控えめカワイイ後輩クンにイケメンの俺が本気になる話

ずー子

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おまけ(後輩視点)


 合宿での夜。残りの夏休みはどう過ごすのかと聞かれたので「課題頑張ります!」と答えた僕に、先輩は呆れた顔をした。
「まあ、せーちゃんらしいけど」
 そう言って苦笑しつつ、先輩は僕の頭を撫でてくれる。優しい手つきが心地良くて思わず目を細めると、先輩は「かわいい」と言って額にキスを落とす。あまりスキンシップは得意じゃないから、こうして触れられると、どうしていいかドキドキして戸惑ってしまう。
 僕は正直先輩とどう接すればいいのかわからなかった。勢いで付き合うことになったけど、結局先輩の本心はわからないままだし、僕は先輩に好かれているという自信もない。地味だし。
 だから先輩とどう接していいかわからなくて、いつも困った顔ばかりしてしまう。そんな僕に先輩は「これからゆっくり慣れていこうな?」と言ってはくれる。だけど。
(僕ってやっぱりズルいのかな……)
 お酒飲んで、そのままなし崩し的にセックスまでして、好きとか言ってしまって。その罪悪感も感じつつ、でも先輩に抱かれて嬉しかったのは事実だし、先輩が僕以外の女の子を抱いてたことも悲しいと思ってしまう。自分がどうしたらいいかわからない。
(嫉妬する権利なんて、持ち合わせてないのに…)
「せーちゃん、どうした?暗い顔して」
「えっ、なんでもないです!」
 慌てて首を振る僕に先輩は不思議そうな顔をしたが、すぐに優しい笑みを浮かべた。先輩の笑顔はやっぱりかっこいいな、なんて思いながらぼんやり見ているとその顔が近くなった。
「ちゅ♡」
「!?」
 突然キスされた。そのまま抱きしめられて、僕の心臓はバクバクと高鳴ってしまうのだ。ドキドキするけど、すごく安心するし、嬉しい気持ちにもなる。不思議。
「せーちゃん可愛い。マジ好き」
 そう耳元で囁かれて、顔が熱くなるのを感じる。先輩は本当に僕のことが好きでいてくれてるんだって実感すると嬉しくなる。いつだって自身がない僕。
(僕も先輩のこと、好きになっていいのかな?)
 先輩が優しくしてくれるから、ずっとそばにいたいと思ってしまう。いつか飽きられるかもしれないと思いながらも、僕は先輩から離れられない。
(いつか先輩に飽きられるまで、そばにいたい)
 そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、先輩は優しい笑みを浮かべてくれていた。その笑顔は綺麗で、なぜか少しだけ怖い、とも思った。

「せーちゃん、合宿の時から思ってたけど、ちゃんと飯食ってるか?」
 薄い…と呟かれながら肌を撫でられ、僕は思わず「ひゃっ!?」と声を上げる。夏休み中は海翔先輩と毎日のように会っていて、今日は僕が先輩の家に遊びに来ていた。綺麗なモデルハウスみたいなイメージだったけど、意外と服が脱ぎ散らかされてて、僕は掃除しながら先輩の話を聞いていた。
「せ、先輩だってそんなに食べないじゃないですか」
 思わず言い返すと先輩はニヤッと笑う。その笑顔はずるいと思う。僕はドキドキしてしまうのだから。
「俺はいいんだよ、せーちゃんを食うから」
 そう言って抱きしめられると、やっぱり嬉しいし胸が高鳴る。僕もそっと抱きしめ返すと、先輩は嬉しそうに笑う。
「せーちゃん可愛い」
 ちゅっ♡と軽くキスされて、僕は思わず俯いてしまう。慣れない。この距離感。
「でも細すぎて心配になるな…」
 抱きしめられながら、頭のてっぺんにキスをされる。それがくすぐったくて、恥ずかしくて、僕はドキドキしながら俯くのだ。
「せーちゃん、何が好き?部屋掃除してくれたお礼に好きな物作ってやるよ?」
 先輩は僕の頭を撫でながら、優しく言ってくれる。僕は先輩のこういうところが好きだった。見た目はクールでカッコイイのに、すごく優しくて気遣いができる人なのだ。僕が困ってたらすぐに助けてくれるし、寄り添ってくれる。
「なんでも良いです、海翔先輩が作ってくれるもの、なんでも美味しいから」
「遠慮すんなよ。俺、せーちゃんの好み全部把握してるから」
 ひぇ!ちょっと驚いてしまう。まさか僕の好みまで把握してるなんて。
「先輩、僕に飽きないですか?」
 思わず不安になって聞いてしまうが、先輩はキョトンとした顔をするのだ。そしてニヤッと笑うと僕の頬に手を当てる。
「飽きる?俺が?せーちゃんに?」
 そう言って、先輩は僕の頬を優しく撫でる。その仕草が優しくて、僕はドキドキしてしまう。思わず目を逸らすと「こっち見ろよ」と低い声で囁かれる。その声にゾクッとして先輩を見ると、彼は熱っぽい目で僕を見つめていたのだった。
(なんかやばい……)
 そう思った時には遅かった。
「ん…んっ♡」
 いきなりキスされて、僕は目を白黒させる。先輩の舌が僕の口の中に入って来て、歯列をなぞったり上顎を舐めたりするのだ。それだけでゾクゾクとした快感に襲われて力が抜けていくのを感じる。
「あっ……んんっ……」
 声を漏らす僕に構わず、先輩は更に激しくキスをしてきた。息すら奪うような深い口付けに、僕は酸欠で頭がクラクラしてしまう。やっと唇が離れた時には、もう何も考えられなかった。
「せ、先輩……」
 とろんとした目で見つめると、先輩は優しく僕の髪を撫でてくれるのだ。その手つきがとても優しくて気持ちいいので、思わず目を細めてしまう。
「せーちゃん本当鈍感だな…?俺がどんだけせーちゃんのこと好きか、全然わかってないじゃん」
「え……?」
 思わず聞き返すと、先輩は拗ねたような顔をする。その顔は可愛いけど、僕の頭はまだぼーっとしていて上手く考えられないのだ。
(僕が鈍いって……どういうこと?)
 そう考えていると先輩がまたキスしてくるので思考が霧散してしまう。
「ふぁ…♡」
「ほんっと、ばかなせーちゃん?やっぱ俺がついててやんないとダメだな?」
 優しいはずの先輩の目が、どこかギラギラした獣みたいな目で、僕は思わず息を飲む。でも同時にゾクゾクして、お腹の下の方がきゅん♡ってするのを感じたのだ。
「せーちゃん、ほんと可愛いな?早く俺のもんになんないかな……」
 そう言って先輩は僕を抱きしめると首筋にキスしてくる。その刺激に体がビクビク反応してしまう。
(先輩のものになるって、どういうこと?)
 僕は先輩のこと好きだけど、先輩は僕のことをどう思ってるんだろう。好きという言葉以上の『何か』があるような、そんな気がして、怖くて、ドキドキしてしまう。整ったアーモンドみたいな瞳はギラギラしていて、獲物を狙う肉食獣みたいな目だった。
「早く全部、俺のものになればいいのにな?」
 そう言ってぷっくりした唇でキスをされると、僕はもう何も考えられなくなるのだった。

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