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相反する二つの条件が成り立つ状況【解答編】
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再度考え込む勇と忠宏。
けれど、すぐには出てこないようだ。
「分かんねぇな」
「思いつきそうな気もするけど……何だろう」
「じゃあさ。二人に質問するね。好きな食べ物は? 」
「は? 」
「なんか急に話が変わってない? 」
何の関係もないと思われる質問に、戸惑いを見せる二人。
けれど、すぐに答えてくれた。
「僕はね、オムライスが好きかな」
「俺は桜餅」
「あ~~っ! 」
少しの間を置いて、忠宏が唐突に叫んだ。
「あ~~って何だよ。急に大きい声出すんじゃねぇ! びっくりするだろが」
「勇、今、桜餅って言った」
「桜餅、好きなんだよ。地味かもしんねぇけどいいだろ、何か文句あんのかよ」
頬をほんのり赤く、それこそ桜餅のような色に染めて怒る勇。構わずズイと近づいた忠宏は、勇の手を握った。
「美味しいよね。僕も結構好きだよ。そっかぁ〝勇は桜餅〟なんだね。だったら僕が食べ――」
「あ、そういうこと」
そっと手をほどきながら、勇は冷めた調子で呟いた。
「つまり、あれだ。啓太は、今、好きな〝食べ物〟を聞いてきたけど、これを〝動物〟に置き換えればいいわけだ」
そう、〝好きな動物は? 〟の質問に対する答えとして――『ぼくは犬、あたしはウサギ』は綺麗に成り立つのだ。
〝好きな〟の部分は、〝飼いたい〟とか他の言葉にしてもいいと思う。
けれど、すぐには出てこないようだ。
「分かんねぇな」
「思いつきそうな気もするけど……何だろう」
「じゃあさ。二人に質問するね。好きな食べ物は? 」
「は? 」
「なんか急に話が変わってない? 」
何の関係もないと思われる質問に、戸惑いを見せる二人。
けれど、すぐに答えてくれた。
「僕はね、オムライスが好きかな」
「俺は桜餅」
「あ~~っ! 」
少しの間を置いて、忠宏が唐突に叫んだ。
「あ~~って何だよ。急に大きい声出すんじゃねぇ! びっくりするだろが」
「勇、今、桜餅って言った」
「桜餅、好きなんだよ。地味かもしんねぇけどいいだろ、何か文句あんのかよ」
頬をほんのり赤く、それこそ桜餅のような色に染めて怒る勇。構わずズイと近づいた忠宏は、勇の手を握った。
「美味しいよね。僕も結構好きだよ。そっかぁ〝勇は桜餅〟なんだね。だったら僕が食べ――」
「あ、そういうこと」
そっと手をほどきながら、勇は冷めた調子で呟いた。
「つまり、あれだ。啓太は、今、好きな〝食べ物〟を聞いてきたけど、これを〝動物〟に置き換えればいいわけだ」
そう、〝好きな動物は? 〟の質問に対する答えとして――『ぼくは犬、あたしはウサギ』は綺麗に成り立つのだ。
〝好きな〟の部分は、〝飼いたい〟とか他の言葉にしてもいいと思う。
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