聖女は傭兵と融合して最強唯一の魔法剣士になって好き勝手に生きる

ブレイブ31

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設立編

—第27章:初めての職業

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翌朝、アモンの武器をまだ買っていなかったので、再度商店街を歩いていた。

また、いつも通り「天使様だ」などの声も聞こえる。たまに「ギアの」という単語も耳に入ったが、ここは商店街だ。取引の際にギア(通貨)を使うので、何かの聞き間違いだろうと思った。

アモンと共に武器屋に入ると、店内にはさまざまな武器や砲弾が陳列されていた。聖王国の武器店とは大きく異なり、機械文明が発展したメカストリアならではの品揃えだった。商品の説明を読みながら見て回る。

マスケット銃: 

{装飾が施された高級モデルや精度を高めたカスタムマスケット銃も取り揃えております}

「聖王国では見たことがない飛び道具ね。かなり強そうだけど、扱うのが難しそうだ…」

大砲用の弾薬や砲弾:

{徹甲弾や火薬を増強した強力な弾丸、煙幕を張るための特殊砲弾もございます}

「これは防衛用かしら。威力は高そうだけど、あたしにはあまり関係なさそうだ」

機械弓:

{機械装置を用いて引きやすく、通常の弓よりも速く、飛距離が長いです}

「おお、これなら簡単に引けそう。リオでも扱えるかも?」

ギア付き剣と斧:

{機械の補助機能付き。パワーギアを回して威力を上げられます}

「この刃が回転するらしい。戦闘時にギコギコ切り落とせる?」

ふと横の棚に視線を移すと、白い槍が大量に置かれていた。

天使が持っていた槍「念じることで巨大化もするかも?」

「なんか見覚えあるな…」

さらに隣には、背負える天使の羽の機械装備が展示されている。

「羽が生えて攻撃力、防御力、治癒力が全て上昇するかも!?今大人気の商品です!」

「これ、あたしのことじゃないか!?」

驚いて声を上げた。これは、先日の天使の羽を具現化した自分の姿と、召喚した天使たちの持っていた槍を模したもので、勝手に商品化されている。

「勝手に作るな!ちゃんとお金を払いなさいよ」

「いや、怒るところそこかよ」

アモンがツッコミを入れるが、それを無視して店の店主に詰め寄った。

「ねぇ、なんであたしの姿を模した物を勝手に売ってるの?」

「えっ、え?あれ、ギアの天使…?」

「は…?」

なんで店主が「ギアの天使」という名前を知っているのか、嫌な予感が背中を冷たく駆け抜けた。

「なんでその名前…」

「いや、今朝リオ君がそれを持ち込んでね。私も噂を聞いていたのでこれは売れると思ったから、買い取ったんだよ。それと彼があなたのことをギアの天使って言ってたので…」

「リオオオオオ!」

ヴェルヴェットは一目散にリオの家に向かって走り出した。アモンはそれを気にせず、店で武器の物色を続けた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

坂を一気に駆け上がり、勢いよくドアを開け、部屋の奥にいるリオに詰め寄った。

「あ、ヴェルヴェット!」

屈託のない笑顔で迎えてくるリオに向かって問う。

「リオ…あんた、ギアの天使って言いふらしてないか?」

「えっ、うん。『1日待ってくれ』って言ってたから、日付が変わって朝になった時にね、新しい商品もできたから商店街に売りに行ったよ。ついでに傭兵ギルドにも行ってきた」

確かに、1日の基準は人によるが、普通は「待ってくれ」と言われたら確認を取るだろう。頭がぐらぐらする中、リオの「傭兵ギルド」という言葉が気にかかる。

「傭兵ギルドに…何をしに行ったんだ?」

「もちろん職業をギアの天使に変更してきたよ!」

目の前が真っ白になり、体が崩れ落ちる。

「ぅぅぅ…リオ、いいか、今から全力で走って傭兵ギルドに行って職業を変更してきてくれ。銃剣士とか、もういっそのこと美女剣士でもなんでもいいから…」

「それはできないよ。職業の変更はそんなに頻繁にできるものじゃないからね。最初は登録ミスもあるから変更は簡単だけど、しばらく経たないと変更は難しいよ」

リオの言葉を遠くに感じながら、ヴェルヴェットは意識を失った。

「ん…」

目が覚め、目をこすると、アモンが目の前に立っている。彼は大きな斧を背負っていた。

「ああ、アモン。武器を買ってきたのね。それは斧か?重いだろうけど、あんたなら使いこなせるか」

そう言ってあくびをする。

「ところで、なんであたし、こんなところで寝てたんだ?」

「知らねえよ。ああ、それとこの斧、ギアの天使の仲間ってことでタダで譲ってくれたぜ。ラッキーだった」

全てを思い出して、うなだれる。リオがやらかしたとはいえ、彼に本気で怒るわけにもいかない。もしアモンだったら、間違いなく両手両足を切り落としているところだ。

「ヴェルヴェット、ごめんね…」

申し訳なさそうに謝るリオ。面と向かって謝られると怒りも消え、ふっと笑みが浮かぶ。

「…まぁ、いいさ。考えようによっては有名になるってことだ。おいしい依頼も来るかもしれないし、プラスに捉えるか」

「何でもいいけどよ、腹減ったんだが」

「僕もお腹空いた!」

「まったくあんたたちは…もうあたしは疲れた。今日は外に食べに行くわよ」

「やったー!」

「よし、さっそく食べに行こうぜ!」

ふらつく足で3人は食事へと向かった。
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