寂しさを埋めるために飼ったヒモは、思っていたのと違う危険生物でした。

音央とお

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日奈子から連絡があり、うちで一緒に夕食を食べることになった。
同居生活の様子を気にしているようで、ぜひとも家に来たいと言われた。
……なんだか、楽しまれてる気がする。

「健太郎くん、これ味見してみて。はい、あーん」

焼けたばかりのほうれん草のキッシュを、小さく切って差し出す。
サラダを作るために包丁を使っている彼は口を開けてくれればいいのに、目を見開いて動きを止めた。

「キッシュ嫌いだった?」

「いや……、いただきます」

落とさないように口に運んだから、指先が唇に当たってしまった。薄い唇だけど、思ったより柔らかくて少し驚いた。

「……」

「どう?」

なぜか咀嚼が終わっても黙り込んでいるので不安になる。
レシピ通り作ったはずなんだけどな?

「おいしい、よ」

「良かった」

今日のメイン料理は健太郎くんが作ったビーフシチューで、部屋の中にいい匂いが立ち込めている。食べるのが楽しみ。

――ピンポーン

ちょうどやって来たみたい。
鍵を開ける。

「お邪魔しま~す!」

「いらっしゃい」

「これお土産ね」

ケーキの箱を渡されたので、あとでみんなで食べよう。

「すごくいい匂いがするね。お腹すいちゃった。……えっ?!」

玄関でマフラーとコートを脱いでいた日奈子は、キッチンに立つ健太郎くんを見て目を丸くした。

「せ、先輩? その髪……」

「久しぶり、平山さん。……どうかした?」

「いや、うん、なんでもないです」

健太郎くんに笑顔を向けられた日奈子はぎくしゃくしていた。
久しぶりに会って緊張してるのかな? 珍しい。

「これ運んじゃうね、健太郎くん」
「うん、ありがとう」

炬燵の上に出来上がった料理を並べていく。

「……なんだか、二人とも板に付いてるのね」と日奈子がぽつり。空気が自然に見えるようだ。

「健太郎くんが優しいからかな? いつも助かっちゃって、もっと甘えてほしいんだけど……」

「うまくいってるみたいで安心したよ」

冷蔵庫に冷やしていた発泡酒を開け、食事会はスタートした。
やっぱり健太郎くんの料理が美味しすぎる。

お酒を片手に、日奈子がにやにやしながら問いかけてきた。


「二人の第一印象ってどうだったんです?」



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