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第1章 異世界
27話 キングとクイーンと④
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俺は宿で暇そうにしていた。かれこれもう3日も街から出ていないのだ。
最初は仕方ないと反省し、雑貨屋で色々購入してから宿で準備をしたりもしてたのだけど、それ以外は飯を食うか寝るか。
時々様子を見にギルドのモルツやヴァイツが…それにローズも一度だけ顔を出してくれた。
5日間の謹慎をギルド長から言い渡され、街の外はおろかギルドや武器屋、酒までも禁止されてしまったのだ。
だけど悪いことばかりでもない。
武器の合成や爆炎の矢が隠しスキルの一部であることを教えてくれたのもまたギルド長であったのだ。
何故俺が隠しスキルを得たのか、ギルド長もそれをもっているのか?
何も詳しくは語ってくれなかったのだが、ただこれが非常に強い力であることは間違いないようである。
そんなスキルなのだと知ったら試してみたいものである。
謹慎になり、雑貨屋で買い込んだ様々なアイテムを手に取り、イメージしながら合成できたりしないかを試していったのだ。
幾度となく失敗した中で、一つ成功したものがあった。
アイテム作成スキルで【粘着の罠】を作って【矢】と合成したら【キャプチャーアロー】が出来たのだ。
動きを止めてくれるものだと思ったのだけど、低確率で魔物を仲間にするものらしい。
【粘着の罠:広範囲にネバネバの物質を撒き散らかし完全に魔物の動きを止める、効かない魔物も存在する、一定時間で蒸発し霧散する】
【キャプチャーアロー:捕縛矢、魔物を使役し呼び出すことができる、極めて低確率】
しかもこれ…粘着の罠の材料がまた高い上、一回に一本しか作れない。
ゲームだったらクリア後のおまけ要素、もしくはリセマラありきな仕様だったのだ。
そうそう…けっこう高価なアイテムすら作れてしまうのだが、初級で一体どこまで作れるのだ?と感じるのだけれど…。
実はこの世界に【アイテム作成・上級】は見つかっていないのだった。
それというのも、王国の騎士団、騎士団長ですらレベルは30代前半。
もっとレベルが上がらないと覚えられないのかもしれない、いやそうに違いないのである。
1レベル上がるごとに、次へのレベルまでが非常に遠くなっていき、もはやゴブリンなど、何体倒しても上がる気配が無いくらいなのだ。
それこそ、騎士団長レベルだと『国の全域に隕石でも降らしたんじゃないか?』と言われるほど魔物を倒さなくては到達できないレベルだったのだ。
LV99?そんなのはゲームの中のお話なのだろう…。
まぁとにかくそんな事をしていたのだけれど、謹慎初日の昼間、突然宿にドルヴィンがやって来た。
「よぉ、元気か?様子を見に来てやったぞ」
そうは言うのだが、どう見ても監視なのだった。
毎日やって来ては冒険に関係するものを持って行ってしまう。
「じゃあこいつは没収な、ギルド長様に預けておくからな
あと、雑貨屋も出入り禁止になったから」
そう満面の笑みで告げるのだ。
「おとなしく謹慎解けるまでここにいな、あんなことがあった後なんだから少しは休め」
今日はそう言い残し出て行った。
一応手土産は持って来ていて、本が10冊ほどだったのだが。
「あんなこと…か」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
《時は遡り、砦の前》
「うゎぁぁぁ!!」
視界いっぱいの巨体、オークキングが今にもハンマーを振り下ろそうとしている。
さすがに『もうだめだ!』と目を伏せてしまった。
『ドンッ…』
あぁやられてしまった…のか?
だが痛みは感じないし、衝撃も無いようであった。
顔を上げるとオークキングの姿は遠く離れたところにあるのだ。
「バカモノッ!」
突如後ろから叱咤の声がする。
『え?』と思い振り向くとギルド長が立っていたのだった。
「貴様はそんなにも死にたかったのか!
何故報告もせずこんなところに一人で突っ込んでいったんじゃ!」
何も言い返せなかった。
「お主…儂がスキル持ちじゃなかったらとうに死んでおったぞ、このリフルに感謝するんじゃな」
傍から赤い光が飛んでくる。
「ごめんなさい、冒険者様…僕が助けて欲しいと願ったばかりに…。
危険な目にあわせてしまって、ごめんなさい!」
謝るリフル。
待っててくれたんじゃなかった。
街まで助けを呼びに行ってくれたのだった。
「とにかく、じゃお主…。
一度手を出した魔物は最後まできっちり始末せい」
再び振り向くと、オークキングは身体を小刻みに震わせながら立っている。
「あやつはあと一撃でヤレるじゃろ、ここまで相手した獲物を横取りなどしたくないからの」
ギルド長がオークキングに向けていた手を下ろすと、パッっと光が弾ける。
途端に奴はこちらを睨みハンマーを持ち上げた。
「あ…あぁ…」
先ほどの恐怖が蘇る。
青い矢を取り出すが、震えて落としてしまうのだ。
「?!」
もう一度慌てて矢を番えようとする。
「安心せぃ、お主が安全にいられるぐらいには見ておいてやる、今後もな」
ギルド長がやさしく声をかけてくれたのだった。
『ヒュンッ……ドーーーーーンンン!』
「グォォォォ……」
オークキングは光となって消えて行った。
ほどなくしてドルヴィンや他の冒険者達も砦にやってくる。
「じいさん…早ぇーよ…はぁ、はぁ」
「お主らには負ける気など微塵もせんゎ」
ギルド長はそんな事を言いつつ、速度強化のアクセサリーをジャラジャラと外すのだった。
リフルと冒険者たちが砦から出てきて、小さい虫かごを持っている。
「ギルド長様ー、これですかー?」
ぶんぶんと虫かごを振り回すものだから、中にいる王女も柵に身体をぶつけている。
それを横で見ているリフルもかなり心配の様子だった。
「おぅおぅ見つかったか、そんなに乱暴にするんじゃないぞ」
ギルド長が、受け取ってカゴを開くと、2つの赤い光はこちらへと向かってくるのだった。
「申し訳ございません、私のためにあのような危険な魔物と戦っていただき…」
「ありがとうございます冒険者様!」
他の妖精達が奴にやられてしまったものだから、その後王女はひどく悲しんでいたようなのだけど…。
しばらくして俺にお礼をして、自分たちの居場所へと帰っていった。
「さて、ちらほらオーク共も復活してきたようじゃし、帰るぞ!」
ギルド長が声を上げると『おー!』と言わんばかりに次々と冒険者達が大手を振って歩き出した。
「で…ギルド長様?なんだったんですか一体?」
ドルヴィンが聞く。
「ん?あれは儂と此奴にしかわからんのじゃよ、あれは…本当に愛されておる者にしか手に入らんものじゃろうな…」
そう言いながらこちらを見るのだけど、きっと隠しスキルのことを言っているのだろう。
ギルド長ピルスルは【隠しスキル】を持っている、そして…。
赤い光を放つ妖精は、やっぱり俺達にしか見えていなかったのだろう…。
「じゃあ帰るぞ!お主もじゃシュウ!
帰ったらしばらくは暴れさせんからの覚悟しておけ!」
3人で砦を離れ、草原を南西へと…街へと戻ろうとしたのだが。
『うっ…』と声が聞こえたので振り返ると、そこにはギルド長と…。
ギルド長の脇に小刀を突き立てている赤い少女が立っていたのだった。
「こんなところで逢えるなんて…久しぶりね、ピルスルくん…」
最初は仕方ないと反省し、雑貨屋で色々購入してから宿で準備をしたりもしてたのだけど、それ以外は飯を食うか寝るか。
時々様子を見にギルドのモルツやヴァイツが…それにローズも一度だけ顔を出してくれた。
5日間の謹慎をギルド長から言い渡され、街の外はおろかギルドや武器屋、酒までも禁止されてしまったのだ。
だけど悪いことばかりでもない。
武器の合成や爆炎の矢が隠しスキルの一部であることを教えてくれたのもまたギルド長であったのだ。
何故俺が隠しスキルを得たのか、ギルド長もそれをもっているのか?
何も詳しくは語ってくれなかったのだが、ただこれが非常に強い力であることは間違いないようである。
そんなスキルなのだと知ったら試してみたいものである。
謹慎になり、雑貨屋で買い込んだ様々なアイテムを手に取り、イメージしながら合成できたりしないかを試していったのだ。
幾度となく失敗した中で、一つ成功したものがあった。
アイテム作成スキルで【粘着の罠】を作って【矢】と合成したら【キャプチャーアロー】が出来たのだ。
動きを止めてくれるものだと思ったのだけど、低確率で魔物を仲間にするものらしい。
【粘着の罠:広範囲にネバネバの物質を撒き散らかし完全に魔物の動きを止める、効かない魔物も存在する、一定時間で蒸発し霧散する】
【キャプチャーアロー:捕縛矢、魔物を使役し呼び出すことができる、極めて低確率】
しかもこれ…粘着の罠の材料がまた高い上、一回に一本しか作れない。
ゲームだったらクリア後のおまけ要素、もしくはリセマラありきな仕様だったのだ。
そうそう…けっこう高価なアイテムすら作れてしまうのだが、初級で一体どこまで作れるのだ?と感じるのだけれど…。
実はこの世界に【アイテム作成・上級】は見つかっていないのだった。
それというのも、王国の騎士団、騎士団長ですらレベルは30代前半。
もっとレベルが上がらないと覚えられないのかもしれない、いやそうに違いないのである。
1レベル上がるごとに、次へのレベルまでが非常に遠くなっていき、もはやゴブリンなど、何体倒しても上がる気配が無いくらいなのだ。
それこそ、騎士団長レベルだと『国の全域に隕石でも降らしたんじゃないか?』と言われるほど魔物を倒さなくては到達できないレベルだったのだ。
LV99?そんなのはゲームの中のお話なのだろう…。
まぁとにかくそんな事をしていたのだけれど、謹慎初日の昼間、突然宿にドルヴィンがやって来た。
「よぉ、元気か?様子を見に来てやったぞ」
そうは言うのだが、どう見ても監視なのだった。
毎日やって来ては冒険に関係するものを持って行ってしまう。
「じゃあこいつは没収な、ギルド長様に預けておくからな
あと、雑貨屋も出入り禁止になったから」
そう満面の笑みで告げるのだ。
「おとなしく謹慎解けるまでここにいな、あんなことがあった後なんだから少しは休め」
今日はそう言い残し出て行った。
一応手土産は持って来ていて、本が10冊ほどだったのだが。
「あんなこと…か」
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《時は遡り、砦の前》
「うゎぁぁぁ!!」
視界いっぱいの巨体、オークキングが今にもハンマーを振り下ろそうとしている。
さすがに『もうだめだ!』と目を伏せてしまった。
『ドンッ…』
あぁやられてしまった…のか?
だが痛みは感じないし、衝撃も無いようであった。
顔を上げるとオークキングの姿は遠く離れたところにあるのだ。
「バカモノッ!」
突如後ろから叱咤の声がする。
『え?』と思い振り向くとギルド長が立っていたのだった。
「貴様はそんなにも死にたかったのか!
何故報告もせずこんなところに一人で突っ込んでいったんじゃ!」
何も言い返せなかった。
「お主…儂がスキル持ちじゃなかったらとうに死んでおったぞ、このリフルに感謝するんじゃな」
傍から赤い光が飛んでくる。
「ごめんなさい、冒険者様…僕が助けて欲しいと願ったばかりに…。
危険な目にあわせてしまって、ごめんなさい!」
謝るリフル。
待っててくれたんじゃなかった。
街まで助けを呼びに行ってくれたのだった。
「とにかく、じゃお主…。
一度手を出した魔物は最後まできっちり始末せい」
再び振り向くと、オークキングは身体を小刻みに震わせながら立っている。
「あやつはあと一撃でヤレるじゃろ、ここまで相手した獲物を横取りなどしたくないからの」
ギルド長がオークキングに向けていた手を下ろすと、パッっと光が弾ける。
途端に奴はこちらを睨みハンマーを持ち上げた。
「あ…あぁ…」
先ほどの恐怖が蘇る。
青い矢を取り出すが、震えて落としてしまうのだ。
「?!」
もう一度慌てて矢を番えようとする。
「安心せぃ、お主が安全にいられるぐらいには見ておいてやる、今後もな」
ギルド長がやさしく声をかけてくれたのだった。
『ヒュンッ……ドーーーーーンンン!』
「グォォォォ……」
オークキングは光となって消えて行った。
ほどなくしてドルヴィンや他の冒険者達も砦にやってくる。
「じいさん…早ぇーよ…はぁ、はぁ」
「お主らには負ける気など微塵もせんゎ」
ギルド長はそんな事を言いつつ、速度強化のアクセサリーをジャラジャラと外すのだった。
リフルと冒険者たちが砦から出てきて、小さい虫かごを持っている。
「ギルド長様ー、これですかー?」
ぶんぶんと虫かごを振り回すものだから、中にいる王女も柵に身体をぶつけている。
それを横で見ているリフルもかなり心配の様子だった。
「おぅおぅ見つかったか、そんなに乱暴にするんじゃないぞ」
ギルド長が、受け取ってカゴを開くと、2つの赤い光はこちらへと向かってくるのだった。
「申し訳ございません、私のためにあのような危険な魔物と戦っていただき…」
「ありがとうございます冒険者様!」
他の妖精達が奴にやられてしまったものだから、その後王女はひどく悲しんでいたようなのだけど…。
しばらくして俺にお礼をして、自分たちの居場所へと帰っていった。
「さて、ちらほらオーク共も復活してきたようじゃし、帰るぞ!」
ギルド長が声を上げると『おー!』と言わんばかりに次々と冒険者達が大手を振って歩き出した。
「で…ギルド長様?なんだったんですか一体?」
ドルヴィンが聞く。
「ん?あれは儂と此奴にしかわからんのじゃよ、あれは…本当に愛されておる者にしか手に入らんものじゃろうな…」
そう言いながらこちらを見るのだけど、きっと隠しスキルのことを言っているのだろう。
ギルド長ピルスルは【隠しスキル】を持っている、そして…。
赤い光を放つ妖精は、やっぱり俺達にしか見えていなかったのだろう…。
「じゃあ帰るぞ!お主もじゃシュウ!
帰ったらしばらくは暴れさせんからの覚悟しておけ!」
3人で砦を離れ、草原を南西へと…街へと戻ろうとしたのだが。
『うっ…』と声が聞こえたので振り返ると、そこにはギルド長と…。
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