隠しスキルを手に入れた俺のうぬ惚れ人生

紅柄ねこ(Bengara Neko)

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第3章 消えた街

第9話 ハルピュイア

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 魔水晶の結界のお陰で復路もそう大変ではなかった。
 ただ、あまり多くの魔物を残したままでは街までやってくる可能性も高まってしまう。

 滅多にない事とはいえ、上位種やワイバーンのような強力な個体がやってきては街の結界が役に立たないので、そういった危険の芽はあらかじめ摘んでおきたかったのだ。
 ウルフ種、犬首コボルト種、妖猫ケットシー種、怪鳥ハーピー種。

 中でも厄介なのが行動範囲の広い鳥の魔物たち。
 上位種にはオキュペケという個体がおり、その優れた飛行能力と頭脳で襲いかかってくる非常に危険な魔物なのだ。

 ダンジョンの外にもいたのかもしれないのだが、あちらは狼と犬ばかりのイメージだったので、ともかく今は、ダンジョン内の鳥の討伐だけはやっておこうという事である。

 結界の力によって、内部からの攻撃は随分と弱まってしまうため、俺とミドは結界の外に出る。
 相手取るのは2階層で見つけた4匹の群れ。1匹は上位種である。

「レギ、弱点教えて!」
 『毒と炎です』と聞いてローズがすぐにエンチャントした矢をミドに手渡す。
 最初に放たれた毒の矢は見事に3匹ハーピーの頭を射抜いたのだが、それを見た上位種が距離を取る。
 次いで放った矢は上位種めがけてのものだったのだが、躱されてしまう。
 躱すというよりは、縦横無尽に跳ね回り、狙いを定めさせないと言った方が良いだろうか。

「じゃあこれならどう?!」
 俺は赤い矢を渡すよう言われ、ミドに手渡す。
 その内の一本だけを受け取り、放たれた矢が3つに分かれ魔物の近くの壁に突き刺さる。
 爆発によって飛ばされる魔物、そして次に構えていたのが毒の矢だ。直線的に飛ばされて行く魔物の軌道を読み射抜く。
 そこまで広くないダンジョン内のだからこその技であった。
 すぐに結界内へ退避し、俺たちは徐々に動きの鈍っていく魔物を見つめる。
 3匹のハーピーが消え、ほとんど動かなくなった上位種オキュペケは俺がトドメを刺した。

 ハルピュイア、そう呼ばれるハーピーの群れ。時折このように群れて、冒険者や動物を襲うハーピー達、そして血肉を貪っている姿が怖れられているのだ。

「ハルピュイアは今のだけなんかな?」
「そうだと良いのですが」
 あとの魔物退治は無理はしない。
 一旦退いて準備をする事も大事である。随分と矢も使ってしまい、ダンジョンを出ても魔物はまだいるのだから。

 ダンジョンからようやく抜け出し、レギは早速狼の召喚を行う。
「2匹が限度なのか、それでも圧巻だな」
「やっぱでっかいなぁ」
 現れたのは、シロと同じく巨体の白狼。すぐにビアンコと名付けられた。
 本当はヴァイスと名付けようとしていたのだけれど、受付のお姉さんと似てるからと俺が止めたのだ。意味はどちらも【白】だそうだ……。

 5匹の白狼が魔物を蹂躙していくさまが見れるのかと期待はしていたのだが、2匹であってもその力はとても大きい。
 白狼2匹の連携で、単体であれば上位種ともゆうに渡り合えている。

 そして4人は、しばらく白狼たちの活躍を眺めているのであった。
「あぁ、さっきのハーピー達からのドロップで【怪鳥の足環】があったから渡しておくぞ」
 俺はインベントリから召喚用のアイテムを取り出しレギに渡す。
 そして魔獣の笛とともに腰に付けていたのだが、レギはジャラジャラと揺れるそのアイテムを見て、とても嬉しそうな表情を見せるのだった。

 どんな使い魔が出るのか?どんな武器になるのかと期待しているレギ。
「あぁそっか、召喚と武器化で一個ずつ使うから2個まで使うことができるのかな?」
「後でハーピーさんの名前もつけなきゃいけませんね。
 一緒に空でも飛べると良いのですけれど」

 そんな事を喋っていたのだが、いつの間にか数体の上位種を残して魔物は消え去っていたのだった。
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