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第1章 ガーディアンデビルズ結成〜鉄研部長編〜ヤンキー編〜強とくのいちの決闘編〜万引きJK節陶子編
第9話 鉄研部長仕置きの報酬
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前書き
治安維持の会は営利組織である。カツアゲをしようとした鉄研部長には生徒指導室からの裁定で罰金(とおそらく停学の措置)が下された。罰金の一部は治安維持の会に還元される
本文
放課後。部室ではくのいち、チョコ、強が雑談をしている。そこにエプロン姿に着替えたミルクがトレイにケーキと紅茶を載せて隣の部屋から入って来る。
「ミルク、エプロンが似合うな。ところで相談を受けた女生徒の方はうまくいったのか?」
「ちょっとぐずっていたけど~さっきおっぱい飲んで~寝かしつけたとこだよ~」
ミルクが冗談っぽく微笑んで片手で自慢の胸を少し持ち上げる。
「こら、にやけるな」
チョコとくのいちが同じセリフを言って強の両側から肘鉄を浴びせる。
ミルクは机の上にテーブルクロスを敷いて紅茶とケーキを置く。
「金色の輪っかだ」
チョコの声に一同がティーカップを覗き込む。天井の灯りに反射して、紅茶の赤い液体を囲む様に金色の輪っかが縁にできている。
「美味しいウバの茶葉が~手に入ったんだ~。ゴールデンリングは高級なウバの証~。あたしも高級な乳母だよ~。ミルク飲んでみる~?」
ミルクが乳を搾る様なポーズを取る。
「ミルク、やり過ぎ」
くのいちが半ばやっかみからたしなめる。しかしミルクは止まらない。
「乳母って~英語ではwet nurseって言うんだよ~。日本語にすると『濡れた看護婦』~、なんかエッチだね~。あ、今は看護士さんか~」
「ミルク、あたしお腹すいた。早くケーキ食べたい」
とチョコ。
「ケーキは~シャトー霊前にしたの~。コスパは最高だよ~」
「わぁ、チョコレートケーキだ!」
チョコが歓喜の声をあげる。
「お前は共喰いだな。俺はこのトリプルチーズケーキをいただくか」
「強、ダメ! チーズケーキもあたしが食べる!」
「あたしのモンブラン分けたげよっか、強? これ、中に二種類のクリームが入ってるんだよね?」
とくのいち。
「この前~鉄研の部長を成敗した時の~報酬が決まったよ~。今から発表するね~」
「待ってました!」
と、くのいち、チョコ、強。三人は固唾を飲む。
「まずはくのちゃん、三万円~」
くのいち、ガッツポーズ。
「チョコ、一万円~」
チョコは『まあこんなもんよね』と落ち着いた様子。
「強君、五千円~」
強、がっかりする。
「あんた何もしなたったんだから五千円でも儲けもんじゃん」
とくのいち。
「俺はあの時何もする必要がないと思ったから何もしなかったんだ」
「何それ、負け惜しみ?」
強は鉄研の部室にくのいちと乱入した時、一瞬で理解したのだ。部室に居た中で一番強いのが沢山くう子、その次が部長、次いでくう子の彼氏の兼尾貢で最後が気の弱そうな部員だという事を。強とくのいちを含めれば部長はくう子の次で四番目に強い奴という訳だ。
あのままくのいちが部長を成敗しなくても、兼尾貢は三万円カツアゲされる事はなかったのかもしれない。もっとも『部長は本当は老人ではない』とくう子が理解して行動してくれていたらの話ではあるが。
チョコレートケーキを頬張っているチョコに強がそっと耳打ちする。
「チョコ、今度事件があったら最初に俺に連絡してくれ。今月家賃の支払いがピンチなんだ」
チョコは『それで?』とでも言いたげに強を見つめる。強はトリプルチーズケーキをチョコにさっと差し出す。
治安維持の会は営利組織である。カツアゲをしようとした鉄研部長には生徒指導室からの裁定で罰金(とおそらく停学の措置)が下された。罰金の一部は治安維持の会に還元される
本文
放課後。部室ではくのいち、チョコ、強が雑談をしている。そこにエプロン姿に着替えたミルクがトレイにケーキと紅茶を載せて隣の部屋から入って来る。
「ミルク、エプロンが似合うな。ところで相談を受けた女生徒の方はうまくいったのか?」
「ちょっとぐずっていたけど~さっきおっぱい飲んで~寝かしつけたとこだよ~」
ミルクが冗談っぽく微笑んで片手で自慢の胸を少し持ち上げる。
「こら、にやけるな」
チョコとくのいちが同じセリフを言って強の両側から肘鉄を浴びせる。
ミルクは机の上にテーブルクロスを敷いて紅茶とケーキを置く。
「金色の輪っかだ」
チョコの声に一同がティーカップを覗き込む。天井の灯りに反射して、紅茶の赤い液体を囲む様に金色の輪っかが縁にできている。
「美味しいウバの茶葉が~手に入ったんだ~。ゴールデンリングは高級なウバの証~。あたしも高級な乳母だよ~。ミルク飲んでみる~?」
ミルクが乳を搾る様なポーズを取る。
「ミルク、やり過ぎ」
くのいちが半ばやっかみからたしなめる。しかしミルクは止まらない。
「乳母って~英語ではwet nurseって言うんだよ~。日本語にすると『濡れた看護婦』~、なんかエッチだね~。あ、今は看護士さんか~」
「ミルク、あたしお腹すいた。早くケーキ食べたい」
とチョコ。
「ケーキは~シャトー霊前にしたの~。コスパは最高だよ~」
「わぁ、チョコレートケーキだ!」
チョコが歓喜の声をあげる。
「お前は共喰いだな。俺はこのトリプルチーズケーキをいただくか」
「強、ダメ! チーズケーキもあたしが食べる!」
「あたしのモンブラン分けたげよっか、強? これ、中に二種類のクリームが入ってるんだよね?」
とくのいち。
「この前~鉄研の部長を成敗した時の~報酬が決まったよ~。今から発表するね~」
「待ってました!」
と、くのいち、チョコ、強。三人は固唾を飲む。
「まずはくのちゃん、三万円~」
くのいち、ガッツポーズ。
「チョコ、一万円~」
チョコは『まあこんなもんよね』と落ち着いた様子。
「強君、五千円~」
強、がっかりする。
「あんた何もしなたったんだから五千円でも儲けもんじゃん」
とくのいち。
「俺はあの時何もする必要がないと思ったから何もしなかったんだ」
「何それ、負け惜しみ?」
強は鉄研の部室にくのいちと乱入した時、一瞬で理解したのだ。部室に居た中で一番強いのが沢山くう子、その次が部長、次いでくう子の彼氏の兼尾貢で最後が気の弱そうな部員だという事を。強とくのいちを含めれば部長はくう子の次で四番目に強い奴という訳だ。
あのままくのいちが部長を成敗しなくても、兼尾貢は三万円カツアゲされる事はなかったのかもしれない。もっとも『部長は本当は老人ではない』とくう子が理解して行動してくれていたらの話ではあるが。
チョコレートケーキを頬張っているチョコに強がそっと耳打ちする。
「チョコ、今度事件があったら最初に俺に連絡してくれ。今月家賃の支払いがピンチなんだ」
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