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第1章 異世界
14話 空の王者《後》
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隊形を組み直した俺たちは、まず空を警戒する、それは至極普通の行動であろう。
だが、いくら視界が悪かったとはいえ(俺のせいでもあるんだが)、飛び立つワイバーンを視界に捉えられないとは考えにくい。
それでも奴は空の王者、およそ高度1500m誰よりも高いところから全てを見下ろし制圧すると言われているのだから警戒せずにはいられないのだ。
この街は東に大きな平原が広がっており、その北側には俺の行っていた森。
今俺たちのいる南側よりさらに南にはちょっとした山岳地帯となっている。
これだけ見回して見つからないのだから、山の住処に逃げ帰ったと考えるのが普通だろう。
それでも当初の目的は達成なのだから良いのだけれど、姿が見えないことが不穏で仕方ないのだ。
30分ほど経っただろうか…。
『もう戻ろや?』そうローズが周りに声をかける。
ずっとここにいても仕方ない、一旦進路を北にとって他のワイバーンがいないか確認しながら、街へと向かって行った。
他の5組のパーティー達も街のすぐ東まで戻ってきていた、その姿を見るに、どうやらしっかりとワイバーンを退治できたようである。
前衛を担う重装備の男の盾は、所々に深い傷が付き、ローブの男は限界まで魔法を使ったようで、隣の男に肩を貸してもらっていた。
2組、3組のパーティーであたってこれほどに疲弊する戦いなのだから、2体も3体も相手取るわけにはいかず、目標の一体を討伐したのならさっさと街へ戻ってしまうべきなのだ。
「なんや結局うちらだけ報酬少ないんかー、残念やわ」
緊急クエストの場合は一定の報酬が貢献度に応じて振り分けられる。
今回の場合は銀貨70枚。
8組で25人のメンバーが集まっているので、一人当たり2、3枚の振り分けなのだけれど、当然討伐の証を持つものの方が報酬が多くなる。
倒した17人にはそれぞれ銀貨3枚と銅貨50枚、俺たち8人はそれぞれ銀貨1枚。
残りは傷だらけの大盾の修理費ということで重装備の男のものになった。
報酬が目的ではなく街の安全のため、なのだけれど報酬は大事だ、働きに見合わない報酬は治安の維持のためにはならない。
仕方のない事なのだけれど銀貨1枚ずつが俺たちへの正当な報酬なのだった。
報酬を受け取って、今日は解散しようという時になって、俺はギルドのヴァイツさんに呼び止められる。
「ちょっとシュウさんいいかしら?ギルド長が部屋に来て欲しいそうなのだけれど」
ギルド長が?なんの要件なのだろうか。
『後で銀狼亭で呑もうか』とドルヴィン達と別れ、俺はギルド長の部屋へ向かった。
「冒険者のシュウです、失礼します」
俺が部屋に入るとギルド長はくだけた感じで話しはじめる。
「どうじゃった?お主ならワイバーンごとき余裕だったじゃろ?で、何匹ほど倒したんじゃ?」
なぜそう思われたのだろうか、とても不思議だった。
「なんじゃ、お主は矢を当てるのが下手なのか?特訓してやろうか?」
ワイバーンに逃げられた事を話したら、なぜか俺の弓の腕のせいということになってしまった。
よくわからないが、矢を外しまくったとも考えにくい。事の詳細を話していると、ギルド長は一つ考えついた答えを言う。
「お主、実は討伐した証を持っているんじゃないのか?」
へ…?
確かに確認はしていなかった、他の冒険者達が無い無いと騒いでいるので、当然ドロップしていないものだと思い込んでいたのだ。
「…あ、ありました【翼竜のカケラ】8個あります…」
「隠しスキル持ちとは思っていたが、お主珍しく空間収納も持っておるとはな。
しかし勝手に収納されるなんて聞いたことが無いわ、やはり面白い男じゃのお主」
ギルド長の言う空間収納というのは、インベントリと同じなのだろう。
今更ありましたと言うのも心苦しい、取り出して全てギルド長に預けることにする。
「まぁ今回は仲間達には知らせん方が良いかも知れんな、特に仲の良さそうなドルヴィン達には、時期を見て儂から話しておいてやろうか。
しかし、そうなるとお主…しばらくパーティーは組めんな、はっはっは」
このレベルからは、ソロではなかなか経験値が得られない。強い魔物と戦うためにパーティーでの行動が基本なのだ。
だけどギルド長はソロでも問題ないと言う、この武器ならば、と。
ワイバーン討伐の報酬はこれ以上は出せないのだけれど、代わりに鉄で作られた胸当てなどの装備をいくつか譲ってくれた。
ギルド長の昔使っていたものらしく、しっかり手入れがされていた。
銀狼亭へ向かう足が重く感じる…さっさと打ち明けてしまうべきだろうかと…。ドルヴィンは許してくれるかもしれないが、他の二人はどうだろうか。
結局、話すことはできなかった。
明日はやはりパーティーは組まずに、一人で山岳地帯にある洞窟へと向かう事にしたのだった。
だが、いくら視界が悪かったとはいえ(俺のせいでもあるんだが)、飛び立つワイバーンを視界に捉えられないとは考えにくい。
それでも奴は空の王者、およそ高度1500m誰よりも高いところから全てを見下ろし制圧すると言われているのだから警戒せずにはいられないのだ。
この街は東に大きな平原が広がっており、その北側には俺の行っていた森。
今俺たちのいる南側よりさらに南にはちょっとした山岳地帯となっている。
これだけ見回して見つからないのだから、山の住処に逃げ帰ったと考えるのが普通だろう。
それでも当初の目的は達成なのだから良いのだけれど、姿が見えないことが不穏で仕方ないのだ。
30分ほど経っただろうか…。
『もう戻ろや?』そうローズが周りに声をかける。
ずっとここにいても仕方ない、一旦進路を北にとって他のワイバーンがいないか確認しながら、街へと向かって行った。
他の5組のパーティー達も街のすぐ東まで戻ってきていた、その姿を見るに、どうやらしっかりとワイバーンを退治できたようである。
前衛を担う重装備の男の盾は、所々に深い傷が付き、ローブの男は限界まで魔法を使ったようで、隣の男に肩を貸してもらっていた。
2組、3組のパーティーであたってこれほどに疲弊する戦いなのだから、2体も3体も相手取るわけにはいかず、目標の一体を討伐したのならさっさと街へ戻ってしまうべきなのだ。
「なんや結局うちらだけ報酬少ないんかー、残念やわ」
緊急クエストの場合は一定の報酬が貢献度に応じて振り分けられる。
今回の場合は銀貨70枚。
8組で25人のメンバーが集まっているので、一人当たり2、3枚の振り分けなのだけれど、当然討伐の証を持つものの方が報酬が多くなる。
倒した17人にはそれぞれ銀貨3枚と銅貨50枚、俺たち8人はそれぞれ銀貨1枚。
残りは傷だらけの大盾の修理費ということで重装備の男のものになった。
報酬が目的ではなく街の安全のため、なのだけれど報酬は大事だ、働きに見合わない報酬は治安の維持のためにはならない。
仕方のない事なのだけれど銀貨1枚ずつが俺たちへの正当な報酬なのだった。
報酬を受け取って、今日は解散しようという時になって、俺はギルドのヴァイツさんに呼び止められる。
「ちょっとシュウさんいいかしら?ギルド長が部屋に来て欲しいそうなのだけれど」
ギルド長が?なんの要件なのだろうか。
『後で銀狼亭で呑もうか』とドルヴィン達と別れ、俺はギルド長の部屋へ向かった。
「冒険者のシュウです、失礼します」
俺が部屋に入るとギルド長はくだけた感じで話しはじめる。
「どうじゃった?お主ならワイバーンごとき余裕だったじゃろ?で、何匹ほど倒したんじゃ?」
なぜそう思われたのだろうか、とても不思議だった。
「なんじゃ、お主は矢を当てるのが下手なのか?特訓してやろうか?」
ワイバーンに逃げられた事を話したら、なぜか俺の弓の腕のせいということになってしまった。
よくわからないが、矢を外しまくったとも考えにくい。事の詳細を話していると、ギルド長は一つ考えついた答えを言う。
「お主、実は討伐した証を持っているんじゃないのか?」
へ…?
確かに確認はしていなかった、他の冒険者達が無い無いと騒いでいるので、当然ドロップしていないものだと思い込んでいたのだ。
「…あ、ありました【翼竜のカケラ】8個あります…」
「隠しスキル持ちとは思っていたが、お主珍しく空間収納も持っておるとはな。
しかし勝手に収納されるなんて聞いたことが無いわ、やはり面白い男じゃのお主」
ギルド長の言う空間収納というのは、インベントリと同じなのだろう。
今更ありましたと言うのも心苦しい、取り出して全てギルド長に預けることにする。
「まぁ今回は仲間達には知らせん方が良いかも知れんな、特に仲の良さそうなドルヴィン達には、時期を見て儂から話しておいてやろうか。
しかし、そうなるとお主…しばらくパーティーは組めんな、はっはっは」
このレベルからは、ソロではなかなか経験値が得られない。強い魔物と戦うためにパーティーでの行動が基本なのだ。
だけどギルド長はソロでも問題ないと言う、この武器ならば、と。
ワイバーン討伐の報酬はこれ以上は出せないのだけれど、代わりに鉄で作られた胸当てなどの装備をいくつか譲ってくれた。
ギルド長の昔使っていたものらしく、しっかり手入れがされていた。
銀狼亭へ向かう足が重く感じる…さっさと打ち明けてしまうべきだろうかと…。ドルヴィンは許してくれるかもしれないが、他の二人はどうだろうか。
結局、話すことはできなかった。
明日はやはりパーティーは組まずに、一人で山岳地帯にある洞窟へと向かう事にしたのだった。
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