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2章 臨時冒険者登録試験
第38話 目標地点
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夜になるとランタンを灯し、お待ちかねのスキルブック吟味のお時間です。
だが、まず言っておくと、通常LVが10になったから解禁されるスキルがあるとかは全然ない。
あくまで最大MPの値で作れるスキルブックが増えているだけなので。
その点でいくとレベル8で最大MPが50を超えた所で出たのは「採掘」「採集」「釣り」「伐採」「養殖」のような一次産業のジョブになっていないスキルばかりで、こちらも期待のものとは違っていた。
「料理」や「裁縫」より高いのは前世の感覚だと腑に落ちづらいが、この中世ファンタジー世界では一次産業(生産系)の方が三次産業(娯楽や外食などの嗜好系)よりずっと重要度が高いスキルという判断なのだろう。
実際「料理」も「裁縫」も仕事に使っている人間はほとんどなく、基本は家庭スキルのカテゴリーになる。極めるとまた別だが。
しかし、こうやってわかるとこの20年で色々と見聞きしてたんだなと気づく。
前世のある人間としてはやはりこの「スキル」という、世界のルールに興味があり、転生してからの数年は休みの日には冒険者だけでなく、近隣住民からも情報収集をして過ごしていた。
流石に一年目はまだ頼れる人もいたし、教わる身だったので余裕はあったのだ。
この試験が終わり、落ちついたら取ってみたいスキルもあるが今は置いておこう。
最大MP50では無理だったが、次があるとすれば戦闘技術系が30だったので60で期待したいが、Eランクの魔物ではレベル10からかなり上がりづらくなると聞いているのであまり期待しないほうが無難か。
ひとまず今のスキル候補から作成する方針を決めたいが、まずは目標地点を決めることが肝要だ。
最大限に上手く行けばあと10日あまりでDランクダンジョン攻略も考えているが、最大の難敵はDランクダンジョンのダンジョンボスだ。
現状このリボルバーがあればEランクダンジョンのボスは何とかなりそうではある。
それに対し指定するDランクダンジョンを俺は簡単で罠がない代わりに、魔物が非常に強いダンジョンに選んだので今からここを目標地点としてスキルを考えていこう。
狩り効率を上げてレベルアップも考えたいが、効果が薄いしな。
ということで、方針を固め、残りの三日間をすべて費して一階層へと籠もり、新たに取得したスキルも試しながらゴブリン達を狩っていった。
そうしてようやく4日目の朝、再び3階層へと入っていく。残っている銃弾は28発、一気にここをくぐり抜けいよいよダンジョンボスへと挑むときがきた。
無意味な戦闘は避けつつ、それでも遠距離武器持ちが相手にもいるので銃弾も消費しながら前へと進んでいく。
そして一番奥には次の階層への入り口ではなく、平原を遮るように決して壊せないアダマンタイトの城壁と無人の門があった。
この先がダンジョンボス戦の間だ。残りの銃弾11発を確認する。
入れば倒さなければ出てこれないし、戦闘中のリロードが何回もできる暇があるとは思えないので、これで十分だ。尽きる前に決着をつけてやる。
「頼むぜ、相棒」
っと拳銃の思い出が高二病のせいなのか、はたまた頭にこびりついていたダンディズム意識なのか。
意味不明な言葉で己を鼓舞し、門を開けた。
だが、まず言っておくと、通常LVが10になったから解禁されるスキルがあるとかは全然ない。
あくまで最大MPの値で作れるスキルブックが増えているだけなので。
その点でいくとレベル8で最大MPが50を超えた所で出たのは「採掘」「採集」「釣り」「伐採」「養殖」のような一次産業のジョブになっていないスキルばかりで、こちらも期待のものとは違っていた。
「料理」や「裁縫」より高いのは前世の感覚だと腑に落ちづらいが、この中世ファンタジー世界では一次産業(生産系)の方が三次産業(娯楽や外食などの嗜好系)よりずっと重要度が高いスキルという判断なのだろう。
実際「料理」も「裁縫」も仕事に使っている人間はほとんどなく、基本は家庭スキルのカテゴリーになる。極めるとまた別だが。
しかし、こうやってわかるとこの20年で色々と見聞きしてたんだなと気づく。
前世のある人間としてはやはりこの「スキル」という、世界のルールに興味があり、転生してからの数年は休みの日には冒険者だけでなく、近隣住民からも情報収集をして過ごしていた。
流石に一年目はまだ頼れる人もいたし、教わる身だったので余裕はあったのだ。
この試験が終わり、落ちついたら取ってみたいスキルもあるが今は置いておこう。
最大MP50では無理だったが、次があるとすれば戦闘技術系が30だったので60で期待したいが、Eランクの魔物ではレベル10からかなり上がりづらくなると聞いているのであまり期待しないほうが無難か。
ひとまず今のスキル候補から作成する方針を決めたいが、まずは目標地点を決めることが肝要だ。
最大限に上手く行けばあと10日あまりでDランクダンジョン攻略も考えているが、最大の難敵はDランクダンジョンのダンジョンボスだ。
現状このリボルバーがあればEランクダンジョンのボスは何とかなりそうではある。
それに対し指定するDランクダンジョンを俺は簡単で罠がない代わりに、魔物が非常に強いダンジョンに選んだので今からここを目標地点としてスキルを考えていこう。
狩り効率を上げてレベルアップも考えたいが、効果が薄いしな。
ということで、方針を固め、残りの三日間をすべて費して一階層へと籠もり、新たに取得したスキルも試しながらゴブリン達を狩っていった。
そうしてようやく4日目の朝、再び3階層へと入っていく。残っている銃弾は28発、一気にここをくぐり抜けいよいよダンジョンボスへと挑むときがきた。
無意味な戦闘は避けつつ、それでも遠距離武器持ちが相手にもいるので銃弾も消費しながら前へと進んでいく。
そして一番奥には次の階層への入り口ではなく、平原を遮るように決して壊せないアダマンタイトの城壁と無人の門があった。
この先がダンジョンボス戦の間だ。残りの銃弾11発を確認する。
入れば倒さなければ出てこれないし、戦闘中のリロードが何回もできる暇があるとは思えないので、これで十分だ。尽きる前に決着をつけてやる。
「頼むぜ、相棒」
っと拳銃の思い出が高二病のせいなのか、はたまた頭にこびりついていたダンディズム意識なのか。
意味不明な言葉で己を鼓舞し、門を開けた。
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