Ｓ賞の無い世界なんて確実に低評価！ ～異世界行ってもガチャは生きがいなのでやめられません～

終話

「お兄さん、オリパはいかが？
　一口５０００ゴールドだよ。
　高いけど、超絶レアな素材が手に入るんだよ。
　聞いて驚け、飛龍の逆鱗ドラニアンタイトだ」
「状態がいいなら考えるかなぁ。
　だって少しでも傷があったら、価値半減じゃん。
　オリパに入るくらいだし、まぁせいぜい５００００ゴールドってところなんじゃない？」
「おぉ手厳しいねぇ。
　でもお兄さんみたいなわかってる人、好きだよ」

　とある街のとある片隅で、一人のSランク冒険者が買い物にやってきていた。
　頭装備からアイテムまで、あらゆる品をガチャやオリパで手に入れて冒険している英雄ハシモト。

　人は彼の事をハイエナ男爵と呼び、それは彼にとっての褒め言葉であった。

「うーん、今買い占めると景品で１７８０００ゴールドだろ？
　ハズレの引換券で２１０００ゴールドで、全４０００口中の２１、２８……
　大体１５００口残っている計算か。
　妖精の囁きアルティシアだけ残して残りを売れば実質タダだな。
　……おっちゃん、このガチャやりたいから両替して！」

　魔王を倒し、冒険者の頂点に登り詰めた男。
　そんなハシモトは今日もガチャとオリパを荒らし店主たちを卒倒させまくるのであった。