いきなり魔界に呼び出された俺は、魔界一しょぼい村の主人になった!

Chiaki

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第1章

#9 嘘だと言ってよ、エルフ

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その場にいた全員が走り出した。
最初に見つけたゴブリンの後に続いて。

人が流れてきただと?
もしまた勇者だったら…?
変な魔法を使って攻撃してくるような奴だったら…?

嫌な過去が頭をめぐる。

「くそっ!この忙しい時に…!」

全員全速力で森を駆けていく。



ーーーーーーー

村の家の扉が開いた。
中から、全身で伸びをしつつ出てきたのは族長っぽいゴブリン。

「ほぇー、よく寝た!」

シーン…。

すぐに気づいた。

自分以外誰もいないことに。

「あ、あれ…?」



ーーーーーーー


「主人様!もうすぐです!」

はぁ…!はぁ…!息を切らしながら必死にゴブリンの後を追う。

運動してなかったのが仇になった。
横っ腹がめちゃくちゃいてぇ…

必死に走る事数分。
ようやく川のほとりに出た。

「主人様!こちらです!」

そう言うゴブリンに着いていく。

すると、その先に倒れている女性を発見。
下半身だけ、水に浸かって倒れている状態で発見された。
みなスピードを落とし警戒する。

「はぁ…はぁ…」

ユウは息を切らしながらゆっくり近く。
手を挙げ、他のゴブリンに待機の合図を送る。
後ろからは大勢のゴブリンが視線を向けていた。

その視線を受けつつ、女性の元に到着。

様子を確認する。

綺麗な金髪にすらりとした体。
息を飲むようくらい美しい。

「なんだ…耳が尖っている…」

ユウはその場に片膝をつき、女性を揺らす。

「おい、生きてるか?おーい。」

言葉をかけ続ける事数秒。

横ではゴブリン達が武器を構え待機している。

「んっ…」

女性の体がピクリと動いた。

それを見てゴブリン達の武器を持つ手に力が入る。

俺は咄嗟にゴブリン達に片手で止まれの合図を送る。
ゴブリン達は互いに顔を見合わせ再度待機した。

女性の目がゆっくりと開く。
そのままユウを見た。

「お助け下さい…私は、リリア…エルフの…おう…」

「お、おい!エルフがなんだって!?おい!」

ユウの言葉虚しく、女性はまた意識を失った。

「チッ!助けてくれだと?一体なんだってんだ…」

ユウは女性を川から引き上げ、背中におぶった。

すると1匹のゴブリンが驚いたように言う。

「あ、主人様…!そいつを村に連れて帰るんですかい!?」

ユウはおぶったままゴブリン達に近づきながら言う。

「このままにしても仕方ないだろう。一度村に連れて帰る。安心しろ。村に着いたら、手足縛って動き封じとくよ。」

その言葉にゴブリン達は驚くが、主人様の言う事なら…と言い、それを了承した。


ーーーーーーー

「人1人おぶって歩くのがこんなに疲れるとは…」

川で倒れていた女性を担ぎ、村まで戻ってきたユウ一行。
そこへ族長も現れた。
やっと帰ってきたか!というような顔で。

ユウは女性を自分のベッドに寝かした。
ふぅと汗を拭う。

それを見た族長が一言言い放つ。

「全く…この女、なんたる不届きもの…!よりにもよって主人様のベッドで寝るだなんて…」

横で族長がぶつくさ言っている。

「それにこやつは”エルフ族!”忌み嫌われている存在でございます!すぐにでも処刑すべきです!」

族長は声を大きくして、ユウに物申した。

「こいつがどう言う存在なのかは知らん。だが、こうなった以上何も引き出さずに殺すのは得策じゃない。何かしら情報を引き出してからでも遅くはなかろう。」

族長はむぅぅとした顔でユウを見る。

「ですが、せめて木にでも張り付けて…主人様の寝床を使わせるなど…」

族長はむすっとした顔をしている。
ユウは腰に手を当て、族長に向かって言った。

「なんだ、そっちの家で寝かしてもいいんだぞ?」

そう言うと族長はえっ!って顔をしてもじもじし出した。

「それは…その主人様…こちらの家もいっぱいいっぱいでして…えへへ…」

なんだよ…気持ち悪りぃな…
だったら最初から言うな。

ため息をつき、女性の手足をベッドに縛り付けた。

「目が醒めるまでそっとしておこう。目を覚ましたら彼女に尋問を行う。」

ゴブリン達はそれを聞いて頷く。

「ほら、外へ出るぞ。」

ユウ達は女性を置いて外に出る。
全員外に出たのを確認し、ゴブリン達に話しかけた。

「というかお前ら魔物だろ?エルフの、しかも女にそんなびびって…その調子でこれからどうするんだ…?」

ゴブリン達にそう言うと、みんな照れながら頭を掻き始めた。

「それはその…へへへ…」
「あー、へへへ…」
「今回はそのー…へへへ…」

はぁ~…全く…

「もういい、作業に戻ってくれ」

そう言うとゴブリン達は大きくハキハキした声ではいっ!と言って散っていった。

「しょぼい村だってのがわかったよ…ったく…」

ユウは頭を掻きながら空を見上げた。
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