いきなり魔界に呼び出された俺は、魔界一しょぼい村の主人になった!

Chiaki

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第1章

#1 雷に打たれて転生したよ!

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「本日は記録的な大雨です。既に暴風雨警報も出ています。」

3メートル先も見えないような豪雨。
鳴り響く雷の音。
パシャパシャと水を踏み走る男性が1人。
鞄を頭の上に乗せ、傘のかわりにし近くの公園へ向かっていた。

「くそっ!こんな降るなんて聞いてねぇぞ!」

雨の影響で辺りはまるで夜のように暗い。
公園の大きな木の下まで避難した男は体に付いた雨水を手で払う。
彼の名前は、山田 侑。
どこにでもいる冴えないサラリーマン。

はぁ…と大きなため息をついた時、木の横にある看板に目がいった。

「神…木?」

看板にはこう書かれていた。

“御神木 別名 神の門”

「神の…門…?」

変な名前だなと思った。
改めて木を見ると、真ん中に人1人がギリギリ入れるような穴が空いている。

あーなるほど。
この穴を門と見立ててるのか。

すぐに理解できた。
大袈裟だな。とも、思ったりした。

「神ねぇ…神様がいるならこの雨を止めてくれよ。まったく…」

ボヤいた瞬間だった。

一瞬あたりが真っ白に光ったと思ったら、急に目の前が真っ暗になった。
何が起こったのかさっぱり。

どれくらいの時間暗闇に居ただろう。
時間の感覚がない。
感触もない。
ここがどこかも分からない。

すると、

「…まえ…」

頭の中で声がした。

「…の……らを……たまえ…」

え?何をするって?
てか、誰だ?
頭の中から声がする。

声は徐々にはっきり聞こえて来た。
そして、

「我らの村を救いたまえ!!」









「はっ!!」

目が開いた。
息が切れている。
汗が垂れる感覚もわかる。
俺は…
手を見るが見慣れた物が付いている。
何が起こったのか分からない。
頭が処理し切れていないので、朦朧とする。
はぁ…はぁ…と呼吸するのに精一杯だった。


「あ、あなたは…」

突然横から声が聞こえた。
思わず勢いよく振り返ってしまう。

そこには見たこともない生物が驚いた表情で座っていた。

座っていたので大きさは分からないが、身長はおそらく1メートル程。
体は緑色で耳が尖っている。
目は鋭い切れ目。ガリガリでお腹はぽっこり出ている。
腰には布一枚付けていた。

ゲームで見たことがある。
こいつはゴブリンだ。
大体いろんなゲームに出てくるゴブリンなんてこんな見た目してるくね?
って感じの見た目。

この化け物を見た瞬間、なぜか急に冷静になれた。
夢か?
にしてはリアルだな。
こいつはー…ゲーム序盤に出てくるようなやつやん!
大体、木の棒とか落とすやつ!
とか、くだらない事ばっか考えていた。

「あなたは…新しい主人あるじ様ですか…?」

次は正面から震えた声が聞こえた。
声の聞こえた方を見ると、先程のゴブリンにラテン系の服を着させ、変な帽子、杖を握らせた族長っぽい老いたゴブリンが座っていた。

「は?主人様?」

「は、はい…我らの村を救ってくれる主人様では…?」

は?村?
このじーさんゴブリンのせいでまた頭が急にフル回転しだした。
車で言うと1速から6速にしたような。
まぁもちろん、そんな事をするとエンストを起こす。
まさにそれ。
俺の頭の中、今エンストしてる。

てか、周りを見たらゴブリンいっぱいいる。
変なスライムみたいなやつもいる。
てか、こいつらに囲まれてる。
下見たらなんか魔法陣みたいなのがある。

よくよくあたりを見ると洞窟っぽいとこにいる。

脳みそからキィーーーーン!!!ってアクセルをふかすような音が聞こえるレベルでフル回転。

そして、エンストを起こしました。


「それで…あなたは我らの主人…「今頭の整理してるから待って!!!!」

考えが追いつかずつい大声を出してしまった。
そのせいか、ゴブリンやスライムは、怯えたように後退りする。
所々で、お、おぉとか怒らせてしまった!とかナンマンダブ!ナンマンダブ!とか言ってる。

てか、なんでナンマンダブ知ってんだよって笑いそうになった。

とりあえず、
「俺も何が起こったのかわからん。頭の整理をしたいから少し黙ってくれ。」

周りにいるゴブリンやスライムにそう伝えた。

すると族長っぽい老いたゴブリンが、

「皆の者、主人様は今より頭の整理を行う。ご迷惑にならないよう静かにしておこう。」

「ささっ、主人様。心ゆくまで頭の整理をしてください。」

族長のゴブリンがそう言い、頭を深々と下げた。
それに続いて周りのゴブリン達も頭を下げる。

いや、やりずれーよ。
頭の整理。やりずれーよ…


ごほんっ!

俺の後ろにいるゴブリンが咳払いをした。
その瞬間、

「主人様が頭の整理をしてらっしゃるのに咳払いとは何事かぁ!!!」

族長っぽい老いたゴブリンが目を見開いて注意した。

お前だよ。うるさいの。

後ろのゴブリンも

「も、申し訳ありません!」

とか言っちゃうし。


「ささっ、主人様。失礼をしました。心ゆくまで頭の整理をしてくだい。」





やりずれーよお前…

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