2 / 87
第1章 異世界
2話 森のスライム
しおりを挟む
さて、と振り向いて何か考える神様、何かを考えている様子である。
「いきなり村じゃ怪しまれるしのぅ…
お、そうじゃ…あの村の近くの森にアレが…」
そんなことはつゆ知らず、俺は生前の姿のまま森の中に送り込まれたのだった。
「っあいったーっ!」
送り込むにしても高さとかさ、ほら…普通ちゃんと送るじゃん!
「なんで1m近く落とされちゃうわけ?!」
しかもスライムのような魔物の上にピンポイントで落とすもんだからゲル状のもので衣類が汚れるし…神様、俺のことなんか恨んでるの?
なんて思ってしまうのだ。
「ひっどいな神様、もっとちゃんとしたところに送ってくれれば良いのにさ…」
ぶつくさ言いながらお尻を叩いていると、スライムらしき魔物がいた場所が光っているようだった。
確か神様が言うには、この世界では採取や魔物からのドロップアイテムは魔素の力によって姿が見えず光となっているそうだ。
手にとってその魔素が身体に馴染み、ようやく本来の形と為す…。
「…とか言ってたっけなぁ、まぁ試しに拾ってみるか」
僕は目の前の青い光に手を伸ばし、触れた。
瞬間、パッと目の前の光が一つの巻物にと変わる。
そして取得した瞬間に、頭にアイテム名が浮かぶのだ。
「スキル…の巻物?あぁ読むと覚えられるってやつなのかな?
しっかし腹減った…朝飯抜いて来たからなぁ」
朝飯などまともに食べた事も無い、いつもは会社の近くでコーヒーを飲んでから出社しているのだから何か腹に入れたくなるのだ。
そんな事を思いながら、俺はインベントリにスキルの書を収納した。
基本一個しかないアイテムなどは、溜め込んでしまう性格なもので…。
だからラストポーションなど、生前一度も使ったことは無かったわけだが。
「尻が痛い…」
右手でさすりながら山を下っていた。
自身のステータスも意識する事によって見ることができた。
さまざまな項目の並ぶ中、幸いHPが減っていることは無かった…が、痛いことは痛いのだった。
「うゎ、またいるよスライム…」
痛い思いをした以上こんなものを相手にする気は起きない。
左奥に見えるスライムを避け右へと進路を切ったのだが、その瞬間、そこに足場は無く崖下へと転げ落ちてしまう。
「うわぁぁ、や、やべぇぇぇー」
不運な事に、目線の先にプルプル蠢うごめくのが4体ほど見えるのだからたまったものではない。
プキュゥゥ…プチっ…ドーン!…。
……。
途中に生えていた木に引っかかり崖下まで落ちることは免まぬがれた。
しかし、またもスライムを2匹ほど潰してしまい身体中粘液で酷い有様だったのだから、またも神を恨んでしまう事になったのだ。
ゲームの世界のHPってどういう意味なんだろうなどと考えたことはあるのではないだろうか?
HPが1でも普通に戦えるし、復活出来るのにイベントで死んだら復活できなかったり…。
今自分の現状を見て、それらをなんとなく理解した気になっているのはとても不思議な感覚だった。
「あれだけ転げ落ちてHP減ってないって変だよなぁ…戦いじゃないからなのか?」
そう、結構ダメージは受けていた。
木に打ち付けた左腕はまだ痺れているし歩きたいけれどまだ足も痛い。
HPとは魔素によるダメージを数値化したもので0になることは魔素耐性の枯渇を意味する。
つまりこの魔素に溢あふれた世界では、耐性を失うことは何もできなくなるということ。
たしかに神様は説明してくれたと思う、その時は全く話が理解できていなかったのだから仕方ないのだけれど。
しかしダメージはダメージ、特殊な状況を除けば、通常は限界を越えれば死んでしまうだろう!
「…じゃねぇ!痛いんだよ!回復薬無いの?」
インベントリを開き何か取り出そうとすると、入っているもの一覧が頭に映像となって浮かぶ。
「スキルの書と小瓶があるんだったな…小瓶はポーションか?」
そう思って取り出す、たいていのRPGはポーション5個ほどを持ってスタートしていたりするものなのだからかなり期待していたんだ。
「小瓶…うん、小瓶だな」
小瓶だった、中身は無い
神様が試してみろと言って渡した小瓶には中身は何も無いのだ。
はぁぁ、とため息をつくと崖のちょっと上にいくつか青い光が見える。
「あぁ、そうだった…なにか役に立つものだといいんだが…」
そう呟き、痛みのある足と腕を引きずりながら登り手を伸ばす。
【薬草】【スライムの核】
よくやった!
心の中でガッツポーズをした、そしてそのまま薬草を口へ放り込む。
強烈な苦味と独特の香りが口いっぱいに漂い、思わず表情まで歪んでしまう。
しかしながら、全身からわずかばかり痛みが抜けるような感覚を伴い…。
無意識に…。
再度近くの青い光へと手を伸ばしていた!
「いきなり村じゃ怪しまれるしのぅ…
お、そうじゃ…あの村の近くの森にアレが…」
そんなことはつゆ知らず、俺は生前の姿のまま森の中に送り込まれたのだった。
「っあいったーっ!」
送り込むにしても高さとかさ、ほら…普通ちゃんと送るじゃん!
「なんで1m近く落とされちゃうわけ?!」
しかもスライムのような魔物の上にピンポイントで落とすもんだからゲル状のもので衣類が汚れるし…神様、俺のことなんか恨んでるの?
なんて思ってしまうのだ。
「ひっどいな神様、もっとちゃんとしたところに送ってくれれば良いのにさ…」
ぶつくさ言いながらお尻を叩いていると、スライムらしき魔物がいた場所が光っているようだった。
確か神様が言うには、この世界では採取や魔物からのドロップアイテムは魔素の力によって姿が見えず光となっているそうだ。
手にとってその魔素が身体に馴染み、ようやく本来の形と為す…。
「…とか言ってたっけなぁ、まぁ試しに拾ってみるか」
僕は目の前の青い光に手を伸ばし、触れた。
瞬間、パッと目の前の光が一つの巻物にと変わる。
そして取得した瞬間に、頭にアイテム名が浮かぶのだ。
「スキル…の巻物?あぁ読むと覚えられるってやつなのかな?
しっかし腹減った…朝飯抜いて来たからなぁ」
朝飯などまともに食べた事も無い、いつもは会社の近くでコーヒーを飲んでから出社しているのだから何か腹に入れたくなるのだ。
そんな事を思いながら、俺はインベントリにスキルの書を収納した。
基本一個しかないアイテムなどは、溜め込んでしまう性格なもので…。
だからラストポーションなど、生前一度も使ったことは無かったわけだが。
「尻が痛い…」
右手でさすりながら山を下っていた。
自身のステータスも意識する事によって見ることができた。
さまざまな項目の並ぶ中、幸いHPが減っていることは無かった…が、痛いことは痛いのだった。
「うゎ、またいるよスライム…」
痛い思いをした以上こんなものを相手にする気は起きない。
左奥に見えるスライムを避け右へと進路を切ったのだが、その瞬間、そこに足場は無く崖下へと転げ落ちてしまう。
「うわぁぁ、や、やべぇぇぇー」
不運な事に、目線の先にプルプル蠢うごめくのが4体ほど見えるのだからたまったものではない。
プキュゥゥ…プチっ…ドーン!…。
……。
途中に生えていた木に引っかかり崖下まで落ちることは免まぬがれた。
しかし、またもスライムを2匹ほど潰してしまい身体中粘液で酷い有様だったのだから、またも神を恨んでしまう事になったのだ。
ゲームの世界のHPってどういう意味なんだろうなどと考えたことはあるのではないだろうか?
HPが1でも普通に戦えるし、復活出来るのにイベントで死んだら復活できなかったり…。
今自分の現状を見て、それらをなんとなく理解した気になっているのはとても不思議な感覚だった。
「あれだけ転げ落ちてHP減ってないって変だよなぁ…戦いじゃないからなのか?」
そう、結構ダメージは受けていた。
木に打ち付けた左腕はまだ痺れているし歩きたいけれどまだ足も痛い。
HPとは魔素によるダメージを数値化したもので0になることは魔素耐性の枯渇を意味する。
つまりこの魔素に溢あふれた世界では、耐性を失うことは何もできなくなるということ。
たしかに神様は説明してくれたと思う、その時は全く話が理解できていなかったのだから仕方ないのだけれど。
しかしダメージはダメージ、特殊な状況を除けば、通常は限界を越えれば死んでしまうだろう!
「…じゃねぇ!痛いんだよ!回復薬無いの?」
インベントリを開き何か取り出そうとすると、入っているもの一覧が頭に映像となって浮かぶ。
「スキルの書と小瓶があるんだったな…小瓶はポーションか?」
そう思って取り出す、たいていのRPGはポーション5個ほどを持ってスタートしていたりするものなのだからかなり期待していたんだ。
「小瓶…うん、小瓶だな」
小瓶だった、中身は無い
神様が試してみろと言って渡した小瓶には中身は何も無いのだ。
はぁぁ、とため息をつくと崖のちょっと上にいくつか青い光が見える。
「あぁ、そうだった…なにか役に立つものだといいんだが…」
そう呟き、痛みのある足と腕を引きずりながら登り手を伸ばす。
【薬草】【スライムの核】
よくやった!
心の中でガッツポーズをした、そしてそのまま薬草を口へ放り込む。
強烈な苦味と独特の香りが口いっぱいに漂い、思わず表情まで歪んでしまう。
しかしながら、全身からわずかばかり痛みが抜けるような感覚を伴い…。
無意識に…。
再度近くの青い光へと手を伸ばしていた!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる