32 / 99
1章 青年期
21話 煙のシム 上
しおりを挟む
クリフが酒場のマスターやヘクターに連れられ、評議会議員の元に出入りし始めたのはコオロギが鳴き始めた頃のことだった。
自由都市ファロンに領主はおらず、8~14名の評議会議員の合議により運営されている。
評議会議員の人数は時代と共に変化したが、この時代は9人だ。
評議会議員は衆望の有るものが他の評議会議員の他薦で就任する。
他領の貴族の係累が実家の援助で就任することもあれば、叩き上げの商人が就任する場合もある。
クリフはヘクターと共に評議会議員の元へ行き、ヘクターと議員が何やら打合せをしていたのを黙って眺めているのだ。
どうやら、打合せが終ったようだ。ヘクターが挨拶をし、部屋から退出する……クリフも倣って部屋から出た。
「お前さん、もう少し口出ししても良いんだぜ?」
無駄に長い廊下を歩きながらヘクターがクリフに声を掛けた。
「お前さんが意見をする分にはエイブだって嫌な顔はすめえ。むしろ喜ぶはずさ。」
「……エイブ?」
クリフは思わず聞き返した。知らぬ名だ……たしか先程の議員も違う名だったはずである。
「あん? ひょっとして……」
呆れた顔つきでヘクターが説明を始めた。
何のことはない、エイブとは酒場のマスターのことであった……思い返せばクリフはマスターの名前を知らなかった。酒場の客と店主の関係とはその程度であるとも言える。
ちなみに酒場は股旅(またたび)亭と言う……これもクリフは忘れていた。いつも「冒険者の酒場」とか「いつもの酒場」とか読んでいたため、屋号を気にしなかったのだ。
「かっかっかっ、そんなんで良く貴族のお嬢ちゃんを口説いたもんだ。」
ヘクターが実に愉快げに笑う。
クリフとハンナが婚約したことは既に周知の事実であり、このネタでヘクターは再三とクリフをからかっている。
評議会議院の役宅を出た2人は冒険者御用達の……もとい股旅亭に向かった。
…………
「すまなかったな……お前さんには退屈な話だったとは思うが、冒険者組合(ギルド)の立ち上げに加わったって事実が大事なのさ。」
マスターがクリフの杯に酒を注いでくれた。
名前を知ったところで、クリフにとってはマスターはマスターである。
「予定地は2番通りか7番通りだな。」
「む……絞られてきたな。」
ヘクターとマスターが何やら地図を拡げて打合せを始めたが、正直に言えばクリフには良くわからない。
ちびちびと炙った塩漬け肉を噛じりながら酒を飲むだけだ。
「クリフ、お前さんはどう思う?」
「……わからない。」
マスターがクリフに水を向けるが、考える素振りすら見せないクリフに溜め息をついた。
…………
午後になり、ハンナがエリーを連れて酒場にやって来た。
エリーは以前ハンナが使っていた従業員用の部屋で昼寝をするのだ。
ハンナはエリーを寝かしつけてからクリフの隣に座る。
ウェイトレスのはずだが、実に気儘(きまま)な振る舞いである。しかし、この酒場に出入りする者は皆、彼女に逆らっても碌(ロク)なことにならないのを知っているので見て見ぬ振りをしているのだ。
「ハンナ……2番通りと7番通りはどっちが好きだ?」
クリフがハンナに尋ねる。
ハンナは口をへの字にしながら「うーん」と考え込み始めた。
「2番通りは……商店街よね、クリフは商店を開くのかしら……? そうしたら私は女将(おかみ)さんか……できるかしら。でへへ」
美人がニタニタと笑いながら身をくねらせ、何やらブツブツと呟く姿は不気味ですらある。
「7番通りは問屋街よね。静かだし、敷地も広いから子育てには良いわ……広い庭で子供たちに剣を教えるの。子供は沢山欲しいな……うひ。」
うっとりとした顔で現世と夢の世界を行き来するハンナを横目に、ヘクターが「それは良いかもしれん」と呟いた。
「おい、エイブ! 聞いたか?」
「うむ、良いアイデアだ……7番だな。」
ヘクターとマスターが頷き合った。
後に7番通りに新設されたギルドには訓練場が併設された。これは後に、各地に広がる冒険者組合(ギルド)施設のスタンダードになるのである。
…………
しばらくすると、酒場は客で込み合ってきた。
冒険者は団体(パーティ)で活動することもあるため、2組も入れば中々の賑わいだ。
ハンナも正気に戻り、仕事に返っていく。
少し、間を置いてからクリフがテーブルに2通の手紙を置いた。
2通の手紙の内容は同じものである。この時代の手紙は届かないことも多く、重要な音信は同じものを複数回送るのは一般的なことだ。
「ヘクターのところの若いのに手紙の配達を頼みたいんだ。」
「おう、何処だ……っと?」
ヘクターが畳んだ手紙に押された封蝋(シーリングスタンプ)に気づく。
そこにはクリフが剣の紋章を器用に押していた……実は上手く押せずに2枚ほど手紙を駄目にしたのだが、それをわざわざヘクターに伝える必要は無い。
紋章を使うのは貴族や大きな商家である。庶民が使うようなモノでは無い。
ヘクターが不信に思うのは当然だった。
「届け先は王都のサイラス・チェンバレン。この紋章が有れば届くと思う……できれば返信があると助かるが……それは先方に任せよう。」
ヘクターの左目が大きく見開き、口が何かを言いたそうに動いたが、何も言わずに言葉を飲み込んだ。
サイラス・チェンバレンとは大物だ。王国軍の将軍として長年にわたり活躍し、先日引退した。
王都に住んでいたヘクターが知らぬ筈は無い。
ヘクターも中身が気になるところではあるが、これは私信だ。さすがに内容を問うのは失礼というものである。
「王都か……知ってるとは思うが、アッシャーとカスケンが小競り合いを始めた。マンセルもキナ臭え……無理とは言わんが遅くなるかも知れんぞ。」
クリフは黙って頷いた。
手紙の内容はサイラスへの挨拶と、ハンナと結婚するにあたって作法の指南の依頼だった。サイラスの都合が良い時期にお邪魔したいので時期を知らせてほしいと記してある。
学の無いクリフの手紙は拙いものではあるが、クリフの想いを丁寧に記した……誠意は十分に伝わる筈だ。
ハンナは勘当中とはいえ歴とした貴族である。
結婚を認められるかは別として、クロフト家にきちんと礼を示したいとクリフは考えたのだ。
そしてクリフが頼れる貴族はサイラスしかおらず、また隠居のサイラスならば時間の都合も何とかなるのではないかという期待もあった。
1度しか面識の無いサイラスに頼るのは厚かましい話ではあるが、男同士の付き合いとは長さでは無い。クリフとサイラスは同じ戦いで肩を並べた戦友なのだ。
そこらに溢れたヘナヘナとした友情ごっことは訳が違う。
「ほお、戦鬼サイラスか、なかなか興味深い人脈だな。」
マスターがヘクターとクリフの杯に新しい酒を注ぐ。
「折角、王都まで行くんだ、誰か声を掛けれる冒険者はいるか?」
マスターがヘクターに尋ねると、意外なことにヘクターは難しい顔をした。
「うーん……そりゃあ何人かは心当たりはあるが、若いのはなあ。どうしても俺と付き合いがあったってなると、30過ぎになるからな。」
ヘクターがチラリとクリフを見やる。
「俺も他の冒険者は詳しくないが……蛇(くちなわ)のスジラドって冒険者はやりそうだった。あとはトーマスとジョニーってギネスの友達くらいかな……こっちはまだまだだな。」
「ほーん、スジラド坊やか。顔に、こんな傷があったろう?」
ヘクターが自分の頬を指でなぞる。クリフが頷くと嬉しそうに「俺がつけたんだぜ」と笑った。
「よし、そのスジラドに声を掛けるか。お前さんたちの推薦なら職員にしても良いぜ。」
マスターがニヤリと笑う。
「それから、クリフよ。ヘクターの所の若いのを面倒見てやってくれ。」
「面倒?」
クリフがヘクターと視線を合わせた。
「ああ、連れてこよう。当たり前だが食う寝るの世話じゃねえからな。」
ヘクターが酒場にいた客に何やら指示を出していた。この客もヘクターの身内らしい。
…………
「こいつだ。名前はロッコ。」
ヘクターが連れてきたのは10代の半ばと思わしき若者だ。
体の線も華奢だし、身のこなしも素人である……とても冒険者とは思えない。
焦げ茶色の髪が中途半端に伸びて貧相ですらある。
「クリフだ。」
「あの、ロッコです。」
クリフとロッコが至極シンプルな挨拶をした。
「クリフ、こいつを鍛えてやってくれ。飯が食えねえってんで、口減らしで俺のところに来たんだ。見所は……まあまあだな。」
ヘクターの紹介に頷いたクリフがジロリとロッコを見る……ロッコは顔を強張らせたが視線は逸らさない。
……まあまあだな。
クリフもヘクター同様の感想を得た。
「それで、仕事は?」
「こいつが手頃だ……アビントンの町にいるらしい。」
マスターは1枚の手配書をクリフに差し出した。
……煙のシム、賞金は15000ダカットか。
「行くぞ、支度をしてこい。」
クリフはマスターに酒代を払い、店を出る……ロッコが慌てて後を追った。
「アイツに育てられるのかねえ……どう思う、ヘクター?」
「クリフに食らいついて行けば3年で一端(いっぱし)、5年で凄いことになるぜ……死ななきゃな。」
マスターとヘクターは顔を見合わせて苦笑いをした。
「いいなあ、私もクリフと悪者退治がしたいよ。」
ハンナの呟きを聞いた客が「うへっ」と肩をすくめた。
自由都市ファロンに領主はおらず、8~14名の評議会議員の合議により運営されている。
評議会議員の人数は時代と共に変化したが、この時代は9人だ。
評議会議員は衆望の有るものが他の評議会議員の他薦で就任する。
他領の貴族の係累が実家の援助で就任することもあれば、叩き上げの商人が就任する場合もある。
クリフはヘクターと共に評議会議員の元へ行き、ヘクターと議員が何やら打合せをしていたのを黙って眺めているのだ。
どうやら、打合せが終ったようだ。ヘクターが挨拶をし、部屋から退出する……クリフも倣って部屋から出た。
「お前さん、もう少し口出ししても良いんだぜ?」
無駄に長い廊下を歩きながらヘクターがクリフに声を掛けた。
「お前さんが意見をする分にはエイブだって嫌な顔はすめえ。むしろ喜ぶはずさ。」
「……エイブ?」
クリフは思わず聞き返した。知らぬ名だ……たしか先程の議員も違う名だったはずである。
「あん? ひょっとして……」
呆れた顔つきでヘクターが説明を始めた。
何のことはない、エイブとは酒場のマスターのことであった……思い返せばクリフはマスターの名前を知らなかった。酒場の客と店主の関係とはその程度であるとも言える。
ちなみに酒場は股旅(またたび)亭と言う……これもクリフは忘れていた。いつも「冒険者の酒場」とか「いつもの酒場」とか読んでいたため、屋号を気にしなかったのだ。
「かっかっかっ、そんなんで良く貴族のお嬢ちゃんを口説いたもんだ。」
ヘクターが実に愉快げに笑う。
クリフとハンナが婚約したことは既に周知の事実であり、このネタでヘクターは再三とクリフをからかっている。
評議会議院の役宅を出た2人は冒険者御用達の……もとい股旅亭に向かった。
…………
「すまなかったな……お前さんには退屈な話だったとは思うが、冒険者組合(ギルド)の立ち上げに加わったって事実が大事なのさ。」
マスターがクリフの杯に酒を注いでくれた。
名前を知ったところで、クリフにとってはマスターはマスターである。
「予定地は2番通りか7番通りだな。」
「む……絞られてきたな。」
ヘクターとマスターが何やら地図を拡げて打合せを始めたが、正直に言えばクリフには良くわからない。
ちびちびと炙った塩漬け肉を噛じりながら酒を飲むだけだ。
「クリフ、お前さんはどう思う?」
「……わからない。」
マスターがクリフに水を向けるが、考える素振りすら見せないクリフに溜め息をついた。
…………
午後になり、ハンナがエリーを連れて酒場にやって来た。
エリーは以前ハンナが使っていた従業員用の部屋で昼寝をするのだ。
ハンナはエリーを寝かしつけてからクリフの隣に座る。
ウェイトレスのはずだが、実に気儘(きまま)な振る舞いである。しかし、この酒場に出入りする者は皆、彼女に逆らっても碌(ロク)なことにならないのを知っているので見て見ぬ振りをしているのだ。
「ハンナ……2番通りと7番通りはどっちが好きだ?」
クリフがハンナに尋ねる。
ハンナは口をへの字にしながら「うーん」と考え込み始めた。
「2番通りは……商店街よね、クリフは商店を開くのかしら……? そうしたら私は女将(おかみ)さんか……できるかしら。でへへ」
美人がニタニタと笑いながら身をくねらせ、何やらブツブツと呟く姿は不気味ですらある。
「7番通りは問屋街よね。静かだし、敷地も広いから子育てには良いわ……広い庭で子供たちに剣を教えるの。子供は沢山欲しいな……うひ。」
うっとりとした顔で現世と夢の世界を行き来するハンナを横目に、ヘクターが「それは良いかもしれん」と呟いた。
「おい、エイブ! 聞いたか?」
「うむ、良いアイデアだ……7番だな。」
ヘクターとマスターが頷き合った。
後に7番通りに新設されたギルドには訓練場が併設された。これは後に、各地に広がる冒険者組合(ギルド)施設のスタンダードになるのである。
…………
しばらくすると、酒場は客で込み合ってきた。
冒険者は団体(パーティ)で活動することもあるため、2組も入れば中々の賑わいだ。
ハンナも正気に戻り、仕事に返っていく。
少し、間を置いてからクリフがテーブルに2通の手紙を置いた。
2通の手紙の内容は同じものである。この時代の手紙は届かないことも多く、重要な音信は同じものを複数回送るのは一般的なことだ。
「ヘクターのところの若いのに手紙の配達を頼みたいんだ。」
「おう、何処だ……っと?」
ヘクターが畳んだ手紙に押された封蝋(シーリングスタンプ)に気づく。
そこにはクリフが剣の紋章を器用に押していた……実は上手く押せずに2枚ほど手紙を駄目にしたのだが、それをわざわざヘクターに伝える必要は無い。
紋章を使うのは貴族や大きな商家である。庶民が使うようなモノでは無い。
ヘクターが不信に思うのは当然だった。
「届け先は王都のサイラス・チェンバレン。この紋章が有れば届くと思う……できれば返信があると助かるが……それは先方に任せよう。」
ヘクターの左目が大きく見開き、口が何かを言いたそうに動いたが、何も言わずに言葉を飲み込んだ。
サイラス・チェンバレンとは大物だ。王国軍の将軍として長年にわたり活躍し、先日引退した。
王都に住んでいたヘクターが知らぬ筈は無い。
ヘクターも中身が気になるところではあるが、これは私信だ。さすがに内容を問うのは失礼というものである。
「王都か……知ってるとは思うが、アッシャーとカスケンが小競り合いを始めた。マンセルもキナ臭え……無理とは言わんが遅くなるかも知れんぞ。」
クリフは黙って頷いた。
手紙の内容はサイラスへの挨拶と、ハンナと結婚するにあたって作法の指南の依頼だった。サイラスの都合が良い時期にお邪魔したいので時期を知らせてほしいと記してある。
学の無いクリフの手紙は拙いものではあるが、クリフの想いを丁寧に記した……誠意は十分に伝わる筈だ。
ハンナは勘当中とはいえ歴とした貴族である。
結婚を認められるかは別として、クロフト家にきちんと礼を示したいとクリフは考えたのだ。
そしてクリフが頼れる貴族はサイラスしかおらず、また隠居のサイラスならば時間の都合も何とかなるのではないかという期待もあった。
1度しか面識の無いサイラスに頼るのは厚かましい話ではあるが、男同士の付き合いとは長さでは無い。クリフとサイラスは同じ戦いで肩を並べた戦友なのだ。
そこらに溢れたヘナヘナとした友情ごっことは訳が違う。
「ほお、戦鬼サイラスか、なかなか興味深い人脈だな。」
マスターがヘクターとクリフの杯に新しい酒を注ぐ。
「折角、王都まで行くんだ、誰か声を掛けれる冒険者はいるか?」
マスターがヘクターに尋ねると、意外なことにヘクターは難しい顔をした。
「うーん……そりゃあ何人かは心当たりはあるが、若いのはなあ。どうしても俺と付き合いがあったってなると、30過ぎになるからな。」
ヘクターがチラリとクリフを見やる。
「俺も他の冒険者は詳しくないが……蛇(くちなわ)のスジラドって冒険者はやりそうだった。あとはトーマスとジョニーってギネスの友達くらいかな……こっちはまだまだだな。」
「ほーん、スジラド坊やか。顔に、こんな傷があったろう?」
ヘクターが自分の頬を指でなぞる。クリフが頷くと嬉しそうに「俺がつけたんだぜ」と笑った。
「よし、そのスジラドに声を掛けるか。お前さんたちの推薦なら職員にしても良いぜ。」
マスターがニヤリと笑う。
「それから、クリフよ。ヘクターの所の若いのを面倒見てやってくれ。」
「面倒?」
クリフがヘクターと視線を合わせた。
「ああ、連れてこよう。当たり前だが食う寝るの世話じゃねえからな。」
ヘクターが酒場にいた客に何やら指示を出していた。この客もヘクターの身内らしい。
…………
「こいつだ。名前はロッコ。」
ヘクターが連れてきたのは10代の半ばと思わしき若者だ。
体の線も華奢だし、身のこなしも素人である……とても冒険者とは思えない。
焦げ茶色の髪が中途半端に伸びて貧相ですらある。
「クリフだ。」
「あの、ロッコです。」
クリフとロッコが至極シンプルな挨拶をした。
「クリフ、こいつを鍛えてやってくれ。飯が食えねえってんで、口減らしで俺のところに来たんだ。見所は……まあまあだな。」
ヘクターの紹介に頷いたクリフがジロリとロッコを見る……ロッコは顔を強張らせたが視線は逸らさない。
……まあまあだな。
クリフもヘクター同様の感想を得た。
「それで、仕事は?」
「こいつが手頃だ……アビントンの町にいるらしい。」
マスターは1枚の手配書をクリフに差し出した。
……煙のシム、賞金は15000ダカットか。
「行くぞ、支度をしてこい。」
クリフはマスターに酒代を払い、店を出る……ロッコが慌てて後を追った。
「アイツに育てられるのかねえ……どう思う、ヘクター?」
「クリフに食らいついて行けば3年で一端(いっぱし)、5年で凄いことになるぜ……死ななきゃな。」
マスターとヘクターは顔を見合わせて苦笑いをした。
「いいなあ、私もクリフと悪者退治がしたいよ。」
ハンナの呟きを聞いた客が「うへっ」と肩をすくめた。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる