86 / 87
第3章 消えた街
第20話 水の都アクアポート⑤
しおりを挟む
「前よりも多くの気配が一斉に押し寄せて来て、半分以上はあの大きな気配に消されたようなの。
だけど街に近付いたら手出しがし辛くなったみたいで、街の近くで待機してるんだと思う」
「何を言っとるかわからんが、儂らは街に入ってきた魔物を倒せば良いのじゃろ?」
暗闇の中ピルスルがまるで全て見えているかのように駆け抜けていく。
俺もそれに続いていくが、見えない足元に躊躇してしまいどんどん引き離されてしまう。
「ピルスルさん!敵の群れは一体一体が上位種に匹敵する力を感じました!注意してください!」
ミドが先を行くピルスルに大声で伝えると、それが聞こえた者が目を覚ましたようで、次第に街が明るくなっていった。
「街のみんなごめん!侵入した魔物を退治したいんだ!灯りを点けてくれ!」
俺もまた大声で叫ぶ。『なんだなんだ』と家から出てくる者もいるが、危険だからとすぐに中に入ってもらった。
お陰で十分な明るさを得ることができたのだ。気付けばレギと共に白狼が後ろを駆けていたので、もう一頭の方に乗せてもらう。
さすが白狼は身のこなしが軽く、水路に惑わされることもない。ひとまず索敵のためミドとローズの元に戻る。
最初からこうしていれば、とも思うのだが、慌てて出てしまってそれどころで無かったのだ。多分レギが一番落ち着いていたのだろう。
およそ200メートルといったところだろうか?何匹かの魚に足が生えたような魔物が長い得物をもち構えていた。
近くでピルスルが魔物と対峙しているのだが、攻撃はあまり効果が無いようである。
「ローズ!矢を渡しておくから向こうは頼む、俺はピルスルの加勢に行く!」
「わかった!レギは弱点を教えて!」
「さっきから見てるのですが、ハッキリしないんです。普通の魔物じゃないのかもしれません!」
ともかく俺は苦戦しているピルスルの元へ向かう。
「大丈夫か?!苦戦しているようだが」
「うむ……なにやら魔物の周りが不思議な力で守られているような感覚じゃ。剣が弾かれてしまう」
俺も魔物に向かって剣を振るう。わずかに斬りつける事はできるのだが、まるで鉄の塊でも斬っているような感覚に陥るのだ。
「お主の魔剣であれば少しは効果があるようじゃの!儂は支援に徹する」
ピルスルが魔物の動きを止めようとするが、効果もイマイチのようだ。それでも俺には十分すぎる支援であった。
「2匹目倒したぞ!あと何匹いるんだ?」
「こちらはあと2匹じゃが、向こうが押されておるようじゃ!」
「わかった、こっちはなんとかする!ミド達を頼む」
俺は不思議と余裕で倒せそうな気持ちになっていたのだ。レベルが上がった時でもこう動けるとは思えない、自然と魔物の動きを読み、対応動作が出てくる。
自分でも不思議だったのだが、まるで誰かが乗り移ったかのような動きが自然と出てきた。そうとしか言えなかった。
「ラストォ!」
俺は4匹目の魔物を倒し、すぐに皆の元に向かう。
1頭の白狼はひどく傷を負い、もう一頭とレギ、ローズは距離を取っていた。
3匹の魔物に囲まれて、今にもやられてしまいそうになっているミドとピルスル。なんとか攻撃を躱して保っている状況である。
「待たせたな!とにかく2匹は俺が惹きつける、そっちの1匹を相手してくれ!」
俺の動きはやはり何か変である。何がとは言えないのだが……。
先程も2体を相手取っていたので、倒せないとは思えなかった。その数分後には3体目と対峙しており、すぐにそれも終わりを迎えたのだった。
「お主、剣の腕が相当上がっておるな。儂よりも強いのではないか?」
それは剣の攻撃力などでなく、純粋に腕前として言った言葉である。
しかし、こんな時間に今まで戦った上位種の魔物以上の魔物が群れで街に侵入するなど、どう考えても自然に起きることではない。
タイミング的には俺たちを狙ったものなのか?だが少し前から渦が出ていたと言うのがわからない。
ともかく宿に戻り、ミドは昨夜から感じた気配について詳しく説明をしていた。
そして、おそらくこの街を守る存在がいるのだろうという結論に至るのだが、龍である確信も無く会う方法もわからない状況で、皆が再び悩んでしまう。
「みんな聞いて、あの後海の中の気配は底の方に消えていったのだけど……もう一つ、それよりは少し小さいと感じたのだけれど強い気配が遠くにあったのよ」
それが今回の騒動の犯人ではないかと、ミドは説明を続けた。そちらに関しても、おそらく俺たちに敵う相手では無いだろう、と。
だけど街に近付いたら手出しがし辛くなったみたいで、街の近くで待機してるんだと思う」
「何を言っとるかわからんが、儂らは街に入ってきた魔物を倒せば良いのじゃろ?」
暗闇の中ピルスルがまるで全て見えているかのように駆け抜けていく。
俺もそれに続いていくが、見えない足元に躊躇してしまいどんどん引き離されてしまう。
「ピルスルさん!敵の群れは一体一体が上位種に匹敵する力を感じました!注意してください!」
ミドが先を行くピルスルに大声で伝えると、それが聞こえた者が目を覚ましたようで、次第に街が明るくなっていった。
「街のみんなごめん!侵入した魔物を退治したいんだ!灯りを点けてくれ!」
俺もまた大声で叫ぶ。『なんだなんだ』と家から出てくる者もいるが、危険だからとすぐに中に入ってもらった。
お陰で十分な明るさを得ることができたのだ。気付けばレギと共に白狼が後ろを駆けていたので、もう一頭の方に乗せてもらう。
さすが白狼は身のこなしが軽く、水路に惑わされることもない。ひとまず索敵のためミドとローズの元に戻る。
最初からこうしていれば、とも思うのだが、慌てて出てしまってそれどころで無かったのだ。多分レギが一番落ち着いていたのだろう。
およそ200メートルといったところだろうか?何匹かの魚に足が生えたような魔物が長い得物をもち構えていた。
近くでピルスルが魔物と対峙しているのだが、攻撃はあまり効果が無いようである。
「ローズ!矢を渡しておくから向こうは頼む、俺はピルスルの加勢に行く!」
「わかった!レギは弱点を教えて!」
「さっきから見てるのですが、ハッキリしないんです。普通の魔物じゃないのかもしれません!」
ともかく俺は苦戦しているピルスルの元へ向かう。
「大丈夫か?!苦戦しているようだが」
「うむ……なにやら魔物の周りが不思議な力で守られているような感覚じゃ。剣が弾かれてしまう」
俺も魔物に向かって剣を振るう。わずかに斬りつける事はできるのだが、まるで鉄の塊でも斬っているような感覚に陥るのだ。
「お主の魔剣であれば少しは効果があるようじゃの!儂は支援に徹する」
ピルスルが魔物の動きを止めようとするが、効果もイマイチのようだ。それでも俺には十分すぎる支援であった。
「2匹目倒したぞ!あと何匹いるんだ?」
「こちらはあと2匹じゃが、向こうが押されておるようじゃ!」
「わかった、こっちはなんとかする!ミド達を頼む」
俺は不思議と余裕で倒せそうな気持ちになっていたのだ。レベルが上がった時でもこう動けるとは思えない、自然と魔物の動きを読み、対応動作が出てくる。
自分でも不思議だったのだが、まるで誰かが乗り移ったかのような動きが自然と出てきた。そうとしか言えなかった。
「ラストォ!」
俺は4匹目の魔物を倒し、すぐに皆の元に向かう。
1頭の白狼はひどく傷を負い、もう一頭とレギ、ローズは距離を取っていた。
3匹の魔物に囲まれて、今にもやられてしまいそうになっているミドとピルスル。なんとか攻撃を躱して保っている状況である。
「待たせたな!とにかく2匹は俺が惹きつける、そっちの1匹を相手してくれ!」
俺の動きはやはり何か変である。何がとは言えないのだが……。
先程も2体を相手取っていたので、倒せないとは思えなかった。その数分後には3体目と対峙しており、すぐにそれも終わりを迎えたのだった。
「お主、剣の腕が相当上がっておるな。儂よりも強いのではないか?」
それは剣の攻撃力などでなく、純粋に腕前として言った言葉である。
しかし、こんな時間に今まで戦った上位種の魔物以上の魔物が群れで街に侵入するなど、どう考えても自然に起きることではない。
タイミング的には俺たちを狙ったものなのか?だが少し前から渦が出ていたと言うのがわからない。
ともかく宿に戻り、ミドは昨夜から感じた気配について詳しく説明をしていた。
そして、おそらくこの街を守る存在がいるのだろうという結論に至るのだが、龍である確信も無く会う方法もわからない状況で、皆が再び悩んでしまう。
「みんな聞いて、あの後海の中の気配は底の方に消えていったのだけど……もう一つ、それよりは少し小さいと感じたのだけれど強い気配が遠くにあったのよ」
それが今回の騒動の犯人ではないかと、ミドは説明を続けた。そちらに関しても、おそらく俺たちに敵う相手では無いだろう、と。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる