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学園長室に向かいましょう!
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翌朝、いつもどおり早起きして日課のヨガを終えた私は、手早く身支度を整え真白たちと共に朝食を摂るため部屋を出た。
「おはようございます」
「おはよう、クリステア嬢。はい、朝食だよ」
昨日食事をした部屋に入ると、ニール先生が魔法箱からトレイにセットされた朝食を取り出し、私たちに手渡してくれた。
メニューは堅いパンにサラダ、よく火の通ったスクランブルエッグに塩のよくきいたスープ、そしてミルクだった。
「ありがとうございます」
私たちは受け取ったトレイを手に昨日と同じ席に着くと、向かいには先に朝食を摂っていたセイたちがいた。
「おはよう、クリステア嬢」
「おはようございます、セイ様。お早いのですね」
セイたちのトレイを見るとほぼ食べ終わっていた。
私は貴族の令嬢としては朝が早いほうだけど、セイはもっと早起きみたい。
「ああ、毎朝白虎と鍛錬をしているんだ」
「鍛錬?」
「剣や体術だよ。俺たちが護衛できない場だってあるからな。簡単な護身術程度は身につけとかないとだろ?」
私の疑問に白虎様が得意げに答えた。
……白虎様がセイに指導してるの?
私は以前、転移魔法を教わった時の白虎様の脳筋指導っぷりを思い出した。
白虎様がセイに対して懇切丁寧に指導できているとは思えないよねぇ……
私は白虎様の脳筋指導に困惑しているであろうセイに思わず同情してしまった。
「……ふむ、鍛錬か。我も時々邪魔してもかまわぬか? ここではろくに身体も動かせぬから鈍ってしまいそうだ」
黒銀がそう言うと、真白は「じゃあおれはくりすてあのごえいするー」とすまし顔だ。
「真白よ、お主も我以外の者と手合わせする機会があっても良かろう。部屋にいる間なら主に危険はないのだからな」
「えー? たまにならいいけど……」
真白がしぶしぶ了承するとニール先生がガタッと立ち上がった。
「せ、聖獣の皆様の手合わせが見られるのかい⁉︎」
ハアハアと息も荒く前のめりで問いかけるニール先生は、少年のように目をキラキラさせているけれど、正直きも……いや、怖い。
「あの、先生? 手合わせと言っても、人の姿でしかしませんよ? 基本的に僕の鍛錬のためですから」
「え、で、でも人化した状態での戦闘能力は検証できるよね?」
セイの引き気味な発言に、ニール先生は少しトーンダウンしたもののくじけない。
「ニールとやら、その場に立ち会うのであれば、お主も鍛錬に参加するのだな?」
「……えっ? そ、それはちょっと。僕は研究者で戦闘向きではないので……」
黒銀が鍛錬の参加を示唆すると、急にニール先生の勢いが消えた。
「ならば鍛錬の邪魔だ。近寄れば強制的に鍛錬に参加してもらうが?」
「……残念ですが、遠慮させていただきます……」
「うむ。それがよかろう」
おお、黒銀ったらお見事!
ニール先生を退けるのに成功するなんて……!
「うう……聖獣様による戦闘訓練なんて、どの研究者だって見たことないだろうに……いやいや、これからチャンスはいくらだってあるはず……」
……ニール先生はぶつぶつとめげずに次のチャンスを狙っているようだけれど、黒銀たちがきっと上手にあしらってくれるだろうと信じて聞かなかったことにする。
私はニール先生の気を逸らすべく、声をかけた。
「先生、今日の面会のことですが……」
「……へ? ああ、うん。そうそう、学園長ね。午前中に会うことになっているよ。あと一刻もしたら向かうから支度しておいてね」
「かしこまりました」
「君のご両親は直接学園長室に向かうそうだから」
「……かしこまりました」
学園長室に向かう前に会ってお話ししておきたかったけれど、しかたない。
お父様と私の希望は合致していることだし、学園長には私の気持ちを真摯に伝えよう。
お母様の反応がどうなるのか怖いけれど……
私は腹を括り、学園長の面会を待つことにした。
部屋に戻り、軽く身支度を終えてからしばらくして魔導電話にニール先生から学園長室に向かうと連絡が入った。
「よし、行くわよ。真白、黒銀」
「うむ」
「うん、いこう!」
ふん!と気合いを入れてから、ホールへ向かうと、扉の前でニール先生が待っていた。
「お待たせいたしました」
「いや、大丈夫だよ。学園長室は少し遠いから迎えの馬車が来ているんだ。さ、行こうか」
ニール先生が開けた扉の向こうに馬車が待機していた。先生のエスコートで乗り込むと、真白たちがその後に続いた。
扉が閉まると馬車はスルスルと滑るように走り出し、学園の奥へ進んでいった。
「各寮から一番近い建物が一般教養棟。初等科では一般教養と初級から中級の魔法、そして魔力を持つ者が必要な知識を得るための座学を行うことになる。僕が教える魔物学もそうだね」
ニール先生の説明を聞きながら、馬車は一般教養棟をぐるりと回るようにして進み、さらに奥へ向かう。
「座学以外はこの実習棟や向こうの初級魔法用の修練場を使うんだ。中級から上級魔法は耐魔法の結界を張った別の修練場になるね」
研究棟らしき建物の向こうにドーム型の大きな建物が見えた。あれが修練場かな?
「あの大きな建物は講堂。入学式はあそこでやるからね。そして隣にあるのが教員の研究室がある教員棟。その教員棟の最上階に学園長室があるんだ」
馬車は立ち並ぶ建物の大外を回るように走り抜け、教員棟で止まった。
「さあ着いたよ。学園長室はこっちだ」
ニール先生の先導で、私たちは建物の中に入った。
廊下は人気がなく、静かだった。
石造りの堅牢な建物の中をカツカツと足音を響かせながら向かった先に、引き戸らしき扉があった。
ニール先生が横にあるボタンを押すと、ガタン、と音がして扉の向こうで何かが動く音が聞こえた。
ゴトン、と大きなものが止まる音が聞こえたと同時に、引き戸がスルスルと開いた。
その向こうにあったのは、人が10人も入れば満員になりそうな狭い部屋だった。
「さ、入って。これで最上階に行くんだ」
ニール先生の後に続いてその小部屋に入るとスーッと扉が閉まり、先生が一番上にあるボタンを押してから、一番下にある魔石に魔力を流すと、ガタンと小部屋が動きはじめた。
……これ、エレベーターだ!
この世界にもエレベーターってあるんだ。
「あの、転移部屋ではないのですね」
王宮で各階に向かう為に転移部屋を利用したことを思い出した私は魔法を学ぶ学園でなぜそうしないのか不思議に思って聞いてみた。
「え? ああ……転移魔法は魔力の無駄遣いだからね。その魔力は少しでも他のことに使いたいだろ? これは魔道具なんだけど、メインの動力は魔石で、ここに起動のために少し魔力を流すだけで動かせるんだ。魔石の魔力切れなんかの緊急時には魔力を多めに流せば動かせるよ」
確かに転移陣を起動するのは魔力を結構必要とするものね。
ここの学園は魔力を節約するために魔道具を使うのか……
前世ぶりのエレベーターをキョロキョロと観察しているうちに最上階に着いてしまった。
扉が開くと、豪華なカーペットが敷かれた廊下が延びた先に、大きな扉が見えた。
「あの奥の部屋が学園長室だ。さ、行こう」
私たちはニール先生に促され、エレベーターから出て、奥の学園長室に向かった。
「おはようございます」
「おはよう、クリステア嬢。はい、朝食だよ」
昨日食事をした部屋に入ると、ニール先生が魔法箱からトレイにセットされた朝食を取り出し、私たちに手渡してくれた。
メニューは堅いパンにサラダ、よく火の通ったスクランブルエッグに塩のよくきいたスープ、そしてミルクだった。
「ありがとうございます」
私たちは受け取ったトレイを手に昨日と同じ席に着くと、向かいには先に朝食を摂っていたセイたちがいた。
「おはよう、クリステア嬢」
「おはようございます、セイ様。お早いのですね」
セイたちのトレイを見るとほぼ食べ終わっていた。
私は貴族の令嬢としては朝が早いほうだけど、セイはもっと早起きみたい。
「ああ、毎朝白虎と鍛錬をしているんだ」
「鍛錬?」
「剣や体術だよ。俺たちが護衛できない場だってあるからな。簡単な護身術程度は身につけとかないとだろ?」
私の疑問に白虎様が得意げに答えた。
……白虎様がセイに指導してるの?
私は以前、転移魔法を教わった時の白虎様の脳筋指導っぷりを思い出した。
白虎様がセイに対して懇切丁寧に指導できているとは思えないよねぇ……
私は白虎様の脳筋指導に困惑しているであろうセイに思わず同情してしまった。
「……ふむ、鍛錬か。我も時々邪魔してもかまわぬか? ここではろくに身体も動かせぬから鈍ってしまいそうだ」
黒銀がそう言うと、真白は「じゃあおれはくりすてあのごえいするー」とすまし顔だ。
「真白よ、お主も我以外の者と手合わせする機会があっても良かろう。部屋にいる間なら主に危険はないのだからな」
「えー? たまにならいいけど……」
真白がしぶしぶ了承するとニール先生がガタッと立ち上がった。
「せ、聖獣の皆様の手合わせが見られるのかい⁉︎」
ハアハアと息も荒く前のめりで問いかけるニール先生は、少年のように目をキラキラさせているけれど、正直きも……いや、怖い。
「あの、先生? 手合わせと言っても、人の姿でしかしませんよ? 基本的に僕の鍛錬のためですから」
「え、で、でも人化した状態での戦闘能力は検証できるよね?」
セイの引き気味な発言に、ニール先生は少しトーンダウンしたもののくじけない。
「ニールとやら、その場に立ち会うのであれば、お主も鍛錬に参加するのだな?」
「……えっ? そ、それはちょっと。僕は研究者で戦闘向きではないので……」
黒銀が鍛錬の参加を示唆すると、急にニール先生の勢いが消えた。
「ならば鍛錬の邪魔だ。近寄れば強制的に鍛錬に参加してもらうが?」
「……残念ですが、遠慮させていただきます……」
「うむ。それがよかろう」
おお、黒銀ったらお見事!
ニール先生を退けるのに成功するなんて……!
「うう……聖獣様による戦闘訓練なんて、どの研究者だって見たことないだろうに……いやいや、これからチャンスはいくらだってあるはず……」
……ニール先生はぶつぶつとめげずに次のチャンスを狙っているようだけれど、黒銀たちがきっと上手にあしらってくれるだろうと信じて聞かなかったことにする。
私はニール先生の気を逸らすべく、声をかけた。
「先生、今日の面会のことですが……」
「……へ? ああ、うん。そうそう、学園長ね。午前中に会うことになっているよ。あと一刻もしたら向かうから支度しておいてね」
「かしこまりました」
「君のご両親は直接学園長室に向かうそうだから」
「……かしこまりました」
学園長室に向かう前に会ってお話ししておきたかったけれど、しかたない。
お父様と私の希望は合致していることだし、学園長には私の気持ちを真摯に伝えよう。
お母様の反応がどうなるのか怖いけれど……
私は腹を括り、学園長の面会を待つことにした。
部屋に戻り、軽く身支度を終えてからしばらくして魔導電話にニール先生から学園長室に向かうと連絡が入った。
「よし、行くわよ。真白、黒銀」
「うむ」
「うん、いこう!」
ふん!と気合いを入れてから、ホールへ向かうと、扉の前でニール先生が待っていた。
「お待たせいたしました」
「いや、大丈夫だよ。学園長室は少し遠いから迎えの馬車が来ているんだ。さ、行こうか」
ニール先生が開けた扉の向こうに馬車が待機していた。先生のエスコートで乗り込むと、真白たちがその後に続いた。
扉が閉まると馬車はスルスルと滑るように走り出し、学園の奥へ進んでいった。
「各寮から一番近い建物が一般教養棟。初等科では一般教養と初級から中級の魔法、そして魔力を持つ者が必要な知識を得るための座学を行うことになる。僕が教える魔物学もそうだね」
ニール先生の説明を聞きながら、馬車は一般教養棟をぐるりと回るようにして進み、さらに奥へ向かう。
「座学以外はこの実習棟や向こうの初級魔法用の修練場を使うんだ。中級から上級魔法は耐魔法の結界を張った別の修練場になるね」
研究棟らしき建物の向こうにドーム型の大きな建物が見えた。あれが修練場かな?
「あの大きな建物は講堂。入学式はあそこでやるからね。そして隣にあるのが教員の研究室がある教員棟。その教員棟の最上階に学園長室があるんだ」
馬車は立ち並ぶ建物の大外を回るように走り抜け、教員棟で止まった。
「さあ着いたよ。学園長室はこっちだ」
ニール先生の先導で、私たちは建物の中に入った。
廊下は人気がなく、静かだった。
石造りの堅牢な建物の中をカツカツと足音を響かせながら向かった先に、引き戸らしき扉があった。
ニール先生が横にあるボタンを押すと、ガタン、と音がして扉の向こうで何かが動く音が聞こえた。
ゴトン、と大きなものが止まる音が聞こえたと同時に、引き戸がスルスルと開いた。
その向こうにあったのは、人が10人も入れば満員になりそうな狭い部屋だった。
「さ、入って。これで最上階に行くんだ」
ニール先生の後に続いてその小部屋に入るとスーッと扉が閉まり、先生が一番上にあるボタンを押してから、一番下にある魔石に魔力を流すと、ガタンと小部屋が動きはじめた。
……これ、エレベーターだ!
この世界にもエレベーターってあるんだ。
「あの、転移部屋ではないのですね」
王宮で各階に向かう為に転移部屋を利用したことを思い出した私は魔法を学ぶ学園でなぜそうしないのか不思議に思って聞いてみた。
「え? ああ……転移魔法は魔力の無駄遣いだからね。その魔力は少しでも他のことに使いたいだろ? これは魔道具なんだけど、メインの動力は魔石で、ここに起動のために少し魔力を流すだけで動かせるんだ。魔石の魔力切れなんかの緊急時には魔力を多めに流せば動かせるよ」
確かに転移陣を起動するのは魔力を結構必要とするものね。
ここの学園は魔力を節約するために魔道具を使うのか……
前世ぶりのエレベーターをキョロキョロと観察しているうちに最上階に着いてしまった。
扉が開くと、豪華なカーペットが敷かれた廊下が延びた先に、大きな扉が見えた。
「あの奥の部屋が学園長室だ。さ、行こう」
私たちはニール先生に促され、エレベーターから出て、奥の学園長室に向かった。
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