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お咎め
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「……あの、私はどのような処分を受けるのでしょうか?」
「主⁉︎ 主が悪いわけではない! 処分なら我が……」
「いやいや、罰則とかはねぇけどよ。お嬢はもうちぃっと聖獣と契約することの重みについてよく考えな。そんで、えーと……黒銀?と白いちびすけは人間の中で暮らす為のルールを覚えろ。主人に迷惑をかけないためにな」
「うぐっ……」
「ちびすけじゃない! おれのなは、ましろ!」
真白ー! 今そういうツッコミ入れてる場合じゃないからね⁉︎
「はいはい、真白、な? お前も短慮で主人の首を絞めないように気をつけろよ?」
「……わかってる!」
「どうだかな……まあ、今回の件はまだドーリスの冒険者ギルドが調査に乗り出す前だし。それに、冒険者の奴らの手に負えなさそうな規模なら俺が討伐しようと思ってたんだ。ドーリスへは俺がしたことだと報告しておこう」
「えっ……」
お咎めなし? え? いいの?
「本来なら冒険者達でカタがつけられる規模ならまかせるんだが。奴らの仕事を奪うわけにもいかんからな。今回はそこそこでかい集落だったってことで俺が片付けたことにしとく。いいな?」
「あの……」
「ありがとうございます。クリステア、レオン様の温情に甘えよう。さあ、お礼を言いなさい」
お父様は私の問いかけを止めるように畳み掛けると、私に礼を促した。
「あっあの、ありがとうございます……」
「まかせとけ。とは言え、タダでとは言わねぇ」
「えっ?」
「……なんですかな?」
お父様が怪訝そうに問うと、レオン様はピッと人差し指を立ててニヤリと笑った。
「まず、今回狩ったオークを全てとは言わないから、ある程度譲ってもらおうか。それを俺が討伐証明代わりにドーリス領の冒険者ギルドに提出する」
「もちろんです。クリステア、後でレオン様にお渡しするように」
「は、はい!」
後々加工しようと、インベントリにある程度オークを残しておいてよかった……でも、一、二体くらいなら手元に残しておいていいよね?
私がホッとささやかな胸をなでおろしていると、レオン様はさらにピッと指を増やして続けた。
「それから、お前の領地で今話題になってるベーコンだっけ? あれを融通してくれ。あれ、なかなか手に入らねぇんだよ」
「もちろんで……は?」
「……ベーコン、ですか?」
「おうよ。今回のオークもそれの為だろ? だからオークは全部じゃなくていい。必要だろうからな」
「は、はあ……」
お父様は拍子抜けしたような顔でレオン様を見ていた。
今回のはベーコンの為じゃないんだけど……と、とりあえず良かったと思おう。
オークを全部寄越せって言われたら、ティリエさんに渡した分も回収しなきゃならなかっただろうし……て、ティリエさん?
「あああ! ティリエさん⁉︎」
「なんだ⁉︎ ティリエがどうしたんだ、クリステア?」
「お父様! 早くしないとティリエさんがドーリス領の冒険者ギルドに報告してしまいます! 早く止めないと!」
「む、そうだった! こうしてはおれん! レオン様、失礼します!」
お父様は慌てふためいて通信魔導具のある執務室へ向かった。
「何だぁ? お前ら、ティリエの奴に丸投げしたのか? ははっ、あいつも大変だな。どれ、俺からも一言言っとくか」
そう言って天井を見上げたレオン様が消えた。
……お父様のいる執務室に転移したのかな?
「……主」
「くりすてあ……」
二人はすっかり意気消沈した様子でこちらを見ていた。
「ごめんね。私がちゃんとしてないから二人に迷惑をかけちゃったね」
「そんなことはない! 我が至らぬから!」
「そうだよ! おれたちがみじゅくなだけで、くりすてあは、わるくない!」
私が二人に謝罪するとムキになって否定した。
「未熟なのは私もよ。だから、皆でしっかり学ばないとね」
「……うむ」
「うん……わかった」
「ありがとう。二人とも、私の自慢の聖獣達だもの。ちゃんと学べば大丈夫よ」
私はニコリと笑い、皆で契約にまつわる諸々についてしっかり学ぼうと誓い合ったのだった。
ちなみに、ティリエさんに報告を頼んだ件は、ギリギリで止めることができた。
あ、危なかった……!
ティリエさんに「もう! どうしようかと思ったわよ……貸しひとつだからね!」と言われたようだけど、その「貸し」は、お父様にきっちり返していただくことにしよう。
私達はレオン様にオークを渡し、後のことをお願いした。
私が手付として手元にあったベーコンをレオン様に渡したら、めちゃくちゃ喜んで帰っていった。よ、良かった……
とりあえず、今回反省することは多々あれど、心配することもなくなったことだし、ソーセージ作りを頑張るぞー!
「主⁉︎ 主が悪いわけではない! 処分なら我が……」
「いやいや、罰則とかはねぇけどよ。お嬢はもうちぃっと聖獣と契約することの重みについてよく考えな。そんで、えーと……黒銀?と白いちびすけは人間の中で暮らす為のルールを覚えろ。主人に迷惑をかけないためにな」
「うぐっ……」
「ちびすけじゃない! おれのなは、ましろ!」
真白ー! 今そういうツッコミ入れてる場合じゃないからね⁉︎
「はいはい、真白、な? お前も短慮で主人の首を絞めないように気をつけろよ?」
「……わかってる!」
「どうだかな……まあ、今回の件はまだドーリスの冒険者ギルドが調査に乗り出す前だし。それに、冒険者の奴らの手に負えなさそうな規模なら俺が討伐しようと思ってたんだ。ドーリスへは俺がしたことだと報告しておこう」
「えっ……」
お咎めなし? え? いいの?
「本来なら冒険者達でカタがつけられる規模ならまかせるんだが。奴らの仕事を奪うわけにもいかんからな。今回はそこそこでかい集落だったってことで俺が片付けたことにしとく。いいな?」
「あの……」
「ありがとうございます。クリステア、レオン様の温情に甘えよう。さあ、お礼を言いなさい」
お父様は私の問いかけを止めるように畳み掛けると、私に礼を促した。
「あっあの、ありがとうございます……」
「まかせとけ。とは言え、タダでとは言わねぇ」
「えっ?」
「……なんですかな?」
お父様が怪訝そうに問うと、レオン様はピッと人差し指を立ててニヤリと笑った。
「まず、今回狩ったオークを全てとは言わないから、ある程度譲ってもらおうか。それを俺が討伐証明代わりにドーリス領の冒険者ギルドに提出する」
「もちろんです。クリステア、後でレオン様にお渡しするように」
「は、はい!」
後々加工しようと、インベントリにある程度オークを残しておいてよかった……でも、一、二体くらいなら手元に残しておいていいよね?
私がホッとささやかな胸をなでおろしていると、レオン様はさらにピッと指を増やして続けた。
「それから、お前の領地で今話題になってるベーコンだっけ? あれを融通してくれ。あれ、なかなか手に入らねぇんだよ」
「もちろんで……は?」
「……ベーコン、ですか?」
「おうよ。今回のオークもそれの為だろ? だからオークは全部じゃなくていい。必要だろうからな」
「は、はあ……」
お父様は拍子抜けしたような顔でレオン様を見ていた。
今回のはベーコンの為じゃないんだけど……と、とりあえず良かったと思おう。
オークを全部寄越せって言われたら、ティリエさんに渡した分も回収しなきゃならなかっただろうし……て、ティリエさん?
「あああ! ティリエさん⁉︎」
「なんだ⁉︎ ティリエがどうしたんだ、クリステア?」
「お父様! 早くしないとティリエさんがドーリス領の冒険者ギルドに報告してしまいます! 早く止めないと!」
「む、そうだった! こうしてはおれん! レオン様、失礼します!」
お父様は慌てふためいて通信魔導具のある執務室へ向かった。
「何だぁ? お前ら、ティリエの奴に丸投げしたのか? ははっ、あいつも大変だな。どれ、俺からも一言言っとくか」
そう言って天井を見上げたレオン様が消えた。
……お父様のいる執務室に転移したのかな?
「……主」
「くりすてあ……」
二人はすっかり意気消沈した様子でこちらを見ていた。
「ごめんね。私がちゃんとしてないから二人に迷惑をかけちゃったね」
「そんなことはない! 我が至らぬから!」
「そうだよ! おれたちがみじゅくなだけで、くりすてあは、わるくない!」
私が二人に謝罪するとムキになって否定した。
「未熟なのは私もよ。だから、皆でしっかり学ばないとね」
「……うむ」
「うん……わかった」
「ありがとう。二人とも、私の自慢の聖獣達だもの。ちゃんと学べば大丈夫よ」
私はニコリと笑い、皆で契約にまつわる諸々についてしっかり学ぼうと誓い合ったのだった。
ちなみに、ティリエさんに報告を頼んだ件は、ギリギリで止めることができた。
あ、危なかった……!
ティリエさんに「もう! どうしようかと思ったわよ……貸しひとつだからね!」と言われたようだけど、その「貸し」は、お父様にきっちり返していただくことにしよう。
私達はレオン様にオークを渡し、後のことをお願いした。
私が手付として手元にあったベーコンをレオン様に渡したら、めちゃくちゃ喜んで帰っていった。よ、良かった……
とりあえず、今回反省することは多々あれど、心配することもなくなったことだし、ソーセージ作りを頑張るぞー!
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