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040:ニュース
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モヤモヤしたり考えたりしていたら、妙に暴れたくなってきたので、ダンジョンに行きまくってしまった。とりあえず、スケルトンナイトを相手に完璧に戦える様になろうと思って戦っていたら……多分、土曜日よりも長期間篭もってしまった……。
そのおかげか、罪の意識というか、変な違和感はすっかり消え去っていた。
これさ。ただ単に時間が経過したことで、過去のトラウマ的な出来事が薄れて、弱くなった……ってことじゃないかな? スゲー物理的に解決してしまった気がする。
そもそもアレだ、ワンルームが解放され、身体が洗えて、コンロで食事が出来て、お布団で寝れちゃってることがいかんと思う。これまでに比べてもの凄くレベル上げしやすい。集中して繰り返せるというか。
これ、電子レンジとベッド……だな。次に欲しいのは。
電気が来てる時点で文明の利器を使わない手はないものな。電子レンジで冷凍食品いける。
そして、ベッドは高級なヤツじゃ無ければそんなに高く無い。注文しておこう。組み立て式……キングサイズベッド……高級ホテル的な……いいね! 身長デカいから大きいベッドが憧れだったんだよな。自宅だと今さら持ち込む気になれなかったし。
ちなみに、システム解放のもうひとつの方。アイテムドロップは説明そのままだった。単純にモンスターを倒したときに、魔石と同時にアイテムがドロップするようになった感じだ。
ゴブリンが「ゴブリンの耳」、ファングバットはコウモリの牙。グレーウルフが「狼の毛皮」。グレーウルフリーダーには、「狼の毛皮」に「狼の肉」が追加される様だ。
そう。「狼の肉」だ。
俺の知ってる限りじゃ、肉食の獣の肉は美味しくない、と言われていた気がするのだが、少なくともこの肉は美味しかった。鶏肉……かな。近いのは。
折角コンロが有るんだから、使いたくなるってなもんじゃない? ただただ油をひいて焼いて塩コショウしただけなのに凄まじく奥深い味がした。
これ、あと必要なのは野菜か。身体の栄養的に。米か、小麦が有れば主食もバッチリだけど、ソレは贅沢か。レンジを買えば、御飯パックも美味しくいただけるな……。
予定に無かったレベル上げをしてしまったが、こちらも反省はしていない。時間経過していないため夜二十二時頃に部屋に戻り、普通に就寝した。
「渋谷原宿で広域指定暴力団抗争激化! 組関係者十八名重傷。拳銃発砲の痕跡あり」
次の日の朝のニュースで、昨日の件が該当したのはこれだけだった。詳細なニュースにならない権力が働いたのかもしれない。似てるけど、かなり違うんだよなぁ。そもそも丸々残しておいた薬物は無かったことにされてるのか。
「渋谷暴力グループ、謎の抗争。アジト襲撃で重傷者十八名。拉致監禁、さらに薬物汚染」なんていうのを期待してたんだけど。なんか、暴力団同士の抗争ってことにすり替わっている。
うーん。なんかおかしいな……と思いつつも、これ以上はどうにもこうにもだなと考えるのをやめた。降り懸かる火の粉は払いのければいいだけだ。
ただ……仕事終わりに毎日、一カ月間くらいダンジョンに篭もることにした。なんとなく……だ。なんとなくだけど、巻き込まれる予感が。ね。
だってさ。
よく考えたら、そりゃ……手足を壊したヤツラの中で意識のある、事情の分かる、言葉を話せるのもいるわな。頭潰してないからさ。なんか忘れてた。そいつが、ある程度の事を喋ったら。国家権力かどうか判らないけど、暴力装置に狙われる可能性が高いからね。
となると、アレだ。三人もヤバイ気がするな。
「森下社長、おはようございます。いきなりお電話……いえ、ええ、それは普通に。普通に……でもないですね。少々、きな臭い話がありまして……ええ。会ってお話しできれば……箕尾さん抜きで」
森下社長とのアポは運良く取れた。今日の午前中の会議がキャンセルになったと連絡があったばかりだったらしい。
安中係長以下、プロジェクトメンバーには一斉メールで大丈夫だろう。というか、今日、外周り、外打ち、直帰になりますで、問題無いハズだ。
「松山さんのストーカー絡みで拉致寸前の目に」
「……それは……」
「今日、三人とも出社は?」
「ああ、問題無く出社してると聞いたが」
「ならよかった。それほどトラウマにはなってないみたいですね……。何をされたのかの記憶があまり無かったのかな」
「そうか、彼女たちに話をしていないのは、その辺か」
「はい。できれば、心にダメージを受けない様にしてあげたいなと。なので、箕尾さんにハズしていただきました」
「そうだな……秘書課の娘たちは仲が良いからね。何だかんだで彼女たちに伝わる可能性が高い」
「そう思いまして。で。今後なんですが……正直、自分一人ではどうにも守りきれないかなと」
「そりゃそうだな……判った。その辺は心当たりがあるのでちょっと待ってくれるか?」
そう言うと森下社長は自分のデスクに戻り、電話をかけ始めた。ここは社長室。応接セットのもの凄くお高そうなソファが心地良い。
「判った……村野君、今日の午後の予定は?」
「今日は一日社長と打ち合わせで大丈夫な様に空けてから来ました」
「さすが。ありがたい。では、ちょっと付き合ってくれないか」
昼食を摂り、着いたのは下町の工場街の一角だった。外見は普通の町工場……だが。監視カメラが幾つもこちらを見ている。昨日、学習したからか、なんとなくその気配も判る気がする。
「森下社長、お久しぶりです。御用という事は……何かもめ事でも?」
工場? の奥から現れたのは……眼鏡をかけた……ああ、この人、かなりやるな。昨日のチンピラとは大違いだ。よく見れば……胸板も厚いし、腕も脚も太い。細マッチョどころか、単純に筋肉系か。技で攻められたら俺の力でもはね除けられないかもしれない。年齢は俺よりも数歳上といった程度だろうが、貫禄もある。身長は……俺と同じくらいか。ちょい高いか。
「三沢さん、お久しぶりです。ええ。少々お手を借りたいと思いまして」
明らかに年下……の三沢に、森下社長が敬語を使う。訳ありだろうな~キャラ濃いなぁ。
そのおかげか、罪の意識というか、変な違和感はすっかり消え去っていた。
これさ。ただ単に時間が経過したことで、過去のトラウマ的な出来事が薄れて、弱くなった……ってことじゃないかな? スゲー物理的に解決してしまった気がする。
そもそもアレだ、ワンルームが解放され、身体が洗えて、コンロで食事が出来て、お布団で寝れちゃってることがいかんと思う。これまでに比べてもの凄くレベル上げしやすい。集中して繰り返せるというか。
これ、電子レンジとベッド……だな。次に欲しいのは。
電気が来てる時点で文明の利器を使わない手はないものな。電子レンジで冷凍食品いける。
そして、ベッドは高級なヤツじゃ無ければそんなに高く無い。注文しておこう。組み立て式……キングサイズベッド……高級ホテル的な……いいね! 身長デカいから大きいベッドが憧れだったんだよな。自宅だと今さら持ち込む気になれなかったし。
ちなみに、システム解放のもうひとつの方。アイテムドロップは説明そのままだった。単純にモンスターを倒したときに、魔石と同時にアイテムがドロップするようになった感じだ。
ゴブリンが「ゴブリンの耳」、ファングバットはコウモリの牙。グレーウルフが「狼の毛皮」。グレーウルフリーダーには、「狼の毛皮」に「狼の肉」が追加される様だ。
そう。「狼の肉」だ。
俺の知ってる限りじゃ、肉食の獣の肉は美味しくない、と言われていた気がするのだが、少なくともこの肉は美味しかった。鶏肉……かな。近いのは。
折角コンロが有るんだから、使いたくなるってなもんじゃない? ただただ油をひいて焼いて塩コショウしただけなのに凄まじく奥深い味がした。
これ、あと必要なのは野菜か。身体の栄養的に。米か、小麦が有れば主食もバッチリだけど、ソレは贅沢か。レンジを買えば、御飯パックも美味しくいただけるな……。
予定に無かったレベル上げをしてしまったが、こちらも反省はしていない。時間経過していないため夜二十二時頃に部屋に戻り、普通に就寝した。
「渋谷原宿で広域指定暴力団抗争激化! 組関係者十八名重傷。拳銃発砲の痕跡あり」
次の日の朝のニュースで、昨日の件が該当したのはこれだけだった。詳細なニュースにならない権力が働いたのかもしれない。似てるけど、かなり違うんだよなぁ。そもそも丸々残しておいた薬物は無かったことにされてるのか。
「渋谷暴力グループ、謎の抗争。アジト襲撃で重傷者十八名。拉致監禁、さらに薬物汚染」なんていうのを期待してたんだけど。なんか、暴力団同士の抗争ってことにすり替わっている。
うーん。なんかおかしいな……と思いつつも、これ以上はどうにもこうにもだなと考えるのをやめた。降り懸かる火の粉は払いのければいいだけだ。
ただ……仕事終わりに毎日、一カ月間くらいダンジョンに篭もることにした。なんとなく……だ。なんとなくだけど、巻き込まれる予感が。ね。
だってさ。
よく考えたら、そりゃ……手足を壊したヤツラの中で意識のある、事情の分かる、言葉を話せるのもいるわな。頭潰してないからさ。なんか忘れてた。そいつが、ある程度の事を喋ったら。国家権力かどうか判らないけど、暴力装置に狙われる可能性が高いからね。
となると、アレだ。三人もヤバイ気がするな。
「森下社長、おはようございます。いきなりお電話……いえ、ええ、それは普通に。普通に……でもないですね。少々、きな臭い話がありまして……ええ。会ってお話しできれば……箕尾さん抜きで」
森下社長とのアポは運良く取れた。今日の午前中の会議がキャンセルになったと連絡があったばかりだったらしい。
安中係長以下、プロジェクトメンバーには一斉メールで大丈夫だろう。というか、今日、外周り、外打ち、直帰になりますで、問題無いハズだ。
「松山さんのストーカー絡みで拉致寸前の目に」
「……それは……」
「今日、三人とも出社は?」
「ああ、問題無く出社してると聞いたが」
「ならよかった。それほどトラウマにはなってないみたいですね……。何をされたのかの記憶があまり無かったのかな」
「そうか、彼女たちに話をしていないのは、その辺か」
「はい。できれば、心にダメージを受けない様にしてあげたいなと。なので、箕尾さんにハズしていただきました」
「そうだな……秘書課の娘たちは仲が良いからね。何だかんだで彼女たちに伝わる可能性が高い」
「そう思いまして。で。今後なんですが……正直、自分一人ではどうにも守りきれないかなと」
「そりゃそうだな……判った。その辺は心当たりがあるのでちょっと待ってくれるか?」
そう言うと森下社長は自分のデスクに戻り、電話をかけ始めた。ここは社長室。応接セットのもの凄くお高そうなソファが心地良い。
「判った……村野君、今日の午後の予定は?」
「今日は一日社長と打ち合わせで大丈夫な様に空けてから来ました」
「さすが。ありがたい。では、ちょっと付き合ってくれないか」
昼食を摂り、着いたのは下町の工場街の一角だった。外見は普通の町工場……だが。監視カメラが幾つもこちらを見ている。昨日、学習したからか、なんとなくその気配も判る気がする。
「森下社長、お久しぶりです。御用という事は……何かもめ事でも?」
工場? の奥から現れたのは……眼鏡をかけた……ああ、この人、かなりやるな。昨日のチンピラとは大違いだ。よく見れば……胸板も厚いし、腕も脚も太い。細マッチョどころか、単純に筋肉系か。技で攻められたら俺の力でもはね除けられないかもしれない。年齢は俺よりも数歳上といった程度だろうが、貫禄もある。身長は……俺と同じくらいか。ちょい高いか。
「三沢さん、お久しぶりです。ええ。少々お手を借りたいと思いまして」
明らかに年下……の三沢に、森下社長が敬語を使う。訳ありだろうな~キャラ濃いなぁ。
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