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魔導具狂いご一行様についてご報告など
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今日はこのまま王都の屋敷で夕食を摂り、明日の朝、お父様も同行して領地に向かうことになった。
「ウィラード伯爵家のご子息が長期休暇に我が領地を訪問したいだと?」
「はい。ロニー様は魔導具製作に熱心なのですが、魔導具製作の第一人者として名高いオーウェンさんのことを尊敬、というか心酔しているようでして……」
どちらも相当な魔導具狂いです、とは言いづらいのでこんな表現にしたけれど、お父様は聞いただけで面倒くさいとばかりに顔を顰めた。
「ウィラード伯爵家といえば、親族も含めて変人揃いで有名だ。其方、そのロニーとやらに付きまとわれてはおるまいな?」
「え? いいえ。そんなことはございませんけれど……」
「それならばよいが」
聞けば、お父様たちがアデリア学園に在籍していた頃、やはりウィラード伯爵家のご子息……ロニー様のお父様も上級生として在籍していたそう。
その方は魔法に傾倒しており、お父様やお母様のように魔力量の多い貴族に魔法出力検証に協力してほしいと付きまとわれた時期があったらしい。
え、付きまといって、こわ……
ロニー様は魔導具製作者に色々質問とか魔導具トークがしたいこともあって、私よりマーレン師にべったり張り付いている方が楽しいらしく、私に付きまとってきたりはしてこない。
まあ、私をロックオンしたところで、ディープな魔導具トークには付き合えないから早々に見放されていたにちがいないけれども。
でも今回のようにオーウェン師が絡むとびっくりするほどの食いつきようである。
これはもう、早めに紹介だけして後は「魔導具好きの皆様だけでごゆっくり」とお見合いババアよろしく速やかにフェードアウトしたほうがよさそうだ。
「とにかく、今度の長期休暇に領地を訪問したいそうですので、皆様の身分証となる通行許可証を発行していただきたいのですが」
「ふむ。我が屋敷の転移部屋を使わせろということではないのだな?」
私のお願いに、お父様がおや? というようにこちらを見た。
「もちろんですわ。本来なら転移部屋は気軽に使うべきではないのですもの。彼らには存在すら知らせておりませんわ」
「うむ、その通りだ。まあ、近頃気軽に使いすぎているゆえに、そのことは忘れてはならぬ」
「はい」
まあね、元々は非常時のためにある部屋なのに、魔力をバカみたいに消費する転移部屋を魔力量が多いのをいいことに使い放題なのである。
私の場合、自力で転移できるけれど、そう気軽に
転移部屋を使わずに行き来するのは私の行動を把握できないので困るから、基本的に転移部屋を使うようにと言われている。
どうせなら実家に寄って顔を見せろって意味合いもあるみたいだけど。
「あ、あの……わ、わわわ私なんかがそんな大事な設備を使っていてもよろしいのでしょうか……?」
マリエルちゃんが青い顔をして身体を震わせながら手を挙げた。
あー、機密保持的なあれこれを想像してそう。
確かに、我が公爵家や王家がまずい事態に陥った時の避難経路にもなるわけだからそう言われるとそうなんだけど、私の領地引きこもり時代にもお父様は気軽に使ってたしなぁ。
「あら、マリエルさんは私がお誘いしたのだからいいのよ。私はマリエルさんがいたほうが心強いもの」
「うむ。其方はクリステアの良き友として、世の中の常識を指導する者として側にいてやってほしい。」
「え、えへ、えへへぇ……そ、そうですかぁ……え、よ、世の中の常識を……?」
「で、できるかな……?」とぽそっと呟いた気がするけど気にしない。
何なら、一瞬頬が上気しかけたのにさらに青ざめた気がするけど気のせい気のせい。
大丈夫、お互い前世の記憶持ちとして常識的に行動できるんだから気負う必要はないはずよ。
ほら、あまりにも怯えてるもんだから、お父様が「そ、其方の無理のない範囲で構わぬから頼む」とか言ってるじゃないのぉ!
お母様まで「大丈夫よ、貴女に責任を負わせるわけではないのだから、気楽に考えて、ね?」とか言ってるしぃ!
そりゃね、貴族のあれこれはしっかり勉強したから問題ないわよ。知識ばかりが先行して実践はからきしだけども。
それに、元前世は庶民だったけれど、今世の庶民の感覚とはかなりのズレがあるのは承知してるし。でも、そんなに心配かけるほど常識はずれってわけでもないと思うんだけどなぁ。
「と、とにかくロニー様たち魔導具師訪問ツアーの皆様は別行動で領地入りしていただきますので!」
「何を言っている? 長期休暇で領地に向かうなら我々も馬車で向かうに決まっているだろう」
「え? ……あ!」
そうだった。
年に数回、領地と王都の行き帰りに滞在先で買い物などでお金を落とすなどしなければならなかった。
これも貴族の義務の一環であるからして。
「学生の彼らが道中護衛を雇うのも厳しかろう。其方の同級生である以上、我らの帰領に同行させるのが現実的だ」
「ソウデスネ……」
えええ……せっかくの長期休暇なのに、ロニー様や他の学生の目があると、のびのびと過ごせなさそう……
「ただし、領地に着いたら我が家から護衛を出すにしても別行動だ。騒がしいのは好かぬので、安全な宿は紹介するが、屋敷の滞在は許可しない」
しょんもりする私を見て、お父様はコホン、と咳払いして言った。
「え……大丈夫なのですか?」
「構わん。どうせ、魔導具狂いが集まって魔導具話に花を咲かせるのだろう? 夜通し話しても話し足りんことなど目に見えている。そんな馬鹿げた輩に我らが振り回されることはない」
「ですよね!」
あー、よかった。
それなら安心だ。
はじめにオーウェンさんやガルバノおじさまを紹介したら、私たちは港町にひとっ飛びしたらいい。
「ひとまず許可証の発行する人数の確認もだがそれぞれの保護者の許可は必ず取っておくように伝えなさい」とお父様に言われたので、週明けにロニー様にお話しすることにして、今日は王都の屋敷でお休みなさい。
……マリエルちゃんとのパジャマパーティーで盛り上がってなかなか寝付けなかったのはここだけの話。
---------------------------
いつもコメントやエール・いいねをポチッとありがとうございます!( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております~!
急に寒くなってきましたね。
11月もすでに終盤なので当然と言いますか……
もうすぐ12月、だと……⁉︎
庶民の世界ではまだ夏なのに(汗)
筆者は本業が年末の繁忙期に入るため、更新をちょいちょいお休みするかもしれません。
その際はXにてご報告しますのでご了承くださいませ。
……年末進行が……なければ……!
年末年始のお休みのために頑張ります!
まあ、そのせいで色々なものが前倒しになっているわけですが(血涙)
頑張ります(二度目)
「ウィラード伯爵家のご子息が長期休暇に我が領地を訪問したいだと?」
「はい。ロニー様は魔導具製作に熱心なのですが、魔導具製作の第一人者として名高いオーウェンさんのことを尊敬、というか心酔しているようでして……」
どちらも相当な魔導具狂いです、とは言いづらいのでこんな表現にしたけれど、お父様は聞いただけで面倒くさいとばかりに顔を顰めた。
「ウィラード伯爵家といえば、親族も含めて変人揃いで有名だ。其方、そのロニーとやらに付きまとわれてはおるまいな?」
「え? いいえ。そんなことはございませんけれど……」
「それならばよいが」
聞けば、お父様たちがアデリア学園に在籍していた頃、やはりウィラード伯爵家のご子息……ロニー様のお父様も上級生として在籍していたそう。
その方は魔法に傾倒しており、お父様やお母様のように魔力量の多い貴族に魔法出力検証に協力してほしいと付きまとわれた時期があったらしい。
え、付きまといって、こわ……
ロニー様は魔導具製作者に色々質問とか魔導具トークがしたいこともあって、私よりマーレン師にべったり張り付いている方が楽しいらしく、私に付きまとってきたりはしてこない。
まあ、私をロックオンしたところで、ディープな魔導具トークには付き合えないから早々に見放されていたにちがいないけれども。
でも今回のようにオーウェン師が絡むとびっくりするほどの食いつきようである。
これはもう、早めに紹介だけして後は「魔導具好きの皆様だけでごゆっくり」とお見合いババアよろしく速やかにフェードアウトしたほうがよさそうだ。
「とにかく、今度の長期休暇に領地を訪問したいそうですので、皆様の身分証となる通行許可証を発行していただきたいのですが」
「ふむ。我が屋敷の転移部屋を使わせろということではないのだな?」
私のお願いに、お父様がおや? というようにこちらを見た。
「もちろんですわ。本来なら転移部屋は気軽に使うべきではないのですもの。彼らには存在すら知らせておりませんわ」
「うむ、その通りだ。まあ、近頃気軽に使いすぎているゆえに、そのことは忘れてはならぬ」
「はい」
まあね、元々は非常時のためにある部屋なのに、魔力をバカみたいに消費する転移部屋を魔力量が多いのをいいことに使い放題なのである。
私の場合、自力で転移できるけれど、そう気軽に
転移部屋を使わずに行き来するのは私の行動を把握できないので困るから、基本的に転移部屋を使うようにと言われている。
どうせなら実家に寄って顔を見せろって意味合いもあるみたいだけど。
「あ、あの……わ、わわわ私なんかがそんな大事な設備を使っていてもよろしいのでしょうか……?」
マリエルちゃんが青い顔をして身体を震わせながら手を挙げた。
あー、機密保持的なあれこれを想像してそう。
確かに、我が公爵家や王家がまずい事態に陥った時の避難経路にもなるわけだからそう言われるとそうなんだけど、私の領地引きこもり時代にもお父様は気軽に使ってたしなぁ。
「あら、マリエルさんは私がお誘いしたのだからいいのよ。私はマリエルさんがいたほうが心強いもの」
「うむ。其方はクリステアの良き友として、世の中の常識を指導する者として側にいてやってほしい。」
「え、えへ、えへへぇ……そ、そうですかぁ……え、よ、世の中の常識を……?」
「で、できるかな……?」とぽそっと呟いた気がするけど気にしない。
何なら、一瞬頬が上気しかけたのにさらに青ざめた気がするけど気のせい気のせい。
大丈夫、お互い前世の記憶持ちとして常識的に行動できるんだから気負う必要はないはずよ。
ほら、あまりにも怯えてるもんだから、お父様が「そ、其方の無理のない範囲で構わぬから頼む」とか言ってるじゃないのぉ!
お母様まで「大丈夫よ、貴女に責任を負わせるわけではないのだから、気楽に考えて、ね?」とか言ってるしぃ!
そりゃね、貴族のあれこれはしっかり勉強したから問題ないわよ。知識ばかりが先行して実践はからきしだけども。
それに、元前世は庶民だったけれど、今世の庶民の感覚とはかなりのズレがあるのは承知してるし。でも、そんなに心配かけるほど常識はずれってわけでもないと思うんだけどなぁ。
「と、とにかくロニー様たち魔導具師訪問ツアーの皆様は別行動で領地入りしていただきますので!」
「何を言っている? 長期休暇で領地に向かうなら我々も馬車で向かうに決まっているだろう」
「え? ……あ!」
そうだった。
年に数回、領地と王都の行き帰りに滞在先で買い物などでお金を落とすなどしなければならなかった。
これも貴族の義務の一環であるからして。
「学生の彼らが道中護衛を雇うのも厳しかろう。其方の同級生である以上、我らの帰領に同行させるのが現実的だ」
「ソウデスネ……」
えええ……せっかくの長期休暇なのに、ロニー様や他の学生の目があると、のびのびと過ごせなさそう……
「ただし、領地に着いたら我が家から護衛を出すにしても別行動だ。騒がしいのは好かぬので、安全な宿は紹介するが、屋敷の滞在は許可しない」
しょんもりする私を見て、お父様はコホン、と咳払いして言った。
「え……大丈夫なのですか?」
「構わん。どうせ、魔導具狂いが集まって魔導具話に花を咲かせるのだろう? 夜通し話しても話し足りんことなど目に見えている。そんな馬鹿げた輩に我らが振り回されることはない」
「ですよね!」
あー、よかった。
それなら安心だ。
はじめにオーウェンさんやガルバノおじさまを紹介したら、私たちは港町にひとっ飛びしたらいい。
「ひとまず許可証の発行する人数の確認もだがそれぞれの保護者の許可は必ず取っておくように伝えなさい」とお父様に言われたので、週明けにロニー様にお話しすることにして、今日は王都の屋敷でお休みなさい。
……マリエルちゃんとのパジャマパーティーで盛り上がってなかなか寝付けなかったのはここだけの話。
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急に寒くなってきましたね。
11月もすでに終盤なので当然と言いますか……
もうすぐ12月、だと……⁉︎
庶民の世界ではまだ夏なのに(汗)
筆者は本業が年末の繁忙期に入るため、更新をちょいちょいお休みするかもしれません。
その際はXにてご報告しますのでご了承くださいませ。
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