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第十一章 オーランド王国動乱編
第485話 第二ラウンド②
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突然の大爆発に唖然とした表情を浮かべていると、またもやロキから茶々が入る。
『あーあ、一番つまらない方法で、君の持つ数少ない戦力が瓦解しちゃったね♪』
「な、何……い、一体……一体何が起きた……」
訳がわからない。
ワシはフギンとムニンを取り返そうとしただけだ。
それなのに何故、ワルキューレと英霊達が爆発する!?
ワルキューレと英霊達の憑り付いた死兵に視線を向けると、まだかすかに生きている。
しかし、戦線に戻すのは難しそうだ。
「いや、まだ戦いは終わらないぜ! この俺、雷神トール様がいる限りはなぁ!」
トールはそう言うと、神器『ミョルニル』を振り上げ、フェロー王国に雷を落としていく。
しかし、天使達は護るべきフェロー王国を護らず、王国内に雷が落ちていくのをただ眺めているだけ。
天使達は一体何を護っているのだろうか。
あまりの反応の乏しさに、トールが歯ぎしりしている。
「てめぇら……いい加減にしろよ?」
怒髪天を衝いたトールがミョルニルに信仰心を込めていく。
すると、フェロー王国全土を覆っていた積乱雲がトールの真上に集中し、ミョルニルに向かって雷を落とした。
トールの奴、相当頭にきているらしい。
信仰心の力を二倍に引き上げる力帯『メギンギョルズ』を身に着け、雷の威力を最大限に高めている。
あれほどの雷を身に浴びて生きていられるのは雷神であるトールだけだ。
トールがこれから放つ雷撃の名は『トールハンマー』。
十億メガワットの出力を持ち、その一撃は敵の全てを打ち滅ぼす雷神トールが放つ最強の雷撃。
雷の力をミョルニルに蓄えたトールは、その雷撃で敵を打ち滅ぼす為、手に嵌めた『ヤールングレイプル』で『ミョルニル』を握り振り上げる。
「いくぜ……ん? ヤ、ヤールングレイプルが……ぎゃぁぁぁぁ!」
トールがそう呟き、『ミョルニル』を振り下ろそうとすると、突如として、ミョルニルが暴走し、ミョルニルに蓄えられていた十億メガワットの雷撃がトール自身を襲った。
「トール! ど、どどどどっ、どういう事だぁぁぁぁ!」
『ドォーン!』という重低音が鳴り響く中、雷の柱がトールを中心に立ち昇る。
い、一体何が……トールの身に何が起こった!?
雷の柱が収まると、そこには雷で身を焦がしたトールの姿があった。
トールの乗っていた戦車もドロドロに溶け、姿を保っていることが奇跡の様である。
すると、どこからともなくロキの軽口が聞こえてきた。
『あーあ、悠斗様も中々、酷い事をするなぁ♪ まさか土壇場でトールからヤールングレイプルを取り上げるなんて♪ あれがないと、トールはミョルニルに触れる事もできないのに』
「ゆ、悠斗だと!? 誰だそれはっ! そ奴がトールを……ワシの息子トールをこんな目に遭わせたのかっ!」
おのれ……誰だか知らんが、トールに対して何という事を……。
許さん。ワシは絶対に許さんぞ!
ふと、フギンとムニンを肩に乗せている全身真っ黒な人間に向けると、トールが身に着けていた手袋『ヤールングレイプル』を手にしているのが目についた。
その瞬間、怒りで頭が沸騰したかのように熱くなる。
「貴様かぁぁぁぁ!」
気付けばグングニルを片手に持ち、そいつに向かって投擲しようとしていた。
すると、その瞬間、グングニルが光を放ち大爆発を引き起こす。
その爆発の威力は、ワルキューレ達の爆発よりも強く。爆風を浴びたトールがボロ雑巾の様に飛ばされていく。フィンは……咄嗟にバリアを張ったから無事だった様だ。しかし、完全に伸びている。
「お……おのれ……おのれロキ……卑劣な真似を……だが、まだだ……まだワシにはこれがある……」
突然、グングニルが大爆発を引き起こした事には驚いたが、ワシにはまだ王座が……『王座フリズスキャールヴ』の力が残されている。
爆発の影響をモロに受け思う様に動かぬ身体を引き摺り王座に座ると、ワシは仲間ごとこの辺り一帯を潰す覚悟を決めた。
こうなればみんな道連れにしてくれる!
そう思いながら『王座フリズスキャールヴ』を発動させ、視界に映るフェロー王国ごと叩き潰す様に手を振った。
「ん?」
しかし、何も起こらない。
一体どうしたというのだ。
「どうした! 何故、王座の力が発現しない!?」
王座の上で何度となく手を振るも、全く発現する様子がない。
「ふ……ふざけるなよ……ワシにはお前しか頼れる物がいないんだ! さっさと動け! さっさと動かんか! このポンコツがぁぁぁぁ!」
全く働こうとしない王座に焦れたワシは、王座の肘掛けを思いっきり強打した。
すると、王座の肘掛けを強打した途端、王座が光り輝いていく。
「な、なんだ! 一体、何が起こっている!?」
訳がわからず、そう呻くとどんどん光が強くなってきた。
ま、まさか……まさか、この王座もグングニルと同じく爆発する訳じゃないよな……。
嫌な予感がしたワシは必死に王座から逃れようとする。しかし、グングニル大爆発の爆心地にいて身体がボロボロになっている為か、椅子から逃れようにも上手く身体を動かす事ができない。
「こ、これで終わったと思うなよ。ロキィィィィ!」
ワシがそう呟いた瞬間、王座が大爆発を引き起こした。
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本日朝7時より新作異世界ファンタジー「ハズレギフト『キノコマスター』は実は最強のギフトでした~これって聖剣ですか? いえ、これは聖剣ではありません。キノコです~」の連載を開始いたしました!
毎朝7時に一話ずつ投稿予定です。(本日8時までの間に7話分投稿します)
こちらも是非ご一読ください!
コメントなんかも頂けると嬉しいですw
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「な、何……い、一体……一体何が起きた……」
訳がわからない。
ワシはフギンとムニンを取り返そうとしただけだ。
それなのに何故、ワルキューレと英霊達が爆発する!?
ワルキューレと英霊達の憑り付いた死兵に視線を向けると、まだかすかに生きている。
しかし、戦線に戻すのは難しそうだ。
「いや、まだ戦いは終わらないぜ! この俺、雷神トール様がいる限りはなぁ!」
トールはそう言うと、神器『ミョルニル』を振り上げ、フェロー王国に雷を落としていく。
しかし、天使達は護るべきフェロー王国を護らず、王国内に雷が落ちていくのをただ眺めているだけ。
天使達は一体何を護っているのだろうか。
あまりの反応の乏しさに、トールが歯ぎしりしている。
「てめぇら……いい加減にしろよ?」
怒髪天を衝いたトールがミョルニルに信仰心を込めていく。
すると、フェロー王国全土を覆っていた積乱雲がトールの真上に集中し、ミョルニルに向かって雷を落とした。
トールの奴、相当頭にきているらしい。
信仰心の力を二倍に引き上げる力帯『メギンギョルズ』を身に着け、雷の威力を最大限に高めている。
あれほどの雷を身に浴びて生きていられるのは雷神であるトールだけだ。
トールがこれから放つ雷撃の名は『トールハンマー』。
十億メガワットの出力を持ち、その一撃は敵の全てを打ち滅ぼす雷神トールが放つ最強の雷撃。
雷の力をミョルニルに蓄えたトールは、その雷撃で敵を打ち滅ぼす為、手に嵌めた『ヤールングレイプル』で『ミョルニル』を握り振り上げる。
「いくぜ……ん? ヤ、ヤールングレイプルが……ぎゃぁぁぁぁ!」
トールがそう呟き、『ミョルニル』を振り下ろそうとすると、突如として、ミョルニルが暴走し、ミョルニルに蓄えられていた十億メガワットの雷撃がトール自身を襲った。
「トール! ど、どどどどっ、どういう事だぁぁぁぁ!」
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い、一体何が……トールの身に何が起こった!?
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トールの乗っていた戦車もドロドロに溶け、姿を保っていることが奇跡の様である。
すると、どこからともなくロキの軽口が聞こえてきた。
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その瞬間、怒りで頭が沸騰したかのように熱くなる。
「貴様かぁぁぁぁ!」
気付けばグングニルを片手に持ち、そいつに向かって投擲しようとしていた。
すると、その瞬間、グングニルが光を放ち大爆発を引き起こす。
その爆発の威力は、ワルキューレ達の爆発よりも強く。爆風を浴びたトールがボロ雑巾の様に飛ばされていく。フィンは……咄嗟にバリアを張ったから無事だった様だ。しかし、完全に伸びている。
「お……おのれ……おのれロキ……卑劣な真似を……だが、まだだ……まだワシにはこれがある……」
突然、グングニルが大爆発を引き起こした事には驚いたが、ワシにはまだ王座が……『王座フリズスキャールヴ』の力が残されている。
爆発の影響をモロに受け思う様に動かぬ身体を引き摺り王座に座ると、ワシは仲間ごとこの辺り一帯を潰す覚悟を決めた。
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「ん?」
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王座の上で何度となく手を振るも、全く発現する様子がない。
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