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隣国に狙われているようです
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元支配人さんが住んでいた国とその隣の国で戦争が起きる可能性が出てきたとの話を聞く。
なんでもその隣の国で過去に類を見ない水害が起きて収穫前の小麦が8割くらいダメになり、食料を調達する為に川を挟んだ隣に有る元支配人さんの故郷へ来たのが切っ掛けなんだとか。
初めは売ってくれと言う話だったらしいのだが自分たちが食べる分が無くなるので希望は全て叶えられないと答え帰ってもらったら、数日後の夜に集団で襲われたそうだ。
当然、元支配人さんの国は抗議し賠償を求めてたらしいのだけど、国内の混乱を抑えることを優先したその隣の国は無視し、それどころか今度は軍を川辺に集め出したとか。
「そして、これを持ってきた奴が居たと」
「ええ。まぁ、追い返しても良かったのですがね、今後のことを考えて相談しておこうかと思いまして」
「何言ってんの?って感じね」
元支配人さんの国から使者とやらが持ってきたのは、塔の街に住む者は至急食糧と兵を用意して指定された場所へ来いって言う命令書? あと、この街を元支配人さんの国の一都市と正式に認めてやるから有り難く思えみたいなの。
なんか、この街で使われてるお金が我が国の物だからその土地も我が国の物だみたいな無理矢理な理由も書いてて呆れてしまう。
「命令は無視するとして、硬貨のことを考えましょうか」
「このままで良いんじゃないか?」
「なんか、気分が悪いじゃない?」
「それでしたら電子マネーのような物を作ってみたら良いのでは?」
「あれば便利だと思うけれど、作り方とか誰も知らないんじゃないかしら?」
「科学的には作れないですが、魔道具としてならやれる可能性はありますよー」
その日から魔導カードの研究が始まった。
最初は私も居たのだけれど、魔法のこととかさっぱりわからないのでデザイン画だけ描くだけにしておいた。
それ以外だと街への出入り口付近に両替所となる建物を作ったり、隣国からの戦争参加要請を断ったことと、魔導カード導入を考えているらしいことを噂として流したりしたかな。
魔導カードは結構好意的に受け取られたと思う。
一万円札などの高額紙幣などがなく、硬貨しかないこの辺りでは大きな買い物をする時にわりと重くなる量のお金を持ち歩く必要があるのでその分の荷物がなくなるなら助かる、自分と許可した相手しか使えないなら盗まれることもなくて最高だとか。
色々と聞いて回ってまとめた話を研究班に渡して、あとは出来るまでのお楽しみ。
「この前訊き忘れてたんだが、食糧を売って欲しいと隣国の商人に言われたらどうする?」
「普通に売って良いんじゃない? こちらから売りに行っても良いくらい余ってるし」
「そうか」
「なに? なんか思うところがあるの?」
「いやな、せっかくなので外貨を稼いでおくのも悪くないなと思ってな」
「そう? でも、他の国から買いたい物とか特にないし必要ないんじゃない?」
「金ってのは武器になるんだよ」
「そうなの?」
よくわからないけど、人間だった頃に城塞都市の偉い人だったバルが言うならそうなのかも知れない。
*
「それでは行ってきます」
「お願いね」
今後も元支配人さんの国が何か言ってくるかも知れないので力を見せ付けて黙らせようと言うことになり、戦場となる川へとゴーレム騎兵部隊を出すことにした。
塔で作り続けてる食料を災害で苦しんでる国で売り捌いてお金を手にするのが目的なので襲って来なければこちらから手を出すことはない。が、おそらく戦うことになるでしょう、どちらの国ととはわかりませんがって話だ。
ゴーレム騎兵部隊を任せてるクリスとクリスの暴走を止める役のトワ、それと戦場経験が有り国に食料を売る交渉役としてバルに行ってもらう。
この世界では戦場に女性が居ることは殆どなく、女と言うだけで相手にされない事もあるとのことなので表向きはバルが代表になる。
バルや元支配人さんたちの力を見せ付けると言う意見を他の子たちも支持したのが今回の行動の決め手かな。
私としては向かって来てから対処すれば良いと思うのだけれど、この世界で生まれ育った人たちがそう考えるのだからそれが正しいのだろうな。
以前も感じたことだけど、私は異世界人なんだろうなと思う。いや、違うか…、地球にも戦場は有ったしそこに住んでいる人は似たようなことを考えるかも知れないな。私は異世界人じゃなくて日本人なんだなが正解かも?
「まぁ、この世界に来た頃は深く考えず戦ったり殺したりしてたのに、今更自分が日本人だなんだってのも変な話だけどね」
「おそらくその身体に引っ張られたのが理由だろうな、日下部彩花さん」
「…なんで私の名字を知ってるの? あなた何者?」
「君がこの世界へ来る原因になった女神の弟だよ」
あの女神の弟?
雰囲気が全然似てないわね、真面目そうに見える表情からは血の繋がりとか感じないけど。
「それでその弟さんもやっぱり神様なの?」
「そうなるな」
「ふ~ん。それでさっき言ってたこの身体のせいってのは何?」
「その身体は俺たちと同じ神族の身体をベースにし吸血鬼として作り変えた物だ。そしてその身体の元の持ち主は地上で暴れて大陸を2つほど消し去った後、神々に捕まり魂と身体を分けられて封印された」
「…なんでそんなのの身体に私を入れたの?」
「ちょうど余ってたからだそうだ」
「余ってたからて…」
余ってたからで神様の身体に入れられるってなんだろう…。こっちの世界の神様って地球の神様と違うの? いや、地球の神様を知らないけどさ?
あと、すごく気になることが出来たんだけど。
「聞きたい事があるんだけど?」
「なんだ?」
「私の身体の材料になった神様の性別は?」
「女だが、そんなことが気になるのか?」
「それはそうよ」
もし、もしも半神から神とやらになった時に身体が男になったりしたら問題でしょ?
「それで、その事を教える為にここに来たわけ?」
「違う」
「それじゃあ、何しに来たの?」
「りんごの酒が気になってな」
「…なんて?」
なんでもその隣の国で過去に類を見ない水害が起きて収穫前の小麦が8割くらいダメになり、食料を調達する為に川を挟んだ隣に有る元支配人さんの故郷へ来たのが切っ掛けなんだとか。
初めは売ってくれと言う話だったらしいのだが自分たちが食べる分が無くなるので希望は全て叶えられないと答え帰ってもらったら、数日後の夜に集団で襲われたそうだ。
当然、元支配人さんの国は抗議し賠償を求めてたらしいのだけど、国内の混乱を抑えることを優先したその隣の国は無視し、それどころか今度は軍を川辺に集め出したとか。
「そして、これを持ってきた奴が居たと」
「ええ。まぁ、追い返しても良かったのですがね、今後のことを考えて相談しておこうかと思いまして」
「何言ってんの?って感じね」
元支配人さんの国から使者とやらが持ってきたのは、塔の街に住む者は至急食糧と兵を用意して指定された場所へ来いって言う命令書? あと、この街を元支配人さんの国の一都市と正式に認めてやるから有り難く思えみたいなの。
なんか、この街で使われてるお金が我が国の物だからその土地も我が国の物だみたいな無理矢理な理由も書いてて呆れてしまう。
「命令は無視するとして、硬貨のことを考えましょうか」
「このままで良いんじゃないか?」
「なんか、気分が悪いじゃない?」
「それでしたら電子マネーのような物を作ってみたら良いのでは?」
「あれば便利だと思うけれど、作り方とか誰も知らないんじゃないかしら?」
「科学的には作れないですが、魔道具としてならやれる可能性はありますよー」
その日から魔導カードの研究が始まった。
最初は私も居たのだけれど、魔法のこととかさっぱりわからないのでデザイン画だけ描くだけにしておいた。
それ以外だと街への出入り口付近に両替所となる建物を作ったり、隣国からの戦争参加要請を断ったことと、魔導カード導入を考えているらしいことを噂として流したりしたかな。
魔導カードは結構好意的に受け取られたと思う。
一万円札などの高額紙幣などがなく、硬貨しかないこの辺りでは大きな買い物をする時にわりと重くなる量のお金を持ち歩く必要があるのでその分の荷物がなくなるなら助かる、自分と許可した相手しか使えないなら盗まれることもなくて最高だとか。
色々と聞いて回ってまとめた話を研究班に渡して、あとは出来るまでのお楽しみ。
「この前訊き忘れてたんだが、食糧を売って欲しいと隣国の商人に言われたらどうする?」
「普通に売って良いんじゃない? こちらから売りに行っても良いくらい余ってるし」
「そうか」
「なに? なんか思うところがあるの?」
「いやな、せっかくなので外貨を稼いでおくのも悪くないなと思ってな」
「そう? でも、他の国から買いたい物とか特にないし必要ないんじゃない?」
「金ってのは武器になるんだよ」
「そうなの?」
よくわからないけど、人間だった頃に城塞都市の偉い人だったバルが言うならそうなのかも知れない。
*
「それでは行ってきます」
「お願いね」
今後も元支配人さんの国が何か言ってくるかも知れないので力を見せ付けて黙らせようと言うことになり、戦場となる川へとゴーレム騎兵部隊を出すことにした。
塔で作り続けてる食料を災害で苦しんでる国で売り捌いてお金を手にするのが目的なので襲って来なければこちらから手を出すことはない。が、おそらく戦うことになるでしょう、どちらの国ととはわかりませんがって話だ。
ゴーレム騎兵部隊を任せてるクリスとクリスの暴走を止める役のトワ、それと戦場経験が有り国に食料を売る交渉役としてバルに行ってもらう。
この世界では戦場に女性が居ることは殆どなく、女と言うだけで相手にされない事もあるとのことなので表向きはバルが代表になる。
バルや元支配人さんたちの力を見せ付けると言う意見を他の子たちも支持したのが今回の行動の決め手かな。
私としては向かって来てから対処すれば良いと思うのだけれど、この世界で生まれ育った人たちがそう考えるのだからそれが正しいのだろうな。
以前も感じたことだけど、私は異世界人なんだろうなと思う。いや、違うか…、地球にも戦場は有ったしそこに住んでいる人は似たようなことを考えるかも知れないな。私は異世界人じゃなくて日本人なんだなが正解かも?
「まぁ、この世界に来た頃は深く考えず戦ったり殺したりしてたのに、今更自分が日本人だなんだってのも変な話だけどね」
「おそらくその身体に引っ張られたのが理由だろうな、日下部彩花さん」
「…なんで私の名字を知ってるの? あなた何者?」
「君がこの世界へ来る原因になった女神の弟だよ」
あの女神の弟?
雰囲気が全然似てないわね、真面目そうに見える表情からは血の繋がりとか感じないけど。
「それでその弟さんもやっぱり神様なの?」
「そうなるな」
「ふ~ん。それでさっき言ってたこの身体のせいってのは何?」
「その身体は俺たちと同じ神族の身体をベースにし吸血鬼として作り変えた物だ。そしてその身体の元の持ち主は地上で暴れて大陸を2つほど消し去った後、神々に捕まり魂と身体を分けられて封印された」
「…なんでそんなのの身体に私を入れたの?」
「ちょうど余ってたからだそうだ」
「余ってたからて…」
余ってたからで神様の身体に入れられるってなんだろう…。こっちの世界の神様って地球の神様と違うの? いや、地球の神様を知らないけどさ?
あと、すごく気になることが出来たんだけど。
「聞きたい事があるんだけど?」
「なんだ?」
「私の身体の材料になった神様の性別は?」
「女だが、そんなことが気になるのか?」
「それはそうよ」
もし、もしも半神から神とやらになった時に身体が男になったりしたら問題でしょ?
「それで、その事を教える為にここに来たわけ?」
「違う」
「それじゃあ、何しに来たの?」
「りんごの酒が気になってな」
「…なんて?」
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