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軌跡への遁走曲《フーガ》
憧憬の眼差し
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依頼を受ける事にした私はギルドで手続きをした後
ロテールさんに引きつられて王国騎士団の庁舎へと案内された。
依頼の手続きの際にロテールさんと一緒にいる所を見られて
ギルド内が偉く騒がしかったけど、まぁ当然か。
………後で変な噂が立ってなきゃいいけど。
ちなみにリーゼとリアを同行させて貰ってる、私の戦い方を
見たいと言うのならば日常的に組み手をしてるリーゼがいた方が
色々都合がいいからね、怪我をさせる心配も無いし。
リアに至っては3日連続お留守番と言うのも可愛そうだからと
言うのが理由だったりする、騎士団の中ならそう滅多な事は無いだろうし
ロテールさんも傍にいてくれるならこの国で1番安全だろうしね。
ちなみにレティツィアさんは今は国元を離れてるらしい。
多分リアに会いたかったと思うから少し残念だね、リアの元気な姿を見れば
喜んでくれただろう。
そんな訳でロテールさんの先導の元騎士団の庁舎内を歩いてる私達。
通りすがりの騎士たちがロテールさんを見て恭しく頭を下げていく、改めて
グレナディーアと言うのは王国の英雄なんだなぁと認識させられる。
その後ろを歩いている私達の姿を不審そうに一瞥していく騎士もちらほらいたけど
その辺りは仕方ないかな。
「堅苦しい場所で申し訳ないね、彼らも騎士と言う立場に誇りを持って
仕事をしているから勘弁してくれないかな」
そんな視線もきちんと認識しているのかロテールさんがそう言って来る。
流石と言うべきか、もしくはそんな視線に晒されてた経験があるんだろうね。
「いえ、お気になさらず
私達が怪しく見えるのは当然でしょうし、何より私も仲間も
この程度の視線は帝国で慣れていますので」
私はそう言って笑みを浮かべる、帝国ではこんな視線を浴びるのは
日常茶飯事だったし今更慣れっこだ。
「そうだったね………と
ご足労済まなかったね、ここが騎士団の訓練所だ」
そんな会話をしている内に建物内を抜け、開けた場所に出る。
ロテールさんが開けた扉からぶわっと熱気が入ってくる、そして
数多くの騎士達が声を上げながら剣を振り、打ち合い、自らの研鑽をしている。
「ふむ………」
その様子に何か感じ入る事があったのがリーゼは少しだけ見回し、声を出す。
逆に騎士達の気迫が怖いのか、リアは私の後ろ隠れて服をぎゅっと掴む。
「大丈夫だよ、あの人達はリアに怖い事なんて何もしないから」
リアの頭を撫で安心させるように優しく語り掛ける。
………う~ん、リアを連れて来たのはちょっと失敗だったかな。
庁舎内の雰囲気もいい感じでピリッとしてるし、規律はきちんと
してそうだから変な騒ぎは起きないとは思うけど。
ロテールさんはそんな私達の様子に僅かに笑みを浮かべた後
奥の方へと歩いていき、私達もそれに続く。
剣戟や時折聞こえる怒号を聞き流しながらロテールさんの後ろを歩く。
やがて訓練所の奥まった一角に辿り着いたところでロテールさんが足を止める。
そこには他の騎士達よりだいぶ若い………見た目中学生くらいの男女が
互いに何かを話し合いながら腕をまっすぐつきだそうとしたり
余り柔軟をやって無さそうな男の子が足を高く上げようとして
すっ転びそうになってたりしてる。
………正直変な踊りを踊ってる様にしか見えないけど、彼らの表情は
真剣そのものだ、これがあの手柄を横取りしようとしてた騎士団の子らなの?
正直全くイメージが違うんだけど………
と言うかホントに格闘っぽい事をしようとして四苦八苦してる、こりゃ確かに
ロテールさんが私に話を持ってくるのも納得だ。
しかし何でまた格闘なんかをしようと思ったんだろこの子達………
私に影響されたみたいってロテールさん言ってたけど、ぶっちゃけあの戦闘じゃ
首無しに有効打を打ち込むどころか触手に捕またあげく
腕斬り飛ばして仲間達に迷惑をかけっぱなしだったんだけどな。
「今日で3日目………正直一過性のモノだと思ってたけど
まさか彼らがここまで真剣だったとは………驚愕だね」
彼らの様子を見てロテールさんも少し驚いた様でそんな事を呟く。
その口調から普段はロテールさんの指示を聞かず真面目に訓練などしない
もしくはやった振りをするのが日常だったのだろう。
しかしまずます分からない、彼らの動きから私の戦い方に影響されたのは
間違いは無いんだろうけど、貴族のボンボン達に影響を及ぼす様な
戦いなんかした覚えも無いし、会話もリーダー格の子と二~三話しただけだ。
一体何があったのやら………
困惑している私をロテールさんは一瞬だけチラッと見た後
騎士団の子らに顔を向け
「金輝騎士団の諸君、鍛錬ご苦労!!
今日は君達に紹介したい方がいる、どうか集まってくれ!!」
鍛練をしてる騎士団の子らに向かって声を張り上げる。
………なんか言い回しがっちょっと軍隊っぽくないね、本来なら
この手の教官の指示って簡潔かつ問答無用な感じで言うものだと思ったけど
彼らに関しては色んなしがらみがあってあまり強くは言えないっぽいね。
その証拠に騎士団の子らの反応も鈍く、手を止めてロテールさんの方に
向く子がいればいればいい方で、チラッと一瞥するだけの子
挙句の果てには完全に無視してる子もいる。
た、態度悪いなぁ………なんか騎士団って言うより学校のような雰囲気だね。
それも問題児ばかりを寄せ集めたクラスみたい。
さしずめロテールさんは生徒に振り回される教師って感じかな。
ロテールさんも慣れてるのか再びこちらをちらっと見て苦笑を浮かべる。
………苦労してそうだね、ホント。
とは言え私がしゃしゃり出るのも筋が違う、まぁ気長に待つとしましょうかね。
そう思って鍛錬風景を眺めていたら、不意に騎士団の男の子と目が合う。
「えっ………」
その子は私を見るなり驚いた様に目を見開き動きを止める。
おや?何か妙な反応だね、ロテールさんは露骨に無視してたのに。
数秒ほど見つめ合う私達、そして次の瞬間
ぱあっと顔をほころばせた後、物凄い勢いでわき目もふらず
私の所まで駆け寄って来る。
「あ、貴方はあの時の!!
まさかこんな所で遭えるなんて………何故ここに!?」
ロテールさんの時とはうって変わって、キラキラと目を輝かせながら
矢継ぎ早に私に質問をしてくる。
………えっと、どういう事?
困惑する私、何か前と会った時より態度が違い過ぎない!?
そんな私達の様子に気付いたのか、他の騎士団の子達も
私の存在に気付いて行き………
「おいおい、何であの人がここにいるんだ」
「嘘………本物よね!?」
「ああ………麗しいお姿、是非お姉さまと呼ばせて頂きたいですわ~」
………なんか変な言動も聞こえた気がするけど、鍛錬の手を止めて
私の姿を確認した後、次々と傍に駆け寄って来る。
「あの、手で攻撃する方法ってどうすればいいんですか!?」
「どうやったら足をあんなに高く上げることが出来るんだ!?教えてくれ!!」
「あんな前に倒れそうな態勢なのにどうして走れるの!?」
そして矢継ぎ早に私に質問してくる騎士団の子達。
ちょっ、ホントにどういう事!?
一体何がこの子達にあってこんな事になってるの、私そんなに変なことした!?
困惑しつつも、確かフィルとの出会いもこんな感じだったなぁと思い出してしまい
少しだけ懐かしい感じになる。
とは言え、この事態を収拾しない事には話は進まない。
事態の打開を求めてロテールさんに視線を送ると、コホンと1つ咳を入れた後
「静粛に!!
この方は私が本日、君達の指導を依頼した冒険者の『レン=キミヅカ』殿だ
失礼の無い様に!!」
はきはきと良く通った声でそう宣言した。
ロテールさんに引きつられて王国騎士団の庁舎へと案内された。
依頼の手続きの際にロテールさんと一緒にいる所を見られて
ギルド内が偉く騒がしかったけど、まぁ当然か。
………後で変な噂が立ってなきゃいいけど。
ちなみにリーゼとリアを同行させて貰ってる、私の戦い方を
見たいと言うのならば日常的に組み手をしてるリーゼがいた方が
色々都合がいいからね、怪我をさせる心配も無いし。
リアに至っては3日連続お留守番と言うのも可愛そうだからと
言うのが理由だったりする、騎士団の中ならそう滅多な事は無いだろうし
ロテールさんも傍にいてくれるならこの国で1番安全だろうしね。
ちなみにレティツィアさんは今は国元を離れてるらしい。
多分リアに会いたかったと思うから少し残念だね、リアの元気な姿を見れば
喜んでくれただろう。
そんな訳でロテールさんの先導の元騎士団の庁舎内を歩いてる私達。
通りすがりの騎士たちがロテールさんを見て恭しく頭を下げていく、改めて
グレナディーアと言うのは王国の英雄なんだなぁと認識させられる。
その後ろを歩いている私達の姿を不審そうに一瞥していく騎士もちらほらいたけど
その辺りは仕方ないかな。
「堅苦しい場所で申し訳ないね、彼らも騎士と言う立場に誇りを持って
仕事をしているから勘弁してくれないかな」
そんな視線もきちんと認識しているのかロテールさんがそう言って来る。
流石と言うべきか、もしくはそんな視線に晒されてた経験があるんだろうね。
「いえ、お気になさらず
私達が怪しく見えるのは当然でしょうし、何より私も仲間も
この程度の視線は帝国で慣れていますので」
私はそう言って笑みを浮かべる、帝国ではこんな視線を浴びるのは
日常茶飯事だったし今更慣れっこだ。
「そうだったね………と
ご足労済まなかったね、ここが騎士団の訓練所だ」
そんな会話をしている内に建物内を抜け、開けた場所に出る。
ロテールさんが開けた扉からぶわっと熱気が入ってくる、そして
数多くの騎士達が声を上げながら剣を振り、打ち合い、自らの研鑽をしている。
「ふむ………」
その様子に何か感じ入る事があったのがリーゼは少しだけ見回し、声を出す。
逆に騎士達の気迫が怖いのか、リアは私の後ろ隠れて服をぎゅっと掴む。
「大丈夫だよ、あの人達はリアに怖い事なんて何もしないから」
リアの頭を撫で安心させるように優しく語り掛ける。
………う~ん、リアを連れて来たのはちょっと失敗だったかな。
庁舎内の雰囲気もいい感じでピリッとしてるし、規律はきちんと
してそうだから変な騒ぎは起きないとは思うけど。
ロテールさんはそんな私達の様子に僅かに笑みを浮かべた後
奥の方へと歩いていき、私達もそれに続く。
剣戟や時折聞こえる怒号を聞き流しながらロテールさんの後ろを歩く。
やがて訓練所の奥まった一角に辿り着いたところでロテールさんが足を止める。
そこには他の騎士達よりだいぶ若い………見た目中学生くらいの男女が
互いに何かを話し合いながら腕をまっすぐつきだそうとしたり
余り柔軟をやって無さそうな男の子が足を高く上げようとして
すっ転びそうになってたりしてる。
………正直変な踊りを踊ってる様にしか見えないけど、彼らの表情は
真剣そのものだ、これがあの手柄を横取りしようとしてた騎士団の子らなの?
正直全くイメージが違うんだけど………
と言うかホントに格闘っぽい事をしようとして四苦八苦してる、こりゃ確かに
ロテールさんが私に話を持ってくるのも納得だ。
しかし何でまた格闘なんかをしようと思ったんだろこの子達………
私に影響されたみたいってロテールさん言ってたけど、ぶっちゃけあの戦闘じゃ
首無しに有効打を打ち込むどころか触手に捕またあげく
腕斬り飛ばして仲間達に迷惑をかけっぱなしだったんだけどな。
「今日で3日目………正直一過性のモノだと思ってたけど
まさか彼らがここまで真剣だったとは………驚愕だね」
彼らの様子を見てロテールさんも少し驚いた様でそんな事を呟く。
その口調から普段はロテールさんの指示を聞かず真面目に訓練などしない
もしくはやった振りをするのが日常だったのだろう。
しかしまずます分からない、彼らの動きから私の戦い方に影響されたのは
間違いは無いんだろうけど、貴族のボンボン達に影響を及ぼす様な
戦いなんかした覚えも無いし、会話もリーダー格の子と二~三話しただけだ。
一体何があったのやら………
困惑している私をロテールさんは一瞬だけチラッと見た後
騎士団の子らに顔を向け
「金輝騎士団の諸君、鍛錬ご苦労!!
今日は君達に紹介したい方がいる、どうか集まってくれ!!」
鍛練をしてる騎士団の子らに向かって声を張り上げる。
………なんか言い回しがっちょっと軍隊っぽくないね、本来なら
この手の教官の指示って簡潔かつ問答無用な感じで言うものだと思ったけど
彼らに関しては色んなしがらみがあってあまり強くは言えないっぽいね。
その証拠に騎士団の子らの反応も鈍く、手を止めてロテールさんの方に
向く子がいればいればいい方で、チラッと一瞥するだけの子
挙句の果てには完全に無視してる子もいる。
た、態度悪いなぁ………なんか騎士団って言うより学校のような雰囲気だね。
それも問題児ばかりを寄せ集めたクラスみたい。
さしずめロテールさんは生徒に振り回される教師って感じかな。
ロテールさんも慣れてるのか再びこちらをちらっと見て苦笑を浮かべる。
………苦労してそうだね、ホント。
とは言え私がしゃしゃり出るのも筋が違う、まぁ気長に待つとしましょうかね。
そう思って鍛錬風景を眺めていたら、不意に騎士団の男の子と目が合う。
「えっ………」
その子は私を見るなり驚いた様に目を見開き動きを止める。
おや?何か妙な反応だね、ロテールさんは露骨に無視してたのに。
数秒ほど見つめ合う私達、そして次の瞬間
ぱあっと顔をほころばせた後、物凄い勢いでわき目もふらず
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「あ、貴方はあの時の!!
まさかこんな所で遭えるなんて………何故ここに!?」
ロテールさんの時とはうって変わって、キラキラと目を輝かせながら
矢継ぎ早に私に質問をしてくる。
………えっと、どういう事?
困惑する私、何か前と会った時より態度が違い過ぎない!?
そんな私達の様子に気付いたのか、他の騎士団の子達も
私の存在に気付いて行き………
「おいおい、何であの人がここにいるんだ」
「嘘………本物よね!?」
「ああ………麗しいお姿、是非お姉さまと呼ばせて頂きたいですわ~」
………なんか変な言動も聞こえた気がするけど、鍛錬の手を止めて
私の姿を確認した後、次々と傍に駆け寄って来る。
「あの、手で攻撃する方法ってどうすればいいんですか!?」
「どうやったら足をあんなに高く上げることが出来るんだ!?教えてくれ!!」
「あんな前に倒れそうな態勢なのにどうして走れるの!?」
そして矢継ぎ早に私に質問してくる騎士団の子達。
ちょっ、ホントにどういう事!?
一体何がこの子達にあってこんな事になってるの、私そんなに変なことした!?
困惑しつつも、確かフィルとの出会いもこんな感じだったなぁと思い出してしまい
少しだけ懐かしい感じになる。
とは言え、この事態を収拾しない事には話は進まない。
事態の打開を求めてロテールさんに視線を送ると、コホンと1つ咳を入れた後
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