悪役を幸せにしたいのになんか上手くいかない ~推しは間もなく退場予定~

はかまる

文字の大きさ
2 / 20

推し作品の書籍化決まった

しおりを挟む

 世の中には『オタクであること』をまるで一つのステータスかのように考えている人間が存在している。
 学校のお昼の校内放送でわざと際どい歌詞の内容のアニソンを流し、困惑する一般人のリアクションをチラチラと見ては、身内で喜び合っている行動力は無駄にあるがTPOを知らない有害オタクや、流行であるという理由だけで原作の内容もろくすっぽ知らないくせに、主題歌にあわせて教室で踊りSNSに投稿する自称オタク(笑)の存在を俺は認めない。

「――」

 誰かと話す事もなく、小説投稿サイトにログインし休憩時間や昼休みと時間ができしだい新たな神作品を探す旅に出る。そして出会った神を全力で、推す。これがオタクのあり方というものではないだろうか。つまり、俺の事だ。高校に入ってから3年間、俺はこのルーティンを忘れたことはない。
 別に、自分に友達が出来ないから、なんだかんだとアニメやゲームを共通言語としてそれぞれ友人らと楽しんでいる彼らを僻んだり羨んでいるわけではない。そうだ、誰の迷惑もかけていないのだから静かにTPOを弁えているのは俺の方だし褒められるべきは俺である。

 ――――――――
【書籍化のお知らせ】
この度『有名魔法学校に入学したら王子様に溺愛されちゃいました』がXX出版様より書籍化となりました。
これも普段から応援してくださる読者の皆様のおかげです。
それに伴い掲載中の作品は順次非公開となります。
発売日は~~~
 ――――――――

「~~~ッ!?」

 たとえ滅茶苦茶読んでいたWEB小説の書籍化のお知らせを見てどれだけ悲鳴をあげそうになっても、声をかみ殺し興奮で震える手を使いなんとか発売日をスケジュール帳に書き込む。これも真のオタクの務めである。

 やった、嬉しい、まじか。いやー、出版社分かってるわ。マジでセンスある。この小説は紙に残してもっと多くの人間の目に触れるべきだし、後世に伝わるべき神作品だ。

 まぁ、WEBと書籍版だと構成や台詞の言い回しが変わってしまう事があるため、ファンとしては読み比べるために残して欲しいというのが想いとしてあるがそう我が儘は言ってられない。家に帰ってまずやることは第1話から作品を改めて読み返す事だ。
 この作品何がいいってまず恋愛ファンタジー小説だが、ヒロインが貴族だけどおてんばな性格の為コメディ調で話全体は進んでいき男の俺でも読みやすく、そんなヒロインを影ながら見守ってきていた第二王子がまた良い奴でそんな二人の恋愛模様がなんともで悪役となる男もまた色々共感が――……










「アーリア。 なんで、なんで君が殿下と……!」
「シルヴァくん……?」

 今、俺の目の前では、大好きだったWEB小説のヒロインと王子、そして悪役ポジションの男という三人が揃って、学園の中庭で言い争いを繰り広げている。

 これはなんらかの比喩でもなく、文字通り小説で読んでいた人物が目の前に居るのだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

追放オメガ聖帝の幸せな結婚〜クールなスパダリ騎士に拾われて溺愛されるまで〜

あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
ノルディーナ王国の聖帝サーナは、教皇のありもしない嘘のせいで聖宮から追放されてしまう。 行く当てがないサーナが国境に向かうと、そこで隣国ルミルカ王国の騎士であるムーシュと出会う。ムーシュから諸事情により偽装結婚を提案されて、サーナは期限付きの偽装結婚ならばよいと承諾し、一時的に保護してもらうことに。 異国暮らしに慣れていく中で、やがてムーシュから溺愛されるようになり……?

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』

バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。  そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。   最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m

【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。

明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。 新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。 しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…? 冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

処理中です...