2 / 18
その氷結じゃねーよ!
しおりを挟む
酒魔法に対する理解を深める為に毎日魔力が尽きるまで用意された液体などをお酒に変えていた日のこと。
「氷結魔法を覚えてるわよ?」
「え?」
「私の魔眼で人を見ると使える属性が見えるのは知ってるわよね?」
初めて知ったけども…。
魔眼なんて物があるのかこの世界。
知らないと言うと姉さん怒りそうだし、知ってることにしよう。
「うん」
「それでね見たところ、貴方の使える属性に氷結が増えてるのが見えたのよ」
「氷結魔法! おお、普通に攻撃魔法みたいだ!」
「だから試してみて」
「うん」
使用人に言って練習場に的を用意してもらう。
何故か的の他にテーブルと器が用意された。
「このテーブルの器は?」
「酒を美味しく飲む為の氷を作る魔法なんじゃないかと騎士団長が」
「酒魔法の次に手に入れた物ですからな、普通の氷結魔法よりそちらの可能性が高いのではと思いましてな」
お酒が絡まないと良い人なんだけどな、騎士団長…。
気を取り直して、的に向かって氷結魔法を撃つことにする。
「氷結!」
氷の塊が的を貫くイメージを頭に浮かべたにもかかわらず、何故か手から出たのは液体だった。
「なんで?」
「氷ですらありませんね」
「おかしいわね?」
「…なんだかお酒の匂いがしますな」
「は?」
いやいやいや、ないでしょ。
「う~ん、今度はこの器に氷結魔法を撃ち込んでみて。騎士団長はそれの味見を」
「姉さん、本気?」
「お任せを」
「本気よ」
仕方がない、やってみるか。
なんとなく心当たりがなくもないしな、まさかとは思うけども…。
「氷結!」
器の中にシュワシュワした透明な液体が溜まっていく。
まさか、本当に?
「飲んでみて」
「はい」
騎士団長は一気に飲み干した…味見じゃないんかい。
「ふむ、多少弱いですが喉に対する刺激がなかなかに心地良いですな。冷えているのも良いですな」
やっぱりそれかよ、紛らわしい!
檸檬堂とかストゼロとかわかりやすいのあるのになんで氷結なんだ!
喜んだ分だけショックでかいよ!
「泣いているの?」
「だって普通の攻撃魔法が手に入ると思ったのに…、お酒を作る魔法の次がお酒を出す魔法なんて酷いよ、意味わからないよ…」
「お酒ではあるけれど、水を飛ばす魔法であることには変わりないわ。ちょっと変わってるけど水属性魔法として使える可能性は有るわね」
「ほんと!」
「ええ」
半年ほど練習しましたが攻撃魔法として使えるようにはなりませんでした。
液体の味と香りは変わったそうです。
「坊ちゃんの酒目当てにエルダードワーフの職人がこの地へ来るそうですよ」
「ドワーフ!」
おお、この目でドワーフを見られるとは!
酒に関係する魔法しか使えないけど悪いことばかりではないな。
「氷結魔法を覚えてるわよ?」
「え?」
「私の魔眼で人を見ると使える属性が見えるのは知ってるわよね?」
初めて知ったけども…。
魔眼なんて物があるのかこの世界。
知らないと言うと姉さん怒りそうだし、知ってることにしよう。
「うん」
「それでね見たところ、貴方の使える属性に氷結が増えてるのが見えたのよ」
「氷結魔法! おお、普通に攻撃魔法みたいだ!」
「だから試してみて」
「うん」
使用人に言って練習場に的を用意してもらう。
何故か的の他にテーブルと器が用意された。
「このテーブルの器は?」
「酒を美味しく飲む為の氷を作る魔法なんじゃないかと騎士団長が」
「酒魔法の次に手に入れた物ですからな、普通の氷結魔法よりそちらの可能性が高いのではと思いましてな」
お酒が絡まないと良い人なんだけどな、騎士団長…。
気を取り直して、的に向かって氷結魔法を撃つことにする。
「氷結!」
氷の塊が的を貫くイメージを頭に浮かべたにもかかわらず、何故か手から出たのは液体だった。
「なんで?」
「氷ですらありませんね」
「おかしいわね?」
「…なんだかお酒の匂いがしますな」
「は?」
いやいやいや、ないでしょ。
「う~ん、今度はこの器に氷結魔法を撃ち込んでみて。騎士団長はそれの味見を」
「姉さん、本気?」
「お任せを」
「本気よ」
仕方がない、やってみるか。
なんとなく心当たりがなくもないしな、まさかとは思うけども…。
「氷結!」
器の中にシュワシュワした透明な液体が溜まっていく。
まさか、本当に?
「飲んでみて」
「はい」
騎士団長は一気に飲み干した…味見じゃないんかい。
「ふむ、多少弱いですが喉に対する刺激がなかなかに心地良いですな。冷えているのも良いですな」
やっぱりそれかよ、紛らわしい!
檸檬堂とかストゼロとかわかりやすいのあるのになんで氷結なんだ!
喜んだ分だけショックでかいよ!
「泣いているの?」
「だって普通の攻撃魔法が手に入ると思ったのに…、お酒を作る魔法の次がお酒を出す魔法なんて酷いよ、意味わからないよ…」
「お酒ではあるけれど、水を飛ばす魔法であることには変わりないわ。ちょっと変わってるけど水属性魔法として使える可能性は有るわね」
「ほんと!」
「ええ」
半年ほど練習しましたが攻撃魔法として使えるようにはなりませんでした。
液体の味と香りは変わったそうです。
「坊ちゃんの酒目当てにエルダードワーフの職人がこの地へ来るそうですよ」
「ドワーフ!」
おお、この目でドワーフを見られるとは!
酒に関係する魔法しか使えないけど悪いことばかりではないな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる