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第34話「城崎温泉へ」
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第34話「城崎温泉へ」
凪が戸惑いながらも、好意的な反応を見せたので、蛍の心も緩んだ。
「凪君の学校をさぼらせてしまうのは、どうかとは思うんやけど、とりあえず日曜日までは家に帰りにくいんやったら、私的には一緒にどこか行きたいかな…。」
蛍は真っ赤になって、凪に問いかけると
「学校も、バイトも家もどうでもいいですよ!螢さんのお仕事に差し支えがなければ、ずっと一緒にいさせてください。お願いします。」
と即答で帰ってきた。
「じゃあ、ちょっと待ってな。一応会社にも連絡入れて確認とるわな。」
蛍は、黒瀬の携帯に電話を入れ、本当に休みを取っていいのか確認した。「火曜日の商談には同席して欲しいんで、月曜まではゆっくり楽しんでおいで。」と優しく言葉をかけてもらった。蛍は、黒瀬に礼を伝えると、今日から月曜日までの5日間の休みをもらった。
「凪君、私は、月曜日まで休みは取ったから、とりあえず日曜日までは、どこか行こうか?温泉でも行って美味しいもの食べるっていうのはどうかな?」
「あの、僕、手持ち6千円しかないんですけど…。」
凪がうつむくと、蛍は凪の肩をバンバンと叩き、
「何言うてんのよ!払いは、お姉さんに任せてくれたらええんよ!もう一回聞くけど、ホンマに日曜までは家に帰らんでも大丈夫なん?」
と聞いた。「ちょっと待ってください」と断りを入れて、凪は妹にラインを入れた。
すぐに、「お兄ちゃん、頑張って!お土産、頼むよ!」のメッセージと「応援してます」のスタンプと「お母さんのことは任せといて!」とのメッセージが帰ってきて、蛍にも確認させた。
「そしたら、どこか行きたいところとか食べたいもんある?遠慮せんと何でも言ってや。」
と蛍が尋ねると、凪は
「螢さんと一緒ならどこでもいいです。よろしくお願いします。」
と頭を下げた。蛍はマイバッハのエンジンをかけて、嬉しそうに凪に言った。
「じゃあ、城崎温泉でも行こうか?但馬牛と海の幸食べて、ゆっくり温泉入ってってな!そうとなったら、マンションに私の着替えを取りに寄らせてな。」
蛍がマンションまで車を走らせると、見慣れないベンツがマンションの前に停まっていた。凪がふと気づいて蛍に言った。
「螢さん、あのベンツの人、昨日うちに来た弁護士です。間違いないです。」
蛍は、マンションを素通りし、角を曲がったところで車を止めた。(もう、来たんか?こりゃ、具合悪いよなぁ…)とスマホを取り出すと、知らない番号から着信が3回入っていた。3度目の着信にメッセージが残されていて、碧の弁護士が蛍のマンションに来るとの内容だった。
「凪君、着替えを取りに行くのはあきらめて、このまま旅行に行ってしまおうか?服なんか豊岡で買ったらええことやしな。知ってる宿あるから、空きがあるか確認するわ。」
と言い、蛍は、ブルートゥースの車載マイクで宿に連絡を入れた。幸い、一件目で予約は取れた。状況によっては、連泊も可能との事だったので、とりあえず、今晩の予約を入れた。
カーナビの到着予定時間は6時35分を指している。
「凪君、豊岡市内ですこし買い物しても午後7時には到着するから、ご飯は午後8時でええかな?」
凪が頷いたのを確認して、
「すみません、晩御飯は8時でお願いします。大人2名、1室でお願いします。盛り付けは、一つは「半人前」、もう一つは「1.5人前」にしてください。あと、但馬牛の陶板焼き一人前つけて、部屋食でお願いします。あと、貸し切り湯に空きがあるようなら、午後10時でお願いします。」
と蛍は宿に確認を入れ、スマホを切った。
凪は助手席で真っ赤になっているが、表情が不安げなのが気になった。
「凪君、どないしたん?」
「螢さん、貸し切り湯って、一緒にお風呂に入れるってことですよね。すごくうれしくて、心と頭は興奮してるんですけど、下が反応しないんです…。今朝も、勃たなくて…。一緒にお風呂に入って、またダメだったらどうしようと思って…。」
申し訳ないといった顔で、凪がうつむくので蛍は努めて明るく言った。
「そんなん気にせんでええよ。凪君と知り合うまでは、ここ5年は、私、ずっとひとりやったんやから、セックスは無しでも、凪君と一緒に美味しいもの食べて、一緒にお風呂で洗いっこしたり、キスや揉み揉みしていちゃつけたらそれでええんよ。
私、凪君の優しいキスや愛撫だけでも凄い濡れるねんからって、きゃー、私、いったい何言ってんねやろー!はずかしぃー、凪君、今の「濡れちゃう」っていうところなしにして―!そんなん言ったら、ただの「痴女」やんなぁ!凪君もそんな「痴女」相手やったら嫌やろ!」」
と助手席の凪の左肩を大げさにバンバン叩いた。凪は、少しほぐれた表情で笑顔で返事をした。
「螢さんなら、「女神様」でも「痴女」でも僕はどちらも大好きですよ。「あれ」ができるかどうかわかりませんが、今日は、螢さんと思いっきりイチャイチャさせてください。」
凪が戸惑いながらも、好意的な反応を見せたので、蛍の心も緩んだ。
「凪君の学校をさぼらせてしまうのは、どうかとは思うんやけど、とりあえず日曜日までは家に帰りにくいんやったら、私的には一緒にどこか行きたいかな…。」
蛍は真っ赤になって、凪に問いかけると
「学校も、バイトも家もどうでもいいですよ!螢さんのお仕事に差し支えがなければ、ずっと一緒にいさせてください。お願いします。」
と即答で帰ってきた。
「じゃあ、ちょっと待ってな。一応会社にも連絡入れて確認とるわな。」
蛍は、黒瀬の携帯に電話を入れ、本当に休みを取っていいのか確認した。「火曜日の商談には同席して欲しいんで、月曜まではゆっくり楽しんでおいで。」と優しく言葉をかけてもらった。蛍は、黒瀬に礼を伝えると、今日から月曜日までの5日間の休みをもらった。
「凪君、私は、月曜日まで休みは取ったから、とりあえず日曜日までは、どこか行こうか?温泉でも行って美味しいもの食べるっていうのはどうかな?」
「あの、僕、手持ち6千円しかないんですけど…。」
凪がうつむくと、蛍は凪の肩をバンバンと叩き、
「何言うてんのよ!払いは、お姉さんに任せてくれたらええんよ!もう一回聞くけど、ホンマに日曜までは家に帰らんでも大丈夫なん?」
と聞いた。「ちょっと待ってください」と断りを入れて、凪は妹にラインを入れた。
すぐに、「お兄ちゃん、頑張って!お土産、頼むよ!」のメッセージと「応援してます」のスタンプと「お母さんのことは任せといて!」とのメッセージが帰ってきて、蛍にも確認させた。
「そしたら、どこか行きたいところとか食べたいもんある?遠慮せんと何でも言ってや。」
と蛍が尋ねると、凪は
「螢さんと一緒ならどこでもいいです。よろしくお願いします。」
と頭を下げた。蛍はマイバッハのエンジンをかけて、嬉しそうに凪に言った。
「じゃあ、城崎温泉でも行こうか?但馬牛と海の幸食べて、ゆっくり温泉入ってってな!そうとなったら、マンションに私の着替えを取りに寄らせてな。」
蛍がマンションまで車を走らせると、見慣れないベンツがマンションの前に停まっていた。凪がふと気づいて蛍に言った。
「螢さん、あのベンツの人、昨日うちに来た弁護士です。間違いないです。」
蛍は、マンションを素通りし、角を曲がったところで車を止めた。(もう、来たんか?こりゃ、具合悪いよなぁ…)とスマホを取り出すと、知らない番号から着信が3回入っていた。3度目の着信にメッセージが残されていて、碧の弁護士が蛍のマンションに来るとの内容だった。
「凪君、着替えを取りに行くのはあきらめて、このまま旅行に行ってしまおうか?服なんか豊岡で買ったらええことやしな。知ってる宿あるから、空きがあるか確認するわ。」
と言い、蛍は、ブルートゥースの車載マイクで宿に連絡を入れた。幸い、一件目で予約は取れた。状況によっては、連泊も可能との事だったので、とりあえず、今晩の予約を入れた。
カーナビの到着予定時間は6時35分を指している。
「凪君、豊岡市内ですこし買い物しても午後7時には到着するから、ご飯は午後8時でええかな?」
凪が頷いたのを確認して、
「すみません、晩御飯は8時でお願いします。大人2名、1室でお願いします。盛り付けは、一つは「半人前」、もう一つは「1.5人前」にしてください。あと、但馬牛の陶板焼き一人前つけて、部屋食でお願いします。あと、貸し切り湯に空きがあるようなら、午後10時でお願いします。」
と蛍は宿に確認を入れ、スマホを切った。
凪は助手席で真っ赤になっているが、表情が不安げなのが気になった。
「凪君、どないしたん?」
「螢さん、貸し切り湯って、一緒にお風呂に入れるってことですよね。すごくうれしくて、心と頭は興奮してるんですけど、下が反応しないんです…。今朝も、勃たなくて…。一緒にお風呂に入って、またダメだったらどうしようと思って…。」
申し訳ないといった顔で、凪がうつむくので蛍は努めて明るく言った。
「そんなん気にせんでええよ。凪君と知り合うまでは、ここ5年は、私、ずっとひとりやったんやから、セックスは無しでも、凪君と一緒に美味しいもの食べて、一緒にお風呂で洗いっこしたり、キスや揉み揉みしていちゃつけたらそれでええんよ。
私、凪君の優しいキスや愛撫だけでも凄い濡れるねんからって、きゃー、私、いったい何言ってんねやろー!はずかしぃー、凪君、今の「濡れちゃう」っていうところなしにして―!そんなん言ったら、ただの「痴女」やんなぁ!凪君もそんな「痴女」相手やったら嫌やろ!」」
と助手席の凪の左肩を大げさにバンバン叩いた。凪は、少しほぐれた表情で笑顔で返事をした。
「螢さんなら、「女神様」でも「痴女」でも僕はどちらも大好きですよ。「あれ」ができるかどうかわかりませんが、今日は、螢さんと思いっきりイチャイチャさせてください。」
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