「完結しました!」【R18】『イケメン男子高校生を飼っています。~アラサー女の欲望コンプリート日誌2024~』【こども食堂応援企画参加作品】

ぽよぽよ

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第28話「被害届」

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第28話「被害届」

 「螢ちゃん、刑事告訴って穏やかやないなぁ。何があったんや?」
黒瀬が心配して蛍をなだめた。蛍は今日の出来事を隠すことなく黒瀬に説明した。黒瀬は電話の向こうで「うーん」と悩みこんでしまった。
「螢ちゃん、とりあえず、どんなことでも相談にのってくれるよろず相談のコンサルタントに電話さすわ。そこで説明を聞いてどうするか決めたらどうや。言うても、身内相手の刑事告訴になるんやからな。彼氏ともきちんと相談しいや。」
と電話を切ると、5分後に電話がかかってきた。
「もしもし、佐久間さんの携帯ですか?黒瀬社長から連絡いただきました、金城司法書士事務所の相談員の副島と言います。黒瀬社長から概要はお伺いしてるんですけど、改めてお聞きしたいことがあるんですけど、よろしいですか?」

 電話で約10分説明すると、副島から現場の確保の指示があった。蛍に実の姉の「碧」が犯人である確証は有っても、警察で証拠とされる物証がないと即時起訴は難しいとの事だった。凪のシャワーも警察の鑑識が終わるまでは待って欲しいと念を押された。
 凪は、すぐにでも碧の「臭い」を洗い流したかったが、指示に従うことにした。副島も今から「やんちゃなチワワ」821号室に来ることになり、その後、警察に通報するかどうか判断することとなった。

 副島が到着するまでの間、凪の様子がおかしいので蛍が尋ねると、トイレに行きたいとの事だった。恥ずかしそうに、トイレに行きドアを閉めるとすぐに「痛っ!」っと凪の声が響いた。
「凪くん、どうしたん?大丈夫?」
と蛍が尋ねると、
「お尻が血まみれです。」
と返事があった。ウォシュレットで洗い流した後、蛍が確認するとペニスバンドで無理やり挿入された際に切れたようだった。(畜生!大事な凪君を傷つけやがって!絶対に許せへんからな!)蛍は激しい怒りを覚えた。

 まもなく副島が到着し、現場の状況をビデオを写真に収めた。凪に対し聞いた。
「河貝子君、これからの調べで、警官にお尻の穴の確認や内視鏡での検査等恥ずかしいことがある。取り調べや裁判となったら、思い出したくないことでも何度でも話さなあかん。これらを「セカンドレイプ」ともいうねんけど、耐えられるか?」
 凪は蛍を視線を合わせた。
「同じことを繰り返させへんため、今後の私たちの「安寧」の為に、一緒に頑張ろう!私は、どんなことがあっても凪君の味方やで。それだけは信じて!」
の蛍の言葉に凪は頷いた。

 副島がよく知る門真署の刑事に連絡が入れられた。刑事と2人の警官と3人の鑑識がやってきた。副島が前面に立って説明をしてはくれたが、刑事から直接、蛍と凪の関係等、しつこく聞かれ、凪と蛍のラインに残った写真と動画に対して答える凪の姿が痛々しかった。
 同行の制服警官が管理人室で碧の夫所有のアウディーの画像が駐車場の防犯カメラの映像で確定した。鑑識は、蛍が屑籠に捨てた、アダルトグッズを取り出し、透明のビニール袋に入れていった。特殊な綿布でベッドに染み込んだ碧の尿も採取され、ベッド上に残った髪、陰毛が残すことなくピンセットで回収されていった。床の残された、碧が飲んだであろう口紅のついたビールの缶は、有効な本人確定の証拠になると副島がふたりに説明してくれた。

 凪の「ぴー」や「肛門」にも特殊なシートで残っているであろう碧の唾液や体液が回収された。さすがに、その作業中に凪が反応することがなく、蛍は少しほっとしたと同時に、そこまで吸い尽くした碧に対する怒りが残った。凪の菊門は約1センチの裂傷が残っていることから、「未成年略取誘拐」、「拉致監禁」、「強姦」に「傷害」が加わることで、起訴は十分に可能だろうと副島が言った。さらに、碧を有罪に確実に持ち込みたいのであれば、心療内科で「PTSD」の診断を受けることを勧められた。
 警察の捜査は、約3時間で終わり、追加の部屋代を蛍が支払うと、副島の指定する病院に行き、凪の「菊門」の診断書を取り付けた。「肛門への異物挿入による外傷(裂肛)全治30日見込み」の診断書を受け取り、門真署の刑事課に被害届を提出しに行った。

 すっかり日は落ち、副島と別れた後、昼ご飯を食べていなかったことに気が付いた。蛍は凪に「何か食べに行こうか?」と問いかけると、「今日も螢さんの部屋じゃダメですか?」と凪が答えたので、門真市駅の商店街にあるすし屋で上握りを3人前を持ち帰りで頼み、螢の部屋にふたりで戻った。
 口数少なく、ふたりで食事を済まし、カウチにふたりで並んで座ると、
「螢さん、僕、汚れてしまったんですよね。螢さん、好きです。大好きなんです。こんな僕を嫌いになられても仕方がないんですけど、どうか嫌いにならないでください…。」
と蛍の胸で凪は泣き続けた。



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