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そこのキミも一杯どうだい?
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なんでこんなことになったん?
異世界転生ってこんな変な能力貰ったりしなくない?
子供の頃に魔力を増やす方法を見つけて毎日痛みに耐えて魔力を増やして来たのに洗礼の儀式で手にしたのが手で触れたものを酒に変える能力って、なに? 増やした魔力を生かすような能力とかじゃないの?
全ての属性が使えます! おお~!! みたいなさ。
王都の学校より帰ってきた姉が怖い顔をして俺の前に立っている。
「液体をお酒に変える魔法を手に入れたって本当なの?」
「そうだけど、飲んでみる姉さん」
「飲まないわよ。それよりも確かめたいのよ」
「確かめる? 何を?」
「血液もお酒に変えられるのかとか色々よ」
「…は?」
「お父様の話を聞いた限りだとその辺りは何もしていないのよね?」
「してないけど」
血を酒に変える?
考えたこと無かったけど、血の成分を変えたら人は生きていけないのでは?
あれ? 結構危険な能力じゃないかこれ?
「なら確かめてみましょう」
「どうやって?」
「森に行くわよ」
姉が植物を操って拘束した下級の魔物に穴を開け、そこに俺が指を差し込んで暫くした後魔物は息絶えた。
「え、マジで…」
「やっぱりね」
「魔物の血の酒ですか、どんな味か楽しみですね」
同行した騎士団長の発言がヤバいのはともかく、液体を酒に変えるこの力は結構危険なのでは?
うっかり他人の傷口に触れたら殺してしまう?
「他にも試してみましょう、検証は多い方が良いわ」
「そうですな」
難しい顔をして姉が言い、お前味見したいだけじゃないのかとしか思えない表情で騎士団長が応じる。
お酒が絡まなければこんなに残念な人じゃないのに…。
他の魔物だけでなく、木の樹液、回復薬を作るのに使う薬草、普段は食べることはない果実など採取して屋敷に帰った。
酸味が強くて魔物にすら食べられることのない果実や効能は高いが苦みが強すぎてそのまま使うことが無い草を酒に変えたものがアル中達には好評だった。
「って、手で触れた生物を無差別に殺してしまう危険な力を持った俺から人が離れていくみたいな事になるんじゃないの?!」
「なんでそんなことになるんです? 不安なら革手袋でもしておけば良いだけでは?」
あれ? そんな簡単な話し?
この魔法のせいで俺は…みたいなシリアス人生送るんじゃないのか?
「そうね、使いこなせるようになるまでは簡単に取れないような手袋を付ける必要はあるかしら? いざという時の為に使えないと困るから自分の意思で簡単に外せるものが良いわね…教授に頼んでみようかしら」
「教授?」
「私が学校でお世話になってる方よ、魔道具を作る腕ならこの国で5本の指に入るわね」
いまいち納得行かないけど、変な能力を貰っても楽しく生きていけそうです?
異世界転生ってこんな変な能力貰ったりしなくない?
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「してないけど」
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あれ? 結構危険な能力じゃないかこれ?
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「どうやって?」
「森に行くわよ」
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「え、マジで…」
「やっぱりね」
「魔物の血の酒ですか、どんな味か楽しみですね」
同行した騎士団長の発言がヤバいのはともかく、液体を酒に変えるこの力は結構危険なのでは?
うっかり他人の傷口に触れたら殺してしまう?
「他にも試してみましょう、検証は多い方が良いわ」
「そうですな」
難しい顔をして姉が言い、お前味見したいだけじゃないのかとしか思えない表情で騎士団長が応じる。
お酒が絡まなければこんなに残念な人じゃないのに…。
他の魔物だけでなく、木の樹液、回復薬を作るのに使う薬草、普段は食べることはない果実など採取して屋敷に帰った。
酸味が強くて魔物にすら食べられることのない果実や効能は高いが苦みが強すぎてそのまま使うことが無い草を酒に変えたものがアル中達には好評だった。
「って、手で触れた生物を無差別に殺してしまう危険な力を持った俺から人が離れていくみたいな事になるんじゃないの?!」
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あれ? そんな簡単な話し?
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「そうね、使いこなせるようになるまでは簡単に取れないような手袋を付ける必要はあるかしら? いざという時の為に使えないと困るから自分の意思で簡単に外せるものが良いわね…教授に頼んでみようかしら」
「教授?」
「私が学校でお世話になってる方よ、魔道具を作る腕ならこの国で5本の指に入るわね」
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