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第2章 天才ゲーマー&プログラマー比企新斗(ひきにいと)編 (45〜119話)
第77話② バトル第一ラウンド勃発!
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一同、レストランを出て土産物屋に通りかかる。キャラクターのお面グッズが多数売られている。ドナルドトランプ氏の仮面に目が行き、強は試着して演説を始める。
「皆さん、再びこの国を素晴らしいものにしましょう! 私は大茨城帝国と栃木の間に壁を建設する。費用はメキシコ東日本に負担させる!」
「強君のクラスメートにも熱心な信者がいましたよね。確か金髪ポニテの女の子」
「俺と同じバレエ同好会のアリス・ワンダだろ。『トランプさんは労働者の味方♡』とか言っていたな」
「お、トランプさんの顔がデザインされているトランプもある。話のネタに買っていこう」
くのいちはそれには興味が無さそう。
「あたし達は他のお店を見て来るから。また後でLINEちょうだい。ねえミルク、コスメコーナーチェックしようよ」
「女の子同士でウインドウショッピングなんて~初めてかもね~」
「分かりました。女性陣だけでごゆっくり」
琢磨と強はキャラクター仮面グッズショップに残り、くのいち、ミルクと別れる。
強は今度はゴブリンの仮面に目が行く。
「これ、面白くねえか?」
強は試着して鏡を覗きこむ。
「お似合いですよ、強君」
「いいんだけど、このゴブリン、ちょっと老けて見えるなあ?」
「そんな事はありません。強君にぴったりです。年齢相応ですし」
「そうかなぁ?」
「ゴブリンは日本語では『小鬼』、強君も高二じゃないですか」
「そういうインテリ感溢れるダジャレはよしてくれ。小学生の俺にも分かる冗談限定な」
「僕もゴブリンの仮面買います。強君とお揃いですね」
強と琢磨はゴブリンの仮面を手にしてレジに向かう。レジの係員もゴブリンの仮面を被っている。二人は品物を受け取る。
「ありがとうございました」
「さてと、女性陣を探すとしましょうか」
琢磨と強は店の前の通路を進む。様々な年齢の客が歩いている。中にはゴブリンの仮面を被った人もチラホラ見られる。
「あの仮面、結構売れてんだな」
「店員さんも被っていましたもんね」
二人が更に通路を進むに連れて徐々にゴブリンの仮面の通行人の割合が増えてくる。
「あれ、おかしいなぁ。さっきまではこんなにゴブリンいなかったのに」
「女性陣も見当たりませんね。LINEで連絡してみましょう」
強と琢磨はコスメコーナーに向かう。強が琢磨の携帯を覗きこむと、画面には『圏外』と表示される。
「やべえ!」
「県外ってことは茨城県を離れて栃木県内に侵入してしまった訳ですか?」
「バカ言ってないで周りを見ろ!」
辺りを見回すと施設内の客は全てゴブリンになっている。それを掻き分け、強は出口のドアを蹴倒す。
施設の外は数百匹はいると思われるゴブリンで埋め尽くされている。さっきまであった道の駅の建物は蹴倒したドア一枚を残して消え失せ、周囲の景色も変わっている。
「俺たちは空間転位を喰らったみたいだ。くそッ! ミルク、くのいち、何処だ!」
返事はない。強と琢磨はゴブリンに取り囲まれている。彼らは『ゴブリン、ゴブリン、ゴブリン』と呪文のように言葉を発しながら剣を構えている。
「皆さん、再びこの国を素晴らしいものにしましょう! 私は大茨城帝国と栃木の間に壁を建設する。費用はメキシコ東日本に負担させる!」
「強君のクラスメートにも熱心な信者がいましたよね。確か金髪ポニテの女の子」
「俺と同じバレエ同好会のアリス・ワンダだろ。『トランプさんは労働者の味方♡』とか言っていたな」
「お、トランプさんの顔がデザインされているトランプもある。話のネタに買っていこう」
くのいちはそれには興味が無さそう。
「あたし達は他のお店を見て来るから。また後でLINEちょうだい。ねえミルク、コスメコーナーチェックしようよ」
「女の子同士でウインドウショッピングなんて~初めてかもね~」
「分かりました。女性陣だけでごゆっくり」
琢磨と強はキャラクター仮面グッズショップに残り、くのいち、ミルクと別れる。
強は今度はゴブリンの仮面に目が行く。
「これ、面白くねえか?」
強は試着して鏡を覗きこむ。
「お似合いですよ、強君」
「いいんだけど、このゴブリン、ちょっと老けて見えるなあ?」
「そんな事はありません。強君にぴったりです。年齢相応ですし」
「そうかなぁ?」
「ゴブリンは日本語では『小鬼』、強君も高二じゃないですか」
「そういうインテリ感溢れるダジャレはよしてくれ。小学生の俺にも分かる冗談限定な」
「僕もゴブリンの仮面買います。強君とお揃いですね」
強と琢磨はゴブリンの仮面を手にしてレジに向かう。レジの係員もゴブリンの仮面を被っている。二人は品物を受け取る。
「ありがとうございました」
「さてと、女性陣を探すとしましょうか」
琢磨と強は店の前の通路を進む。様々な年齢の客が歩いている。中にはゴブリンの仮面を被った人もチラホラ見られる。
「あの仮面、結構売れてんだな」
「店員さんも被っていましたもんね」
二人が更に通路を進むに連れて徐々にゴブリンの仮面の通行人の割合が増えてくる。
「あれ、おかしいなぁ。さっきまではこんなにゴブリンいなかったのに」
「女性陣も見当たりませんね。LINEで連絡してみましょう」
強と琢磨はコスメコーナーに向かう。強が琢磨の携帯を覗きこむと、画面には『圏外』と表示される。
「やべえ!」
「県外ってことは茨城県を離れて栃木県内に侵入してしまった訳ですか?」
「バカ言ってないで周りを見ろ!」
辺りを見回すと施設内の客は全てゴブリンになっている。それを掻き分け、強は出口のドアを蹴倒す。
施設の外は数百匹はいると思われるゴブリンで埋め尽くされている。さっきまであった道の駅の建物は蹴倒したドア一枚を残して消え失せ、周囲の景色も変わっている。
「俺たちは空間転位を喰らったみたいだ。くそッ! ミルク、くのいち、何処だ!」
返事はない。強と琢磨はゴブリンに取り囲まれている。彼らは『ゴブリン、ゴブリン、ゴブリン』と呪文のように言葉を発しながら剣を構えている。
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