前世の記憶さん。こんにちは。

満月

文字の大きさ
31 / 142

塩分が課題?それとも···

しおりを挟む
それからシンジュは何を1品教えるか悩んでいた。



塩分過多の料理に意味があるかもしれないと思ったからだ。

なぜならドワーフの多くは高温な場所で仕事をしている。鍛冶場では高温で素材を溶かし武器を作ったり、鉱山では火山や地熱のある場所で仕事すると聞いたことがあった。それならば塩分過多でもいいのでは?と思ったが、いくら汗をかいて塩分を必要としても多すぎる。さらにお酒を飲むから脱水を起こすのでは?と考えていた。

シンジュが1人の世界に入って悩んでいる間、エメ達は3人で話していた。


「おめぇあの嬢ちゃんとどんな知り合いだ?昨日鉱山ギルドでも何かやったろ?噂になってんぞ!ギルド長が小躍りする姿なんて初めてみたぞ。」料理長はギルド長の小躍りを思い出し寒気がした···ブルブル


「シンジュ様?ぼくをたすけてくれた。なんでも知ってるよ。そしてね、つよい、かっこいい···ぼくだいすきなんだ。」へへへ

話を聞いていたボリスは温かい目線で、
「それはよかったなぁ。お前の見かけから何か訳ありかとは思ったが、良いお嬢さんに助けてもらえてよかった。ここはほとんど竜人は来ないから安心して過ごせるぞ。なんかあったら助けてやるからな!!!」と言った。


「うん!お兄ちゃんありがと!ぼくうれしい。」
エメは自分に優しい人ばかりで何度も驚いた。
今までは周りの人達は厳しい者ばかりだった···シンジュと同じくドワーフが大好きになった。


「料理長さん、油ってある?食用で使える大量の油がほしい!」やっと復活したシンジュが料理長に声をかけた。

「あぁあるぞー!おいおめぇ家から取ってこい。母ちゃんに伝えてこい。」
はいと走って見習いはどこかに向かった。


「油なんかどうすんだ?」

「油で揚げ物をするよ!深い鍋と芋はまだある?」


「揚げ物?聞いたことねぇな。それならあるぞ。」
と困惑しながら厨房に準備をしに行った。


「シンジュ様 なにつくるの?ぼくもやる。」
エメはやっと何かが始まってワクワクする。


「油っていうもので芋を揚げるよ!すごく簡単だけど、油は危ないから芋を一緒に洗おうね。」


「分かった!!!ぼくたのしみ!!」

僕でも役に立てるかもしれない。頑張らないととエメは気合を入れた。

そんな姿を見てシンジュは苦笑いをした。

何を作るかたくさん悩んだが、肉の下処理は流石に出来ないと思った。豚や牛がいるのか?それとも魔物の肉なか、、それすら分からなかった。そのため目の前のマッシュポテトで使われている『芋』が思い浮かび、芋と言ったらフライドポテト···と連想ゲームのような発想でフライドポテトポテトを作ることになった。

ダンダンダンダンと駆け上がってくる音が聞こえ、「料理長もらってきたぜ!でも奥さんから伝言!!!作ったら持って来いって。」


「おうわかった。かあちゃんは何してた?」

「えーーーっと何か金を磨いてた。ギルド長からインスピレーションもらったとか何とか?俺は意味がわからんかった。」

「アイツ!また動いてんのか?休めって言ったのによ」ッチ


なになに?エメと目があった。聞いてほしそうな瞳で訴えてくるエメに負け「あのかあちゃんって?金を磨く?」


シンジュ様困ってる?僕は黒いやつを知ってるぞ。

「料理長、黒いやついるよ!ぼく見たもん。洗うと白くなるよ?シンジュ様は正しいことしか言わないからやってみてよ?」

「小僧ほんとか?俺は大丈夫だけどな、」

言い訳ばかりする料理長に向けて

「じゃあ料理長はそのままでいいですよ。見習いさん?は必ず洗ってください。万が一がありますから、奥様にお出しする料理は見習いさんが作ったものをあげます。」


「どういうこった?」


「汚い手のまま料理をしたものを妊娠中の奥様が食べた場合に具合が悪くなることもありますよ?妊娠は病気じゃないけれど、通常と身体は違いますからね。」


「は?ほんとか?やる。やる。洗ってくる。」

それ聞いて慌てて洗いに行った。



ここまででだいぶ時間が過ぎている···ハァーともう一度溜め息をつき、今日は外に出られなそうかな?と考え始めた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。 友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。 マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に…… そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり…… 武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

召喚聖女の結論

こうやさい
ファンタジー
 あたしは異世界に聖女として召喚された。  ある日、王子様の婚約者を見た途端――。  分かりづらい。説明しても理解される気がしない(おい)。  殿下が婚約破棄して結構なざまぁを受けてるのに描写かない。婚約破棄しなくても無事かどうかは謎だけど。  続きは冒頭の需要の少なさから判断して予約を取り消しました。今後投稿作業が出来ない時等用に待機させます。よって追加日時は未定です。詳しくは近況ボード(https://www.alphapolis.co.jp/diary/view/96929)で。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。 URL of this novel:https://www.alphapolis.co.jp/novel/628331665/937590458

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

処理中です...