹介してあげよーか?4月は出会いの季節だって言うし、あんな男の事忘れなきゃ駄目っしょ!」

美菜はフフフーンと鼻歌を歌いながら男友達と連絡を取り始める。

「マッチョでお願いね」

朋美が希望の条件を言うと、美菜はニヤニヤとしながら男友達の顔写真をパッと見せた。

「カッコいいしイケメンでしょ?マッチョだし、しかも歳上!どーよ」

「えぇ!!私こいつら知ってるんだけど!!」

プロフィール画像に写っているのは、海パンを履いて笑顔でピースしている竹内と道重の姿。
びっくりしてそう言うと、美菜も驚いて私を見る。

「世間狭すぎでしょ!何で知ってるの!?」

「それ相原の友達だよ!」

そう言うと、竹内がどんな人なのかを質問責めする杏果と美菜。
朋美も興味津々で私の話を聞き、すぐに紹介しろと言い始めた。

「ともちゃん残念だね!入れ違いで会社に入って来た子だよこの子」

「はぁん…馬鹿な事しなきゃ会えたのね…」

ガクッと机に塞ぎ込む朋美を見て3人で笑う。
すぐに竹内に連絡すると、会いたい!との返事が。
そうして、竹内と朋美を会わせる事になった。
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