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朝ごはんは大事です
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翌朝。いつも通り早起きした私は、日課のヨガ終えてから身支度を整え、食堂へ向かった。
「おはようございます」
「あらクリステア様、おはようございます。ご飯はちょうど炊けたところですわよ」
食堂内の厨房に入ると、朱雀様が土鍋を火から下ろすところだった。
「朱雀様、ありがとうございます」
「このくらいなんてことございませんわ」
今日の朱雀様は髪を後ろに一つにまとめていて、キリッとした印象だ。
料理を教えるにあたり、衛生面に関しては徹底するように皆に伝えたからか、料理する時は髪をまとめるようになっていた。
三角巾をおすすめしたけれど、それはやんわり辞退されてしまった。似合うと思うんだけどなぁ。
私はインベントリからいつものように割烹着と三角巾を取り出し、手早く身に着けた。
黒銀と真白にはテーブルを拭いたり、カトラリーの準備をお願いした。
「さてと、今日のお味噌汁の具は何にしようかな?」
お出汁についてはミリアが水を張ったボウルに昆布と鰹節を入れておいてくれるようになったので、冷蔵室からその水出汁のストックを取り出し、朱雀様にザルでこしながら鍋に注ぎ入れてもらう。
本当は昆布と煮干しの組み合わせの水出汁のほうが味噌汁には合うと思うので、今度バステア商会に煮干しがないか確認しないとね。
出汁がらは捨てずにインベントリで保管。
ある程度貯まったら細かく刻んで乾煎りして、醤油・酒・みりんなどで味付けしてふりかけにするのだ。
そのままふりかけにしてもよし、おにぎりの具にしてもよしのごはんのお供になるからね!
その間に野菜室から取り出したキャベツをザク切りに、にんじんは短冊切りと食べやすい形にカット。
出汁でキャベツとにんじんを煮て、火が通って柔らかくなったら味噌を溶き入れて出来上がり。
シンプルなのもいいけれど、授業開始の今日は具沢山のお味噌汁でしっかり朝食を摂りたい。腹が減ってはなんとやらだ。
ああ、ここにお豆腐やお揚げがあればなぁ……ニガリを手に入れるには海で塩を作らないといけないだろうから、今は時間的にも難しそうだし……
やっぱりひよこ豆に似た豆を探して、試作してみようかな。ひよこ豆からニガリなしでも豆腐が作れるはずだから……
高野豆腐も欲しいところだけど、この世界に存在するのかなぁ。お出汁しみしみの高野豆腐、好きなんだよねぇ。
とはいえ、高野豆腐だなんてこの世界じゃ通じないだろうし。ああ、凍み豆腐なら通じるかな?
落ち着いたらまたバステア商会に行かなくちゃ。
私はぼんやりとそんなことを考えながら卵を手際良く割ってチャカチャカとリズムよく溶き、醤油とみりんを混ぜた出汁を加えてさらに混ぜ混ぜした。
フライパンに油を入れ中火で熱し、卵液を注いで半熟状になったら奥から手前に向けて巻き、巻いた卵を奥に寄せてまた卵液を注ぎ……といつも通りの手順を繰り返せばだし巻き卵が完成。これを数本作って食べやすい幅にカットして大皿に盛った。
あとはシャーケンを塩焼きにして……と。
皆たくさん食べるから、作るだけでも大変な量なのよねぇ。
ビュッフェ形式にしないと配膳が大変だからこのままこのスタイルを続けることにした。
おかわりしたい人は自由にすればいいし。
青龍様と玄武様の分はあらかじめ取り分けて朱雀様に渡せば、インベントリに収納して後で届けてくれることになっている。
「おはよう、クリステア嬢」
「おっす、お嬢。おはようさん!」
そうこうしているうちに朝の稽古を終えたセイと白虎様が食堂にやってきた。
「おはようございます。セイ、白虎様。もうできてますからお先にどうぞ」
「やった! お、美味そう!」
「トラ! 食事の前に手を洗わんか!」
白虎様がご機嫌で取り皿をのせるためのトレイを手に取ろうとするのをセイが呆れた様子でペシっと叩いてたしなめた。
「へいへーいっと。洗浄。これでよしっと」
「トラ! まったく、お前は……遅くなってすまない。後片付けは俺たちでやるから」
「ふふ、朝からお稽古でお腹減ったでしょう? 気にしないで食べてね。お皿洗いとかの片付けはお言葉に甘えてお願いするわね」
「うむ、まかせておけ」
私は白虎様やセイが自分の分をよそい始めるのを見てから、調理器具の片付けを始めた。
フライパンなんかは鉄製だし、お手入れをちゃんとしないとすぐに錆びちゃうからこれだけは任せるわけにはいかない。
私が一から育てた卵専用のフライパンだからね。
黒銀や真白にも食べ始めるように伝えたけれど、私が席につくまで待ってくれていた。
昨日は朝しか一緒に食事できなかったから気にしてるみたい。
学園生活中はそういうことも増えそうだから、私もできるだけ二人と一緒に食事できるように気を配らないといけないな。
「クリステア嬢、今日も授業は午前中だけだったはずだよな?」
「ええ。今週いっぱいは適正検査の結果によるクラス分けがないから一般教養の授業だけのはずよ」
入学したばかりの新入生は、昨日行った適正検査や試験の結果によってクラス分けされるまでの間、試験を行った講堂で読み書きや算術など一般教養の授業を受けるのだそう。
クラス分けの後もしばらくは午前中に講堂で一般教養、午後から魔法学などの専門的なことをクラスごとに学ぶ。
能力によるクラス分けは。魔力量が違いすぎたり使える魔法に差があると、生徒よっては劣等感を抱き脱落しやすいことに配慮してのことらしい。
魔力量が他の人より少なかったり、魔法が上手に使えなくても、このアデリア学園では卒業後、平民や跡取りではない貴族の子女が職に困らないよう、専門の知識を学べるコースが用意されている。
魔力さえあれば、魔力量は在学中でも増やせるし、自分の能力を活かしてさらにのばすこともできる。
この学園は生徒がよほどのことをしない限り見捨てることはしないから、とにかく退学さえしなければなんとかなるようになっているのだ。
そんなわけで、初めは適正検査の結果から暫定的にクラス分けされ、そこからさらに教師によって年間を通して個々の適正を見て、翌年のクラス分けが行われる。
私にとっては、クラス分けが何より重要なのだけど、はたしてどうなることやら……
セイやマリエルちゃんと同じクラスになれたらいいのだけれど……
「一般教養の授業は、席は自由に選べるのかな?」
「ええと、どうかしら。特に決まってなかったと思うわ。試験と同じ席に着くような説明はなかったから」
「そうか……じゃあマリエル嬢も誘って近くの席に座ろう。例のグルージア侯爵令嬢がまた何か仕掛けてこないとも限らないからな」
セイが不安そうに私を見たので、これ以上心配させないよう笑顔で答える。
「大丈夫よ。講堂なんて大勢の人目があるところで暴言なんてはしたないこと、侯爵家のご令嬢がしやしないわ」
……多分。
「しかし……」
「あ、でも近くの席に座るのは賛成よ。わからないことがあれば教えあえるものね」
「あ、ああ。そうだな」
「じゃあ、私は支度するから後片付けをお願いね」
「ああ……」
私は朝食を食べ終えると、自分の食器を流しに運び、制服に着替えるために自室に向かったのだった。
「おはようございます」
「あらクリステア様、おはようございます。ご飯はちょうど炊けたところですわよ」
食堂内の厨房に入ると、朱雀様が土鍋を火から下ろすところだった。
「朱雀様、ありがとうございます」
「このくらいなんてことございませんわ」
今日の朱雀様は髪を後ろに一つにまとめていて、キリッとした印象だ。
料理を教えるにあたり、衛生面に関しては徹底するように皆に伝えたからか、料理する時は髪をまとめるようになっていた。
三角巾をおすすめしたけれど、それはやんわり辞退されてしまった。似合うと思うんだけどなぁ。
私はインベントリからいつものように割烹着と三角巾を取り出し、手早く身に着けた。
黒銀と真白にはテーブルを拭いたり、カトラリーの準備をお願いした。
「さてと、今日のお味噌汁の具は何にしようかな?」
お出汁についてはミリアが水を張ったボウルに昆布と鰹節を入れておいてくれるようになったので、冷蔵室からその水出汁のストックを取り出し、朱雀様にザルでこしながら鍋に注ぎ入れてもらう。
本当は昆布と煮干しの組み合わせの水出汁のほうが味噌汁には合うと思うので、今度バステア商会に煮干しがないか確認しないとね。
出汁がらは捨てずにインベントリで保管。
ある程度貯まったら細かく刻んで乾煎りして、醤油・酒・みりんなどで味付けしてふりかけにするのだ。
そのままふりかけにしてもよし、おにぎりの具にしてもよしのごはんのお供になるからね!
その間に野菜室から取り出したキャベツをザク切りに、にんじんは短冊切りと食べやすい形にカット。
出汁でキャベツとにんじんを煮て、火が通って柔らかくなったら味噌を溶き入れて出来上がり。
シンプルなのもいいけれど、授業開始の今日は具沢山のお味噌汁でしっかり朝食を摂りたい。腹が減ってはなんとやらだ。
ああ、ここにお豆腐やお揚げがあればなぁ……ニガリを手に入れるには海で塩を作らないといけないだろうから、今は時間的にも難しそうだし……
やっぱりひよこ豆に似た豆を探して、試作してみようかな。ひよこ豆からニガリなしでも豆腐が作れるはずだから……
高野豆腐も欲しいところだけど、この世界に存在するのかなぁ。お出汁しみしみの高野豆腐、好きなんだよねぇ。
とはいえ、高野豆腐だなんてこの世界じゃ通じないだろうし。ああ、凍み豆腐なら通じるかな?
落ち着いたらまたバステア商会に行かなくちゃ。
私はぼんやりとそんなことを考えながら卵を手際良く割ってチャカチャカとリズムよく溶き、醤油とみりんを混ぜた出汁を加えてさらに混ぜ混ぜした。
フライパンに油を入れ中火で熱し、卵液を注いで半熟状になったら奥から手前に向けて巻き、巻いた卵を奥に寄せてまた卵液を注ぎ……といつも通りの手順を繰り返せばだし巻き卵が完成。これを数本作って食べやすい幅にカットして大皿に盛った。
あとはシャーケンを塩焼きにして……と。
皆たくさん食べるから、作るだけでも大変な量なのよねぇ。
ビュッフェ形式にしないと配膳が大変だからこのままこのスタイルを続けることにした。
おかわりしたい人は自由にすればいいし。
青龍様と玄武様の分はあらかじめ取り分けて朱雀様に渡せば、インベントリに収納して後で届けてくれることになっている。
「おはよう、クリステア嬢」
「おっす、お嬢。おはようさん!」
そうこうしているうちに朝の稽古を終えたセイと白虎様が食堂にやってきた。
「おはようございます。セイ、白虎様。もうできてますからお先にどうぞ」
「やった! お、美味そう!」
「トラ! 食事の前に手を洗わんか!」
白虎様がご機嫌で取り皿をのせるためのトレイを手に取ろうとするのをセイが呆れた様子でペシっと叩いてたしなめた。
「へいへーいっと。洗浄。これでよしっと」
「トラ! まったく、お前は……遅くなってすまない。後片付けは俺たちでやるから」
「ふふ、朝からお稽古でお腹減ったでしょう? 気にしないで食べてね。お皿洗いとかの片付けはお言葉に甘えてお願いするわね」
「うむ、まかせておけ」
私は白虎様やセイが自分の分をよそい始めるのを見てから、調理器具の片付けを始めた。
フライパンなんかは鉄製だし、お手入れをちゃんとしないとすぐに錆びちゃうからこれだけは任せるわけにはいかない。
私が一から育てた卵専用のフライパンだからね。
黒銀や真白にも食べ始めるように伝えたけれど、私が席につくまで待ってくれていた。
昨日は朝しか一緒に食事できなかったから気にしてるみたい。
学園生活中はそういうことも増えそうだから、私もできるだけ二人と一緒に食事できるように気を配らないといけないな。
「クリステア嬢、今日も授業は午前中だけだったはずだよな?」
「ええ。今週いっぱいは適正検査の結果によるクラス分けがないから一般教養の授業だけのはずよ」
入学したばかりの新入生は、昨日行った適正検査や試験の結果によってクラス分けされるまでの間、試験を行った講堂で読み書きや算術など一般教養の授業を受けるのだそう。
クラス分けの後もしばらくは午前中に講堂で一般教養、午後から魔法学などの専門的なことをクラスごとに学ぶ。
能力によるクラス分けは。魔力量が違いすぎたり使える魔法に差があると、生徒よっては劣等感を抱き脱落しやすいことに配慮してのことらしい。
魔力量が他の人より少なかったり、魔法が上手に使えなくても、このアデリア学園では卒業後、平民や跡取りではない貴族の子女が職に困らないよう、専門の知識を学べるコースが用意されている。
魔力さえあれば、魔力量は在学中でも増やせるし、自分の能力を活かしてさらにのばすこともできる。
この学園は生徒がよほどのことをしない限り見捨てることはしないから、とにかく退学さえしなければなんとかなるようになっているのだ。
そんなわけで、初めは適正検査の結果から暫定的にクラス分けされ、そこからさらに教師によって年間を通して個々の適正を見て、翌年のクラス分けが行われる。
私にとっては、クラス分けが何より重要なのだけど、はたしてどうなることやら……
セイやマリエルちゃんと同じクラスになれたらいいのだけれど……
「一般教養の授業は、席は自由に選べるのかな?」
「ええと、どうかしら。特に決まってなかったと思うわ。試験と同じ席に着くような説明はなかったから」
「そうか……じゃあマリエル嬢も誘って近くの席に座ろう。例のグルージア侯爵令嬢がまた何か仕掛けてこないとも限らないからな」
セイが不安そうに私を見たので、これ以上心配させないよう笑顔で答える。
「大丈夫よ。講堂なんて大勢の人目があるところで暴言なんてはしたないこと、侯爵家のご令嬢がしやしないわ」
……多分。
「しかし……」
「あ、でも近くの席に座るのは賛成よ。わからないことがあれば教えあえるものね」
「あ、ああ。そうだな」
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