転異世界のアウトサイダー 神達が仲間なので、最強です

びーぜろ

文字の大きさ
262 / 486
第九章 商人連合国アキンド編

第312話 ヴォーアル迷宮攻略⑦

しおりを挟む
 魔法の絨毯に乗っていると、ロキさんが話しかけてくる。

「悠斗様~♪ あそこにいるワイバーンやドラゴンは狩っていかないの?」
「ワイバーンやドラゴンを?」

 魔法の絨毯から顔を覗かせると、雲の隙間からワイバーンとドラゴンの姿が見える。

「うん。あっちが襲ってこない限り狩る気はないかな?」

 モンスターを見かける度に倒していてはキリがない。
 というより、早い所、このヴォーアル迷宮を攻略して邸宅に戻りたい。

「しかし、あちらさんはこちらとやり合う気の様だぞ?」
「えっ?」

 するとカマエルさんが後ろを見ながらそう呟いた。
 後ろを振り向くと、複数のドラゴンがこちらに向かってくる姿が見える。

「あまり乗り気じゃないんだけどな……でもドラゴンが向かってくるんじゃ仕方がないか」

 俺は掌をドラゴンに向けると、影魔法〔影縛〕で動きを封じ、〔影収納〕に収めていく。

「あはははっ♪ アンデッドモンスターが相手の時とは大違いだねぇ♪」
「うむ。まるで別人の様だ。何故、アンデッドモンスターが相手だとああも無様な姿を……」

 今、なんだかカマエルさんに貶された様な気がする。
 というより、アンデッドモンスターが相手の時は、ちょっと動揺していただけだ。
 周りが墓地フィールドで、相手がアンデッドモンスターでなければ、この通り簡単にモンスターを倒す事ができる。

「まあ、その話は置いておくとして……えっ?」

 ドラゴンを〔影収納〕に収めた俺が視線を前に戻すと、今度はワイバーンが正面から迫ってくる。
 魔法の絨毯から顔を覗かせると、下からもワイバーンが迫ってきていた。
 どうやら完全に目を付けられてしまったらしい。

「悠斗様~♪ 手伝おうか?」
「いや、大丈夫だよ」

 俺はそう呟くと、ワイバーンとドラゴン達を〔影縛〕で縛り上げ、次々と〔影収納〕に放り込んでいく。飛んでいるワイバーンやドラゴンが相手ならこんなものだ。
 相手がアンデッドモンスター以外であれば、俺に数の暴力は通用しない。
 纏めて〔影収納〕に収める事ができる。

「いや~♪ 悠斗様も順調にレベルが上がってきたねぇ♪」
「そろそろレベル上限が近いんじゃないか?」
「えっ? レベル上限?」

 そういえば、マデイラ王国に召喚された頃、ベーリング宰相が人族のレベル上限は100までと言っていた気がする。しかし、レベル上限を迎えると一体どうなるのだろうか?

「ちなみにレベル上限を迎えるとどうなるの?」
「レベル上限を迎えただけじゃどうもならないよ♪ ただレベル上限を超えた場合はその限りじゃないけどね?」
「そうそう、レベル上限を超えない限りは何も起こりはしないさ」

 なんだか、その言い方だと、レベル上限を超える方法がある様に聞こえる。
 レベル上限を超えたら一体どうなるのだろうか?

「じゃあ、レベル上限を超えたら?」

 そう俺が質問すると、ロキさんが笑みを浮かべる。

「レベル上限を超えるとね、人じゃなくなるんだよ♪」
「人じゃなくなる?」
「そうだよ~♪ レベル上限を超えると、レベルという概念から解放されて人が人じゃなくなるのさ♪」

 えっ!? 何それ、滅茶苦茶怖いんだけど……。
 人が人じゃなくなるって、どうなるのっ!?

「えっ? それってどういう……」
「これ以上は教える事はできないかな~? それはレベル上限を超えてからのお楽しみだよっ♪」

 す、凄く気になる……。
 というよりレベル上限を超え人が人で無くなるなら、レベルを上げたく無くなってきた。

「でも安心して♪ もしレベル上限を超えても、悠斗様が悠斗様で無くなる訳じゃないからさっ♪」
「そうだぞ。それにレベル上限を超える事など、レベル上限を超えたくてもできる事ではない」
「そ、そう?」

 な、なら安心か?
 〔鑑定〕でステータスを確認すると、次のように表示された。

 --------------------------------------
 佐藤悠斗 Lv:94
 年齢:15歳
 性別:男
 種族:人族
 STR(物理):3000  DEX(器用):9999
 ATK(攻撃):3000  AGI(素早):5000
 VIT(生命):7501  RES(抵抗):9999
 DEF(防御):8000  LUK(幸運):100(MAX)
 MAG(魔力):9999  INT(知力):9999
 ???(????):2000

 ユニークスキル:言語理解Lv:-・影魔法Lv:-・召喚Lv:-
 スキル:鑑定Lv:-、属性魔法Lv:-、生活魔法Lv:8
 --------------------------------------

 今、俺のレベルは94。レベル上限まであと6レベル……。
 ま、まあ考え様によっては、レベル上限までまだ6レベルもある。
 それに、これだけワイバーンとドラゴンを倒しても全然レベルが上がる様子はない。
 まだ余裕があるし、レベル上限についてはこれから考える事にしよう。

 それにしても……前々から思っていたけど随分と凄いステータスになったものだ……。
 物理や攻撃以外はロキさんやカマエルさんのステータスを遥かに凌駕しているような気がする。

「あっ、悠斗様♪ 第72階層へ続く階段が見えてきたよ~♪」
「ホントだ!」

 今はヴォーアル迷宮攻略に集中しよう。
 俺は頭を振ると、魔法の絨毯を第72階層へと続く階段の前につける。

「それじゃあ、第72階層に向かおうか」

 そう呟くと、ロキさん達と共に第72階層に続く階段を降りるのだった。
しおりを挟む
感想 3,253

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜

ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。 その一員であるケイド。 スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。 戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。 それでも彼はこのパーティでやって来ていた。 彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。 ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。 途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。 だが、彼自身が気付いていない能力があった。 ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。 その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。 自分は戦闘もできる。 もう荷物持ちだけではないのだと。 見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。 むしろもう自分を卑下する必要もない。 我慢しなくていいのだ。 ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。 ※小説家になろう様でも連載中

結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」 「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」 「ま、まってくださ……!」 「誰が待つかよバーーーーーカ!」 「そっちは危な……っあ」

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる

グリゴリ
ファンタジー
『旧タイトル』万能者、Sランクパーティーを追放されて、職業が進化したので、新たな仲間と共に無双する。 『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる』【書籍化決定!!】書籍版とWEB版では設定が少し異なっていますがどちらも楽しめる作品となっています。どうぞ書籍版とWEB版どちらもよろしくお願いします。 2023年7月18日『見捨てられた万能者は、やがてどん底から成り上がる2』発売しました。  主人公のクロードは、勇者パーティー候補のSランクパーティー『銀狼の牙』を器用貧乏な職業の万能者で弱く役に立たないという理由で、追放されてしまう。しかしその後、クロードの職業である万能者が進化して、強くなった。そして、新たな仲間や従魔と無双の旅を始める。クロードと仲間達は、様々な問題や苦難を乗り越えて、英雄へと成り上がって行く。※2021年12月25日HOTランキング1位、2021年12月26日ハイファンタジーランキング1位頂きました。お読み頂き有難う御座います。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。