305 / 423
連載
聞きたいことって?
しおりを挟む
アリシア様の謝罪を受け入れ、これ以上の謝罪は不要であるということで落ち着いたところで、アリシア様が真剣な表情で私を見た。
「あの……クリステア様に聖獣様のことでお聞きしたいことがありますの」
「はい? 何でしょう?」
聖獣様のことって、黒銀と真白に関することかしら。
「先日修練場でおっしゃっていた、王太子殿下の婚約者を目指すのなら聖獣契約を避けた方がよいというお話なのですけれど……国の守護聖獣様と敵対するかもしれないと言うのは本当ですの?」
あー、あれね。黒銀と真白は私が王宮でレオン様と接触した時からずっと毛嫌いしてるのよねぇ。
「ええ。先日もお話した通り、聖獣様は基本的に独占欲が強く、自分の主が他の聖獣様と親密になることを好みませんから。私の契約聖獣達はその旨はっきりと陛下と妃殿下にお伝えしています」
「で、でもクリステア様はフェンリル様やホーリーベア様と複数契約なさってますよね? それに、シキシィマ様も……それなのに、ですか?」
「ええと、私の場合は出会いが少し特殊と言いますか……どちらも私と契約すると言って聞かなかったのでやむを得ず同時に契約することになっただけで、普段の二人は自分が一番の契約獣だって張り合ったりしてるんですよ?」
「張り合って……いるんですの?」
ええそれはもう。
最近は随分落ち着いてきたものの、契約してすぐの頃はライバル心燃やしまくりだったもの。
「シキシィマ様の聖獣様は……」
アリシア様が朱雀様を見ると、朱雀様は頬に手を添えてこてりと首を傾げた。
「そうですわねぇ。本来、聖獣は守護する者に対する独占欲が強めではありますわね。私と白虎は、とある事情のためにセイ様を守護しておりますのよ。そういう意味では私どもも特殊だと言えますわね」
セイの場合はヤハトゥールの次期帝として、現帝を守護する神龍の命で本当は白虎様・朱雀様・青龍様・玄武様の四神獣の皆様が守護しているという、私なんかよりもっと特殊な事情があるものね。秘密だけど。
今は秘密裏に動く形で守護している青龍様や玄武様の存在が明らかになったらとんでもないことになりそうよね。
二体でも珍しい複数契約が実は四体だったなんて、聖獣を神聖視してるドリスタン王国の貴族たちが知ったら卒倒しちゃうんじゃないかしら。
別の意味でヤハトゥールに帰れなくなっちゃいそうだもの。
それを思えば、私の複数契約なんて可愛いものよね。
……その発端は白虎様の暴走だけど。ああ
それも秘密にしとかなきゃ。
簡単に聖獣契約ができると誤解されそうだわ。そんなわけないのだけど。
「特殊……そうなのですか……」
「ちなみにぃワタシはぁ? マリエルが他の聖獣と契約するのは許さないわよぉ?」
「そ、そうですか……!」
ルビィが戯けた仕草で言ったものの、声は普段より低かった……こわ、束縛宣言じゃん。
アリシア様もちょっと怯えてるみたいじゃないの。
「あ、当たり前じゃないですか! 私はルビィとの契約だけで精一杯ですよぉ!」
「うふん、ならいいのよ」
マリエルちゃんが無理無理無理! と首をブンブンと横に振りながら言うのをルビィが満足げに見ていた。
確かに精一杯だろうねぇ……いつもルビィに振り回されまくってるもんね。
それでいて気が合うんだから不思議な二人だわ。
「ああでも、特殊といえばこの国の代表とも言うべき聖獣もそうよね?」
マリエルの返答に満足した様子のルビィが専用の野菜スティックを手にポリポリと齧りながら言った。
「え? 我が国の聖獣様がですか?」
アリシア様が初耳とばかりにルビィを見た。
「初代国王と契約してこの国を建国してから代々国王と契約してるのよね? 普通は契約した主が死んだからってその子どもと契約し続けたりなんかしないわよ」
「え? でも現に……」
「おそらく初代国王との約束だったんじゃないかしら。思い入れが強い主との約束は本人が死してなお続くことは稀にあるわね。そうは言っても中にはどうしても合わない主人がいただろうからよくやるわと思うけど」
確かに。でも、そう言われてみればレオン様は陛下の守護より国が平穏であることに執着しているような節があるような気がしなくもない……かな?
「何だ? 俺に用か?」
「えっ?」
背後から耳元に囁くような声が聞こえたかと思うと、ルビィが即座にマリエルちゃんと一緒に部屋の隅に転移していた。
いやうん、ルビィはマリエルちゃんの契約獣だからそれが正しい行動だけど……一瞬で見捨てられてちょっと悲しい。
でもこうして落ち着いていられるのは、その声に聞き覚えがあったからだ。
そうは言ってもいきなりの登場に驚いて振り向く。
「レオン様⁉︎」
「よう、お嬢。元気してたかぁ?」
噂をすればなんとやらってやつ⁉︎
そう思った私に向かってニッと笑うレオン様は入学式の時に会ったきりだったけど、相変わらずラフな服装で気のいいお兄さんと言った風貌だった。
私とレオン様とのやりとりを見て脅威ではないとわかったのか、ルビィの警戒が解けた。
「はーもう、驚かせないでよね……」と力が抜けた様子のルビィをマリエルちゃんが慌てて抱きかかえていた。
まあいきなり知らない聖獣が現れたら誰だってびっくりするわよね。
「……ええ、レオン様もお元気そうで何よりですわ。それにしても……」
どうしてここに? と問おうとした瞬間、目の前に人型の黒銀と真白が現れた。
「くりすてあになんのよう?」
「我が主に軽率に近寄るな」
剣呑な気配を隠すこともなく二人は今にもレオン様に噛みつきそうだ。
「ちょっと、黒銀に真白ったら! レオン様に失礼でしょう⁉︎」
「以前我らは警告したはずだ。何故我らの不在を狙って主に近づいた?」
「くりすてあにちょっかいかけたらゆるさないよ?」
なんで君たちレオン様に対してそんなに警戒してるの⁉︎
最近やっと白虎様や朱雀様とは普通に接するようになったと思ったのに……
「いや~何やら学園の方から俺を噂してる気配がしたんでな。探ってみたらお嬢だったんで、なんか用かなって思って挨拶がてら飛んできた」
……いや気軽すぎでしょ。
国を守護する聖獣様がそんなほいほい転移魔法で現れたらダメでしょ。
「ついでに場所がサロン棟だったから、なんか美味いもんあるかなって期待して?」
「……むしろそれが本命では?」
「バレたか。いいだろ? リリーにも土産に持って帰ってやったら喜ぶしよ」
……王妃殿下のお土産にとかさらっと決めないでほしい。
「ずうずうしい。おまえはしろのおかしをたべてればいいだろ?」
「その通りだ。お前に主の菓子など勿体無い」
「冷てぇなあ。同じ契約聖獣仲間だろぉ?」
「「おとといこい」」
こらこらこら。二人ともレオン様に喧嘩ふっかけるのはやめなさいってば。お菓子ねだりにくるのはどうかと思うけど。
そうは言っても渡さないわけにもいかないので、ストック用に取っておいたスコーンやショートブレッド、アップルパイも忘れず皿に盛り、バスケットに入れて渡した。
「ありがとうよ。あれ? お前朱雀じゃねぇか。何でここに?」
「それはこちらの台詞ですけれど……本日は女子会なる女性のためのお茶会ですから、そこの独占欲にまみれた聖獣どもの代わりに護衛兼メイドとしてお供しているだけですわ」
「なんだと?」
「ちゃんとごえいできてないくせに」
朱雀様が鼻で笑いながら黒銀と真白を見ると、二人が気色ばんで朱雀様に抗議した。
「まあ待て。いきなりやってきた俺が悪かったって。しっかし、前にも言ったろ? ちったあ鷹揚に構えてろって」
「ぐっ」
「むむむ」
両手を軽く挙げてひらひらと手を振るレオン様の言葉に二人の動きが止まる。
「悪かったなお嬢。せっかくのじょしかい? ってやつの空気悪くしちまった。また今度詫びの品持ってくるわ。じゃあまたな」
レオン様はそう言って転移魔法で去ってしまった。
「「にどとくるな!」」
「……貴方たち、この時ばかりは息がぴったりですわよね」
うん、朱雀様。私もそう思う。
……って、わああ⁉︎
「アリシア様⁉︎」
アリシア様が座ったままの姿勢で気を失っていた。
えらいこっちゃ!
---------------------------
いつもコメントやエールポチッとありがとうございます!
執筆の励みになっております!
梅雨明けで猛暑が続きますが、熱中症などに気をつけて、涼しい場所で楽しいラノベライフを!
「あの……クリステア様に聖獣様のことでお聞きしたいことがありますの」
「はい? 何でしょう?」
聖獣様のことって、黒銀と真白に関することかしら。
「先日修練場でおっしゃっていた、王太子殿下の婚約者を目指すのなら聖獣契約を避けた方がよいというお話なのですけれど……国の守護聖獣様と敵対するかもしれないと言うのは本当ですの?」
あー、あれね。黒銀と真白は私が王宮でレオン様と接触した時からずっと毛嫌いしてるのよねぇ。
「ええ。先日もお話した通り、聖獣様は基本的に独占欲が強く、自分の主が他の聖獣様と親密になることを好みませんから。私の契約聖獣達はその旨はっきりと陛下と妃殿下にお伝えしています」
「で、でもクリステア様はフェンリル様やホーリーベア様と複数契約なさってますよね? それに、シキシィマ様も……それなのに、ですか?」
「ええと、私の場合は出会いが少し特殊と言いますか……どちらも私と契約すると言って聞かなかったのでやむを得ず同時に契約することになっただけで、普段の二人は自分が一番の契約獣だって張り合ったりしてるんですよ?」
「張り合って……いるんですの?」
ええそれはもう。
最近は随分落ち着いてきたものの、契約してすぐの頃はライバル心燃やしまくりだったもの。
「シキシィマ様の聖獣様は……」
アリシア様が朱雀様を見ると、朱雀様は頬に手を添えてこてりと首を傾げた。
「そうですわねぇ。本来、聖獣は守護する者に対する独占欲が強めではありますわね。私と白虎は、とある事情のためにセイ様を守護しておりますのよ。そういう意味では私どもも特殊だと言えますわね」
セイの場合はヤハトゥールの次期帝として、現帝を守護する神龍の命で本当は白虎様・朱雀様・青龍様・玄武様の四神獣の皆様が守護しているという、私なんかよりもっと特殊な事情があるものね。秘密だけど。
今は秘密裏に動く形で守護している青龍様や玄武様の存在が明らかになったらとんでもないことになりそうよね。
二体でも珍しい複数契約が実は四体だったなんて、聖獣を神聖視してるドリスタン王国の貴族たちが知ったら卒倒しちゃうんじゃないかしら。
別の意味でヤハトゥールに帰れなくなっちゃいそうだもの。
それを思えば、私の複数契約なんて可愛いものよね。
……その発端は白虎様の暴走だけど。ああ
それも秘密にしとかなきゃ。
簡単に聖獣契約ができると誤解されそうだわ。そんなわけないのだけど。
「特殊……そうなのですか……」
「ちなみにぃワタシはぁ? マリエルが他の聖獣と契約するのは許さないわよぉ?」
「そ、そうですか……!」
ルビィが戯けた仕草で言ったものの、声は普段より低かった……こわ、束縛宣言じゃん。
アリシア様もちょっと怯えてるみたいじゃないの。
「あ、当たり前じゃないですか! 私はルビィとの契約だけで精一杯ですよぉ!」
「うふん、ならいいのよ」
マリエルちゃんが無理無理無理! と首をブンブンと横に振りながら言うのをルビィが満足げに見ていた。
確かに精一杯だろうねぇ……いつもルビィに振り回されまくってるもんね。
それでいて気が合うんだから不思議な二人だわ。
「ああでも、特殊といえばこの国の代表とも言うべき聖獣もそうよね?」
マリエルの返答に満足した様子のルビィが専用の野菜スティックを手にポリポリと齧りながら言った。
「え? 我が国の聖獣様がですか?」
アリシア様が初耳とばかりにルビィを見た。
「初代国王と契約してこの国を建国してから代々国王と契約してるのよね? 普通は契約した主が死んだからってその子どもと契約し続けたりなんかしないわよ」
「え? でも現に……」
「おそらく初代国王との約束だったんじゃないかしら。思い入れが強い主との約束は本人が死してなお続くことは稀にあるわね。そうは言っても中にはどうしても合わない主人がいただろうからよくやるわと思うけど」
確かに。でも、そう言われてみればレオン様は陛下の守護より国が平穏であることに執着しているような節があるような気がしなくもない……かな?
「何だ? 俺に用か?」
「えっ?」
背後から耳元に囁くような声が聞こえたかと思うと、ルビィが即座にマリエルちゃんと一緒に部屋の隅に転移していた。
いやうん、ルビィはマリエルちゃんの契約獣だからそれが正しい行動だけど……一瞬で見捨てられてちょっと悲しい。
でもこうして落ち着いていられるのは、その声に聞き覚えがあったからだ。
そうは言ってもいきなりの登場に驚いて振り向く。
「レオン様⁉︎」
「よう、お嬢。元気してたかぁ?」
噂をすればなんとやらってやつ⁉︎
そう思った私に向かってニッと笑うレオン様は入学式の時に会ったきりだったけど、相変わらずラフな服装で気のいいお兄さんと言った風貌だった。
私とレオン様とのやりとりを見て脅威ではないとわかったのか、ルビィの警戒が解けた。
「はーもう、驚かせないでよね……」と力が抜けた様子のルビィをマリエルちゃんが慌てて抱きかかえていた。
まあいきなり知らない聖獣が現れたら誰だってびっくりするわよね。
「……ええ、レオン様もお元気そうで何よりですわ。それにしても……」
どうしてここに? と問おうとした瞬間、目の前に人型の黒銀と真白が現れた。
「くりすてあになんのよう?」
「我が主に軽率に近寄るな」
剣呑な気配を隠すこともなく二人は今にもレオン様に噛みつきそうだ。
「ちょっと、黒銀に真白ったら! レオン様に失礼でしょう⁉︎」
「以前我らは警告したはずだ。何故我らの不在を狙って主に近づいた?」
「くりすてあにちょっかいかけたらゆるさないよ?」
なんで君たちレオン様に対してそんなに警戒してるの⁉︎
最近やっと白虎様や朱雀様とは普通に接するようになったと思ったのに……
「いや~何やら学園の方から俺を噂してる気配がしたんでな。探ってみたらお嬢だったんで、なんか用かなって思って挨拶がてら飛んできた」
……いや気軽すぎでしょ。
国を守護する聖獣様がそんなほいほい転移魔法で現れたらダメでしょ。
「ついでに場所がサロン棟だったから、なんか美味いもんあるかなって期待して?」
「……むしろそれが本命では?」
「バレたか。いいだろ? リリーにも土産に持って帰ってやったら喜ぶしよ」
……王妃殿下のお土産にとかさらっと決めないでほしい。
「ずうずうしい。おまえはしろのおかしをたべてればいいだろ?」
「その通りだ。お前に主の菓子など勿体無い」
「冷てぇなあ。同じ契約聖獣仲間だろぉ?」
「「おとといこい」」
こらこらこら。二人ともレオン様に喧嘩ふっかけるのはやめなさいってば。お菓子ねだりにくるのはどうかと思うけど。
そうは言っても渡さないわけにもいかないので、ストック用に取っておいたスコーンやショートブレッド、アップルパイも忘れず皿に盛り、バスケットに入れて渡した。
「ありがとうよ。あれ? お前朱雀じゃねぇか。何でここに?」
「それはこちらの台詞ですけれど……本日は女子会なる女性のためのお茶会ですから、そこの独占欲にまみれた聖獣どもの代わりに護衛兼メイドとしてお供しているだけですわ」
「なんだと?」
「ちゃんとごえいできてないくせに」
朱雀様が鼻で笑いながら黒銀と真白を見ると、二人が気色ばんで朱雀様に抗議した。
「まあ待て。いきなりやってきた俺が悪かったって。しっかし、前にも言ったろ? ちったあ鷹揚に構えてろって」
「ぐっ」
「むむむ」
両手を軽く挙げてひらひらと手を振るレオン様の言葉に二人の動きが止まる。
「悪かったなお嬢。せっかくのじょしかい? ってやつの空気悪くしちまった。また今度詫びの品持ってくるわ。じゃあまたな」
レオン様はそう言って転移魔法で去ってしまった。
「「にどとくるな!」」
「……貴方たち、この時ばかりは息がぴったりですわよね」
うん、朱雀様。私もそう思う。
……って、わああ⁉︎
「アリシア様⁉︎」
アリシア様が座ったままの姿勢で気を失っていた。
えらいこっちゃ!
---------------------------
いつもコメントやエールポチッとありがとうございます!
執筆の励みになっております!
梅雨明けで猛暑が続きますが、熱中症などに気をつけて、涼しい場所で楽しいラノベライフを!
210
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結・全3話】不細工だと捨てられましたが、貴方の代わりに呪いを受けていました。もう代わりは辞めます。呪いの処理はご自身で!
酒本 アズサ
恋愛
「お前のような不細工な婚約者がいるなんて恥ずかしいんだよ。今頃婚約破棄の書状がお前の家に届いているだろうさ」
年頃の男女が集められた王家主催のお茶会でそう言ったのは、幼い頃からの婚約者セザール様。
確かに私は見た目がよくない、血色は悪く、肌も髪もかさついている上、目も落ちくぼんでみっともない。
だけどこれはあの日呪われたセザール様を助けたい一心で、身代わりになる魔導具を使った結果なのに。
当時は私に申し訳なさそうにしながらも感謝していたのに、時と共に忘れてしまわれたのですね。
結局婚約破棄されてしまった私は、抱き続けていた恋心と共に身代わりの魔導具も捨てます。
当然呪いは本来の標的に向かいますからね?
日に日に本来の美しさを取り戻す私とは対照的に、セザール様は……。
恩を忘れた愚かな婚約者には同情しません!
婚約破棄? そもそも君は一体誰だ?
歩芽川ゆい
ファンタジー
「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、令嬢にあるまじきことに、向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。