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第2章 精霊王
14話 旅路と問題
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「なぁー、まだ着かへんのー?」
唐突にローズがボヤく。
そうは言っても、リキングバウトの街で俺のインベントリに蓄えられた食料は約10日分。
まだ出発して2日目だというのに、着くはずなかろう。
まぁ、食料がこれだけ準備されている事を知っているのは、俺とピルスルだけなんだが。
レギは何か言いたそうにそわそわしていて、時々タマをなでなでしていた。
「なんかさぁ、タマでかくなってないか?」
いや、気のせいかもしれないよ?でもやっぱり…。
初めて見た時はサッカーボールくらいだと思ったのに、今はバスケットボールくらいに感じるんだよなぁ。
「え?やっぱりそう思いますか?」
レギも思っていたみたいだ。
「私と一緒にレベルが上がるので、きっとそれに合わせて大きくなってるんだと思うのですが。
今までそんな風には感じなかったんだけどなぁ…」
きっと、今回は急激にレベルが上がったからなのだろう。レベル100にもなったらもしかしたら俺たちより大きくなるかもしれないな。
「お主ら、良いのぅ…儂がレベル25になったのはつい一年ほど前の事だというのに」
ピルスルもさすがに今回の出来事は想定外のようで、まだまだひよっこと思っていた者達に急にレベルが追いつかれたものだから悔しがっていた。
そうです大精霊様様です!
まさか話を聞いてくれるだけでなく、その溢れんばかりの力を分け与えてくれるとは思っていなかった。
「ウチはあの綺麗な石が忘れられへんわぁ…」
まぁ俺もあの石は気になって仕方がない、もちろん別の意味でだがな。
「でも本当凄いですよね、あの街でレベル20以上って僕たち以外いないんじゃないですか?」
レギが聞くのだけれど、それは間違いだ。存在するのである、みんなが知っている約一名。
「「「ヤード(さん)がいる(わよ)」」」
誰って?あの人だよあの人。
銀狼亭のマスターだよ。
あのマスター、ある時血塗れになって帰ってきたから聞いたんだよ『大丈夫なのか?』って。
そうしたら『これは魔物の血だ』なんて言ってな、料理の腕だけじゃなくて剣の腕も相当なものらしい。
「あのマスターって…何者だ?」
そんな話をしながら歩いて、時折戦闘して。
戦闘といっても矢を射つか、魔法の練習台にするか、他にはタマの実力を見てみたりしていただけなのだけど。
戦闘シーンが見てみたいって?じゃあダイジェストに。
「あ、向こうに一角兎(ホーンラビット)発見」
街道を歩き始めて4日目、ローズは索敵の練習をしていた。優れた者なら半径100mは魔物の気配が探れるらしい。
これはピルスルに勧められてやっていることだった。
「やったぁ、30mまでできたで」
そう言ってローズが喜ぶ。
この簡単そうに見えるものが意外と難しく、全方向を確認するのは相当な修練が必要だそうなのだそうだ。
ローズはそれを練習し始め、すぐに音をあげたのだ。
じゃあ何故できるのかと言うと、【全方向】をやめたからである。
ある程度の範囲を残して一方向に絞っていたので多少はわかるようになっていった。
「まだあっちの方見とらんから待ってなー」
全方向の確認を4つに分けて行なっていたのだが、途中で魔力が尽きるもんだから回復を挟んだり前だけでやめたりと何度か繰り返していた。
まぁ出来ることからやるのは良いことだと思う。
いきなり高みを目指すというのは、どうしても挫折と隣り合わせになってしまうのだから…。
ん?その後?矢を射っただけだよ、いやマジで。
放たれた矢の爆炎で複数の魔物を消し去るだけだった。
「…なぁピルスルはん…まだ着かへんのかぁ…?」
流石に4日間も歩き続けていると、疲れだけではなく色々と問題が生じてくる。
食事だって本来は水と乾物などを大量に準備して進むものなのだが、インベントリに色々と入っているのだから普段と変わらない食事も取れている。
それが無いだけでも俺たちは楽な旅と言えるのだろう。
だが女の子にとってはどうしても許しがたいこともあった。
「あーもー嫌やウチ早よお湯に浸かりたいわ!ええ加減にしてやもぅ!」
流石にお風呂なんか用意できない。
用意できるとも考えていなかったし、やろうとも思わなかった。
いや、用意したところで多分ローズは入らない、入れない…。俺たち男三人がいるのだし。
「もー…ウチを綺麗にしてや!クリーン!」
ローズが急に魔法を使った、しかしイマイチの効果のようだった。
「ふ…ふふ…何度かて使てやんでぇ…クリーン!クリーン!クリーン!」
…。
「ふっふふふ…」
そこには魔力をほとんど消費しきって、誇らしげに佇んでいるローズがいるのだった…。
唐突にローズがボヤく。
そうは言っても、リキングバウトの街で俺のインベントリに蓄えられた食料は約10日分。
まだ出発して2日目だというのに、着くはずなかろう。
まぁ、食料がこれだけ準備されている事を知っているのは、俺とピルスルだけなんだが。
レギは何か言いたそうにそわそわしていて、時々タマをなでなでしていた。
「なんかさぁ、タマでかくなってないか?」
いや、気のせいかもしれないよ?でもやっぱり…。
初めて見た時はサッカーボールくらいだと思ったのに、今はバスケットボールくらいに感じるんだよなぁ。
「え?やっぱりそう思いますか?」
レギも思っていたみたいだ。
「私と一緒にレベルが上がるので、きっとそれに合わせて大きくなってるんだと思うのですが。
今までそんな風には感じなかったんだけどなぁ…」
きっと、今回は急激にレベルが上がったからなのだろう。レベル100にもなったらもしかしたら俺たちより大きくなるかもしれないな。
「お主ら、良いのぅ…儂がレベル25になったのはつい一年ほど前の事だというのに」
ピルスルもさすがに今回の出来事は想定外のようで、まだまだひよっこと思っていた者達に急にレベルが追いつかれたものだから悔しがっていた。
そうです大精霊様様です!
まさか話を聞いてくれるだけでなく、その溢れんばかりの力を分け与えてくれるとは思っていなかった。
「ウチはあの綺麗な石が忘れられへんわぁ…」
まぁ俺もあの石は気になって仕方がない、もちろん別の意味でだがな。
「でも本当凄いですよね、あの街でレベル20以上って僕たち以外いないんじゃないですか?」
レギが聞くのだけれど、それは間違いだ。存在するのである、みんなが知っている約一名。
「「「ヤード(さん)がいる(わよ)」」」
誰って?あの人だよあの人。
銀狼亭のマスターだよ。
あのマスター、ある時血塗れになって帰ってきたから聞いたんだよ『大丈夫なのか?』って。
そうしたら『これは魔物の血だ』なんて言ってな、料理の腕だけじゃなくて剣の腕も相当なものらしい。
「あのマスターって…何者だ?」
そんな話をしながら歩いて、時折戦闘して。
戦闘といっても矢を射つか、魔法の練習台にするか、他にはタマの実力を見てみたりしていただけなのだけど。
戦闘シーンが見てみたいって?じゃあダイジェストに。
「あ、向こうに一角兎(ホーンラビット)発見」
街道を歩き始めて4日目、ローズは索敵の練習をしていた。優れた者なら半径100mは魔物の気配が探れるらしい。
これはピルスルに勧められてやっていることだった。
「やったぁ、30mまでできたで」
そう言ってローズが喜ぶ。
この簡単そうに見えるものが意外と難しく、全方向を確認するのは相当な修練が必要だそうなのだそうだ。
ローズはそれを練習し始め、すぐに音をあげたのだ。
じゃあ何故できるのかと言うと、【全方向】をやめたからである。
ある程度の範囲を残して一方向に絞っていたので多少はわかるようになっていった。
「まだあっちの方見とらんから待ってなー」
全方向の確認を4つに分けて行なっていたのだが、途中で魔力が尽きるもんだから回復を挟んだり前だけでやめたりと何度か繰り返していた。
まぁ出来ることからやるのは良いことだと思う。
いきなり高みを目指すというのは、どうしても挫折と隣り合わせになってしまうのだから…。
ん?その後?矢を射っただけだよ、いやマジで。
放たれた矢の爆炎で複数の魔物を消し去るだけだった。
「…なぁピルスルはん…まだ着かへんのかぁ…?」
流石に4日間も歩き続けていると、疲れだけではなく色々と問題が生じてくる。
食事だって本来は水と乾物などを大量に準備して進むものなのだが、インベントリに色々と入っているのだから普段と変わらない食事も取れている。
それが無いだけでも俺たちは楽な旅と言えるのだろう。
だが女の子にとってはどうしても許しがたいこともあった。
「あーもー嫌やウチ早よお湯に浸かりたいわ!ええ加減にしてやもぅ!」
流石にお風呂なんか用意できない。
用意できるとも考えていなかったし、やろうとも思わなかった。
いや、用意したところで多分ローズは入らない、入れない…。俺たち男三人がいるのだし。
「もー…ウチを綺麗にしてや!クリーン!」
ローズが急に魔法を使った、しかしイマイチの効果のようだった。
「ふ…ふふ…何度かて使てやんでぇ…クリーン!クリーン!クリーン!」
…。
「ふっふふふ…」
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