桃太郎と異世界と

赤子と異世界

やましいことは考えずに

俺は確かに寿命を全うしたはずだった…。
別に輪廻転生に否定的な訳ではない。
ただ現実としてそんなことはないだろうと、思いながら心の奥底ではそんなこともあったらいいなと思うぐらいだったさ…
しかし、こんなことが起こるとは誰でも思わないだろう!!泣くぞ！

｢ん??？清英どうちまちたか??？♡｣

…どうやら、本当に泣いてしまったようだ。
やはり人間精神や体が年老いたり若いと涙もろいな←
この赤ちゃん語を喋るゴリr((ゲフゲフン…もとい男性は、新しい父である。
一切、動物園にいるゴリラと間違わないでくれ←

｢お腹がちゅきまちたか??？♡もちかちてオムツの交換でちゅかな??？｣

はっきり言おう、ウザイ。
もちろん最初は顔がいかつく大男なので怯えたが、この顔で赤ちゃん語を話し始めて呆気にとられたが、最近はこの父親の言葉にイラつく。
赤子のうちにちゃんとした言語を覚えさせろくそ親父。

｢うーん…匂いは臭くないし…一応保清<ｷｰﾌﾟｷﾚｲﾚｷ>をかけとくべきか…？｣

なんか言っているがそんなもの無視だむしむし。
まぁ、別に前の世界の親に未練はないかと聞かれればあると言うな。
だけどな…親が死んでからもう４０年以上経ってるし、俺には孫もいたんだぞ？むしろ親より孫だ、あれは可愛い。
しかし、精神年齢が８０近い俺に親とは、人生色々なことがあるな。

｢わからんな…。おーい！ミヨカー！！清英が泣き始めた!腹が減ってるかもしれなんー！｣
｢はいはーい！今さまし終わりましたよー。｣

ちなみにここの言語は日本語だ。
文字も一緒だ。

｢よいしょっと、はい。ミルクですよー｣

この女性はミヨカという今の母親だ。
とても綺麗で、なぜあんなゴリラと結婚したのかわからない。
ゴリラ、お前整形で失敗でもしたか？それともゴリラに憧れでもあるのか？