「完結しました!」【R18】『イケメン男子高校生を飼っています。~アラサー女の欲望コンプリート日誌2024~』【こども食堂応援企画参加作品】

ぽよぽよ

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第50話「エピローグ」

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第50話「エピローグ 「Light Dining-Bar Calm&Firefly」」

 蛍は鼻水を垂らしながら泣き顔を上げた。(えっ、凪君、どういう意味?)
「螢さん、正直に言っていただきありがとうございます。泣かせてしまうようなことを話させてすみませんでした。
 まず、修理代の問題ですが、安く上がってよかったじゃないですか。車屋さん、頑張ってくれたんですね。修理代が280万円でも20万円でも僕に払えないのは同じですから、どのみち「ペット契約」には変わりありませんよ。全然、ノープロブレムですね。騙されたなんて思ってません。
 お仕事の話も、気にされなくていいんじゃないですか?そりゃ、螢さんが、その社長さんのことを男の人として「好き」で僕が「遊びのおもちゃ」だったらちょっと嫌ですけど、体の関係もないんだったら、お風呂入るくらいはいいじゃないですか?女優さんが、ドラマや映画で裸を見せるのと一緒じゃないですか?そりゃ、螢さんほどの美人だったら、社長さんも一緒にお風呂入ったら楽しいと思いますよ。気にすることないと思いますよ。
 あと、螢さんは螢さん。お姉さんはお姉さん。血は繋がってたって、別人じゃないですか。昨日までは、一昨日の事件で今後、螢さんを喜ばしてあげられなかったらどうしようって悩みましたけど、神様のおばちゃんのおかげでもう大丈夫ですよ。お金の話は、僕には基準が分からないので、螢さんにお任せします。
 僕にとっては、螢さんと今まで通りに一緒にいられれば、今言われたことなんか、問題じゃないですよ。今からというか、これからもずっと螢さんの近くにいさせてください。僕にとっては、螢さんが全てですから…。これから、「頼り」にしてもらえるように頑張りますので、どうか、今まで通りでお願いします。
 ほら、せっかくの「凄い美人」が鼻垂らしてちゃ、台無しですよ。さあ、鼻をかんで泣き止んでください。」
と満面の笑みでティッシュボックスを手に取ると、蛍の鼻を拭いてくれた。(えっ、私許されたの?夢じゃないよね…?)悲しみの涙がうれし涙に変わった。

 蛍は、凪の顔を見て問うた。
「こんな私でいいの…?」
「こんな螢さんが好きなんです。いつも優しくて、そして正直な螢さん…。愛してます。これからもお願いします。」
と凪は笑顔で答えると、テーブルを回り、蛍を抱きしめた。(あぁ、良かった…。)それ以上の感情は出てこない蛍の唇に凪の唇が優しく重なった。
「良かった…。ほんとに良かった…。凪君…。もっとぎゅっとして…。」
「螢さん、僕も良かったです。さあ、奥の部屋に行きましょうか。螢さんに喜んでもらえるよう、頑張らせてもらいますよ!」
 凪は蛍をお姫様抱っこすると、隣の布団が敷かれた部屋へ移動した。


 翌朝、凪は自宅の母親に電話を入れた。母親もいくらか落ち着きを取り戻していた。碧の弁護士からは、金曜日に「500万」の和解金を提示されていたと聞いた。凪は、「事件当日に世話になった司法書士事務所の副島さんに相談しようと思う。」と伝え、昨晩、ふたりで燃えた後に話し合った内容を母に伝えた。思ったほど、凪の母の反応は悪くなかった。
「じゃあ、今日の夕方にはお土産持って帰るわな。」
と言うと、電話を切った。

 続いて、螢が副島に電話して、アドバイスをもらったうえ、碧の弁護士に電話を入れた。日曜日であるにもかかわらず、弁護士は電話に出て、昨日の条件で和解文書を作成するので、明日にでも副島同席の上、和解に向けた打ち合わせに入る方向で話がまとまった。


 1ケ月後…。蛍は凪と一緒に「改装工事中」の看板が出た、飲食店建物の中にいた。凪が楽しそうに調理場ではしゃいでいる。
「螢さん、キッチンスペースはこんなもんでいいですかね。ガスコンロ4台にオーブングリルが2台に電子レンジが2台に炭火コンロが1台。6枚ドアの冷凍冷蔵庫が一台に台下冷蔵庫に製氷機にガラスショーケースにサーバーに食洗器が残ってるんですね。買えば中古でも、きっと100万は下らないですよね。カウンターとパーテーションの制作だけで済んだんで安く上がりましたね。」
「せやな、前のオーナーが急に患ってしまって、賃貸解約するにしても荷物出す時間もなかったってさ。うちの黒瀬社長の知り合いやからそのまま使ってええって話や。内装もきれいやから、カウンターなんかの改装だけやったもんな。
 でもそこは、さすが工業高校生やな!凪君と友達だけで作ってしもて業者いらずやったもんな。スタッフは、柔道部の子が交代でバイトしに来てくれるんやったら「イケメン居酒屋」で女性客にモテモテやな。カラカラカラ。」
と蛍が笑って返す。

 「よー、蛍ちゃん、凪君、準備は進んでるか?これはわしからのお祝いの黄金のビリケンさんや。毎日、足の裏描いてあげるんやで!」
と黒瀬が実物大の大阪を代表する神様の「ビリケンのレプリカを持ち込んできた。
「あー、社長、ありがとー!招き猫やなくてビリケンさんってとこが社長らしいなー!ありがたく飾らせてもらいまーす。」
と蛍が受け取ると、完成したばかりのカウンター席のレジの横に設置した。凪も黒瀬に対して丁寧にお礼のお辞儀をした。
「いやー、まさか、蛍ちゃんが凪君とお店を開くことになるとは思ってなかったなー。まあ、蛍ちゃんが昼は仕事続けてもらえるっていうから贔屓にさせてもらうで。夜は、ちょこちょこ寄らせてもらうわな。じゃあ、蛍ちゃん、凪くん、ふたりで仲良く頑張るんやで!」
と言うと黒瀬は出て行った。

 「螢さん、黒瀬社長ってホントいい人ですよね。店の保証金も値切ってくれたし、仕入れ業者も紹介してくれましたもんね。いろいろしなきゃいけないと思ってた事務的なこと、ほとんどやってもらっちゃいましたもんね。」
「せやな。会社、やめるっていった時はめちゃくちゃ反対されたけど、「夜だけの店やったら協力するで!」って180度方向転換やったもんな!凪君のことも気に入ってくれたしよかったわ。
 それにしても、凪君、碧姉ちゃんからの慰謝料1000万の内、800万、妹さんの学費と生活費にって家に渡したんやろ!まあ、200万で開業できそうなとこにはたどり着いたけど…。」
 凪は、碧との和解金のほとんどを家に入れることで、自立し、蛍と一緒に飲食店を開くくことで母親を説得したのだった。居酒屋のアルバイト中に調理師免許はとっていたので営業許可は副島がすぐにとってくれた。二階の居住スペースに荷物を持ち込み、先週からこの店から学校には通い、夜は造作物の制作に入っていた。

 夜10時、店内の掃除も終わり、備品を片付けに入った。
「螢さん、明日は黒瀬社長の会社の仕事はお休みなんでしょ?今日は、泊っていってもらえるんですよね!」
「モチのロンやで!もうちょっとでショップカードのデザイン終わるから、その後は「ラブラブタイム」やで。凪君も「やる気」満々やろ?先にお風呂いれてこよか?今日はローション持ってきてるから「ぬるぬるプレイ」でも楽しもうか?」
「あー、いいですね!僕も精一杯サービスさせてもらいますよ!凄い楽しみです!」
 嬉しそうに片づけを進める凪に蛍がいたずらっぽく言う。
「凪君、今日はもうひとつ、サプライズのプレゼントがあんねんで!きっと喜んでもらえると思うで!」
「えー、何ですか?教えてくださいよー!」
 前のめりになる凪の耳元で蛍はいやらしく囁いた。
「実は私、「ピル」飲み始めてん…。凪君、だいぶ長持ちするようになってきたから、今日からゴム無しで好きなだけしてもろてええねんで!きちんと何度も「いく」まで可愛がってや…。うふっ!」

 蛍は凪の耳たぶを軽くかみ、「ちゅっ」とすると、自分のワークスペースに戻り、パソコンの画面をチェックして、プリンターのスイッチを入れた。
「さあ、私の方は作業終了やで!ショップカード、300枚打ち出しとくわな。凪君は終われそうかな!」
 凪は真っ赤になって、頷いた。凪の作業ズボンの股間ははちきれんばかりに「ぱつんぱつん」に張り出していた。

 プリンターが名刺用紙に印刷を開始した。プリントアウトされるショップカードには、「Light Dining-Bar Calm&Firefly」と店の名前と凪と蛍の似顔絵が入っていた。連続印刷を続けるプリンターの音に混ざって、「きゃっきゃ」と凪と蛍のいちゃつく声が店の二階から響いていた。
(※Calm:凪、Firefly:蛍の英語です)

おしまい。


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感想 2

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みんなの感想(2件)

なっち
2024.11.16 なっち

凪君いいですねー💓
行いの一つ一つにキュンキュン来ます。

あー、私も18歳イケメン食べてみたい!って思わず想像しちゃいますね(笑)。
拓海君と併せて楽しませてもらいますねー!
がおっ!
(●^o^●)

2024.11.16 ぽよぽよ

「なっち」さん感想ありがとうございます。
凪君は「ピュア」の塊っていう設定でした(笑)。

そんなかわいい凪君を欲望のままに扱ってしまいました。
それでも懸命に蛍ちゃんに尽くす凪君が人気ありました(笑)。

みんな考えることは一緒ですね(笑)
(⋈◍>◡<◍)。✧♡

解除
やまぴかりゃ

蛍ちゃん&凪君お帰りー!
読みたかったんだよねー!
七海&拓海&海斗と併せて応援させてもらいまーす!
「こども食堂」のためにぱにゃにゃんだー!
(≧▽≦)b

2024.11.16 ぽよぽよ

「ただいまー(笑)!」
いきなりの応援ありがとうございました!

こんな作品を待っててくれた人がいるだけでもうれしいです!
ただれた小説ですが、「こども食堂」の為に頑張りまーす!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡

解除

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