ユニコーンだけど、めっちゃ清らかな子が死にかけてたので助けたら男の娘だったし懐かれた

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名前の理由が分かったら拍手喝采

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 ああ、全くもって、僕は自分が恥ずかしい。


「乙女よ、美味か?」
「はい、おいしいです」
「おおそうだ、そのような薄衣では肌寒いであろう。衣類を変えるか布を被るか.......好きなものを取るがよい」
「わ、こんなに.......。.......えっと、それではこの布をお借りしますね」
「借りる? 否、ここにある物はすべて我が其方の為に用意した。故にこれらは皆、其方の物である。乙女よ」
「え、.......けれど、」
「よい、遠慮はいらぬぞ」

 こんなにも優しいユニコーン.......さん.......? を、怪しんでいただなんて。


 名乗ることもせず、もとい出来ずに泣き出した僕をユニコーンさんは寄り添って宥めてくれた。暖かい身体と滑らかで綺麗な毛並みが肌に触れると心地好くて、掛られた言葉はただただ柔らかだった。

(ここに来るまでとは、大違い)

 泥棒の濡れ衣を着せられてしまったらしい僕に向けられる心や視線や言葉はあまりにも痛くて、苦しいものばかりだった。
 それなのに、このユニコーンさんは見ず知らずの僕にこんなにも優しい。
 肌寒さを気遣ってくれたり、この部屋の物がみんな僕のものだなんて冗談を言って僕を和ませてくれる。



「あの、ユニコーン.......さん?」
「む、なんだ乙女よ!! 其方の口から零れる我が名は大層よきもののように感じられるな!」
「あ、やっぱり“ユニコーン”というのがお名前なんですね」

 尋ねようとしたことが尋ねる前に発覚した。
 どうやら、ユニコーンさんのお名前はそのまま“ユニコーン”らしい。

「その、僕はあなたを何と呼んだらいいのでしょうか。名乗ることもできていない僕が聞くのも何ですが.......」
「おお、そういえば我は名乗っていなかったな」

 僕がそう聞くと、ユニコーンさんは僕の傍から立ち上がって僕の目の前に移動した。

 そして、一度頭を低くして僕と視線を合わせてくれたかと思うと首を引いて上を見上げるよう頭を上げて、片足を立てると嘶くが如く声を上げた。

「我は幻想種が一種、清く気高き獣ユニコーン! “夢幻佳獣の森”を遥か過日より納める頭役──シィダ・ダ=ケン・ホワイトである」
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感想 1

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みんなの感想(1件)

アライグマ
2019.11.26 アライグマ

男の娘とか最高ですd(^_^o)
これからユニコーンと男の子がどうなっていくのか楽しみです
無理の無いように頑張ってください。

2019.12.02

わーい感想いただいたの初めてです!
うれしいー!
ありがとうございますヽ(*´∀`)ノ

解除

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