笑う少年

あかりんりん

文字の大きさ
1 / 1

笑う少年

しおりを挟む
僕の母校にはこんな怖い噂があった。

「昔、野球部員の1人がグラウンドの奥にあるスコアボードに首を吊って自殺した。最後は笑っていたらしい。」

そしてこれは僕の高校時代の話である。

僕は卓球部に属しており、同期にはヒロシ、ショウジと言う奴がいた。

そして卓球部は毎年の夏に学校構内にある宿泊施設にて合宿練習があった。

そして顧問の先生と先輩の悪ふざけ(現代ではイジメであるが)が恒例のようだった。

その悪ふざけとは「肝試し」だった。

肝試しの内容は夜の校舎に入り、1番奥の部屋まで行って、懐中電灯で宿舎に合図をしたら帰っても良いと言うフザケた内容である。

そして1年生の僕達3人は断ることも出来ずに夜の校舎へ向かった。

初めて歩いた夜の校舎は、当たり前だが物音1つせず、火災報知器が不気味に赤く光っていた。

怖さを紛らわすために、なるべく楽しい話をしながら歩き、わずか15分程度でなんなく1番奥の部屋まで辿り着いた。
そして宿舎に合図を送っていたら、ヒロシが震えた声で喋った。

ヒロシ「ねぇ、グラウンドに誰かおる」

僕とショウジは驚きながらも暗い窓の外のグラウンドを確認したら、確かに1人だけ、誰かが立っていた。

少し怖かったが
「まぁー、先輩か誰かが夜練で走っとるんやろ。」
と僕は言ってみたが、ショウジは違う事を言った。

ショウジ「何あいつ。こっち見て笑っとるじゃん」

そんな表情までは見えなかったが、3人共怖くなり早々に校舎を後にした。

翌日の練習は郊外マラソンだった。
そして、マラソン中に僕の目の前でショウジがトラックに轢かれた。
そこら中に赤黒い液体が飛び散り、肉片のようなものが散らばった。

こんな地獄のような光景を見た事は無かったが、すぐに分かった。

彼は即死だった。

その後はショックであまり覚えていないが、顧問の先生の車に乗り、卓球部全員でショウジの葬式に行った。
その帰り道に、真夜中の山道のトンネルに入った時、見知らぬ人が1人立っていた。

不思議に思っていたら、ヒロシがおかしな事を言った。

ヒロシ「今の人見た?こっち見て笑っとったね」

いや、薄暗いトンネルで表情まで見えるはずが無い。

僕は怖くなって
「それってショウジが言ってたのと同じじゃん!」
と叫んだが、先生から
「うるさい!静かにしろ」
と怒鳴られた。

僕はヒソヒソ声で
「お前大丈夫か?あの人全然笑ってなかったやろ」
と言ったがヒロシは否定した。
「いや、よう分からんけど笑っとったと思う。まぁどうでも良いやろー」

その翌日、ヒロシは学校に来なかった。

先生達が慌てていたのが分かった。

そして朝のホームルームに遅れて来た先生が言った。

先生「これから話す事はクラスメイト以外に言わないで欲しい。ヒロシ君は学校に来る途中に、トラックに轢かれてそのまま亡くなったそうだ。」

僕は頭が真っ白になった。

そしてそのまま気を失った。

「おいお前ら!さっさと起きろ!」

先輩の怒鳴り声が聞こえた。
目が覚めた場所は学校構内の宿舎だった。
隣にはショウジとヒロシがいる。

そうか、夢だったのか。

合宿練習に対する嫌悪感と、初日に行った肝試しの恐怖から見た悪夢だったのであろう。

合宿2日目の郊外マラソンも無事に終え、全ての練習が終わって大浴場に入った時、僕は昨日見た悪夢をショウジとヒロシに話してみることにした。

ショウジ「なんやそれ?俺らを勝手に殺すなや(笑)」

僕「俺に言うなや(笑)それにしても合宿練習疲れたねー」

と言ったが、ヒロシは違う事を言った。

ヒロシ「ねぇ、グラウンドに誰かおる」

ショウジ「え?マジ?うーん、確かに誰かおるね、顔が見えんけど、誰かね?」

僕も暗い窓の外を見て、言葉を失った。

「その人は僕を見て笑っていた」


以上です。
読んでいただきどうもありがとうございました。
母校の怖い噂と所属していた部活の思い出をコラボさせ、ホラーを書いてみました。
昨日の寝る前に思い付き、気が付けば2時半まで書いていました(笑)

誰かご存知の方は教えて下さい。
僕は一体なにがしたいのでしょうか?
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

意味がわかると怖い話

邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き 基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。 ※完結としますが、追加次第随時更新※ YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*) お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕 https://youtube.com/@yuachanRio

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...