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第一章 最強呪符使い故郷を追われる
金貨四百枚の依頼①
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「ふえっふえっふえっ……」
ここは花ゴブリンの森の奥深くにある洞窟。
その中には、人間が鎖に繋がれていた。
その人間達は皆、裸で頭には綺麗な花を咲かせている。
頭に咲いたその花は、花ゴブリンの頭に生えている物と酷似していた。
老人は人間の頭に咲いた花を毟ると、それを咀嚼し飲み込んでいく。
花を毟られた人間はというと……。
「あ、あばばばばっ……」
そう声を上げ気絶した。
そんな人間達の哀れな表情に愉悦を感じ、ただひたすらに花を咀嚼し飲み込んでいく。
「ふえっふえっふえっ……。甘い。甘いのぉ。花に生命の蜜が詰まっておるわ……。やはり、癒草を咲かすなら人間が一番じゃな。花ゴブリンの生命力宿る『癒され草』もいいが、やはり、命を……寿命を延ばすには、同族の癒草に限るのう」
ゴブリンのような醜悪な顔をした老人は、実験動物の頭に種を埋め込みながら、捕らえ、飼育している人間の顔をじっくり眺めた。
「冒険者に成りたての……未来に希望をはせる若者。その生命力が詰まった癒草は甘美じゃのう。しかし、いかんなぁ。遺憾なぁ」
最近では、警戒され過ぎて、誰も依頼を受けてくれなくなってしまった。
このうら若き冒険者を捕らえたのも三年前。この三年の間に、花ゴブリンの森にやってきた冒険者を騒ぎにならない程度の人数捕えたがこちらについても、もうそろそろ、替え時だ。
しかし、行方不明者が続出したことから冒険者ギルドも怪しんでいる。
「仕方がない。金貨三百枚では、この依頼を誰も受けてくれなくなってしまったからのぉ。そろそろ値を上げるか……」
どの道、依頼達成は不可能。預託金として一時的に金を預けねばならぬが、そもそも依頼が達成されなければ、支払う義理もない。
金貨四百枚で募集をかけるとして、もし、それでも冒険者がこの依頼を受けてくれないようであれば、募集ランクをEランク以下からDランク以下に変えるしかないか。
個人的には、若い冒険者から生命の蜜を吸った方が心地良いのだが仕方がない。
中堅冒険者の苦そうな蜜でも蜜は蜜。
ワシの寿命を延ばす生命の蜜である事に変わりはない。
本当はもっと若い冒険者の蜜を吸って見たいが、十三歳以下の蜜は若すぎて毒となる。あれはとてもじゃないが吸えたものではない。
「……ふえっふえっふえっ」
そうほくそ笑むと、洞窟内におどろおどろしい声が響く。
『ハナッハナッハナッ!』
薄暗い洞窟内に響き渡る怨霊の声。
おそらく、この洞窟内で死んだ冒険者が、天からワシのことを見ているのだろう。
「ワシに手を出すこともできず、命を搾り取られるだけの冒険者の声が響くわぃ……ふえっふえっふえっ」
その翌日、冒険者ギルドに向かうと、一人のうら若き冒険者がワシの出した依頼書を手にする姿を目撃することとなった。
◇◆◇
「ふえっふえっふえっ……。それで、受付嬢さんや。ワシの依頼を受けてくれるそちらの冒険者さんを紹介してはくれないかな?」
「ゴールド・レトリバー様!? なんでこんな所にっ!?」
「……なんでこんな所に? なにを言うかと思えば、そんなこと決まっているではないか……。確認しに来たのじゃよ。不躾な物言いで折角、依頼を受けて下さろうとしている冒険者さんの気を害そうとする狼藉者がいないかどうかをな……」
老人の言葉にグッと息を詰まらせる受付嬢さん。
ボクのことを心配して忠告してくれたのだろう。受付嬢さんにその言い方はあんまりだ。
それに、どんなことを言われようと、ボクはこの依頼を受けようと考えていた。
なぜなら、借金があって首が回らなくなっているからだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
綺麗事じゃ借金は返せない。多少の危険は承知の上だ。
ボクは受付嬢さんの袖をグッと引く。
すると、受付嬢さんはハッとした表情を浮かべた。
ここで紹介していいものか戸惑っているように見える。
「……ボクは大丈夫です。この依頼、必ず達成して見せます」
ボクの決意は固い。
目の奥に借金返済という決意の炎を浮かべ、受付嬢さんにしか聞こえないようにそっと呟く。
すると、受付嬢さんは「決意は固いんですね……」と呟き、ボクのことをお爺さんに紹介してくれた。
「こちらは、Fランク冒険者のリーメイ様。花ゴブリンの森で数多くの『癒され草』そして『癒し草』を納品して下さいました有望な冒険者です」
「ほう! それはそれは……リーメイ君といったかな? 君の年齢を教えてくれないか?」
「ね、年齢ですか?」
なんで、そんなことを聞くんだろう?
もしかして、この依頼を受けるのに年齢制限があるとか?
もしそうならまずい。
ボクはこの依頼をなんとしてでも受注し、達成しなければならない。
主に借金返済をするために……。
「えっと……。じゅう」
「じゅう?」
ええい。ままよっ!
「じ、十二歳と三年目です」
この『三年目』という言葉には、特に意味はない。
「ふむ。十二歳と三年目か……。つまり、十五歳ということでいいのかな? それなら問題ないのぉ。ふえっふえっふえっ」
目を泳がせながら首を縦に振ると、お爺さんは醜悪な笑みを浮かべた。
ここは花ゴブリンの森の奥深くにある洞窟。
その中には、人間が鎖に繋がれていた。
その人間達は皆、裸で頭には綺麗な花を咲かせている。
頭に咲いたその花は、花ゴブリンの頭に生えている物と酷似していた。
老人は人間の頭に咲いた花を毟ると、それを咀嚼し飲み込んでいく。
花を毟られた人間はというと……。
「あ、あばばばばっ……」
そう声を上げ気絶した。
そんな人間達の哀れな表情に愉悦を感じ、ただひたすらに花を咀嚼し飲み込んでいく。
「ふえっふえっふえっ……。甘い。甘いのぉ。花に生命の蜜が詰まっておるわ……。やはり、癒草を咲かすなら人間が一番じゃな。花ゴブリンの生命力宿る『癒され草』もいいが、やはり、命を……寿命を延ばすには、同族の癒草に限るのう」
ゴブリンのような醜悪な顔をした老人は、実験動物の頭に種を埋め込みながら、捕らえ、飼育している人間の顔をじっくり眺めた。
「冒険者に成りたての……未来に希望をはせる若者。その生命力が詰まった癒草は甘美じゃのう。しかし、いかんなぁ。遺憾なぁ」
最近では、警戒され過ぎて、誰も依頼を受けてくれなくなってしまった。
このうら若き冒険者を捕らえたのも三年前。この三年の間に、花ゴブリンの森にやってきた冒険者を騒ぎにならない程度の人数捕えたがこちらについても、もうそろそろ、替え時だ。
しかし、行方不明者が続出したことから冒険者ギルドも怪しんでいる。
「仕方がない。金貨三百枚では、この依頼を誰も受けてくれなくなってしまったからのぉ。そろそろ値を上げるか……」
どの道、依頼達成は不可能。預託金として一時的に金を預けねばならぬが、そもそも依頼が達成されなければ、支払う義理もない。
金貨四百枚で募集をかけるとして、もし、それでも冒険者がこの依頼を受けてくれないようであれば、募集ランクをEランク以下からDランク以下に変えるしかないか。
個人的には、若い冒険者から生命の蜜を吸った方が心地良いのだが仕方がない。
中堅冒険者の苦そうな蜜でも蜜は蜜。
ワシの寿命を延ばす生命の蜜である事に変わりはない。
本当はもっと若い冒険者の蜜を吸って見たいが、十三歳以下の蜜は若すぎて毒となる。あれはとてもじゃないが吸えたものではない。
「……ふえっふえっふえっ」
そうほくそ笑むと、洞窟内におどろおどろしい声が響く。
『ハナッハナッハナッ!』
薄暗い洞窟内に響き渡る怨霊の声。
おそらく、この洞窟内で死んだ冒険者が、天からワシのことを見ているのだろう。
「ワシに手を出すこともできず、命を搾り取られるだけの冒険者の声が響くわぃ……ふえっふえっふえっ」
その翌日、冒険者ギルドに向かうと、一人のうら若き冒険者がワシの出した依頼書を手にする姿を目撃することとなった。
◇◆◇
「ふえっふえっふえっ……。それで、受付嬢さんや。ワシの依頼を受けてくれるそちらの冒険者さんを紹介してはくれないかな?」
「ゴールド・レトリバー様!? なんでこんな所にっ!?」
「……なんでこんな所に? なにを言うかと思えば、そんなこと決まっているではないか……。確認しに来たのじゃよ。不躾な物言いで折角、依頼を受けて下さろうとしている冒険者さんの気を害そうとする狼藉者がいないかどうかをな……」
老人の言葉にグッと息を詰まらせる受付嬢さん。
ボクのことを心配して忠告してくれたのだろう。受付嬢さんにその言い方はあんまりだ。
それに、どんなことを言われようと、ボクはこの依頼を受けようと考えていた。
なぜなら、借金があって首が回らなくなっているからだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
綺麗事じゃ借金は返せない。多少の危険は承知の上だ。
ボクは受付嬢さんの袖をグッと引く。
すると、受付嬢さんはハッとした表情を浮かべた。
ここで紹介していいものか戸惑っているように見える。
「……ボクは大丈夫です。この依頼、必ず達成して見せます」
ボクの決意は固い。
目の奥に借金返済という決意の炎を浮かべ、受付嬢さんにしか聞こえないようにそっと呟く。
すると、受付嬢さんは「決意は固いんですね……」と呟き、ボクのことをお爺さんに紹介してくれた。
「こちらは、Fランク冒険者のリーメイ様。花ゴブリンの森で数多くの『癒され草』そして『癒し草』を納品して下さいました有望な冒険者です」
「ほう! それはそれは……リーメイ君といったかな? 君の年齢を教えてくれないか?」
「ね、年齢ですか?」
なんで、そんなことを聞くんだろう?
もしかして、この依頼を受けるのに年齢制限があるとか?
もしそうならまずい。
ボクはこの依頼をなんとしてでも受注し、達成しなければならない。
主に借金返済をするために……。
「えっと……。じゅう」
「じゅう?」
ええい。ままよっ!
「じ、十二歳と三年目です」
この『三年目』という言葉には、特に意味はない。
「ふむ。十二歳と三年目か……。つまり、十五歳ということでいいのかな? それなら問題ないのぉ。ふえっふえっふえっ」
目を泳がせながら首を縦に振ると、お爺さんは醜悪な笑みを浮かべた。
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