控えめカワイイ後輩クンにイケメンの俺が本気になる話

ずー子

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花火大会編(先輩視点)


「人すご」
 去年は黒マスクと浴衣だったが、今年は動きづらいからやめてしまった。女子ウケはめちゃめちゃ良かったが、抜け出す時に女子から「海翔だけずるい」とか言われそうだし。予想以上に人が多くてうんざりする。しかも暑いしうるさいし最悪だ。
「全然進まねぇな……」
 思わずぼやくと、近くにいた他の男が「んだなー」とやる気なく返してきた。サークルの暇なやつで来てるので、せーちゃんは他の一年と一緒に少し前を歩いている。それを後ろから俺はそっと見つめていた。
 ちなみに夏合宿で山本キャプに抱かれた女1のマドンナは、そのままキャプテンの女になったらしく、気合の入れたヘアセットに勿論浴衣で腰を抱かれて歩いている。買って貰ったりんご飴を舐めながら、時折キャプテンを見上げては幸せそうに微笑んでいる。
 その隣を歩いている山本キャプは、相変わらず女に甘い感じで「買い過ぎだって」と注意しながらもデレデレしてて、俺はそれを冷めた目で見ていた。
(こいつも大概だよな……)
 寝取られた女も女だけど。そんなことを考えながら前行くせーちゃんへと目線を向ける。不意に目が合うと、小さく微笑む。目だけ優しいカーブを描く、その表情が可愛くて思わずニヤけてしまう。
(はー…せーちゃん可愛い)
 服のセンスが破滅的に無さすぎて俺の要らなくなったやつとか着せてるんだが、我ながら最高に可愛いと思う。いつものメガネもないから横顔がより綺麗に見える。屋台の明かりに照らされて、めちゃめちゃ綺麗だと俺は思う。
(早く二人きりになりてぇな…)
「りりかちゃんめちゃ可愛いな」
「お前あーゆーの好み?」
「キャプと戦うつもりねーよ」
「てかまだ彼氏と別れてないんだろ?かっわいそ。練習後必ずどっちかの家でハメまくってるらしいぜ」
「まじ?えぐ」
 俺の考えなんて知らない周りのする、下世話な会話にイライラしてしまう。興味ないわ。てか早く抜け出してせーちゃんとイチャイチャしたいんだわ。ビールを傾けながら悶々とする。
「まあもうりりかちゃん戻れねぇな。完全にキャプの女の顔になってるし」
「てか乳首浮いてね?まさかノーブラ?」
「やべーな、キャプの女になるとヤリマンになるって言うけど」
「すぐ男咥え込むしなあ」
「お前も合宿ん時りりかちゃんハメただろーに」
「彼氏クンかっわいそ」
 ゲラゲラ笑いながら下品に話す奴らが許せない。ていうかこいつもキャプテンと穴兄弟とか笑えねぇんだけど。まあそいつらは無視してせーちゃんだけ見ることにして前を向くと、不意に後ろから声をかけられた。
「ね、かいと?退屈そうだし、抜けちゃわない?」
 フルメイクの3年女子に声かけられる。アップにしてるからうなじも見えて、まあ確かに悪くはない。可愛いっちゃ可愛い。
「あー…」
 でも今の俺にはせーちゃんがいる。可愛くてならない、大事な後輩。前の俺なら即決してどっかでハメてたけど、今はせーちゃんがいるからそういう気分じゃない。
(どうすっかな……)
 そう考えていると、不意に背後から声が飛んできた。
「ちょっとひなつ!何かいとに絡んでんの?」
 怒り気味の3年女子集団から制止の声がかかり、ひなつと呼ばれた女も「やば」と焦っている。
「抜け駆け禁止ってか?」
「かいとクンモッテモテ」
「あー…」
 マジでだるい。早く帰りてぇ……と溜息を吐くと、前を行くせーちゃんが不安そうな顔をしてこちらを振り返るのが見えた。
(せーちゃん…)
 俺と目が合うと、彼は安心したように表情を緩ませた。そんな顔をされると、今すぐ抱きしめてキスしたくなるけど我慢する。あとでたっぷり可愛がってやるからな?
「いーよ、俺抜けっから」
「おい!」
「ちょっとかいとぉ!」
 後ろからかけられる声を全部無視して足早に1年男子の集団へと駆け寄る。
「わっ!」
「俺だりぃからせーちゃんと抜けるわ。借りるぜ?」
 ビール片手にせーちゃんの肩を抱くと、振り返ってウィンクする。誰も何も言わない。てか言わせねぇし。
「先輩……いいんですか?」
 不安そうに見上げてくるせーちゃんの肩を抱き寄せると、俺は耳元で囁いたのだ。
「いいって、それよりお前とイチャイチャしたいからさ」
 そう言って笑うと、せーちゃんも嬉しそうに笑ってくれた。その笑顔を見て、俺はどうしようもなく愛しい気持ちになってしまうのだ。

「先輩、どこまで行くんですか?」
 せーちゃんと人混みをかき分けて歩く。普段は眼鏡だけどこういうときだけコンタクトにしたせーちゃんは、人目を引くようで、さっきからすれ違う男がチラチラ見ているのがよくわかる。
(あー……腹立つ)
 こいつは俺のなのに、なんで他の男にジロジロ見られなきゃいけねーんだよ。イライラしながら歩いていると、不意にせーちゃんが話しかけてきた。
「先輩、さっきはありがとうございました」
「あ?何が」
「一緒に抜けたかったから、嬉しくて…」
 そう言って微笑む姿が可愛くて、思わずドキッとしてしまう。
(あ、やべ……)
 そう思った時には遅かった。俺のモノが反応してしまったのだ。慌てて隠すけどもう遅いだろう。それにせーちゃんも気付いたみたいで顔を真っ赤にして俯いてしまう。可愛い。
「せ、先輩……あの……」
「あー、ごめん」
 そう言って頭を掻いて誤魔化すけど、俺も勃ってるから全然誤魔化せてない気がする。こんな人の多いところで勃起してる場合じゃないってのに!
(くそ……せーちゃんのせいだからな?)

「んっ…♡」
 境内の雑木林に連れ込むとせーちゃんは恥ずかしそうに俯く。そういうウブな感じがたまらなくて俺は彼の顎を掴むと強引に口付けた。舌を差し入れるとおずおずと絡めてくるのが可愛くて仕方ない。
(あー……まじで可愛い)
 結局部屋まで我慢できなかった。外だから最後まではするつもりないけど、少しだけ味見するくらいは許されるだろ?
「せーちゃん、口開けて?」
 そう言って指で唇をなぞってやると、せーちゃんは素直に口を開けるのだ。
(あー……エロ)
 その小さな口に自分のモノを突っ込んでやりたくなるけど我慢する。まずは舌だけ出して舐めてもらうことにする。たまんねぇ。
 去年の花火大会の時教えてもらったこの場所は、他にもカップル数組居て、キスしたりエロい声上げたりしてる。そういう場所だってわかってるから、俺もせーちゃんもどんどん興奮してしまうのだ。
(抱きてぇなぁ…)
 キスだけでも満たされるけど、それ以上を望んでしまう。せーちゃんの肌に触れたい、触れられたいと思ってしまうのだ。
(でも我慢しないと、な……)
 外だし。そう思いながら、俺は自分のモノを取り出すと、せーちゃんに握らせる。そして彼の手の上に自分の手を重ねると上下に動かし始めたのだ。
「先輩……♡」
 俺が何をさせようとしているのか察したせーちゃんが、恥ずかしそうにしながらも俺の手の動きに合わせて擦り始める。その光景がたまらなくエロくて興奮するのだ。
「き、キモチイイ、ですか…?ちゃんと僕、できてます、か……?」
「ん……上手だよ、せーちゃん」
 そう言って頭を撫でてやると、彼は嬉しそうに目を細める。その姿が可愛くて仕方ないのだ。
(あー……まじで可愛い)
 そう思うと我慢できなくなってくる。一気に昂ってモノも限界を迎えそうなのだ。
「せーちゃん、出そう……」
 そう言うとせーちゃんはしゃがむと俺のモノを口に含んだ。
「なっ…!」
 そして小さな舌で一生懸命舐めてくれるのがたまらない。それだけでイキそうになるくらい気持ちいい。
「くっ…!」
「んっ…♡」
 俺は思わず彼の頭を掴んで引き寄せると、そのまま口の中に射精してしまったのだ。せーちゃんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに喉を鳴らして飲み込んでくれる。
「は……っ♡」
 飲みきれなかった精液が口の端から零れるのが見えてまた興奮するのだ。思わずその口元を指で拭ってやると、彼は恥ずかしそうな顔をするのだった。
(あー……やば)
 そんな姿にすら欲情してしまう自分がいる。抱いて、押し倒して、鳴かせてやりたくなるのだ。
「先輩のココ、またちょっと硬くなってます…♡」
潤んだ目で見つめられ、俺はぐっと飲み込む。
(帰ったら覚えてろよ…)
 俺の気も知らないせーちゃんは、ふと夜空の方へと目を向けた。
パァン!
 花火の打ち上げが始まって、せーちゃんは立ち上がってそちらに顔を向けていた。俺はそれすら腹が立って、せーちゃんの顔を自分に向けると、そのままキスをした。花火を見ていたからか、せーちゃんの目はいつもよりキラキラして見えた。俺は花火に背を向けたまま、ぎゅっとせーちゃんを抱きしめたのだった。

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