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第四章 正直者の帰還
第一話 ナガミ村にて
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アックスクラウン大学の調査隊を乗せた二頭立ての立派な馬車四台と荷馬車二台がナガミ村に到着したのはマサカー教授とシロが約十年振りに再会を果たしたその翌日の朝、ヌガキヤ村にドラゴンが飛来してから六日目のことだった。シロはまだキンシャチのハッチョ屋ナカさんの庇護の元、昏々と眠っている。
大学を出発した時点では馬車は五台、荷馬車三台、総勢二十名の一団であったが、キンシャチ市街を出てヌガキヤ村へ向かう途中の四つ辻付近でアクシデントに見舞われ、先頭を行く馬車に乗っていた四名のうち、キャリッジから外に投げ出された生物学の教授が死亡、その助手と学生二人はキャリッジ内の壁に酷く打ちつけられ、御者を務めていた学生は折れた腕からギザギザの骨が突き出るほどの重症だった。さらに、後続の馬車に乗っていた隊員にも数名怪我人が出たため、無事だった馬車と荷馬車一台ずつに怪我人や死者を詰め込み、比較的けがの程度の軽い者を御者にしてキンシャチへ送り返したため、結局七名が脱落することとなり、ナガミ村に到着したのは十三名となっていた。
一行が停車したのは、ナガミ村の村はずれの森の入口前、三日前の未明にシロがトロちゃんにしばしの別れを告げた辺りであった。なだらかな草地の斜面を登り切ると鬱蒼と木々が茂り、そこから先は、もはや馬車どころか馬も連れていくことはできない。朝の光も森の奥までは届かないようで、入口から伺える森は暗く陰鬱だ。
「さあみんな、荷ほどきするわよ」
徹夜で行進したため馬も人も疲労の色が隠せない中で、マサカー教授だけがはしゃいでいるといってもよい明るさで皆を鼓舞していた。昨日の午後から突然顔面に発症したという湿疹が治まったそうで、寡婦のような黒いベールを取り払うことができたのもその一因だったかもしれないが、普段は物静かで気弱にさえ見えるマサカー教授にしては珍しいことだった。黒い色眼鏡の奥の瞳も機嫌のよい猫のように細くなっているのがわかる。
教授以外の面々は、重苦しい雰囲気の中、重い体に鞭打って荷ほどきを始めた。年齢にばらつきはあれど全員男性で、マサカー教授は紅一点だ。
「みんな、なにお通夜みたいな顔をしているの。疲れているのはわかるけど、この森を抜ければ、本物のドラゴンにお目にかかれるかもしれないのよ」
一同の間に微妙な空気が流れた。昨晩の事故で生物学教授が死亡していたし、学生一人も重体、他は比較的軽症だったが、もしかしたらキンシャチに戻るまでに死者が増えているかもしれないという状況だ。
「マサカー教授は、ロラン教授とは仲が良かったのに……平気なんですか?」
暗い顔をしたイーライにそう問われ、マサカー教授は早口で言う。
「もちろん、悲しいわ。でも、鳥類の祖先はドラゴンだなんて頓珍漢な説を大真面目に唱えるような人だったのよ。いなくなっても学会の損失はゼロよ」
実のところ、彼と二人きりになるたびに鉤爪でめちゃめちゃに切り刻んでやりたい欲望を押さえなければならないので、往生していたのだった。先頭の馬車に乗せておいてよかった、と内心思ったぐらいだ。
鶏がドラゴンから進化した(退化ではなく、ロラン教授は進化したと唱えていた!)だなんて。全く馬鹿々々しい! 古い地層から掘り出した骨など、一体何の証拠になろうか。
「うわっ、なんだ」
「あっ。お前、どうやって」
「こら、奥に逃げるな」
荷馬車の一団から賑やかな声がした。
「何事?」荷車の周辺にできた人だかりの間を縫ってマサカー教授は前へ進み出た。
荷台にみっしりと詰め込まれた荷物の隙間に入り込んだ子供が、寝ぼけ眼で不安そうに周囲を見回していた。子供はマサカー教授の姿を発見すると、顔を輝かせた。
「テキサ――」
教授は急いで子供を荷台の隙間から引きずり出すと、皆に聞こえるように言った。
「あなた、見覚えがあるわ。そう、昨日の昼間、ヌガキヤ村とナガミ村の間に広がるこの森に詳しいという方に会いに行った時の小僧さんね。どうしてこんなところにいるの?」
「ぼ、ぼく、どうしてもドラゴンを見たくて……」
「君、シロ兄ちゃんがお世話になってるハッチョ屋の子かい」イーライがいつのまにかマサカー教授の背後に立っていた。教授は黒眼鏡の背後の瞳に苛立ちを滲ませながら、皆から離れるように子供を引きずって行った。
「こんなところに一人で来て、お店の人が心配するでしょう? 黙って出てきたの?」
「は、はい。旦那様は聖人様の看病で忙しくて、それで」
「看病? 聖人様は――生きていらっしゃるの?」
「は、はい。大怪我をされたのに、たちどころに傷が治ってしまって、奇蹟だって旦那様が言ってました。でも、聖人様は傷が治っても目を覚まさなくて。ぼくがお店を抜け出す時には、聖人様は眠っておられました」
シロは死んだものと思っていた。呆けた老魔法使いの怪しげな秘薬を顔面に浴びて大火傷を負う前に与えた傷は確かに致命的だった。あの傷で生きていられる人間など、いるはずがない。マサカー教授は混乱していた。
「あなた、名前は?」
「キです」
「そう、私はマサカー教授よ。ところで」
教授は皆には声が届かないところまで少年を引きずって来たことを確認してから、言った。
「お前はさっき、私をテキサと呼んだな。なぜお前はその名を知っているのだ」
この小僧は、ハッチョ屋でシロの部屋に案内された時にお茶を運んできた奉公人だ。誰も近づけてなならぬと人払いをしたはずだった。ということは――
「お前、どこかで聞いていたのかい」
テキサは丸い色眼鏡をずらして、金色の瞳でキ少年の瞳を覗き込んだ。
「あ……」
「私の名前は、チェイン・マサカー教授。チェインと呼んでもいいわよ。ドラゴンに会いたいのね?」
「は、はい……」
瞳孔が開き、瞬きをするのもキは忘れている。テキサの禍々しい瞳から目を離すことができない。
「ちょうど荷物持ちが足りなくなって困っていたのよ。あなた、力持ちかしら?」
「は、はい。ぼくは、いつもハッチョの樽を担いでいますから」
「ならいいわ。でも、余計なことを喋ったら」テキサはキの耳元に顔を寄せて「シロと同じ目に遭わせてやるから」と囁いた。
「はい……」キはどこか夢を見ているような声で答えた。
マサカー教授は、キが荷物持ちとして調査隊に加わることになったと皆に宣言した。
「こんな子供を? ハッチョ屋なら、ナガミ村に本店があるから、そこに置いていきましょう。なんなら、私が連れて行きますよ」というイーライに教授は
「荷物持ちが足りないのよ。それにこの子のドラゴンを見たいっていう情熱、自分の子供の頃を思い出すわ」
「でも、危険じゃないですか」
「何言ってるの。我々の目的は、ドラゴンの生態の観察よ。遠くから眺めてるだけで危険なんかないわよ」
「そんな」
「それについては、何度も言ったわよね?」
ヌガキヤ村出身のイーライが調査隊の目的に不満を感じているのは知っていた。しかし
ど田舎の農村が一つ消えようと、知ったことではない
「村の人たちが安全に逃げられるように助言をしてもいいわ。でも、それ以外の介入はしません。我々はただ、ドラゴンの行動を見守り、記録するだけ」
マサカー教授はそう断言すると、いつでも出発できるように、荷物をまとめて準備しておくこと、と言い置いてナガミ村へ一人で馬を駆って降りて行った。なんでも、どうしても出発前に済ましておかなければならない用事があるのだとか。それに、留守の間に馬と馬車の世話をする人間を雇いたいから、と。
シロを生かしておくわけにはいかない。馬の背に揺られながら、テキサはそう考える。
彼もキ同様、彼女の正体を知っている。そのうえ、あの単純な小僧とは異なり、なぜかテキサの術があまり効かない。
シロが死んでいなかったと知った時に胸に広がった温かなものを、テキサは急いで飲み下した。
邪魔をする奴は、排除するまで。恩人の老師まで手にかけたのだ。
「奇蹟だと。ふざけおって」
つまらぬ炭焼きなど、今度こそ息の根を止めてくれるわ。
大学を出発した時点では馬車は五台、荷馬車三台、総勢二十名の一団であったが、キンシャチ市街を出てヌガキヤ村へ向かう途中の四つ辻付近でアクシデントに見舞われ、先頭を行く馬車に乗っていた四名のうち、キャリッジから外に投げ出された生物学の教授が死亡、その助手と学生二人はキャリッジ内の壁に酷く打ちつけられ、御者を務めていた学生は折れた腕からギザギザの骨が突き出るほどの重症だった。さらに、後続の馬車に乗っていた隊員にも数名怪我人が出たため、無事だった馬車と荷馬車一台ずつに怪我人や死者を詰め込み、比較的けがの程度の軽い者を御者にしてキンシャチへ送り返したため、結局七名が脱落することとなり、ナガミ村に到着したのは十三名となっていた。
一行が停車したのは、ナガミ村の村はずれの森の入口前、三日前の未明にシロがトロちゃんにしばしの別れを告げた辺りであった。なだらかな草地の斜面を登り切ると鬱蒼と木々が茂り、そこから先は、もはや馬車どころか馬も連れていくことはできない。朝の光も森の奥までは届かないようで、入口から伺える森は暗く陰鬱だ。
「さあみんな、荷ほどきするわよ」
徹夜で行進したため馬も人も疲労の色が隠せない中で、マサカー教授だけがはしゃいでいるといってもよい明るさで皆を鼓舞していた。昨日の午後から突然顔面に発症したという湿疹が治まったそうで、寡婦のような黒いベールを取り払うことができたのもその一因だったかもしれないが、普段は物静かで気弱にさえ見えるマサカー教授にしては珍しいことだった。黒い色眼鏡の奥の瞳も機嫌のよい猫のように細くなっているのがわかる。
教授以外の面々は、重苦しい雰囲気の中、重い体に鞭打って荷ほどきを始めた。年齢にばらつきはあれど全員男性で、マサカー教授は紅一点だ。
「みんな、なにお通夜みたいな顔をしているの。疲れているのはわかるけど、この森を抜ければ、本物のドラゴンにお目にかかれるかもしれないのよ」
一同の間に微妙な空気が流れた。昨晩の事故で生物学教授が死亡していたし、学生一人も重体、他は比較的軽症だったが、もしかしたらキンシャチに戻るまでに死者が増えているかもしれないという状況だ。
「マサカー教授は、ロラン教授とは仲が良かったのに……平気なんですか?」
暗い顔をしたイーライにそう問われ、マサカー教授は早口で言う。
「もちろん、悲しいわ。でも、鳥類の祖先はドラゴンだなんて頓珍漢な説を大真面目に唱えるような人だったのよ。いなくなっても学会の損失はゼロよ」
実のところ、彼と二人きりになるたびに鉤爪でめちゃめちゃに切り刻んでやりたい欲望を押さえなければならないので、往生していたのだった。先頭の馬車に乗せておいてよかった、と内心思ったぐらいだ。
鶏がドラゴンから進化した(退化ではなく、ロラン教授は進化したと唱えていた!)だなんて。全く馬鹿々々しい! 古い地層から掘り出した骨など、一体何の証拠になろうか。
「うわっ、なんだ」
「あっ。お前、どうやって」
「こら、奥に逃げるな」
荷馬車の一団から賑やかな声がした。
「何事?」荷車の周辺にできた人だかりの間を縫ってマサカー教授は前へ進み出た。
荷台にみっしりと詰め込まれた荷物の隙間に入り込んだ子供が、寝ぼけ眼で不安そうに周囲を見回していた。子供はマサカー教授の姿を発見すると、顔を輝かせた。
「テキサ――」
教授は急いで子供を荷台の隙間から引きずり出すと、皆に聞こえるように言った。
「あなた、見覚えがあるわ。そう、昨日の昼間、ヌガキヤ村とナガミ村の間に広がるこの森に詳しいという方に会いに行った時の小僧さんね。どうしてこんなところにいるの?」
「ぼ、ぼく、どうしてもドラゴンを見たくて……」
「君、シロ兄ちゃんがお世話になってるハッチョ屋の子かい」イーライがいつのまにかマサカー教授の背後に立っていた。教授は黒眼鏡の背後の瞳に苛立ちを滲ませながら、皆から離れるように子供を引きずって行った。
「こんなところに一人で来て、お店の人が心配するでしょう? 黙って出てきたの?」
「は、はい。旦那様は聖人様の看病で忙しくて、それで」
「看病? 聖人様は――生きていらっしゃるの?」
「は、はい。大怪我をされたのに、たちどころに傷が治ってしまって、奇蹟だって旦那様が言ってました。でも、聖人様は傷が治っても目を覚まさなくて。ぼくがお店を抜け出す時には、聖人様は眠っておられました」
シロは死んだものと思っていた。呆けた老魔法使いの怪しげな秘薬を顔面に浴びて大火傷を負う前に与えた傷は確かに致命的だった。あの傷で生きていられる人間など、いるはずがない。マサカー教授は混乱していた。
「あなた、名前は?」
「キです」
「そう、私はマサカー教授よ。ところで」
教授は皆には声が届かないところまで少年を引きずって来たことを確認してから、言った。
「お前はさっき、私をテキサと呼んだな。なぜお前はその名を知っているのだ」
この小僧は、ハッチョ屋でシロの部屋に案内された時にお茶を運んできた奉公人だ。誰も近づけてなならぬと人払いをしたはずだった。ということは――
「お前、どこかで聞いていたのかい」
テキサは丸い色眼鏡をずらして、金色の瞳でキ少年の瞳を覗き込んだ。
「あ……」
「私の名前は、チェイン・マサカー教授。チェインと呼んでもいいわよ。ドラゴンに会いたいのね?」
「は、はい……」
瞳孔が開き、瞬きをするのもキは忘れている。テキサの禍々しい瞳から目を離すことができない。
「ちょうど荷物持ちが足りなくなって困っていたのよ。あなた、力持ちかしら?」
「は、はい。ぼくは、いつもハッチョの樽を担いでいますから」
「ならいいわ。でも、余計なことを喋ったら」テキサはキの耳元に顔を寄せて「シロと同じ目に遭わせてやるから」と囁いた。
「はい……」キはどこか夢を見ているような声で答えた。
マサカー教授は、キが荷物持ちとして調査隊に加わることになったと皆に宣言した。
「こんな子供を? ハッチョ屋なら、ナガミ村に本店があるから、そこに置いていきましょう。なんなら、私が連れて行きますよ」というイーライに教授は
「荷物持ちが足りないのよ。それにこの子のドラゴンを見たいっていう情熱、自分の子供の頃を思い出すわ」
「でも、危険じゃないですか」
「何言ってるの。我々の目的は、ドラゴンの生態の観察よ。遠くから眺めてるだけで危険なんかないわよ」
「そんな」
「それについては、何度も言ったわよね?」
ヌガキヤ村出身のイーライが調査隊の目的に不満を感じているのは知っていた。しかし
ど田舎の農村が一つ消えようと、知ったことではない
「村の人たちが安全に逃げられるように助言をしてもいいわ。でも、それ以外の介入はしません。我々はただ、ドラゴンの行動を見守り、記録するだけ」
マサカー教授はそう断言すると、いつでも出発できるように、荷物をまとめて準備しておくこと、と言い置いてナガミ村へ一人で馬を駆って降りて行った。なんでも、どうしても出発前に済ましておかなければならない用事があるのだとか。それに、留守の間に馬と馬車の世話をする人間を雇いたいから、と。
シロを生かしておくわけにはいかない。馬の背に揺られながら、テキサはそう考える。
彼もキ同様、彼女の正体を知っている。そのうえ、あの単純な小僧とは異なり、なぜかテキサの術があまり効かない。
シロが死んでいなかったと知った時に胸に広がった温かなものを、テキサは急いで飲み下した。
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