1 / 1
海のもずく
しおりを挟む
佐藤「なんで俺が殺されなきゃいけないんだ!」
イスに座った状態で縄で縛られ、目隠しをされ、手はガムテープでグルグル巻にされている佐藤は怒鳴った。
殺し屋A「知らねぇよ。ただ大金を出してでもお前を殺して欲しいってやつがいるんだとよ」
佐藤「一体誰だよ!俺はその倍の金を払うから許してくれよ!」
殺し屋A「バカかお前は?そんなことをしたら客からの信用が無くなるだろ。考えてみりゃ分かるだろ。喋る前に少しは考えて喋れよ」
佐藤「バカはお前らだろ!?金で人を殺すなんて、お前らの家族や友達でも殺すのかよ!」
殺し屋A「親には捨てられて孤児院で育ったし、家族も友達もいねーよ。じゃあ良いか?簡単な事を教えてやるよ。バカなお前でも分かるだろ。生きていくには住む場所と食べ物がいるだろ?どこに住むにも食べ物を食うためにも金がいる。なんでも金がいるんだよ。んで、ウイルスうずのせいで金がねぇんだよ」
殺し屋B「ウイルスか、だね。渦って書くけど読み方はか、だね」
佐藤「そんな事はどうでも良い!良いから助けてくれよ!俺にはやりたいことがまだまだあるんだよ!俺を殺しても警察がお前らを逮捕するだろ?だったら金だけもらって逃げれば良いだろ!」
殺し屋A「うるせーなぁー。だからそれをしたら信用が無くなるっつってんだろ。これでも10人以上殺したっけな?でも未だにバレてねーんだよ。法的処置も無意味って訳よ」
殺し屋B「法的措置だね。処置ではないよ、措置だね」
佐藤「じゃあ俺を殺す依頼をした奴の名前だけ教えてくれ!俺の金を全部やるから!それだけ聞かないと死ねない!」
殺し屋A「ほー。そりゃ悪くない条件だな。良いだろう。まずは暗証番号を教えろ。んで、確か、おてあらいって名前だったな。会ったことはないから顔は知らんけども。まぁ殺したい人間の顔写真と住所と、俺が納得するだけの金があれば充分だ」
殺し屋B「みたらい、だね。おてあらいじゃなくて、みたらい、漢字だと御手洗」
佐藤「御手洗!なんであいつが?あんだけ助けてやったのに!絶対に許さない!お前らも地獄に落ちろ!」
殺し屋A「確かに暗証番号は合ってるようだな。ありがたくいただくぜ。んで、残念ながらお前はこのまま太平洋に沈んで海のもずくになるんだよ」
殺し屋B「海のもくず、だね。もずくは食べ物だね。感じだと藻屑って書くよ」
殺し屋A「こまけぇ事は良いんだよ!かんぱつ入れずにいちいちと!どうでも良いから早く手伝えよ!」
殺し屋B「かんはつ、だね。よく使う散髪は読み方がぱつ、だから間違いやすいよね」
殺し屋A「はぁー。全く呆れるぜ。これも日常ちゃ飯事だからなぁ」
殺し屋B「さすがにそれはわざとだよね。日常さ飯事だよね、茶って書くけど読み方は、さ」
佐藤「・・・なぁ、あんたはなんで殺し屋なんかやってんの?」
殺し屋B「僕?・・・不思議な事を聞くね。僕はただ人の人生が終わる最後の数分間に立ち会いたいだけだよ。」
佐藤「・・・それはなんで?」
殺し屋AB「なんでだろうね。ただ、興味がある、かな」
佐藤「興味・・・?」
殺し屋B「実は趣味で小説を書いていてね。人が死ぬ最後の瞬間、どうなるのかってデータを取っていてね。もちろん小説だから本当に殺しているとは思わないだろ?それを題材に書いてみようと思ったから始めてみたんだ。事実は小説より奇なりってやつだね」
佐藤「なんだそれ・・・狂ってるよ・・・」
殺し屋B「褒め言葉として受け取っておくよ。さーて、最後に何か言い残す事はあるかい?」
佐藤「・・・どっちが本当のお前なんだ?」
殺し屋B「え?どういうことだい?」
佐藤「さっきから一人で言葉遣いや声が荒くなったり、一人で丁寧に修正したりと、多重人格者なのか?」
殺し屋「正確には解離性同一性障害と言ってね。退屈はしないけど、これがまた不便なんだ。小さい頃から友達は出来ねぇし、クソ教師共にも気味悪がられる。教師なんだから一人ひとりに合った教育方法ぐらい勉強しろっての!世間に出てもどいつもこいつも俺をキチガイ扱いしやがって!仕方ないから小説書いたりネットで殺しの依頼を受けてるって訳なんだ。こんな人生イヤになるよ。普通に生きてきた君には分からないだろうけどね。じゃ、それがてめぇの最後の言葉で良いんだな!」
佐藤「俺は普通な人生を歩んで無いよ。じゃあ最後にもう1つだけ。これで終わるから。お前の名前を当ててやるよ」
殺し屋「そうですか、まぁ当てたところであなたが殺される事には変わらないですけどね」
佐藤「佐藤、俺と同じ、佐藤だろ」
殺し屋「まぁ合ってるが、なんだそりゃ!クソつまらん。日本で多い名前を言えば当たる確率もそこそこあるだろ!」
佐藤「俺はお前が作り出した3番目の人格で、ついさっき産まれたんだ。わざわざ自分をイスに縛り付けるよう誰かにお願いして、なんのためにこんな事をしてんだ!?このキチガイめ!!」
アパートの隣人「さーて、そろそろ限界か。縄を解きに行くかね。その前にメモメモ。今回は3人の登場人物が出てきたな。なかなか見どころがあったぜ。あんたはいくらでも新しいネタを提供してくれて、それで俺が小説を書く、その利益でまたあんたを生かせられる。すなわち共存だな」
以上です。
どうもありがとうございました。
ある日もずくを食べていて「海のもずくと藻屑」というフレーズを思いついて、殺し屋なのに間違えやすい読み方のギャグ小説として書いていましたが、納得のいく最後のオチが思い付かなかったため、路線を変更しました。
多重人格についてはネットで調べただけで、もし、不快に思われる方がいたら削除しますのでご連絡お願いします。
イスに座った状態で縄で縛られ、目隠しをされ、手はガムテープでグルグル巻にされている佐藤は怒鳴った。
殺し屋A「知らねぇよ。ただ大金を出してでもお前を殺して欲しいってやつがいるんだとよ」
佐藤「一体誰だよ!俺はその倍の金を払うから許してくれよ!」
殺し屋A「バカかお前は?そんなことをしたら客からの信用が無くなるだろ。考えてみりゃ分かるだろ。喋る前に少しは考えて喋れよ」
佐藤「バカはお前らだろ!?金で人を殺すなんて、お前らの家族や友達でも殺すのかよ!」
殺し屋A「親には捨てられて孤児院で育ったし、家族も友達もいねーよ。じゃあ良いか?簡単な事を教えてやるよ。バカなお前でも分かるだろ。生きていくには住む場所と食べ物がいるだろ?どこに住むにも食べ物を食うためにも金がいる。なんでも金がいるんだよ。んで、ウイルスうずのせいで金がねぇんだよ」
殺し屋B「ウイルスか、だね。渦って書くけど読み方はか、だね」
佐藤「そんな事はどうでも良い!良いから助けてくれよ!俺にはやりたいことがまだまだあるんだよ!俺を殺しても警察がお前らを逮捕するだろ?だったら金だけもらって逃げれば良いだろ!」
殺し屋A「うるせーなぁー。だからそれをしたら信用が無くなるっつってんだろ。これでも10人以上殺したっけな?でも未だにバレてねーんだよ。法的処置も無意味って訳よ」
殺し屋B「法的措置だね。処置ではないよ、措置だね」
佐藤「じゃあ俺を殺す依頼をした奴の名前だけ教えてくれ!俺の金を全部やるから!それだけ聞かないと死ねない!」
殺し屋A「ほー。そりゃ悪くない条件だな。良いだろう。まずは暗証番号を教えろ。んで、確か、おてあらいって名前だったな。会ったことはないから顔は知らんけども。まぁ殺したい人間の顔写真と住所と、俺が納得するだけの金があれば充分だ」
殺し屋B「みたらい、だね。おてあらいじゃなくて、みたらい、漢字だと御手洗」
佐藤「御手洗!なんであいつが?あんだけ助けてやったのに!絶対に許さない!お前らも地獄に落ちろ!」
殺し屋A「確かに暗証番号は合ってるようだな。ありがたくいただくぜ。んで、残念ながらお前はこのまま太平洋に沈んで海のもずくになるんだよ」
殺し屋B「海のもくず、だね。もずくは食べ物だね。感じだと藻屑って書くよ」
殺し屋A「こまけぇ事は良いんだよ!かんぱつ入れずにいちいちと!どうでも良いから早く手伝えよ!」
殺し屋B「かんはつ、だね。よく使う散髪は読み方がぱつ、だから間違いやすいよね」
殺し屋A「はぁー。全く呆れるぜ。これも日常ちゃ飯事だからなぁ」
殺し屋B「さすがにそれはわざとだよね。日常さ飯事だよね、茶って書くけど読み方は、さ」
佐藤「・・・なぁ、あんたはなんで殺し屋なんかやってんの?」
殺し屋B「僕?・・・不思議な事を聞くね。僕はただ人の人生が終わる最後の数分間に立ち会いたいだけだよ。」
佐藤「・・・それはなんで?」
殺し屋AB「なんでだろうね。ただ、興味がある、かな」
佐藤「興味・・・?」
殺し屋B「実は趣味で小説を書いていてね。人が死ぬ最後の瞬間、どうなるのかってデータを取っていてね。もちろん小説だから本当に殺しているとは思わないだろ?それを題材に書いてみようと思ったから始めてみたんだ。事実は小説より奇なりってやつだね」
佐藤「なんだそれ・・・狂ってるよ・・・」
殺し屋B「褒め言葉として受け取っておくよ。さーて、最後に何か言い残す事はあるかい?」
佐藤「・・・どっちが本当のお前なんだ?」
殺し屋B「え?どういうことだい?」
佐藤「さっきから一人で言葉遣いや声が荒くなったり、一人で丁寧に修正したりと、多重人格者なのか?」
殺し屋「正確には解離性同一性障害と言ってね。退屈はしないけど、これがまた不便なんだ。小さい頃から友達は出来ねぇし、クソ教師共にも気味悪がられる。教師なんだから一人ひとりに合った教育方法ぐらい勉強しろっての!世間に出てもどいつもこいつも俺をキチガイ扱いしやがって!仕方ないから小説書いたりネットで殺しの依頼を受けてるって訳なんだ。こんな人生イヤになるよ。普通に生きてきた君には分からないだろうけどね。じゃ、それがてめぇの最後の言葉で良いんだな!」
佐藤「俺は普通な人生を歩んで無いよ。じゃあ最後にもう1つだけ。これで終わるから。お前の名前を当ててやるよ」
殺し屋「そうですか、まぁ当てたところであなたが殺される事には変わらないですけどね」
佐藤「佐藤、俺と同じ、佐藤だろ」
殺し屋「まぁ合ってるが、なんだそりゃ!クソつまらん。日本で多い名前を言えば当たる確率もそこそこあるだろ!」
佐藤「俺はお前が作り出した3番目の人格で、ついさっき産まれたんだ。わざわざ自分をイスに縛り付けるよう誰かにお願いして、なんのためにこんな事をしてんだ!?このキチガイめ!!」
アパートの隣人「さーて、そろそろ限界か。縄を解きに行くかね。その前にメモメモ。今回は3人の登場人物が出てきたな。なかなか見どころがあったぜ。あんたはいくらでも新しいネタを提供してくれて、それで俺が小説を書く、その利益でまたあんたを生かせられる。すなわち共存だな」
以上です。
どうもありがとうございました。
ある日もずくを食べていて「海のもずくと藻屑」というフレーズを思いついて、殺し屋なのに間違えやすい読み方のギャグ小説として書いていましたが、納得のいく最後のオチが思い付かなかったため、路線を変更しました。
多重人格についてはネットで調べただけで、もし、不快に思われる方がいたら削除しますのでご連絡お願いします。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる