アイヲン

古代 こしろ

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気づいた所は薄暗く、屋外という事は分かった。

落ちたと思う。落ちる感覚があった。

そのわりにぶつかった感はない。


意識を失くしていたらしい。

どこだろう、と考えたのはようやくだった。落ちたのは突然。本来地面が平らにつづいていたはずだった場所。

知らない所にいる。
なんとなくだが、自分にあうところな気もしてくる。

そばが壁で、一方向に進んでみる。

「これは呪詛が広いな、こんなのははじめてだ」

広がりすぎて空気のようだ。

この地は強いらしい。すでに祓いを用いているのかもしれない。

「拡がりが均等で、吹き溜まりになっていない」

それでも、呪詛を祓わなければ。これで祓った成果としても。

「月か…」

白く淡く色づいて見える。

落ちたのなら地下のはずで、上は地面のはずで。どういうことだ。

球体だとしたら地面の向かい側も地面。



少年。

自分よりも年下に見える。

ひっかかる、この人は何だ。年下と思ったのではなく、見える。

外見と実年齢は差があると感じた。

どこか、相手は戸惑っている気がする。

見知らぬ者にあったからではなく、自分と逢ったからだと。

不自然。しばらく立ち止まる。

片や黒いフードマントを被った自分、片や黒い崩れた感じの服。

「ここはどこなんだ」

こたえず先に進む。ついてこいというのか。

「おまえのような者が集まっている」

はっきりとした口調。

「あなたは誰」

何と聞こうとしてしまい、停める。先に自分は名乗った。

「…カゲと呼ばれている」

呼ばれているというのに、ひっかかる。本名は違うのか。



アイシンと子供たちが街で再会する前のこと。

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