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おまけ
◯◯しないと出れない部屋⑤(エリオスとレイナード)
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「キスぐらいじゃダメだとすると何が条件なのか」
お互い祖国ではすでに成人扱いの年齢ではある。レイナードはさておき、エリオスには「領土奪還」と「親友の解放」という覚悟を持って生きている。任務であってもまあやれる。やり遂げる。それが「親友以上恋人未満」の間だからちょっと踏ん切りがつかないだけである。
ただ、先程のキスでエリオスは思い知らされた。コイツ、多分ここの国の人間にも同じことしてる。そもそも、昔からそうだった。レイナードはあらゆることを怒涛の可愛さだけで乗り切ってきたのだ。そしてそれは今や、かつて一番近くにいたエリオスだけに向けられているわけではない。また一つ、エリオスにとって許せないことが増えてしまった。
「え、エリオス」
「…何?」
「顔、怖いんだけど…」
「…そう?気のせいだろ?」
「いや、絶対違うよね!?」
まあ怒ってはいる。何も知らないような純情ぶってると思ったらキスだのなんだのしてくる魔性さにキレている。そしてそれが自分以外の人間にも向けられていたる事実に、エリオスはキレている。
一度だけ大きなため息をついた。そして顔を向けて口を開いく。考えるのに、エリオスは疲れてしまった。
「…しよ。レイ。セックス」
なので直球すぎる言い回しになってしまった。レイナードが固まったのは数秒後である。
「え、は?へ?」
レイナードは目をぱちくりさせている。
「え、ぇええぇえ!?」
「…声でっか」
あまりに幼稚な反応にエリオスは怪訝な顔になる。なんだその初心な反応。レイナードが意味がわかっていないのかと思って顔を見ると、真っ赤になって固まっていた。
「お前さぁ……」
レイナードの表情の豊かさに、エリオスは少しだけ毒気を抜かれる。こいつは本当に感情が表に出やすい。だが、それとは別に自分のやろうとしてることが相当ヤバいことでもあるわけで。
(まあ……ここには僕たちしかいないし、いいか)
元からエリオスは開き直っていた。そうでなければこんな大胆なことも出来ない。
「で、でも僕たち、男同士だし」
「問題ないだろ。元の国でも男同士って珍しくなかったし」
「いやそうなんだけど!そうじゃなくて!あの、その!」
レイナードは真っ赤になってどもる。
「だから何?」
エリオスはイライラしながら聞き返す。自分ばかり意識しているようで悔しい気持ちになる。
「その……まだ早いんじゃないかなって……」
「……」
「…エリオス」
「僕はもう済ませていた」
「ひぇ!?」
何なら成人である15になった日に経験済みである。もちろん、任務でだ。当然のことをしているだけである。そもそも童貞という概念もないし、レイナードがなぜそこまで動揺するのかエリオスにはわからなかった。
(こいつ、ほんっと初心だなぁ……)
エリオスは呆れたように溜息をつく。
「あ、うそ…そうなの…?」
大ショック受けましたと分かりやすく項垂れ、目線が下向きになっている。なぜここまで動揺するのかよく分からなかったが、なんとなく優越感が生まれる。
「エリオス…そっか、はは…」
(動揺してるの、ちょっと可愛いかも)
むずむずしだしたエリオスは「なので」と強引にレイナードを押し倒す。
「やろう、レイ」
「わー!待って待って待って!心の準備が!!」
「なんの」
「え、エッチする準備とか、その……」
「……」
逃げる気だなコイツ。
真っ赤な顔してもじもじしてる姿を見るのは悪くないけどそれとこれとは別である。
「最後までするならいるけど」
「さ、さいごとは!?」
「別にいいだろ似たようなことはやってたし」
「プロレスごっこの話!?それも大体僕負けてたけど!」
「ほら、さっさと下脱いで!始めるよ!」
「え、エリオスが体術の先生みたいになってる…」
こっちだって余裕ないんだから煽らないで欲しい。イライラしながらエリオスは押し倒したレイナードに下半身を擦りつける。その意味と意図を悟ってレイナードは口をパクパクさせた。
「は、はわ…」
「ほらもうやるから。覚悟決めて。出たいんでしょ?」
僕は別にどっちでもいいけどというエリオスに反してレイナードの反応はどこまでも初心である。
「わ、わわ…わわわ…」
「ムードないやつ」
もっかいキスでもすれば変わるかなと顔を近づけた時だった。
「レイ!無事か!?」
バーンと扉が開いた先、レイナードを探し回って血相を変えたヴィルヘルムと。
「あちゃー…」
どこか疲れた顔をしていたライサンダーがいた。
お互い祖国ではすでに成人扱いの年齢ではある。レイナードはさておき、エリオスには「領土奪還」と「親友の解放」という覚悟を持って生きている。任務であってもまあやれる。やり遂げる。それが「親友以上恋人未満」の間だからちょっと踏ん切りがつかないだけである。
ただ、先程のキスでエリオスは思い知らされた。コイツ、多分ここの国の人間にも同じことしてる。そもそも、昔からそうだった。レイナードはあらゆることを怒涛の可愛さだけで乗り切ってきたのだ。そしてそれは今や、かつて一番近くにいたエリオスだけに向けられているわけではない。また一つ、エリオスにとって許せないことが増えてしまった。
「え、エリオス」
「…何?」
「顔、怖いんだけど…」
「…そう?気のせいだろ?」
「いや、絶対違うよね!?」
まあ怒ってはいる。何も知らないような純情ぶってると思ったらキスだのなんだのしてくる魔性さにキレている。そしてそれが自分以外の人間にも向けられていたる事実に、エリオスはキレている。
一度だけ大きなため息をついた。そして顔を向けて口を開いく。考えるのに、エリオスは疲れてしまった。
「…しよ。レイ。セックス」
なので直球すぎる言い回しになってしまった。レイナードが固まったのは数秒後である。
「え、は?へ?」
レイナードは目をぱちくりさせている。
「え、ぇええぇえ!?」
「…声でっか」
あまりに幼稚な反応にエリオスは怪訝な顔になる。なんだその初心な反応。レイナードが意味がわかっていないのかと思って顔を見ると、真っ赤になって固まっていた。
「お前さぁ……」
レイナードの表情の豊かさに、エリオスは少しだけ毒気を抜かれる。こいつは本当に感情が表に出やすい。だが、それとは別に自分のやろうとしてることが相当ヤバいことでもあるわけで。
(まあ……ここには僕たちしかいないし、いいか)
元からエリオスは開き直っていた。そうでなければこんな大胆なことも出来ない。
「で、でも僕たち、男同士だし」
「問題ないだろ。元の国でも男同士って珍しくなかったし」
「いやそうなんだけど!そうじゃなくて!あの、その!」
レイナードは真っ赤になってどもる。
「だから何?」
エリオスはイライラしながら聞き返す。自分ばかり意識しているようで悔しい気持ちになる。
「その……まだ早いんじゃないかなって……」
「……」
「…エリオス」
「僕はもう済ませていた」
「ひぇ!?」
何なら成人である15になった日に経験済みである。もちろん、任務でだ。当然のことをしているだけである。そもそも童貞という概念もないし、レイナードがなぜそこまで動揺するのかエリオスにはわからなかった。
(こいつ、ほんっと初心だなぁ……)
エリオスは呆れたように溜息をつく。
「あ、うそ…そうなの…?」
大ショック受けましたと分かりやすく項垂れ、目線が下向きになっている。なぜここまで動揺するのかよく分からなかったが、なんとなく優越感が生まれる。
「エリオス…そっか、はは…」
(動揺してるの、ちょっと可愛いかも)
むずむずしだしたエリオスは「なので」と強引にレイナードを押し倒す。
「やろう、レイ」
「わー!待って待って待って!心の準備が!!」
「なんの」
「え、エッチする準備とか、その……」
「……」
逃げる気だなコイツ。
真っ赤な顔してもじもじしてる姿を見るのは悪くないけどそれとこれとは別である。
「最後までするならいるけど」
「さ、さいごとは!?」
「別にいいだろ似たようなことはやってたし」
「プロレスごっこの話!?それも大体僕負けてたけど!」
「ほら、さっさと下脱いで!始めるよ!」
「え、エリオスが体術の先生みたいになってる…」
こっちだって余裕ないんだから煽らないで欲しい。イライラしながらエリオスは押し倒したレイナードに下半身を擦りつける。その意味と意図を悟ってレイナードは口をパクパクさせた。
「は、はわ…」
「ほらもうやるから。覚悟決めて。出たいんでしょ?」
僕は別にどっちでもいいけどというエリオスに反してレイナードの反応はどこまでも初心である。
「わ、わわ…わわわ…」
「ムードないやつ」
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どこか疲れた顔をしていたライサンダーがいた。
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