手で触れた液体をお酒にする変な能力を手に入れだけどわりとなんとかなりそうです

水野(仮)

文字の大きさ
1 / 18

そこのキミも一杯どうだい?

しおりを挟む
なんでこんなことになったん?
異世界転生ってこんな変な能力貰ったりしなくない?
子供の頃に魔力を増やす方法を見つけて毎日痛みに耐えて魔力を増やして来たのに洗礼の儀式で手にしたのが手で触れたものを酒に変える能力って、なに? 増やした魔力を生かすような能力とかじゃないの?
全ての属性が使えます! おお~!! みたいなさ。

王都の学校より帰ってきた姉が怖い顔をして俺の前に立っている。

「液体をお酒に変える魔法を手に入れたって本当なの?」
「そうだけど、飲んでみる姉さん」
「飲まないわよ。それよりも確かめたいのよ」
「確かめる? 何を?」
「血液もお酒に変えられるのかとか色々よ」
「…は?」
「お父様の話を聞いた限りだとその辺りは何もしていないのよね?」
「してないけど」

血を酒に変える? 
考えたこと無かったけど、血の成分を変えたら人は生きていけないのでは?
あれ? 結構危険な能力じゃないかこれ?

「なら確かめてみましょう」
「どうやって?」
「森に行くわよ」

姉が植物を操って拘束した下級の魔物に穴を開け、そこに俺が指を差し込んで暫くした後魔物は息絶えた。

「え、マジで…」
「やっぱりね」
「魔物の血の酒ですか、どんな味か楽しみですね」

同行した騎士団長の発言がヤバいのはともかく、液体を酒に変えるこの力は結構危険なのでは?
うっかり他人の傷口に触れたら殺してしまう?

「他にも試してみましょう、検証は多い方が良いわ」
「そうですな」

難しい顔をして姉が言い、お前味見したいだけじゃないのかとしか思えない表情で騎士団長が応じる。
お酒が絡まなければこんなに残念な人じゃないのに…。

他の魔物だけでなく、木の樹液、回復薬を作るのに使う薬草、普段は食べることはない果実など採取して屋敷に帰った。

酸味が強くて魔物にすら食べられることのない果実や効能は高いが苦みが強すぎてそのまま使うことが無い草を酒に変えたものがアル中達には好評だった。

「って、手で触れた生物を無差別に殺してしまう危険な力を持った俺から人が離れていくみたいな事になるんじゃないの?!」
「なんでそんなことになるんです? 不安なら革手袋でもしておけば良いだけでは?」

あれ? そんな簡単な話し?
この魔法のせいで俺は…みたいなシリアス人生送るんじゃないのか?

「そうね、使いこなせるようになるまでは簡単に取れないような手袋を付ける必要はあるかしら? いざという時の為に使えないと困るから自分の意思で簡単に外せるものが良いわね…教授に頼んでみようかしら」
「教授?」
「私が学校でお世話になってる方よ、魔道具を作る腕ならこの国で5本の指に入るわね」

いまいち納得行かないけど、変な能力を貰っても楽しく生きていけそうです?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処刑回避のために「空気」になったら、なぜか冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで。

チャビューヘ
ファンタジー
「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の、すれ違い溺愛物語!

処理中です...