最強呪符使い転生―故郷を追い出され、奴隷として売られました。国が大変な事になったからお前を買い戻したい?すいませんが他を当たって下さい―

びーぜろ

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第一章 最強呪符使い故郷を追われる

塩漬け依頼

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 ポメちゃんとの間に気まずい時間が流れるが、そんなことすらどうでもいいと思ってしまえるほどのヤバさをボクは感じていた。

「……ポメちゃん」

 ボクがそう声を上げると、食パンを一匹で完食したことを怒られると思ったのか「キャイン!」と鳴いた。
 しかし、いまは食パンのことなんてどうでもいい……。まあ、一口くらいは残しておいてほしかったけど、そう言っていられないほどの金欠っぷりだ。

「……ちょっと、花ゴブリンの森までお花摘みに行ってこようか」
「キャンキャン(お、怒ってない?)」
「うん。怒ってないよ。ああ、でも、その前に冒険者ギルドかな? 依頼を受けてから花ゴブリンの森に行こうか!」
「キャンキャン(うん! わかった!)」
「よーし、それじゃあ、冒険者ギルドに向かおう!」

 そう言うとボク達は冒険者ギルドに向かうことにした。

 ◇◆◇

「ええっー! 『癒され草』と『癒し草』の買取価格が暴落したんですか!?」
「はい。そのぉ……昨日、リーメイ様が大量納入して下さいましたので……大変申し訳ないのですが、本日より当分の間、半値での買取となります」

 おっ、おーのー!

 ボ、ボクのせいで『癒され草』と『癒し草』の買取価格が暴落するなんて……。
 両頬に手を当ててムンクの叫びのように顔を歪めていると、受付嬢さんが心配そうな表情でフォローしてくれる。

「で、でも、回復薬を作成する薬剤師さんは喜びの声を上げていましたよ! 保存状態のいい『癒され草』と『癒し草』が大量に手に入ったって! その反面、買取価格が半値になったことで冒険者さん達が怨嗟の声を上げていましたが……」
「で、ですよね……」

 いまの話の流れ、そうだと思っていました……。

 チラリと後ろを見ると、『癒され草』や『癒し草』で生計を立てていたであろう冒険者さん達が歯ぎしりをしている。
 その視線は『お前が原因か』と言わんばかりだ。

 そうです。
 ボクが暴落の原因です。すいません……。

 それでも、ボクにも立てなければならない生計がある。
 あれだけ稼いだにも係らず、真っ赤っかなのだ。
 早く生計を建て直さなければ、普通の生活を送ることすらできなくなってしまう。

「そ、それじゃあ、他の依頼はっ!? 他の依頼はなにかありませんか!?」
「ほ、他の依頼ですか? そうですね。これなんていかがでしょうか?」
「こ、これは……」

 そういって、渡された依頼は次の通りだった。

 -------------------
 ランク :F
 依頼内容:冒険者ギルド内のトイレ掃除
 報酬金額:銀貨一枚
 -------------------
 -------------------
 ランク :F
 依頼内容:町のどぶ攫い
 報酬金額:銀貨五枚
 -------------------

「Fランク冒険者の報酬金額としては破格の部類に入るのですが、いかがでしょうか?」
「いや、流石にこれは……」

 借金返済にほど遠い。
 これ何回受けたら借金返済できるんだろうか。

「……ほ、他になにかありませんかっ!?」
「も、もちろん、あります。昨日のように『癒され草』と『癒し草』を採取して頂いても構いませんが……」

 受付嬢さんがチラリとボクの背後に視線を向ける。
 すると、背後から謎の威圧感が飛んできた。

 な、なるほど、これは……。

「……そ、そういうことですか」
「はい。すいません。彼等、冒険者にも生活がありますので……」

 受付嬢さんが申し訳なさそうな声でそう呟く。

 まあ確かに、ボクが『癒され草』と『癒し草』の買取価格を半値にしてしまったんだ。これ以上、納入して買取価格を押し下げてしまっては、冒険者さん達に申し訳が立たない。
 なにより、いまは睨み付けられる程度で済んでいるけど、物理的な行動に出てくる可能性もある。まあ、撃退できると思うけど、それとこれとは話が別……。
『癒され草』と『癒し草』で稼ぐのは諦めた方が良さそうだ。

 でも、それでは借金が完済できないのも事実。

「む、むう……」

 し、仕方がない。こうなったら……。
 ボクは近くの掲示板に貼られていた怪しさ満載の依頼票を剥がした。

 -------------------
 ランク :E
 依頼内容:花ゴブリンの生態調査
 報酬金額:金貨四百枚
 備考  :Eランク以下の冒険者のみ受注可
 -------------------

 ランクはEだけど、追加報酬のある依頼だ。
 ボクのランクはFだけど、一つ上の依頼なら受けることができる。
 それにこれなら、『癒され草』と『癒し草』の採取依頼とは鉢合わない。

「こ、これにします」

 すると、その瞬間、冒険者ギルド内が騒がしくなる。

「こ、この塩漬け依頼を受けるんですか!?」
「えっ? 塩漬け依頼?」
「し、知らないんですか!? 塩漬け依頼とは、その依頼を受ける冒険者さんがいなくて長期的に放置されている依頼のことですよ! この依頼は三年前から貼られているんですが、依頼者の要望でEランク以下の冒険者しか受注することができないんです!」
「ええっ!?」

 まあ、そう書いてありますけど……。

「それに、この依頼を受けて帰ってきた人はいまの所、誰一人と存在しません! 絶対に危険です。止めておいた方がいい依頼ですよ!」
「え、ええっ!? なんで、そんな危険な依頼がこんな目立つ所に貼ってあるんですか!?」
「ふえっふえっふえっ……それはのぉ。ワシが冒険者ギルドの太客だからじゃ。だから、目立つ所に貼らせているんじゃよ」
「えっ?」

 背後を振り向くと、そこには、花ゴブリンのように醜悪な顔をしたお爺さんが立っていた。
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