26 / 87
第1章 異世界
26話 キングとクイーンと③
しおりを挟む
できるかぎり…力を。
そうやってエンチャントされた矢は赤から青になっていた。
もともと魔法に長けた職業ではないせいか、たった1回で全ての魔力をもっていかれたのだけれど、射ち放って確信する。その矢はしっかり強化されていた。
そうだな、この戦いが済んだのなら誰かに作って貰えばいいか…。
もしくは魔力回復(エーテル)ポーションを使い続け…。
「いやいや…とにかく今は集中しないとな」
まだ二階に登ったところだ、一番奥にいるのならおそらく三階だろう。
外から見たかぎり、それ以上の階数はないと思うのだが、それでも何体いるかわからないオークは脅威であった。
遠く正面には次の階段も見えていた。ただ、二階のどこかにいないとも限らないので小部屋も確認していく必要がある。
「ちっ、こんな部屋でキングに出くわしたらどうやって逃げんだよ…」
休めそうな小部屋はいくつかあるのだが、そんな余裕は無い。
見つからない王女と、迫る時間にだんだんと焦りと苛々が募っていったのだ。
これで5つ目の霊薬か…。
二階にはそれほど多くの魔物はいなかったようで、ほとんどが爆発の音に寄せられて通路や下の階まで降りてきていたようだった。
一つ一つ慎重に確認を終え、わずかばかり残っていたオークを青い矢で消し去ると、三階への階段へ足をかける。
ここも二階同様に、オークたちは下の階まで降りてきていたようである。
見張りかと思える程度に、2体のオークを残しているだけだった。
きっと奴らなりの戦い方なのだろう。
何も知らない冒険者ならば最初の1匹との戦闘に無策で突っ込み、戦闘をしている間にどんどん上の階から新たなオークがやってくる。
もちろんそんな冒険者はあの街には存在しないのだろうが、静かに倒すというのも難しいだろう…。一度に複数のオークを相手にしなくてはいけないのだから非常に難易度が高そうだ
一番奥、ここは司令室のようなものなのだろうか?
俺はわずかに開けた隙間から室内を覗いていた。そこには大きなテーブル、椅子や鎧がありそれらが散乱している。
壁には大きな地図が貼ってあり、それもところどころ破れてしまっている
部屋の片隅、ひとつ置かれた大きな棚、そこに赤い光があるのがわかった。
小さな小さな虫カゴに入れられて。
「アレ…が王女様か」
ポツリと呟いただけなのだ、が。
急に強い殺気が感じられる!
気付いた時にはドアの向こうに大きなハンマーを振りかぶる魔物の姿がいた!
「しまっ…!」
『ドッゴーーーォォォンンン!!』
構える間もないまま、俺は通路を10m以上吹き飛ばされる。
「グォォォォッッ!!!」
魔物の咆哮が砦に響く。
「…いってぇぇ!!」
ドアに寄りかかっていた右腕に激しい痛みが襲う。
それでも幸いと言うべきだろうか、ドア越しの攻撃だったため吹き飛ばされただけで、それ以外はそこまでのダメージではないのだから。
すぐさま俺はヒールポーションを使う。
かなり痛みは治まったのだが、後で考えたらここで帰還の鈴を使うべきだったのかもしれない。
しかも最悪なことに霊薬の効果も切れるのだ。今から攻撃をしようというのに。
ふっと顔を上げ、魔物に目をやる。
魔物はゆっくり迫っている。使用をするならばこの数秒は命取りになるかもしれない。
大きなハンマー、巨大な牙、全身が非常に硬そうな毛で覆われていて、胸や下半身は防具も着けている…。
それに、鋭い目と顔にある大きな傷痕が目に焼きついた…。
その魔物、オークキングは、ハンマーを引きずりながらゆっくりとこちらに歩いていた。
「…余裕ってやつか…」
俺は悔しい気持ちと、そして、奴の完全に格下を相手にするような態度に怒りの感情をあらわにする。
そしてすぐに青い矢を取り出しオークキングに向けていた。
距離わずかに10m、このまま射てば自分もダメージをくらう。
だが、今後ろを向いて逃げればすぐに襲いかかられるだろう。
「くらえぇ!」
青い矢を…放った!
「グォォ!!…グォォォォ!!」
10mの距離、青い矢はコンマ2秒にも満たない速さでオークキングの腹に突き立てられ、爆破しその後数秒にわたって青く燃え盛る。
当然そんな近距離にいる俺は、爆風で吹き飛ばされさらに10m向こう。
階段横の壁にまで飛ばされ身体を打ち付けるのだった。
わざとだった。
そうでもしなければ距離を取れない。しかも一時的にとはいえ、ここからなら連射も可能だ。
スライムで一回経験しているのだからこそできた荒技であったのだ。
「余裕ぶっこいてくれてて助かったぜ…」
すぐに前を向き連射!爆風がここまで届かない訳ではないが、それほどでもない。
壁を背にして安定もする。
3射目、という時、煙の中から青い炎の塊が猛スピードで迫ってきた。
「ちっ、そう簡単にはいかないか!」
階段下へと一気に飛び降りる。
うまく着地し下り階段の方へ走り続け、走りながら霊薬を。そしてもう一つヒールポーションを使って回復を図る。
ちょうど奴も降りて来たようだ。
次の下り階段まで来たらオークキングめがけて1射、そして逃げる!
卑怯だと言われようが構わない!
一階部分は食堂やトイレもあって若干入り組んだ作りになっているが、焦らずに外まで…。
階段から奴が見えた、壁に隠れて1射!
「まだ倒せねぇのか!」
…焦る、焦りまくる。あとどれだけ射てばいいのかわからなかったのだから。
広い部屋に出た、食堂だ。
大きなテーブルがあり椅子があり、それらが非常に迷惑な障害物となっている。
だがそんなことよりも問題があるのだ…。
「どれだ…たしか入って右奥に進んだはずだ…」
通路が複数に分かれているのだ。入り口から入り、ここ一階では全ての通路を確認して回っている。
厨房、トイレ、訓練所、武器庫、書庫…。
全てがこの部屋と直通なわけではないが、だからこそ記憶が曖昧で悩んでしまう。
迷っている時間は無い、一つの通路に決め走る。
「違ったら…あぁ、帰還の鈴か…」
久しく忘れていた鈴の存在にも思い出し『最悪でも死ぬことはないか』と胸をなで下ろす。
後ろを気にしながら走っていると、まだ向かってくるオークキングの姿が見えるのでもう一発射ちこんでやった。
「グォォォォ!!」
再び前を向くと、入ってきた入り口が確認できた!
「よしっ、道は間違ってねぇ!」
後ろも確認する、だがオークキングは倒せていないっ。
どうしてなのだろうか…。
砦に入ってくる時に見ていたはずなのに…。
【後悔】は、してからでは遅いのだ。
入り口まであとわずか、という時に瓦礫に足を取られてしまったのだった。
「うわっ!?」『ガラガラッ』
俺は外へ出ると同時にひっくり返ってしまった。
振り向いて確認をしたせいで足元が疎かになっていたこともある。
はたまた赤い矢で打ちまくっていたせいで瓦礫が多くころがっていたからか。
そんなことはもはやどうでもよく、顔を上げた俺の目に映ったのは…。
振り上げたハンマーを、まさに振り下ろそうとするオークキングだった。
「…帰還の鈴っ!くっ間に合わないっ!」
そうやってエンチャントされた矢は赤から青になっていた。
もともと魔法に長けた職業ではないせいか、たった1回で全ての魔力をもっていかれたのだけれど、射ち放って確信する。その矢はしっかり強化されていた。
そうだな、この戦いが済んだのなら誰かに作って貰えばいいか…。
もしくは魔力回復(エーテル)ポーションを使い続け…。
「いやいや…とにかく今は集中しないとな」
まだ二階に登ったところだ、一番奥にいるのならおそらく三階だろう。
外から見たかぎり、それ以上の階数はないと思うのだが、それでも何体いるかわからないオークは脅威であった。
遠く正面には次の階段も見えていた。ただ、二階のどこかにいないとも限らないので小部屋も確認していく必要がある。
「ちっ、こんな部屋でキングに出くわしたらどうやって逃げんだよ…」
休めそうな小部屋はいくつかあるのだが、そんな余裕は無い。
見つからない王女と、迫る時間にだんだんと焦りと苛々が募っていったのだ。
これで5つ目の霊薬か…。
二階にはそれほど多くの魔物はいなかったようで、ほとんどが爆発の音に寄せられて通路や下の階まで降りてきていたようだった。
一つ一つ慎重に確認を終え、わずかばかり残っていたオークを青い矢で消し去ると、三階への階段へ足をかける。
ここも二階同様に、オークたちは下の階まで降りてきていたようである。
見張りかと思える程度に、2体のオークを残しているだけだった。
きっと奴らなりの戦い方なのだろう。
何も知らない冒険者ならば最初の1匹との戦闘に無策で突っ込み、戦闘をしている間にどんどん上の階から新たなオークがやってくる。
もちろんそんな冒険者はあの街には存在しないのだろうが、静かに倒すというのも難しいだろう…。一度に複数のオークを相手にしなくてはいけないのだから非常に難易度が高そうだ
一番奥、ここは司令室のようなものなのだろうか?
俺はわずかに開けた隙間から室内を覗いていた。そこには大きなテーブル、椅子や鎧がありそれらが散乱している。
壁には大きな地図が貼ってあり、それもところどころ破れてしまっている
部屋の片隅、ひとつ置かれた大きな棚、そこに赤い光があるのがわかった。
小さな小さな虫カゴに入れられて。
「アレ…が王女様か」
ポツリと呟いただけなのだ、が。
急に強い殺気が感じられる!
気付いた時にはドアの向こうに大きなハンマーを振りかぶる魔物の姿がいた!
「しまっ…!」
『ドッゴーーーォォォンンン!!』
構える間もないまま、俺は通路を10m以上吹き飛ばされる。
「グォォォォッッ!!!」
魔物の咆哮が砦に響く。
「…いってぇぇ!!」
ドアに寄りかかっていた右腕に激しい痛みが襲う。
それでも幸いと言うべきだろうか、ドア越しの攻撃だったため吹き飛ばされただけで、それ以外はそこまでのダメージではないのだから。
すぐさま俺はヒールポーションを使う。
かなり痛みは治まったのだが、後で考えたらここで帰還の鈴を使うべきだったのかもしれない。
しかも最悪なことに霊薬の効果も切れるのだ。今から攻撃をしようというのに。
ふっと顔を上げ、魔物に目をやる。
魔物はゆっくり迫っている。使用をするならばこの数秒は命取りになるかもしれない。
大きなハンマー、巨大な牙、全身が非常に硬そうな毛で覆われていて、胸や下半身は防具も着けている…。
それに、鋭い目と顔にある大きな傷痕が目に焼きついた…。
その魔物、オークキングは、ハンマーを引きずりながらゆっくりとこちらに歩いていた。
「…余裕ってやつか…」
俺は悔しい気持ちと、そして、奴の完全に格下を相手にするような態度に怒りの感情をあらわにする。
そしてすぐに青い矢を取り出しオークキングに向けていた。
距離わずかに10m、このまま射てば自分もダメージをくらう。
だが、今後ろを向いて逃げればすぐに襲いかかられるだろう。
「くらえぇ!」
青い矢を…放った!
「グォォ!!…グォォォォ!!」
10mの距離、青い矢はコンマ2秒にも満たない速さでオークキングの腹に突き立てられ、爆破しその後数秒にわたって青く燃え盛る。
当然そんな近距離にいる俺は、爆風で吹き飛ばされさらに10m向こう。
階段横の壁にまで飛ばされ身体を打ち付けるのだった。
わざとだった。
そうでもしなければ距離を取れない。しかも一時的にとはいえ、ここからなら連射も可能だ。
スライムで一回経験しているのだからこそできた荒技であったのだ。
「余裕ぶっこいてくれてて助かったぜ…」
すぐに前を向き連射!爆風がここまで届かない訳ではないが、それほどでもない。
壁を背にして安定もする。
3射目、という時、煙の中から青い炎の塊が猛スピードで迫ってきた。
「ちっ、そう簡単にはいかないか!」
階段下へと一気に飛び降りる。
うまく着地し下り階段の方へ走り続け、走りながら霊薬を。そしてもう一つヒールポーションを使って回復を図る。
ちょうど奴も降りて来たようだ。
次の下り階段まで来たらオークキングめがけて1射、そして逃げる!
卑怯だと言われようが構わない!
一階部分は食堂やトイレもあって若干入り組んだ作りになっているが、焦らずに外まで…。
階段から奴が見えた、壁に隠れて1射!
「まだ倒せねぇのか!」
…焦る、焦りまくる。あとどれだけ射てばいいのかわからなかったのだから。
広い部屋に出た、食堂だ。
大きなテーブルがあり椅子があり、それらが非常に迷惑な障害物となっている。
だがそんなことよりも問題があるのだ…。
「どれだ…たしか入って右奥に進んだはずだ…」
通路が複数に分かれているのだ。入り口から入り、ここ一階では全ての通路を確認して回っている。
厨房、トイレ、訓練所、武器庫、書庫…。
全てがこの部屋と直通なわけではないが、だからこそ記憶が曖昧で悩んでしまう。
迷っている時間は無い、一つの通路に決め走る。
「違ったら…あぁ、帰還の鈴か…」
久しく忘れていた鈴の存在にも思い出し『最悪でも死ぬことはないか』と胸をなで下ろす。
後ろを気にしながら走っていると、まだ向かってくるオークキングの姿が見えるのでもう一発射ちこんでやった。
「グォォォォ!!」
再び前を向くと、入ってきた入り口が確認できた!
「よしっ、道は間違ってねぇ!」
後ろも確認する、だがオークキングは倒せていないっ。
どうしてなのだろうか…。
砦に入ってくる時に見ていたはずなのに…。
【後悔】は、してからでは遅いのだ。
入り口まであとわずか、という時に瓦礫に足を取られてしまったのだった。
「うわっ!?」『ガラガラッ』
俺は外へ出ると同時にひっくり返ってしまった。
振り向いて確認をしたせいで足元が疎かになっていたこともある。
はたまた赤い矢で打ちまくっていたせいで瓦礫が多くころがっていたからか。
そんなことはもはやどうでもよく、顔を上げた俺の目に映ったのは…。
振り上げたハンマーを、まさに振り下ろそうとするオークキングだった。
「…帰還の鈴っ!くっ間に合わないっ!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる