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え? それって、大丈夫なの⁉︎
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ミリアたちと一緒に緑茶とどら焼きをいただきながらまったりしていると、来客を告げるベルが鳴った。
「誰かしら……?」
この寮に入れる人は限られており、ニール先生は魔導電話で連絡ができる。
と、なれば自ずと人数は絞られるわけで……
ミリアが応対に向かい、私は訪問者が予想している人物の中の誰なのか考えていた。
「クリステア様、セイ様や聖獣の皆様がいらっしゃいましたが、お通ししてもよろしいでしょうか?」
……全員だった。
まあ、我が家にふらっと一人で来ていたのは白虎様くらいだものね。
セイが来る時は必ず護衛として誰かしらついてきていたし、朱雀様は単独で押しかけるなんてことはしなかったし。
「ええ、お通しして。それから皆様の分のお茶もお願いね。どら焼きをお出しするから」
「かしこまりました」
私はミリアがすぐに玄関に向かうのを見送りながら、インベントリから大皿を取り出し、どら焼きを並べた。
程なくしてセイ、白虎様、朱雀様の御三方がミリアの案内でやってきた。
「皆様、いらっしゃいませ」
「クリステア嬢、突然訪問してすまない」
「おっす、お嬢! おっ? どら焼きじゃねぇか。食っていいか? ……あだっ⁉︎」
「やめんか、馬鹿者」
白虎様がテーブルの上のどら焼きを見つけて手を伸ばした手をセイがどこからか取り出した鉄扇でバシッと叩いた。痛そう……
「んまぁ! これだから食い意地の張ったバカ虎は……クリステア様、申し訳ございませんわ」
朱雀様はそう言いながらも視線が私とどら焼きとを行ったりきたりしていた。
「あはは……皆様お座りになって。どら焼きは皆様にご用意したものですからどうぞ遠慮なく召し上がってくださいね。すぐにお茶もお持ちしますから」
私が勧めると、三人はサッとソファに座り、素早くどら焼きを手にした。
……三人ともそんなに食べたかったんだね?
「んめぇ! やっぱ甘味も食べないとな~!」
「トラ、お前は少し遠慮しろ。すまない、クリステア嬢」
「本当ですわ。あるじの品位を落とす行為はおやめなさいね。まったく」
そんなことを言いながらも三人はどら焼きを食べる手を止めない。
「あの、そういえば青龍様と玄武様は……わっ⁉︎」
どこにいるのかと思い、お二人の名を出した途端に顕現したので驚いてしまった。
マイペースにソファに座る御二方を横目に、お茶を淹れてきたミリアに急いで追加のお茶を頼んだ。
「……うちの食い意地の張った神獣たちがすまない……」
「いえそんな……気にせずたくさん召し上がってね」
「さっすがお嬢! イデッ!」
「トラ、お前はもっと遠慮しろ!」
「そうですわ!」
……セイの鉄扇制裁再び。
青龍様と玄武様は出遅れた分を取り戻そうとするかのごとく、我関せずでもぐもぐしていた。
セイはそんな彼らの様子を呆れたように見てから、気を取り直したように私のほうに向き直り、居住まいを正した。
「……ゴホン。すまない。訪問したのは理由があって……ええと、その……」
セイはそう言って口ごもり、恥ずかしそうにこちらを見た。
え、なにその可愛さ。
私より可愛いんじゃない?
あ、そういえば私って可愛さではおセイちゃんに負けてたっけね……ぐぬう。
私が軽く敗北感を味わいながら次の言葉を待っていると、セイは意を決したように私を見た。
「お……俺に、料理を教えてほしい!」
「えっ⁉︎」
いきなりなにを言い出すのかと思ったけれど、セイの真剣な表情を見て本気なのだとわかった。
「俺は、故郷では厨房になど入ったことはないし、こちらでも料理をすることなどなかった。しかし、クリステア嬢の作る料理を嬉しそうに食べるトラや黒銀殿たちの姿を見て、自分も何かしなくてはと思ったんだ」
「まあぁ……あるじ……なんと素晴らしいお考えなのでしょう! ですが、私たちがいたしますから、あるじがそのようなお気遣いをなさる必要は……」
「いや、先日からの食事に関して、俺は何の役にも立っていない。それなのにのうのうと食べるのは気が引ける。それに……」
「それに?」
「そろそろコメのめしが食いたい。あと、味噌汁……」
セイはそう言って赤くなった。
あー……そっか。寮の微妙な料理が続いた上に、ニール先生がいるからと思って和食を避けたメニューしか作ってないからね。
私たちは自室で食べられるけれど、セイたちは私が差し入れしないと食べられないものね。
最近は一緒に食べているからと思って料理を渡してなかったから、和食が恋しくなってきたんだろうな。
「そうね。私がヤハトゥールの料理を作るより、セイたちが作るほうが自然だろうし……じゃあ、今夜はごはんを炊きましょう。あと、お味噌汁も。作り方は手順通りにやれば簡単だから」
私がそう言うと、セイはほっとしたような表情を浮かべた。
「ああ。よろしく頼む……いや、よろしくお願いします」
セイがそう言って深々と頭を下げたので私は慌ててしまった。
「えっ? いやいや、そんな大したことは教えられないから! 気にしないで⁉︎」
慌てて頭を上げるように言うと、セイは朗らかに笑った。
それからしばし皆でお茶を楽しんだ。
その際、青龍様と玄武様のお二人はいつもどこにいるのかと質問したのだけれど、セイを通じて亜空間のような場所にいたり、地脈を巡ったり、姿を消して上空から周囲を探索したりしていたらしい。
あと、定期的にヤハトゥールの神殿にいらっしゃる神龍のもとへ近況報告をしにいったりしているとも。
へえ~! 定期報告とかしてるんだ。
「この前、ようかん、取り上げられた」
唐突に玄武様がむすっとして言った。
え? 取り上げられたって、誰に?
嫌な予感がして私は思わずセイを見ると、セイは自分じゃないとばかりにふるふると頭を振った。
うん、ここは面倒くさがりで言葉足らずな玄武様のお世話……いや、通訳担当の青龍様の出番だとばかりに青龍様を見ると、青龍様が困ったように笑った。
「神龍様に主の交友関係を報告した際、クリステア嬢の料理の話もしたのだが、それはどのようなものかと問われ、玄武が手持ちのようかんを見せたのだが……検分すると仰って、そのままぱくり、と……」
「大事な一本を、丸々」
玄武様がぷうっとぶんむくれていたので、私は手持ちのようかんをインベントリから取り出して渡すと、ようやく機嫌が良くなり、ほっとした。
……て、ちょっと待って?
神龍様が検分と言って、ようかんをぱくり、と? ……私が作ったようかんを?
「あ、あの……神龍様が私の作ったようかんを召し上がって、何かおかしなことになったりは……?」
次代の帝となる者に、こんなまずいものを食わせておるのかー! なんて、怒ったりしてないよね⁉︎
私、神罰が当たったりとか、しないよね⁉︎
私が恐る恐る尋ねると、青龍様はそういえば、といったような顔をして言った。
「ああ……なにやらうんうん、と頷かれて、次も楽しみにしている、と……」
えええええええええ⁉︎
「つ、次って、何ですか?」
「次の報告の時も、欲しいって。青龍に渡しといて」
玄武様は自分の分は渡さない! とばかりにそう言い、青龍様はそれを受けて、申し訳なさそうに「と、言うことなので……申し訳ないが、私にも何か少し分けていただけるだろうか?」などと言い出した。
「は? え? あの……え?」
神龍様に私の作ったものを⁉︎
え、それいいの? 大丈夫なの?
なんでも構わないからと青龍様に懇願され、混乱しながらどら焼きなどのお菓子を献上すると、青龍様と玄武様はそのまま帰ってしまわれた。
え……マジで? 私、バチ当たったりとか、しないよね……?
---------------------------
コミカライズ版「転生令嬢は庶民の味に飢えている」、公式漫画にコメント機能が実装されましたので、ぜひご活用ください!
そして、コミカライズ版の次回更新は11月12日(木)となっております( ´ ▽ ` )
お楽しみに!
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「かしこまりました」
私はミリアがすぐに玄関に向かうのを見送りながら、インベントリから大皿を取り出し、どら焼きを並べた。
程なくしてセイ、白虎様、朱雀様の御三方がミリアの案内でやってきた。
「皆様、いらっしゃいませ」
「クリステア嬢、突然訪問してすまない」
「おっす、お嬢! おっ? どら焼きじゃねぇか。食っていいか? ……あだっ⁉︎」
「やめんか、馬鹿者」
白虎様がテーブルの上のどら焼きを見つけて手を伸ばした手をセイがどこからか取り出した鉄扇でバシッと叩いた。痛そう……
「んまぁ! これだから食い意地の張ったバカ虎は……クリステア様、申し訳ございませんわ」
朱雀様はそう言いながらも視線が私とどら焼きとを行ったりきたりしていた。
「あはは……皆様お座りになって。どら焼きは皆様にご用意したものですからどうぞ遠慮なく召し上がってくださいね。すぐにお茶もお持ちしますから」
私が勧めると、三人はサッとソファに座り、素早くどら焼きを手にした。
……三人ともそんなに食べたかったんだね?
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「本当ですわ。あるじの品位を落とす行為はおやめなさいね。まったく」
そんなことを言いながらも三人はどら焼きを食べる手を止めない。
「あの、そういえば青龍様と玄武様は……わっ⁉︎」
どこにいるのかと思い、お二人の名を出した途端に顕現したので驚いてしまった。
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「……うちの食い意地の張った神獣たちがすまない……」
「いえそんな……気にせずたくさん召し上がってね」
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青龍様と玄武様は出遅れた分を取り戻そうとするかのごとく、我関せずでもぐもぐしていた。
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「お……俺に、料理を教えてほしい!」
「えっ⁉︎」
いきなりなにを言い出すのかと思ったけれど、セイの真剣な表情を見て本気なのだとわかった。
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「いや、先日からの食事に関して、俺は何の役にも立っていない。それなのにのうのうと食べるのは気が引ける。それに……」
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「ああ。よろしく頼む……いや、よろしくお願いします」
セイがそう言って深々と頭を下げたので私は慌ててしまった。
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私、神罰が当たったりとか、しないよね⁉︎
私が恐る恐る尋ねると、青龍様はそういえば、といったような顔をして言った。
「ああ……なにやらうんうん、と頷かれて、次も楽しみにしている、と……」
えええええええええ⁉︎
「つ、次って、何ですか?」
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玄武様は自分の分は渡さない! とばかりにそう言い、青龍様はそれを受けて、申し訳なさそうに「と、言うことなので……申し訳ないが、私にも何か少し分けていただけるだろうか?」などと言い出した。
「は? え? あの……え?」
神龍様に私の作ったものを⁉︎
え、それいいの? 大丈夫なの?
なんでも構わないからと青龍様に懇願され、混乱しながらどら焼きなどのお菓子を献上すると、青龍様と玄武様はそのまま帰ってしまわれた。
え……マジで? 私、バチ当たったりとか、しないよね……?
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