私がモンスター発生源?! 〜異世界で考えたさいきょうの魔物育成計画〜

紅柄ねこ(Bengara Neko)

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1章 ダンジョンと少女

テイマーバトル

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 大きな街の舞台で行われる実力者同士の戦いが行われていた。
 中央の舞台を取り囲むように観客席は設けられ、そこでは溢れんばかりの人々が盛り上がりを見せていた。

「レプロなんかで俺様のグランドドラゴンと戦うだって?
 随分と舐め腐ってやがんなぁ、オイ!」
 スキンヘッドの男は、小柄な少女に向かって威勢を放っている。

 2メートルはあろうかというオオトカゲと対峙するのは、少女の前にちょこんと座るレプロと呼ばれた小さなウサギ。
 少女的にはロップイヤーという耳の垂れたありふれた種だが、これが少女の使役するであり魔物であった。

 会場も未だかつてないほどのざわめき。
 貴族も観覧している席でふざけているともなれば、後ほどどんな仕置きがあったかわかったものではない。

 ともあれ試合開始の鐘の音が会場に鳴り響く。
 それと同時に、スキンヘッドの男は再び叫んだ。
「泣いて後悔してもおせぇからなぁ!
 死ねぇぇぇぇ!」

 いわゆる親善試合みたいなもので、村ごとの代表が集って模擬戦を行うだけの予定であった。
 オオトカゲが突進しだすと、ウサギは硬直したまま動かない。
 間合いも詰まって避けるにはもう遅すぎた。
 さすがに体格差も大きすぎ、見る価値も無いだろうと誰もが思っていた。

「モフ君、リフレクション」

 人間というのは、予想していた結果とあまりにかけ離れた事象が起きた時、言葉が出ない生き物のようだ。
 会場は静まりかえり、スキンヘッドの男もまた空を見上げたまま立ち尽くしていた。

 オオトカゲは宙に跳んだ。
 『ぽーん』という表現が良いのだろうか?
 ぶつかった衝撃など無かったかのように、静かに上空10メートルへ。

 そもそも12、3歳ほどの小さな子供が出場するような催しではないのだが、どうしてそれがかなっているのかを考えれば少しは善戦できたのかもしれない。
 屈強な男たちが力ずくで魔物を捕縛して、スキルの力で魔物を使役テイムする。
 それも十分な実力差がなければスキルは成功しない。
 つまり魔物を従える行為そのものが、十分な実力を兼ね備えているという証明にもなっているからだ。

 とはいえ、グランドドラゴンは大人しいオオトカゲだが実力ではウサギよりも数段上である。
 すぐに負けを認めることはできず、対戦後は『イカサマだ!』と騒ぐスキンヘッドだったが、その罵声も次の試合そのまた次の試合と進むにつれて、次第にその声は無くなっていった。

 ファイヤーボールを涼しげに受けるウサギ。
 空飛ぶ鳥に対して、それ以上の高さに跳び上がってみせるウサギ。
 挙げ句の果てに小さな弓を構えたと思ったら身体が光り出したものだから、たまらず怖くなった対戦者が降参する始末。

 棍棒を持つゴブリンは存在するし、水を操る水竜もいる。ーーらしい。
 それでもウサギが弓を射るのは妙な光景のようである。

 そんな仲魔たちと共に暮らす異世界からの来訪者。
 凍花は、今日も不思議なカードを弄って遊んでいるのだった。

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