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1章 ダンジョンと少女
ダンジョン攻略④
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山の近くで見つかった人影は、ウサギの耳をもった『獣人』と言うべき存在だった。
それを見て、エルフやドワーフなんかもいるのかと、少しばかり期待が膨らむ凍花。
身長だけを見れば120cmくらいで理想のドワーフサイズなのかもしれないが。
ただ、それが味方なのか敵なのかは正直まだ分からない。
ダボダボのパーカーを着て、手の先、そして首から膝までを隠しているが、大きめの耳をその袖で覆い隠すようにして屈んでしまっている。
皮膚は毛で覆われているので、やはり人とは呼べない存在なのだが、その怯えるような姿はまるで人間の子供そのもの。
「あのー……大丈夫?」
攻撃されるかもしれないと思うと、そう訊ねる凍花もまた及び腰である。
凍花が話しかけると、『ヒッ』と小さく怯えた声が漏れ聞こえてしまう。
そもそも話が通じるのかは分からなかったが、凍花はゆっくりと屈んで話しかけることにしたのだった。
「この辺も魔物が出てくるし、村まで一緒に行く?
あっ、その前にお腹空いてたりしない? パンなら持ってるんだけど……
お水もあるし、良かったらーー」
やはり言葉は通じないのか、話しかけても時々チラチラと凍花を見るだけの獣人。
凍花も放っておくわけにもいかず、ひとまず木に身を寄せて休むことにしたのだ。
ちぎったパンをひとかけら口に放り込み、『ジャムでもあればなぁ』などと呟きながら水でそれを流し込む。
もう一度ちぎったものを、試しに獣人の近くに差し出してはみるが、やはり簡単には受け取ってはくれなさそうである。
そんなことを10分はしていただろうか?
「お……お姉さんは私を食べようとしない?」
小さく消えそうな声でそう聞こえた凍花。
当然食べるつもりもなければ危害を加えるつもりもない。
放っておいて魔物に襲われる方がよほど胸糞案件である。
「君が何かはわからないけど、訳もなく攻撃したり食べたりなんてあり得ないよ」
自信を持って凍花は答えていた。
「でも……みんな私みたいなのは見つかったら殺されて食べられちゃうんだって……」
一体誰がそんなことを言うのだろうか?
見れば見るほど、ただ可愛いだけの存在で害などあるようには思えない。
ただ、すぐに着いてきてくれるほど気を許すつもりも無さそうである。
「んー……お姉ちゃんはちょっとダンジョンの調査だけしてくるね。
見るだけ見てきたらすぐに戻ってくるから」
どこから来たのかも分からないため、ひとまず付き添いのトラを側にやって様子を見ることにした。
最初は近付く魔物に怯えた獣人であったが、傍に座ってジッとしている姿を見ると落ち着いたようで周囲をキョロキョロと見回していた。
凍花が一人で歩き始めると、その背後から獣人の声が聞こえてくる。
「ダンジョンなら……この先にあるよ……」
そう言って指差す獣人の表情が、先ほどよりは少し明るいものに見えた凍花であった。
それを見て、エルフやドワーフなんかもいるのかと、少しばかり期待が膨らむ凍花。
身長だけを見れば120cmくらいで理想のドワーフサイズなのかもしれないが。
ただ、それが味方なのか敵なのかは正直まだ分からない。
ダボダボのパーカーを着て、手の先、そして首から膝までを隠しているが、大きめの耳をその袖で覆い隠すようにして屈んでしまっている。
皮膚は毛で覆われているので、やはり人とは呼べない存在なのだが、その怯えるような姿はまるで人間の子供そのもの。
「あのー……大丈夫?」
攻撃されるかもしれないと思うと、そう訊ねる凍花もまた及び腰である。
凍花が話しかけると、『ヒッ』と小さく怯えた声が漏れ聞こえてしまう。
そもそも話が通じるのかは分からなかったが、凍花はゆっくりと屈んで話しかけることにしたのだった。
「この辺も魔物が出てくるし、村まで一緒に行く?
あっ、その前にお腹空いてたりしない? パンなら持ってるんだけど……
お水もあるし、良かったらーー」
やはり言葉は通じないのか、話しかけても時々チラチラと凍花を見るだけの獣人。
凍花も放っておくわけにもいかず、ひとまず木に身を寄せて休むことにしたのだ。
ちぎったパンをひとかけら口に放り込み、『ジャムでもあればなぁ』などと呟きながら水でそれを流し込む。
もう一度ちぎったものを、試しに獣人の近くに差し出してはみるが、やはり簡単には受け取ってはくれなさそうである。
そんなことを10分はしていただろうか?
「お……お姉さんは私を食べようとしない?」
小さく消えそうな声でそう聞こえた凍花。
当然食べるつもりもなければ危害を加えるつもりもない。
放っておいて魔物に襲われる方がよほど胸糞案件である。
「君が何かはわからないけど、訳もなく攻撃したり食べたりなんてあり得ないよ」
自信を持って凍花は答えていた。
「でも……みんな私みたいなのは見つかったら殺されて食べられちゃうんだって……」
一体誰がそんなことを言うのだろうか?
見れば見るほど、ただ可愛いだけの存在で害などあるようには思えない。
ただ、すぐに着いてきてくれるほど気を許すつもりも無さそうである。
「んー……お姉ちゃんはちょっとダンジョンの調査だけしてくるね。
見るだけ見てきたらすぐに戻ってくるから」
どこから来たのかも分からないため、ひとまず付き添いのトラを側にやって様子を見ることにした。
最初は近付く魔物に怯えた獣人であったが、傍に座ってジッとしている姿を見ると落ち着いたようで周囲をキョロキョロと見回していた。
凍花が一人で歩き始めると、その背後から獣人の声が聞こえてくる。
「ダンジョンなら……この先にあるよ……」
そう言って指差す獣人の表情が、先ほどよりは少し明るいものに見えた凍花であった。
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