「完結しました!」【R18】『イケメン男子高校生を飼っています。~アラサー女の欲望コンプリート日誌2024~』【こども食堂応援企画参加作品】

ぽよぽよ

文字の大きさ
36 / 52

第34話「城崎温泉へ」

しおりを挟む
第34話「城崎温泉へ」

 凪が戸惑いながらも、好意的な反応を見せたので、蛍の心も緩んだ。
「凪君の学校をさぼらせてしまうのは、どうかとは思うんやけど、とりあえず日曜日までは家に帰りにくいんやったら、私的には一緒にどこか行きたいかな…。」
蛍は真っ赤になって、凪に問いかけると
「学校も、バイトも家もどうでもいいですよ!螢さんのお仕事に差し支えがなければ、ずっと一緒にいさせてください。お願いします。」
と即答で帰ってきた。
「じゃあ、ちょっと待ってな。一応会社にも連絡入れて確認とるわな。」

 蛍は、黒瀬の携帯に電話を入れ、本当に休みを取っていいのか確認した。「火曜日の商談には同席して欲しいんで、月曜まではゆっくり楽しんでおいで。」と優しく言葉をかけてもらった。蛍は、黒瀬に礼を伝えると、今日から月曜日までの5日間の休みをもらった。
「凪君、私は、月曜日まで休みは取ったから、とりあえず日曜日までは、どこか行こうか?温泉でも行って美味しいもの食べるっていうのはどうかな?」
「あの、僕、手持ち6千円しかないんですけど…。」

 凪がうつむくと、蛍は凪の肩をバンバンと叩き、
「何言うてんのよ!払いは、お姉さんに任せてくれたらええんよ!もう一回聞くけど、ホンマに日曜までは家に帰らんでも大丈夫なん?」
と聞いた。「ちょっと待ってください」と断りを入れて、凪は妹にラインを入れた。
 すぐに、「お兄ちゃん、頑張って!お土産、頼むよ!」のメッセージと「応援してます」のスタンプと「お母さんのことは任せといて!」とのメッセージが帰ってきて、蛍にも確認させた。
 
 「そしたら、どこか行きたいところとか食べたいもんある?遠慮せんと何でも言ってや。」
 と蛍が尋ねると、凪は
「螢さんと一緒ならどこでもいいです。よろしくお願いします。」
と頭を下げた。蛍はマイバッハのエンジンをかけて、嬉しそうに凪に言った。
「じゃあ、城崎温泉でも行こうか?但馬牛と海の幸食べて、ゆっくり温泉入ってってな!そうとなったら、マンションに私の着替えを取りに寄らせてな。」

 蛍がマンションまで車を走らせると、見慣れないベンツがマンションの前に停まっていた。凪がふと気づいて蛍に言った。
「螢さん、あのベンツの人、昨日うちに来た弁護士です。間違いないです。」
 蛍は、マンションを素通りし、角を曲がったところで車を止めた。(もう、来たんか?こりゃ、具合悪いよなぁ…)とスマホを取り出すと、知らない番号から着信が3回入っていた。3度目の着信にメッセージが残されていて、碧の弁護士が蛍のマンションに来るとの内容だった。

 「凪君、着替えを取りに行くのはあきらめて、このまま旅行に行ってしまおうか?服なんか豊岡で買ったらええことやしな。知ってる宿あるから、空きがあるか確認するわ。」
と言い、蛍は、ブルートゥースの車載マイクで宿に連絡を入れた。幸い、一件目で予約は取れた。状況によっては、連泊も可能との事だったので、とりあえず、今晩の予約を入れた。
 カーナビの到着予定時間は6時35分を指している。
「凪君、豊岡市内ですこし買い物しても午後7時には到着するから、ご飯は午後8時でええかな?」
凪が頷いたのを確認して、
「すみません、晩御飯は8時でお願いします。大人2名、1室でお願いします。盛り付けは、一つは「半人前」、もう一つは「1.5人前」にしてください。あと、但馬牛の陶板焼き一人前つけて、部屋食でお願いします。あと、貸し切り湯に空きがあるようなら、午後10時でお願いします。」
と蛍は宿に確認を入れ、スマホを切った。

 凪は助手席で真っ赤になっているが、表情が不安げなのが気になった。
「凪君、どないしたん?」
「螢さん、貸し切り湯って、一緒にお風呂に入れるってことですよね。すごくうれしくて、心と頭は興奮してるんですけど、下が反応しないんです…。今朝も、勃たなくて…。一緒にお風呂に入って、またダメだったらどうしようと思って…。」
申し訳ないといった顔で、凪がうつむくので蛍は努めて明るく言った。
「そんなん気にせんでええよ。凪君と知り合うまでは、ここ5年は、私、ずっとひとりやったんやから、セックスは無しでも、凪君と一緒に美味しいもの食べて、一緒にお風呂で洗いっこしたり、キスや揉み揉みしていちゃつけたらそれでええんよ。
 私、凪君の優しいキスや愛撫だけでも凄い濡れるねんからって、きゃー、私、いったい何言ってんねやろー!はずかしぃー、凪君、今の「濡れちゃう」っていうところなしにして―!そんなん言ったら、ただの「痴女」やんなぁ!凪君もそんな「痴女」相手やったら嫌やろ!」」
と助手席の凪の左肩を大げさにバンバン叩いた。凪は、少しほぐれた表情で笑顔で返事をした。
「螢さんなら、「女神様」でも「痴女」でも僕はどちらも大好きですよ。「あれ」ができるかどうかわかりませんが、今日は、螢さんと思いっきりイチャイチャさせてください。」



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

麗しき未亡人

石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。 そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。 他サイトにも掲載しております。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...