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第三章 ホオズキの街
第90話 フォーリッシュ兄様との対面(side兵士)
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ノース達がデネブの家にいる頃、ホオズキの街近くに千を超える軍勢が近付きつつあった。
「ちっ、まさか街一つを占拠するためだけに俺達を呼ぶとはなぁ。デネブの野郎、随分と偉くなったみたいじゃないか……」
「まあまあ、そういうな。デネブによると、あの街の付近には最近見つかったばかりの塔型ダンジョンがあるらしい。なんでも、希少な金属が採れる可能性があるとのことだ。そのためには、どうしてもあの街を抑えなければならない。お前ならわかるだろう?」
「ああ、わかっているよ。俺はただ、あのデネブの野郎が偉そうに指示を飛ばしてくるのが気に食わないだけだ」
「ホオズキの街を占拠しちまえば、デネブの野郎は不要だ。切り捨てちまえばいいんだよ。それよりも道が悪いな……。辺境とはいえ、ここはオーダー辺境伯領のはずだろ? なぜ、道を整備されていないんだ?」
「知らねぇよ! おらっ、さっさと行くぞ!」
ストレリチア王国辺境にある街から移動すること三日間。
ひたすら悪路を走らされ、兵士達は苛立ちを覚えていた。
「……デネブの野郎。ちゃんと、やることをやっているんだろうな?」
ぼそりと呟いた言葉を、隣を走っていた兵士が拾う。
「まあ、大丈夫でしょう。おや、どうやら見えてきたようですね」
「なにっ?」
兵士が指さす方向に視線を向けると、そこには街がある。
「おいおい、俺達はいまからあんな場所を占拠しに行くのかよ!?」
「ああ、そうみたいだな」
それにしても、街の様子がおかしい。
その風貌もあってか、街を護る壁と、その周りに建っている巨大キノコが際立って見える。
「……ちっ、デネブの野郎。なにがボロボロの防壁だ。新品そのものじゃねーか。門もどこにも見当たらねぇ……まあいい」
見た所、街を護る防壁も木製のようだ。
一体、どうするべきかと考えを巡らしている内に、ホオズキの街近くに来ていた。
馬を降りると、そこには大きな防壁がそびえ立っている。
「おいおいおいおい……。やっぱり話と全然違うじゃねーか! 防壁はボロボロのはずだろ!?」
「た、確かに、これでは防壁を壊して中に入るほかありませんな……」
「ちっ、仕方がねーなぁ! おい!」
そう言うと、部下が攻城兵器を持ってくる。
「俺様はここでゆっくりしているからよぉ。お前達はその間にそれで壁をぶち壊せ。わかったな?」
部下がコクリと頷くのを確認すると、俺はスリープタイムに突入するため、馬から降りて目を瞑ろうとする。
すると、突然、攻城兵器片手に防壁を壊そうとした部下がぶっ飛んできた。
「お、おい! 大丈夫かっ!」
突然の出来事に、唖然とした表情を浮かべる。
前を向くとそこには、大量のキノコ型モンスターの姿があった。
「な、なんだコイツ! どこから現れたっ!?」
さっきまでこんな奴いなかっただろうがっ!?
というよりなんだこのキノコ?
新種のモンスターか?
そんなことを考えていると、ボコボコと地面から音が鳴り出し、剣と盾を持ったキノコ型モンスターが姿を現していく。
「くっ! 総員戦闘用意! かかれぇぇぇぇ!」
そう声を上げると、剣と盾を構えながらキノコ型モンスターに向かっていく。
「せいっ!」
掛け声と共にモンスターに一閃。
しかし、その一閃は無情にも剣を折られる結果に終わることとなる。
バキッ!
という小気味いい音と共に国に支給された大切な剣が根元から折れ、折れた剣が宙を舞う。
「な、なにぃ!?」
まさかモンスター如きに剣を折られると思っておらず、唖然とした表情を浮かべながら宙に舞った剣に視線を向けると、モンスターが目の前まで来ていることに気付いた。
「なぁ? ま、待てっ!?」
しかし、そんな言葉を発した所でモンスターは止まらない。
「ううっ……ぐぶぉえっ?」
そのまま、盾で殴られると気を失ってしまう。
「うっ……ここは……なあっ!?」
目を覚ますと、そこには多くの兵士達がキノコ型モンスターに縛り上げられていた。
ど、どういうことだ……俺はどの位の時間、寝ていた。いや、あのモンスターにやられたのか?
おいおいおいおい!
なんだ? コイツらはなにを……俺達になにをしてるんだぁぁぁぁ!?
見れば俺達と共にホオズキの街を占領にきた兵士達の頭にキノコが生えていた。
キノコ型モンスターは兵士達の頭に生えたキノコを毟り取ると、毟り取ったキノコをそのまま、頭にキノコが生えていない兵士の口に無理矢理捩じ込んでいく。
唖然とした表情を浮かべことの推移を見ていると、キノコをむしられた兵士の頭から、またキノコが生えてきた。
あまりの恐怖に「なんだこれはぁぁぁぁ!」と絶叫を上げると、キノコ型モンスターがこちらに視線を向けてくる。
ヤバいと思い口を閉じた時にはもう遅かった。キノコ型モンスターは、兵士の頭に生えているキノコを毟ると俺に近付いてくる。
「な、なにを? やめっ! ぐぽぁ!」
無理矢理口にキノコを捩じ込まれると、頭の先がムズムズ痒くなってきた。
同時に頭の中に霧がかかったかのように、考えが纏まらなくなっていく。
気付けば、俺達はなんでこんな所にいるのかさえわからなくなった。
「ちっ、まさか街一つを占拠するためだけに俺達を呼ぶとはなぁ。デネブの野郎、随分と偉くなったみたいじゃないか……」
「まあまあ、そういうな。デネブによると、あの街の付近には最近見つかったばかりの塔型ダンジョンがあるらしい。なんでも、希少な金属が採れる可能性があるとのことだ。そのためには、どうしてもあの街を抑えなければならない。お前ならわかるだろう?」
「ああ、わかっているよ。俺はただ、あのデネブの野郎が偉そうに指示を飛ばしてくるのが気に食わないだけだ」
「ホオズキの街を占拠しちまえば、デネブの野郎は不要だ。切り捨てちまえばいいんだよ。それよりも道が悪いな……。辺境とはいえ、ここはオーダー辺境伯領のはずだろ? なぜ、道を整備されていないんだ?」
「知らねぇよ! おらっ、さっさと行くぞ!」
ストレリチア王国辺境にある街から移動すること三日間。
ひたすら悪路を走らされ、兵士達は苛立ちを覚えていた。
「……デネブの野郎。ちゃんと、やることをやっているんだろうな?」
ぼそりと呟いた言葉を、隣を走っていた兵士が拾う。
「まあ、大丈夫でしょう。おや、どうやら見えてきたようですね」
「なにっ?」
兵士が指さす方向に視線を向けると、そこには街がある。
「おいおい、俺達はいまからあんな場所を占拠しに行くのかよ!?」
「ああ、そうみたいだな」
それにしても、街の様子がおかしい。
その風貌もあってか、街を護る壁と、その周りに建っている巨大キノコが際立って見える。
「……ちっ、デネブの野郎。なにがボロボロの防壁だ。新品そのものじゃねーか。門もどこにも見当たらねぇ……まあいい」
見た所、街を護る防壁も木製のようだ。
一体、どうするべきかと考えを巡らしている内に、ホオズキの街近くに来ていた。
馬を降りると、そこには大きな防壁がそびえ立っている。
「おいおいおいおい……。やっぱり話と全然違うじゃねーか! 防壁はボロボロのはずだろ!?」
「た、確かに、これでは防壁を壊して中に入るほかありませんな……」
「ちっ、仕方がねーなぁ! おい!」
そう言うと、部下が攻城兵器を持ってくる。
「俺様はここでゆっくりしているからよぉ。お前達はその間にそれで壁をぶち壊せ。わかったな?」
部下がコクリと頷くのを確認すると、俺はスリープタイムに突入するため、馬から降りて目を瞑ろうとする。
すると、突然、攻城兵器片手に防壁を壊そうとした部下がぶっ飛んできた。
「お、おい! 大丈夫かっ!」
突然の出来事に、唖然とした表情を浮かべる。
前を向くとそこには、大量のキノコ型モンスターの姿があった。
「な、なんだコイツ! どこから現れたっ!?」
さっきまでこんな奴いなかっただろうがっ!?
というよりなんだこのキノコ?
新種のモンスターか?
そんなことを考えていると、ボコボコと地面から音が鳴り出し、剣と盾を持ったキノコ型モンスターが姿を現していく。
「くっ! 総員戦闘用意! かかれぇぇぇぇ!」
そう声を上げると、剣と盾を構えながらキノコ型モンスターに向かっていく。
「せいっ!」
掛け声と共にモンスターに一閃。
しかし、その一閃は無情にも剣を折られる結果に終わることとなる。
バキッ!
という小気味いい音と共に国に支給された大切な剣が根元から折れ、折れた剣が宙を舞う。
「な、なにぃ!?」
まさかモンスター如きに剣を折られると思っておらず、唖然とした表情を浮かべながら宙に舞った剣に視線を向けると、モンスターが目の前まで来ていることに気付いた。
「なぁ? ま、待てっ!?」
しかし、そんな言葉を発した所でモンスターは止まらない。
「ううっ……ぐぶぉえっ?」
そのまま、盾で殴られると気を失ってしまう。
「うっ……ここは……なあっ!?」
目を覚ますと、そこには多くの兵士達がキノコ型モンスターに縛り上げられていた。
ど、どういうことだ……俺はどの位の時間、寝ていた。いや、あのモンスターにやられたのか?
おいおいおいおい!
なんだ? コイツらはなにを……俺達になにをしてるんだぁぁぁぁ!?
見れば俺達と共にホオズキの街を占領にきた兵士達の頭にキノコが生えていた。
キノコ型モンスターは兵士達の頭に生えたキノコを毟り取ると、毟り取ったキノコをそのまま、頭にキノコが生えていない兵士の口に無理矢理捩じ込んでいく。
唖然とした表情を浮かべことの推移を見ていると、キノコをむしられた兵士の頭から、またキノコが生えてきた。
あまりの恐怖に「なんだこれはぁぁぁぁ!」と絶叫を上げると、キノコ型モンスターがこちらに視線を向けてくる。
ヤバいと思い口を閉じた時にはもう遅かった。キノコ型モンスターは、兵士の頭に生えているキノコを毟ると俺に近付いてくる。
「な、なにを? やめっ! ぐぽぁ!」
無理矢理口にキノコを捩じ込まれると、頭の先がムズムズ痒くなってきた。
同時に頭の中に霧がかかったかのように、考えが纏まらなくなっていく。
気付けば、俺達はなんでこんな所にいるのかさえわからなくなった。
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